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- 映画監督志望からパチスロ業界へ。異色の経歴をもつ人気ライター『ラッシー』さんのインタビュー!
インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
2019.12.02
映画監督志望からパチスロ業界へ。異色の経歴をもつ人気ライター『ラッシー』さんのインタビュー!
チワッスあしのっす!
さあ業界に生きるいろんな方々の人生について尋ねる企画、インタビューウィズスロッター! 43人目のターゲットは……! こちらパチ7では『パチスロワイルドサイド』を連載中。『パチスロ必勝本&DX』や『パチスロ極&Z』などで執筆活動をする傍ら動画出演なども精力的にこなされているご存知この方。──ラッシーさんです。イエーイ! パチパチパチパチパチ7!
この日のお話を伺った場所は渋谷の居酒屋だったのですが、なんと衣装をご用意して下さってまして、わざわざインタビューの為に着替えてくださいました。なんという人格者。恐悦至極……! 専用衣装を装備してインタビューに臨まれた方は兎味ペロリナさんに続きお二人目。イエア! ありがとうございます!
ちなみにラッシーさんとは去年の年末くらいに浅草で飲んだことがあります。とある劇場に行ったあとに味噌煮込みをツマミながら色々話したのだけど、演劇や映画に造詣が深くて楽しいお酒が飲めたのを覚えてます。演劇。そして映画。今回はその辺がテーマになりそうかな?
──ではでは! 早速行ってみましょう。インタビューウィズスロッター! ラッシーさん編。迫るぜその人生! ゴー!
ラッシーさんはこんな人! |
現在38歳、O型のフリーライター。パチスロ必勝本・パチスロ極・パチ&スロ必勝本。そしてパチ7で執筆中のフリーライターさん。あしのにとっては大先輩にあたるので最初お会いした時は緊張したものですが、実際は落ち着いた物腰で柔らかくお話される方ですぐに仲良くなれました。
好きなゲームは『FF7』。好きな映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』という同世代ならではの意気投合感。何気に小栗旬さんに似ている気がするのもポイントです。 |
山形出身。闇が見え隠れする小学校時代。
「お久しぶりですラッシーさん。今日はありがとうございます!」
「こちらこそ。よろしくお願いします。ああ、インタビュー……。私は割と平凡な人生なんですけど──。大丈夫ですか」
「いえいえ! みなさん大体そう言うんですけどね。掘り返したらなんかしら……。ね。大丈夫です。我々、お会いするのは去年末くらい以来? ですっけ」
「ああ、もうあれ去年末か……。そう。浅草でお会いしましたね。あの時はどうもありがとうございました。楽しかったです」
「こちらこそ。楽しんでいただけたようで何よりです……! さて。最初に基本情報の確認ですね。ラッシーさん今はおいくつですっけ?」
「38です」
「お生まれは?」
「山形ですね」
「お。山形。行ったことないなぁ……」
「山形はねぇ、実は結構広くて、県が4つのブロックに分かれてるんですよね。私が生まれたのは内陸って言って山形市にすぐ出れる所だったんですけど、それでも都会の人からしたらビビるくらい田舎で。なんなら人間より野生動物の方が多い……みたいな。だから、ちょっと歩いたらすぐタヌキが死んでるんですよ」
「うわ、嫌だ」
「ほんとにイヤっすよ。だって小学校の通学路でゴリゴリに死んでるんで。しかも町が結構ぼんやりしてて、回収に時間かかるんですよね。だからもう、そういうのがカラスとかトンビについばまれたり。もう、トンビの腹の裂き方のエグさ。急降下してからやりますからねトンビ。引きますよあんなの。しかも通学路でそれが繰り広げられてるのはちょっと──」
「イヤ過ぎる(笑)」
「ね。イヤですよ。小学校めっちゃ遠かったし。3.8Kmくらいあるんですよ。アップダウンも尋常じゃないし。タヌキも死んでるし──。で、とにかく私の生まれはそういう、ザ・日本の田舎の──もうホント、古き悪き、みたいな農家でした」
「悪くはないでしょう(笑) 何作ってたんですか?」
「今はもう作ってないんですけど米。それからフルーツですね。フルーツも昔はリンゴとブドウだったんですけど、今はリンゴとラ・フランスです。ブドウって、手間がかかるんですよ。雨に濡れたらもう終わり、みたいな。それで『あぁ面倒臭ぇ』ってなって、途中からラ・フランスを作るようになりました」
「へぇ! ラ・フランスは簡単なんですか?」
「ラ・フランスはチョロイです」
「名前偉そうなのに……」
「まぁ、チョロイって言っても果物全般は基本的に繊細なんですけどね──。あとは今はスモモですね。パチスロっぽく言うとプラム」
「ありがとうございます(笑)」
「で、私はそういう農家の長男で。あと姉が居るんですね。で、さっき私は家のこと古き悪き……と言いましたが、田舎の農家って基本的に男子のみが家の子なんですね。女の子はどうせそのうち家を出る、みたいな風潮があって」
「ああ、なんかそういうのありそう」
「はい。なので、ウチの姉はすごい雑に育てられ、そして絵に描いたようにグレて……。なので私は物心ついた時から姉にめちゃくちゃ虐められてました」
「虐め……! そ、それどんな感じの虐めなんですか?」
「そりゃもう、武力──」
「(笑)」
「姉は2つ上なんですけども、フィジカルで勝てないんですよ。年も違うし、女の子のほうが成長が早いし。勝てない。だから私は奴隷みたいな感じでしたよね」
「奴隷……!」
「はい。奴隷です。でも中2の頃に『今だったら勝てるんじゃね?』って初めて思って。ちょっと挑んでみたんですよね──……」
「お。革命だ。……勝ちました?」
「勝ちました。『奴隷生活はもう無理!』って言って。雪の中にジャーマンかましてやりました。下剋上です」
「雪の中にジャーマン! 山形っぽい……」
「ぽいですかね」
「ぽいですよ。ほえー。そんな過去が……。ちなみにラッシーさん、子供の頃の性格とかってどうだったんですか?」
「今とあんまり変わらないんじゃないですかねぇ……。ホント頑固で、逃げ癖があるし」
「頑固で逃げ癖……。というと、なんかエピソードありますか?」
「例えば、当時夕方になるお爺ちゃんお婆ちゃんが相撲を観るんですけど、私はアニメとか観たいじゃないですか。だからチャンネル争いに参加するんですよ。で、負けたらプチ家出する……みたいな。しかも家出って言っても数百メートルとか。ちょっと歩いて、野良猫の声に怯えて帰る……。そんな子でしたね」
「なんか、可愛らしいですね!」
「そうだ。いま娘がそれにすごい似てきてるんですよ」
「あ、娘さんいらっしゃるんでしたね。いまお幾つですっけ」
「今7つですね。もうすぐ8つ。娘ももう何かに『勝てねぇ!』ってなるとすぐ諦めるんです。反骨精神ゼロみたいな。ホント自分の子供の頃を見てるようで。そこがちょっとイヤなんですよね。片付けも苦手だし……。心配です」
「へぇ。イヤなんですね。一般的に『自分に似てる子供』って可愛いって言いませんか」
「そういう風に言う人もいるんですけども、それは勝ってる人の意見です。勝ってるっていうか……。立派な人の意見。勝ち組の発想です」
「勝ち組の発想──!(笑)」
「私は自分が勝ってるとも思ってないし、立派な人でもないので、やっぱ子供が自分に似てると心配になりますよ……」
▲「子供が似て嬉しいってのは、勝ち組の発想ですよ」
「ラッシーさん。山形での幼少期。何やって遊んでました?」
「んー……。割とひとりで遊ぶのが好きだったんですよね。家の周りで……良くわかんない雑草を煎じてお茶にしてみたり。なんか煎じるの好きでしたね」
「前世、茶道家だったんですかね……」
「あとは1人で山に入って、側溝にいる川エビみたいなの捕まえたりとか。それをこうやって家に持って帰って水槽に入れて、一日で死ぬ、みたいな。そういうのを繰り返してましたね」
「なるほど。ひとりで遊ぶっていっても、家でなんかやるっていうより、外でひとりって感じだったんですね」
「そうですね。アウトドアでひとりというか……。たまに姉とも遊んでましたけど、当時は奴隷だったんで。それは苦痛でしたね」
「友達はどうです? いました?」
「友達は──。小学校低学年の頃は近所の奴に虐められてましたね」
「姉に続き……」
「そう。姉に続き。小学校って班で登校するじゃないですか。集団登校みたいな。あれで、一緒の班に恐ろしい奴がいて、そいつにいっつも泣かされて学校行くんですよ。そして泣いたまま学校に着いて、みたいな──。で、通学路には交通指導員っているじゃないですか。あの旗持った──」
「緑のおじさん・おばさん、ですね」
「そう。彼らが、虐めに関しては微塵も役に立たないんですよ」
「(笑)」
「私がこんなに泣きながら歩いてるのに、何もしてくれないんですね。そこで『大人は役に立たない』って気づいたんです。で、もうこの状況から脱却するには、自分が変わるしかねぇって」
「お。すごい。克己心だ。それいつ頃ですか?」
「小2くらいですね。それで、当時の同級生にガキ大将みたいなのが二人くらいいたんですけど、よし、小3からは彼らにタメ口を使おうと思って」
「それまでタメ口じゃなかったんだ……」
「だってそのガキ大将の奴、タメなのに体が1.8倍くらいあるんですよ」
「あ、そりゃ敬語だ」
「敬語まではあれかもしれないですけど、だいぶ遠慮してました。だって喧嘩したら秒でヤラれますからね。でも大人は助けてくれないし、自分でなんとかしないといけない。絶対にこの状況から脱したいと思って。まずは腹を括ってガキ大将にタメ口で行くことにしたんですよ。変わらなきゃ! って。で最悪対立したら、もう刺し違えて殺せばいいやくらいの覚悟で」
「闇が(笑)」
「いやもうホントそのくらいの覚悟でね。そしたらまあ、結構普通に。なんてことなく仲良くなって。たぶんそいつがそういう奴だったんだと思いますけど、全然気にしなくて。やっぱ自分が変わるっていうのは大事だなと思いました」
「おぉ……! 闇属性の話かと思ったら、何気にいい話……! 良かった!」
「でもまあ、虐められっ子体質というのは、その後の人生にもちょくちょく影響を及ぼしてるんで──。根っこの部分は変わってないのかもしれませんけどね……」
「ううむ。なるほど……。ちなみにあと小学校時代、何が好きだった、とかありますか?」
「漢字が好きでした」
「漢字……?」
「はい。もともと習字教室に通ってたからかも知れないんですけど、漢字はすごい好きで……。ああでも、嫌なこと思い出した……」
「お、なんですか?」
「習字教室……。山形は雪深いんで、冬場に子供の足だと通うのが大変なんですよ。だから親が迎えに来てくれてたんですね。そしてついでに月謝を払う。みたいな。ま、2,000円なんですけどね。私それを見てて、ああ払ったなぁ……って。で次の時、そこの教室の先生の奥さんから『月謝払ってない』って言われて。いや、こないだお母さんが来て一緒に払ったじゃないですかと」
「ほお……。そりゃまた……」
「そしたらもう、知らん、みたいな言われて。うちの母親にもそれ言ったら、いや払ったよこないだって。でも覚えてないんですよ、もうお婆ちゃんだから」
「やばっ……。『明日の記憶』みたいな話じゃないですか。渡辺謙の」
「そう(笑) もっかい払え! みたいな。こんなに漢字大好きで通ってる習字教室でこんな仕打ちあるの! って」
「(笑)」
「だからね、何事もちゃんと証拠を残しとかないといけないなって。勉強になりました。今もこうやってフリーランスでやっててね。ギャラが税込みだったか税別だったかとか。そういうのをちゃんと残しとかないと、またのお婆ちゃんから受けたみたいな仕打ちを受けた時に困るぞと。まあ今でもたまにやっちゃうんですけど」
「俺も気をつけます……!」
「あと当時やってたのは、ブラバンですね」
「ブラバンっていうと、ブラスバンド? ですか」
「そうです。ブラスバンド。小学校の頃って部活じゃなくてクラブ活動みたいなのがあるじゃないですか。有志を募って、みたいな。それである日いきなり『なんかブラバンやってみてぇな』と思ってそれに参加したり」
「ブラバンかぁ。やってみたい楽器とかってありました?」
「私トロンボーンがやってみたかったんですけど、楽器決める日に休んだらバスドラムっていう、パーカッションのいっちゃんデケーやつ。あれになってました」
「(笑)」
「しかもマーチングだったんですけど、あのデケーやつを抱えてドーンドーンってやりながらそのままコケて。で、このドラムの周りのところに変なネジみたいなのあるじゃないですか。あれが目の下の所に当たって。信じられないくらい腫れましたよ。ほんと信じられないくらい。スカイツリーくらい腫れました」
「危ない(笑)」
「マジですげー心配されましたよ。みんなに。そういうこともありましたね……」
▲「楽器決める日は、休んじゃダメですね」
ゲームとスニーカーと演劇とパチスロ。何気に多趣味な学生時代。
「さて、次は中学・高校ですね。ラッシーさん、当時はどうでした?」
「ゲームですね。最初ドラクエでRPGにハマったんですけど、中学で『FF7』にめっちゃ感動して──。あのゲームは未だに生涯で一番です。あれを超えるゲームは今の所ないですね」
「あー、FF7。確かに。オイラも学校休んで買いに行きました……」
「あとはね、当時空前のスニーカーブームだったんですよ。エアマックス。めちゃくちゃハマって、当時の夢は『スニーカー屋さん』でしたもんね。セレクトショップ的な」
「ファッションが好きだったんですね」
「好きでしたね。でも言うて田舎の子だったんで、それなりのファッションだったんですけどね。でもスニーカーは狂おしいほど好きでした。これを仕事にしたい! って。当時は中学生でスニーカーを買うのも結局親頼みになるんですけど、結構な値段するんですよね。だからめちゃくちゃ好きなんだけど、あんまり手に入らない。特にデニス・ロッドマンのモデルがあったんですけど、スニーカーなのにね、チャックがついてるんですよ。まあプラスチックなんですけど、シルバーっぽい……。それが大好きで──」
「スニーカー好きの人って、あれ観賞用なんですか?」
「いや、履くんですよ。でもあんまり履きたくない。でも履かないと人に見てもらえないんで、恐る恐る、特別な日に履いてました」
「あー、やっぱそんな感じなんですねぇ……」
「だからそのスニーカーも、トータルで2ヶ月くらいしか履いてないですもん」
「ほぇぇ。まだ実家にあったりするんですか?」
「実はねぇ……2~3年前にお別れしました。スニーカーって、寿命があるんですよ。何もしなくても空気中の水分とかと反応してボロボロに崩壊していくんです。儚いんですよ。だから最後は写真を撮ってね──」
「切ない……。なんだろう。靴っていうか、もうペットとか相棒とか、そんな感じなんですねぇ……」
「宝物ですよね。……今は流石に熱は冷めましたけど、当時は本当に好きだったんで、真贋鑑定とか出来ましたよ」
「真贋鑑定……。あの、ネイキ! とか書いてあるやつですか」
「流石にそれは誰が見ても一発でわかりますけども(笑) もっと本格的な奴ですね。縫い目とか見たり──。中学から普通にそれが出来て。あ、あれ偽物だ、とか」
▲山形牛ってわけではないお肉
「ラッシーさん、高校も山形ですか?」
「山形です。でもちょっとだけ冒険しましたよ。山形市内まで行きました。電車で45分くらいかかるんですけど、この辺でタヌキの死骸とお別れですね」
「電車がタヌキ轢きそうですけどね……! 高校は何にハマってました?」
「高校はですねぇ、私もともと中学の頃はバスケやってたんですよ。やってると楽しいし、高校でもバスケやろうかなと思ってたんですけど、地元でいっちゃんバスケ上手い奴が同じ高校に来たんですね。で、こんな上手い奴と一緒には出来ないと思って、別の部活に行くことにしました」
「どれにしたんですか……?」
「演劇部です」
「はいきた! 演劇。そう。演劇部っておっしゃってましたもんね。そう。聞きたかったんですよこの辺。なんでまた演劇部に……? ちなみにこの連載で演劇部はどくまむしさんに続き二人目です!」
「あ、そうなんですか?(笑) 演劇部はねぇ、ひとつ上の先輩の公演を見たんですよ。そしたら面白くて。あとね、先輩がめっちゃ可愛かったんですよ」
「(笑)」
「ただ、演劇に入っていいのかどうかって一瞬ちょっと迷うんですよね。なぜかと言うと私、推薦で高校入ってるんですよ。で、私より全然勉強出来る女の子が同じ高校を志望してて、そっちは推薦落ちてるんですよね。で学校がちょっとざわつく、みたいな。私としては、なんで推薦に受かったか理由が良くわからないんです」
「思い当たる節とかはないんですか?」
「それがね、もしかしたら、なんですけど──もしかしたら陸上かもしれないんです」
「陸上……やってたんですか?」
「これね、やってないんですよ。というか、中学には陸上部が無かったんです。小さい学校でしたからね。ただ、地区大会とかになると、各部から有志を募って即席でチームを作って、結構いいところまで行くんですね。なぜなら、私の地元は小学校が遠くて3.8Kmもの距離を通学してたんで、みんな長距離が異常に強いんですよ」
「(笑)」
「それで目立ってたんで、もしかしたら高校側から陸上部の補強要員として合格をもらったんじゃなかろうかと。ただ、表立って『陸上部に入れ』とも言われてないんですね。だからもう、先輩可愛いし。舞台もカッコイイから、演劇部じゃね? って。それで入りました」
「ほえー……。そもそも演劇自体は興味あったんですか?」
「えーとねぇ、演劇っていうよりも、映画が好きだったんですよね。田舎だったんでレンタルビデオくらいしか娯楽がなくて。だから演劇もそういう意味では興味があって。で、やってみたら面白いじゃんって。ドップリはまっちゃいまして──」
「じゃあもう、高校は演劇漬け……」
「そうですね。あとはこの頃パチスロにも出会いました」
「あ、パチスロ……。これは……どうしよう。一応ちょっと聞いときましょうか」
「(笑)」
「最初は何を打ってました?」
「ネットの『ドラキュラEX』でした。あとは山佐の『ビッグウェーブ』とか。特にビッグウェーブはめちゃ面白かったです」
「あー……。ドラキュラは微妙に覚えてるなぁ……。ビッグウェーブは打ったことねぇや……。高校時代ってことは、ええと、1998年とか? ですかね。大花火のちょっと前か……」
「大花火は自分が高校3年の頃なんですけど、導入日はクラスから男子が居なくなりましたね」
「へぇ! 結構みんな打ってたんですねぇ。なるほど。で、演劇の話に戻るんですけども、いいですか」
「大丈夫なんですか(笑)」
「大丈夫です。ラッシーさんは、演者さんだったんですか? それとも裏方さん?」
「両方ですね。特に男子は演劇で舞台に出たがる奴が少ないんで、なんかあるとちょっと出てくれよ、みたいに声がかかって。だから出演もして、演出もやって」
「あ、演出も学生がやるんだ……」
「そうですそうです。脚本とかは流石に先生が決めたりするんですけども、ちゃんと定期公演とか──」
「……定期公演?」
「ん? そりゃあ、ありますよ。定期公演」
「それはあの、学校で? ですか」
「いや、ちゃんと場所を借りて──。市の施設とかホールとか。そこで年に一回」
「え! 高校の演劇部ってそういう活動してるんだ!」
「むしろ何をやると思ってたんですか(笑)」
▲「オオハナ導入日はクラスから男子がいなくなりましたねぇ」
箱根か演劇か。選択の先でラッシーさん誕生。
「なるほど……。演劇かァ……。やっぱ仕事とかって、そっちに行こうと考えてたんですか?」
「それがねぇ……ちょっとやっぱ逡巡があるんですよね。なんせ私、あんま言ってないんですけど、とにかく足が速かったんですよ。で、当時もクラス対抗の駅伝を優勝に導いたり、あと町の駅伝大会みたいなのもあるんですね。対抗の。そこでも区間何位とかに入ったり。それで地区大会に来い! みたいになって」
「ガチで速かったんですね……」
「はい。それで、その地区大会の日っていうのが、演劇の大会とまるっきり予定がかぶってたんですね。だからそこで初めて、選択をしなきゃいけなくなったんですよ。走りか、演劇か。実は私、このまま走って、そして大学で箱根を狙うのもいいなぁとか。そういうのもちょっと思ってたんですよ」
「え、マジすか」
「はい。でもね、自分の将来を考えた時に、演劇のほうが楽しいなと思ったんです。走りは、速かっただけでそんなに好きじゃなかった。だから、その時に私は『演劇』を選んだんですね」
「演劇を選んだ……。じゃあもう、進路もそういう──」
「はい。日本映画学校です」
「マジですか! うわ、マジですか。初めて会った! 日本映画学校の人!」
「(笑)」
「実はオイラ、高校の頃の進路の第一志望、日本映画学校だったんですよ」
「え、そうなんですか?」
「マジです。でも家が貧乏だったんで断念しました。でも多少無理してでも行けばよかったと今でも思ってます。うわー……。感動。卒業生に会えた。しかもほぼ同年代。なんか不思議な喜び。ちょっと、握手してください……」
「え、そんなに?(笑)」
「で! どうでした? 日本映画学校は。めっちゃ興味ある!」
「私は好きでしたよ。ただ、周りがやっぱり我が強いんですよ。入ってくるやつ全員。自己顕示欲もそうだし、なんだろう。言うたらもうサイコパスの集まりみたいな。ただ、一方で一生付き合える友達も出来たし、他の学校では経験できないようなことも一杯できて──」
「うわぁ、いいなぁ! 授業ってどんな感じなんですか?」
「座学はほんと少しだけで、あとは現場でひたすら実習──ですね。現場っていうのはもう、自分たちで制作です。照明から音声から。小道具も大道具も。コンペが年に2回あって、そのための作品を作るのが勉強、みたいな。だから学生はそれで常に出かけてて、学校にほぼ居ないんですね」
「すっげえ楽しそう……。コースとかってあったんですか?」
「ええとね、1年生の頃はみんなごっちゃでやるんですけど、2年になると、演出とか技術とかで分れるんですよ。私はホントは演出とか脚本に行きたかったんですけど、それじゃ将来食えないと思って。だから技術に行きました」
「いやぁ……。めっちゃいい。あぁ……マジで借金してでも行けばよかった……。タイムマシーン欲しい。オイラにタイムマシーンを……。いいなぁ……。ラッシーさん、やっぱ将来の目標って、映画監督だったんですか?」
「そうなんですけど、先生から『今は映画監督になりたいですって言ってなれる時代じゃない』と言われ……。まずは技術を身に着けて、制作会社と仲良くなった方が良いと。その上で、実は俺脚本も書いてるんだよねぇみたいな感じで切り出せと。それが、今の時代の映画監督のなりかただよって」
「なるほどなぁ……」
「じゃあそうするって言って、私は音声コースに行ったんですよ」
「音声! 難しい奴だ!」
「そうなんですよ。音声は本当に難しい。今私38歳ですけど、まだ成長するくらい難しいです──」
「ああ、勉強になる……。なるほど……」
「で、そういうのがあって、とにかく今のうちに色々経験して修行したほうがいいと思ってる時に、音声コースの先生から『制作会社でADのバイトしないか』って声がかかって。渡りに船じゃないですか。するするっつって行ったのが、『サイトセブンTV』だったんですよ」
「おお! パチンコ業界。いきなり。え、最初雑誌じゃなかったんですか?」
「はい。最初はCSですね。その制作会社です。そこで『パチンコライター』とか『パチスロライター』と呼ばれる人を、初めて生で見るわけですよ。ちなみに最初はリスキー長谷川さんでした」
「おお! リスキーさん! いつかインタビューお願いしたいなぁ──!」
「ひさぴょんさんとかね。あとヒロシ・ヤングさんもそこでお会いしました。もちろん私もパチスロ打ちますし、雑誌とかマンガは読んでたんですけど、なんか実感がなかったんですよね。でも実際にお会いすると、ああ、ほんとにこうやって飯食ってる人がいるんだ……って。あ、この世界すごい面白そうだなって思ったんですよ」
「いきなり歯車が動き始めたッ」
「映画監督になるにも、すぐにじゃないですよ。北野武監督なんかが良い例ですけど、他の所で名を成して、そこから映画を撮るとか。技術で制作会社を味方につけて、それから撮るとかね。道はひとつじゃない。どんどん身になっていくんですよ。『あ、パチスロ雑誌って面白そうじゃん?』って。その時思ったんです。雑誌作りたいなって。で、私は射駒タケシさんがすごい好きで。どうせ行くなら『必勝本』だろうと──」
「おお……ラッシーさん誕生だ……!」
「まあそこからも一筋縄じゃなくてニートを挟んだりするんですけどね。どうにか採用になっても、最初は文章じゃなくて編集で。もう、地獄でしたね。この時代は地獄の時期でした。編集部で泊まり込みで作業するんですけど、それでも全然仕事が終わらなくて。あと45分で仕上げないと本が出ません! とか言われたときはマジで死のうと思って非常階段から下を見たりね。死にませんでしたけど。ちなみに1回だけじゃないですよ。4回ありました」
「(笑)」
「ボロボロになってダンボールで寝てたら『人が死んでる!』って通報されそうになったり。あと風呂も入れないから髪の毛が油で悟空みたいになるんですよ。毛根にひどいダメージを受けましたね……」
「ラッシーさん今グレタ・トゥンベリみたいな顔になってますよ……」
「ああ、そうだ。最初ねぇ……。入った時、とにかくお金が無いんですね。給料が二ヶ月後とかで。入って2日目かな? いきなり猪木2のデータ取り行って来いって車に乗せられ、愛知に行って──。当時編集の人間は『実戦費』というのを会社から借りる事ができるんですけど、それを借りると、出玉は全部会社に返さなきゃいけないというのがあって。だから借りないんですよみんな。実戦費を借りるのがダセェって。そういう空気があって」
「ほお……。なるほど」
「だってその頃は4号機で、もう算数できたら勝てるみたいな。そういう時代だったんで……。その時に実践費に手を出すイコールもうクソダセェみたいな。なんかそういう感じだったんですよ。だからもう、私も借りずに行きましたよ。お金ないのに」
「どうでした……?」
「いやもう、ボロボロでしたね。まだ先輩たちが打ってるのに私はもうギブですって言って。ああもうデータも取れてるからいいよって。でも待っとかなきゃいけないから、最後2時間くらいなけなしの3千円で羽根物の『道路工事』打ってました」
「(笑)」
「ああそうだ。その猪木打ってる時なんですけど──私コンタクトしてて、お金ないから当時はワンデーをずっと使ってたわけですよ。だからもう伸び切っちゃって。ぐにょんぐにょんに。コンタクトの意味ないくらいに。それでもう『こんなもんいるかッ』って言って実戦中に片方捨てて。片目でデータ取りしてましたね。そのくらい追い込まれてました」
「入って2日目でそれは凹みますね!(笑)」
「はい……。とにかく金がなくて。最初はキツかったなぁ……。でもね、偉いもんで2ヶ月くらいするとパチスロで勝てるようになってきたんですよね。やっぱり鍛えられて。そっからは言い方は悪いかも知れませんが、お金の苦労とは無縁の生活になりました。ただ、そのぶん仕事が地獄で。本当にねぇ。あの頃は本当に大変でした……」
山形に生を受けしラッシーさん。姉ちゃんにジャーマンしたり、習字の先生の奥さんから2,000円パクられたり。ブラバンやったり、バスケやったり、走ったり、演じたり。学んだり。
フリーライター・ラッシーさんのあとの活躍は、みなさん御存知の通り、だ。
▲当日は私服からわざわざ衣装に着替えてくださいました。
質問ラッシュと総括!
「さてラッシーさん、質問ラッシュ良いですか?」
「はいどうぞ」
「巨乳と貧乳どっちが好きですか?」
「巨乳ですね」
「シンプル。ありがとうございます。これからライターになりたいという方に、何かアドバイスはありますか?」
「えー、心の底からオススメしません。動画に行ったほうが良いです」
「おっと……。承知です。ゴホン。では次、墓になんかパチスロ機を持っていくなら、何が良いですか?」
「花火百景です」
「百景ですか。大花じゃなく」
「はい。百景です」
「わかりました。ではファンに一言お願いします」
「パチスロは遊びだから。一生をかけなくてもいいよ……。と優しく言ってあげたいですね」
「(笑) では、ちょっといつもと毛色が違う質問なんですけども、『青ドン』に言っとくべき言ありますか? 思い出というか想いというか」(パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-『スタイル』青ドンより)
「青ドンは……。そうですね。色々ありますけども、胸を張って言えるのは『私が青ドンを日本一打った』ということですね。攻略ライターって、それくらい言えないとやっぱり成立しない仕事だと思います。あれは私が日本一打ってます」
「特定ボーナスのアレって、最初みんなスッと信じたんですか?」
「いや、最初はねぇ、なにそれ怖いって。編集部もちょっとざわつきましたよね。でもやっぱり最終的には、あ、これホントにそうだわ。やるじゃんって。やっぱりそれで認めらた部分もありますよね。ただまあ遅かれ早かれ、みたいな部分はあったんですけどね。ただ私が一番早かったのは間違いないので」
「かっこいい……! ありがとうございます。では最後に、生まれ変わってもパチンコ・パチスロ打ちますか?」
「んー! 打つとは思います」
「あら、打つとは、というと……」
「仕事にはしないかなぁ……」
「ありゃ。そうなんですね。ちょっと意外」
「なんだろうなぁ……。今ねぇ、なんか何やってる人も全員羨ましくて」
「……ちょっと詳しく聞いていいですか?」
「ええ。例えば……好きでやってるかどうかは分からんけど、しょうがないから家業を継いで、酒蔵をやってます、という人がいるじゃないですか」
「居ますねぇ……」
「そういうのがね、酒蔵とか。自分が飲みたいとか、食べたいとか、そういうふうに思ったものを作れる。そして、それを作って、人にも喜んでもらえるって凄く良いことだと思うんですよ」
「ふむ……!」
「こないだね。仕事が忙しくてご飯が食べれないから、ちょっと煎餅食べようと思って食べたんですよ。それがめっちゃ美味いんですよ。もうね、焼きたい……って」
「(笑)」
「手焼き煎餅って書いてあって。ああこれ手で焼いてる人がいるんだと思うと。ああもう焼く側に回りてぇ……って」
「じゃあ、ライターとかじゃくて、そういうものづくり……」
「そうですね。色々やってみたいというのがあるんで、パチスロを仕事にはしないかもなぁ……」
「なるほど! オッケー! わかりました。以上です。いやもうすんません今日。ホントありがとうございました!」
「いえ! こちらこそ……!」
はい、以上がラッシーさんへのインタビューでした。お会いして話す度に思うのですが、ラッシーさんはやっぱり優しいです。人当たりが丸っこいというか。そういう人格が形成されたのって幼少期の何かが原因だったりすると思うんですが、今回「姉の奴隷だった」とかそういう単語を聞いて、ちょっと納得できた気がします。
あとはやっぱり日本映画学校。これはねぇ、もう羨ましくて羨ましくて。俺ホントに行きたかったんですよ。ほぼ同じ年代だし、見てる映画とかやってるゲームとかも被ってたんですけど、やっぱりそういう趣味であるとか嗜好の人にとっての最高学府が日本映画学校だと俺は思ってまして。
だからもうねぇ、尊敬です。本当に。いつの日か映画撮ってほしいなぁ……。
さて、恒例の人生設定推測。これねぇ、なんだろう。難しいけどやっぱり青ドンだと思うんですよね。青ドンの──うん、設定1だ。だって青ドンの低設定を打ったからこそ、のちの活躍が産まれた理由ですからね。
オッケー! インタビュー・ウィズ・スロッター。今週はここまで。次にインタビューするのは……。1GAMEから意外すぎるあの人が……! お楽しみに! アディオス!
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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パチスロ
チワッス! いつもありがと! マジで優しいよラッシーさん。実際はもっといろんなエピソードがあったんだけど文字数の関係で泣く泣く切っててさ。今度ご本人にぜひきいてみてくださいまし!
ラッシーさんって、めっちゃ優しいよね♪
今度会った時に、あたしも色々聞いてみるー(/∀︎\*)