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パチ7の5周年記念祭!的なもの
2019.12.11
改行・空白行・構成・冒頭……WEBライターに求められる文章の書き方とは?
岡井モノ:ライター兼パチ7編集部員(別館) パチ7の5周年記念祭!的なもの
どうもみなさん御機嫌よう、岡井です。
不肖ながら私も文章を書いて原稿料をいただく仕事をしていますが、そもそも良い文章とはどのようなものでしょう。パチ7でもお題帳や自由帳コンテストが開催されていますが、時折「どう書けばいいのかわからない」「どこを評価されるのかが知りたい」といった意見も耳にします。
というわけで、今回はお題帳出題からコンテスト審査員までも務めさせていただいている私から、文章を書くポイントについてお届けします。私個人の考えだけではなく、複数の意見をまとめた座談会を開催して記事化したので、ある程度普遍的なものにはなると思います。
文章の賞レース等で思うような結果が出ないという方はこの記事を読めば次回以降に繋がる……かもしれません。それ以外の方にはパチ7的文章講座としてお役立ていただければ幸いです。
文章評価と賞レースについて
座談会の前に、文章の評価ということ自体について少し説明しておきます。
パチ7で開催された自由帳コンテストを例にすると、予選の審査方式は全ライターと編集部員による投票方式でした。つまり各審査員が個別に良いと思う投稿者へ投票する方式であり、自由帳内での「いいね」数等も関係ありませんでした。当然審査員によって好みも評価基準も異なります。なのでこう書けば絶対正解というものは存在しませんし、逆もまた然りです。
これは自由帳コンテストに限ったことではなく、一般的な小説賞等でも各審査員が投票方式で審査することは多く、審査員の好みを読んで作風を変える人もいるくらいです。なので変な話ですが、これから出る文章のポイント等を絶対視し過ぎないでください、あくまで支持されやすいポイントという話なので、迷ったらこうするくらいの気持ちで良いかと。
なお、文章に限ったことではありませんが、コンテストは詳細な審査基準の公表や落選者個別へのアドバイスは無いのが普通です。厳しいようですが、何がダメだったのかを自分で気づけないようでは評価のテーブルに乗ることすら難しいと思います、ってマスク・オブ・ジ・ワイルドさんも言ってました。
この記事はあくまでコンテスト参加者への感謝と、今後文字書きを志す方に向けた指針のようなものです。一般的な小説コンテストなんかではほとんどみられない落選者へのアドバイス的な側面もあります。いやホント、編集長のサービス企画なんですよ。
座談会した三人のおじさん
【あしの】
自由帳出身者。テキスト大好きおじさんであり、自由帳コンテスト投稿者に全コメするマメさもみせる。コンテスト首謀者の一人でもある。
代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター
【岡井モノ】
自由帳出身者。これを書いている人。「どうせヒマだろ」と編集長に強制参加を命じられ憤慨するも、冷静になると実際ヒマだった。
代表作:オカイ☆サロン
【パチ7編集長】
パチ7の長でありテキスト大好きな変態。テキスト大好きユーザーさんに何かしたいと今企画を立ち上げた精神は立派だが、5周年オフ会開催日程は完全に腐らせた男。
はい、以上3名です、なんせ緊急企画だったので。でも内容はちゃんとしてるから大丈夫、多分。ちなみに今回ご紹介するのはこんな内容になりました。
はい、とても楽しみですね、楽しみですよね? それじゃあ、座談会始まるよっ!!
「いつも思ってるけど、人に読んでもらうことを前提にすると、『タイトル』はホント大事よね」
「たしかに、タイトルでグッと惹きつけられたりしますもんね」
「著名人でもない限り“10年前の思い出”みたいなタイトルだと魅力は弱いかなぁ。昔の話ってことはもちろん理解できるけど、ただそれだけ」
「その例で言うと、10年前に何があったのか、具体性を出すのが基本。10年前なんか読み手によって何歳かが変わるから、そもそも難易度高いけど。オシャレ感というか、独創的なものにしようとしすぎる人は多いよ。小説とかであれば別だけど。この記事が楽しそうなのか、自分に役立ちそうなのか。タイトルで判断されるからね。読まれなければどんなハイクオリティな記事も意味がない。んまぁ、岡井もあしのもタイトル付けそんなに、というか、うまくないけど」
「おい」
【岡井まとめ】
多くの作品を比べる時、人がまず目にするのはタイトルです。そこで魅力的な単語が並んでいたり、興味を引く文言があればそれだけで一歩優位に立てます。悩んでいる人は作品全体を象徴する言葉や、オチ部分をうまく言い換えた言葉なんかを考えてみてはいかがでしょうか。WEB記事で言うと、トリッキーさ、よりも共感が大事かもしれません。 |
「冒頭でのつかみも大切ですよね」
「特にWEB文章では重要。本、雑誌と比べると接する時の意識の差もそうだけど、基本、視点の動きは上から下にって固定されるからね」
「いきなり結論から書くとか、疑問形で読み手に呼びかけるとか」
「確かに。わかりやすい文章として冒頭結論アリだし、疑問形も導入としてはオーソドックス。◯◯で困ったことありませんか? とかね」
「特徴がある場所、共通認識が持てる場所だと、地名とかをシンプルに置いても想像をかきたてられるかも」
「そうね。北海道とか沖縄とか、京都とか。万人がほぼ同一のイメージを抱ける場所は強いね。まぁ構成の話でもあるんだけど、どんなものでも流れは大事だよね」
「つかみが印象的だと、読む推進力になりますね」
「これからこんな話がはじまるのかな、と想像させられると強い」
【岡井まとめ】
長文に対面した読者の途中離脱が最も多いのは冒頭です。WEB文章の場合も開始2、3行読んでつまらないと判断されると即ブラウザバックされることも珍しくありません。 面白そうな設定を並べる、時系列を入れ替えてクライマックスシーンを先出しする等方法は様々ですが。第一印象は文章においても本当に大切です。 |
「改行・空白行を多用する人が多い印象がある。いわゆるブログみたいな間の取り方だね」
「句点(。)で必ず改行、そして読点(、)でも改行、さらに文節ごとに1行開ける、みたいな」
「ブログ文章も悪くはないけれど、幼稚な印象は拭えないかなぁ。狙ってやっているならいいんだけど……」
「なんとなくリズム感が出る気がするから、良さそうには思えるんですけどね」
「接続語なんかが無くても改行でごまかせちゃうから、便利ではあります」
「4~5行開けて単語1個づつちりばめる書き方なんかも散見されるけど、これを乱発する人も多いよね。」
「私これエロゲー文章って呼んでます」
「クリックする毎にウィンドウに単語出てくるヤツ(笑)」
「テクニック的に使うにしても、使用箇所を限定して欲しいかなぁ。強調したい時に敢えてリズムを崩すとか。多用すると間延びするだけになっちゃう」
【岡井まとめ】
補足しておきますが、ここではライターとしての書き方を語っているので、ブログ的な書き方そのものを批判しているわけではありません。ただ、商業で書く場合やコンテスト等に応募する際は、文体に気を付ける必要もあるという話です。 読みやすい読みにくいは個人の感覚ではありますが、「文章が整理されて読みやすい」ことと「文字間隔が広くて認識しやすい」は別の事です。もちろん全く改行されないのも困りものですが。 |
「文章量が多くても、構成がちゃんとしていると読みやすいよね。読みやすさも面白さも、個性も『構成』に宿る。小手先の言葉遊びや言葉選びにはあんま宿らない。まぁそもそものネタの面白さも大事だけど」
「前フリからオチへの流れとか、時系列を理解して描写してる人はコンテストでも決勝に進む人が多かった」
「お題をしっかり意識してお店やスタッフの話が出てた人は、うまい印象でしたね。落選した人もこういう面で内容がよかった人は多い」
「時系列でなくても、一貫したテーマに沿って記述されていると読み手も納得できるね」
「文字表記に関してはどうですか?」
「数字を半角と全角で表記ぶれしている人なんかは統一すべきかな、基本は半角。あと機種依存文字も基本は避ける」
「細かいテクニックだけど、句読点の付け方、語尾、繰り返し表現を避ける、漢字やひらがなの連続を避ける。こんなところを気をつけるだけで、随分と文章にリズムが出来て読みやすくなるね。あ、あとネットスラングの扱いには注意した方がいいと思うわ。例えば語尾に着ける“w”は小馬鹿にしている印象がついてしまうから、会話文以外では避けたほうがいいね」
【岡井まとめ】
文章構成について考えたことが無い人に向けて説明するならば、どの部分でどの話をするかが整理され、組み立てられたものが(構成された)わかりやすい文章になるということです。序論・本論・結論や起承転結も文章構成の一種ですね。 その場で求められる文体を理解することも必要です。親しい友達に連絡する時と、会社の上司に報告する時の文体は全然違いますよね。あなたにとっての“いつものノリ”が読み手に通じる場面は少ないと思っていた方が無難です。残念ながら自分で思っているほど読み手はあなたの文章に興味がありません。 |
「誰に向けているのか、何を伝えたいのかはしっかり意識して書けるかどうか。読み手がいることを意識できるかどうかが、商業で書くライターにとっては本当に大事な一歩目だと思うよ」
「自身の面白アピールに終始していて、肝心の内容が入ってこないとかは多少書ける人ほど陥りがちかも」
「ちなみに佐々木真さんも自由帳コンテスト予選に関してはこんなことを言ってます」
【佐々木真】
『全体論としては、自分の中で面白いエピソードを思い出すのではなく、伝えたいことが軸で、それに合うエピソードを探して欲しかったかな』
「うん、結局はそういうことかもしれないね。伝えたい1点を決めて、そこに繋がるような構成が理想かな、タイトルからオチまで。色々伝えようとしちゃうと、結局何も印象に残らない。一点に絞ったほうがいいことが多いね」
【岡井まとめ】
文字書きに臨むための心構えとして“何を伝えたいか”はとても重要です。ここがしっかりしていれば、おのずと読みやすい構成や、伝わりやすい表現なんかが身に着くと言っても過言ではありません。 オシャレな表現や笑えるテキストはあくまで味付けでありオプション、自分はこれが伝えたいんだとしっかり意識できていれば、話のまとめ方で悩むこともかなり少なくなるはずです。 |
「寝かせですね。完成させたら一晩寝て、翌日読み直すとかかな。昨日の自分なんか変なこと書いてるなって気づくときありますし」
「何度か色んなところで書いてるけど、読み直し時は『音読』がいいですよ。音読でつっかえたところは、何かがおかしい」
「誰に読ませるか、ターゲットをどうするか。これを明確にイメージするのが大事かな、なかなか難しいことだけど、不特定多数が読む文章でも、まずは身近で具体的な一人を思い浮かべて書くといいかも。例えば、ガチ勢に向けて書くときは、天草のやっさんに読ませるイメージで。逆にエンジョイ勢に向けて書く時は、副編集長のカモ原が読んだらどうなるかな? って。第三者目線を持てると強いね」
あくまでも基本です。
というわけで座談会終了です、テキストおじさん達も熱くなって予定の3倍くらい話してました、まとめる人のこと考えろ。
今回の座談会では「これが上手い書き方だ」という理想を語るよりかは、この表現・書き方は気を付けて使ってほしいという側面が多かったのですが、その分具体的な指摘が多かったのが印象的でしたね。参考になった人も多いのではないでしょうか。
前述したように、こうすれば完璧というものではありません。しかしここに書いていることを意識すれば、少なくともパチ7のテキストおじさん達はほくそ笑んでくれると思います、そして飲みながら語ったりしますし、もしかしたらマスクの編集長がライターのお誘いをかけるかもしれません。
パチ7は今日もあなたの投稿を待っています。
過去に偉そうに講釈を垂れているものもございますので、嫌悪感を抱かない方は是非! 『文章 書き方』とかで検索すれば、たっくさん出てきますし。
【あしの】
◯あしの流・文章力アップアップ道場
◯あしの流・文章力アップアップ講座(会話文・インタビューヒント編)
【編集長】
◯編集長的素敵なWEB文章の書き方①
◯編集長的素敵なWEB文章の書き方②
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- 岡井モノ:ライター兼パチ7編集部員(別館)
- 代表作:オカイ☆サロン
学生時代友人に連れられ、はじめて『ジャグラー』を打って負けたその日、悔しくてなぜか『サバンナパーク』のゲームを買った異端の猛禽。パチ7自由帳において「何か変なヤツがいるな」と思われていたが、何か変なヤツのまま編集部に捕獲されたトリックプレイヤー。日本全国を旅する渡り鳥としての経験を活かしたコラムを、旅情たっぷりに綴るかと思わせながら特にそういうコラムを書いたりはしない。今日も今日とて奇策縦横。
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この記事内ではweb上のみで通用する表現なんかもありますが、独りよがりにならないためにも他者から学ぶことは多いですよね。
お役立ていただけたのなら幸いです。
それなりに書いているつもりでも、後から次々と改善点が見つかる、文章表現は奥深いものですね。
読んでもらいたいという気持ちは私も大切にしています、お互いにがんばりましょう。
ご参加いただき感謝します、Lunaさんのコラムも面白かったです。
来年の開催があるのかは不明ですが、私も期待したいと思います。
やはり、文章において一応のルールや参考になる部分が多々あったのですが、web文章という側面でこちらの記事も大変参考になりました、ありがとうございます。
あとは意識しての反復練習なんだな、と。自分が昔書いたヤツを見直したんですがまぁ酷いもんでした(笑)でもあの頃から言えば多少は読みやすくなってましたから、目を通して貰いたいなって気持ちに対しての努力の成果だと思ってます。
まだやれるな、もっと上手く出来る!そんな前向きな気持ちにさせてもらえる、非常に勉強になる記事でした!
ぜひ来年もチャレンジしたいっすね!
来年のコンテストコラムを書く時に、もう一度読んでから書こうと思います!
来年も楽しみにしてるので、第3回も絶対開催してくださーい(/∀︎\*)