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オカイ☆サロン
2020.07.09
【設置尽きるまで私は戦う。特別編】5号機界のキテレツ発明家『JPS』の歴史【全機種レビュー】
岡井モノ:ライター兼パチ7編集部員(別館) オカイ☆サロン オカイの全機種レビュー:パチスロ歴史語(レキシガタリ)
みなさんは『JPS』というメーカーをご存じでしょうか。5号機時代初期に『2027』でスマッシュヒットを飛ばしたことで知られるパチスロメーカーなのですが、現在ではJPS機の設置が尽きてしまったホールも多く、JPSは事業撤退したのではと思われている節すらあります。
JPSは5号機進化の歴史を語るに欠かせない存在なのですが、現在ではその存在や功績が忘れられつつあるような気がしてなりません。そこで今回は【設置尽きるまで私は戦う。】特別編第二弾としてJPSの歴史を振り返ります。
生み出された画期的な機種から独創的過ぎた機種まで、年代毎の全機種をご紹介。さらに5号機進化の瞬間を個別にピックアップしていきます。5号機初期に思い入れのある方から、パチスロの歴史を知りたい方まで、このまとめを読んで是非ジャックイーン!! してみて下さい。
※原則としてJPS社名義で販売されている台を対象としていますが、制作に携わった他社名義の機種も一部紹介します。
パチスロ4号機末から5号機黎明期という時代
パチスロ5号機が初めてホールに設置されたのはまだ4号機の設置があった2006年、そしてJPSが初参入機種をリリースしたのも2006年。今となっては当時のことを知らない、あるいは忘れてしまったという方も多いと思います。そこで簡単に4号機から5号機への移り変わりをおさらいしていきましょう。
パチスロ4号機時代、『ニューパルサー』などの大量リーチ目機や、『クランキーコンドル』を始めとする技術介入機が人気を博し、それまではパチンコ店の添え物的な扱いだったパチスロの設置が増えていった時代でもありました。
『アラジンA』『サラリーマン金太郎』『獣王』といった大量獲得が可能となった爆裂AT機時代を経て、4号機後期には『北斗の拳』が大ヒット。パチスロ専門店や北斗の拳専門店が登場するなど、それまで以上のパチスロブームが訪れます。
4号機最後期に活躍した機種のほとんどが意図的な連チャンを繰り出すボーナスストック機であり、設置の多いノーマルタイプ機種が『ジャグラーTM』『ファイナルジャグラー』くらいだった状況から、いかに激しい出玉性能を求めていた時代かは想像がつくでしょう。
しかしここで待ったがかかります。2004年の7月1日の法改正で爆裂AT機の激しい性能が問題視されたパチスロ界にメスが入り、出玉性能を抑えた5号機時代への移行を余儀なくされました。
ボーナスストック機能、SIN集中機能、シフト持越しによる大量獲得といった4号機の人気を支えた根幹システムがことごとく制限されました。そしてこれまでの17500Gで55%以上120%未満という出玉試験基準に、短期400Gで300%未満、中期6000Gで150%未満という基準が新たに設けられたため、それまでのような短いゲーム数で大量獲得するということ自体が不可能となってしまったのです。
こうした結果パチスロ市場は急速に冷え込んでいきます。自分たちが求めたパチスロはもう無いと知らされたスロッター達は一人、また一人とホールを去り、一度パチスロの設置を増やしたホールも再度パチンコ設置に戻し、スロット専門店の閉店も続きました。
そして、ここから新参パチスロメーカーJPSの挑戦が始まったのです。
硬派なブランドロゴ、JPS
2006年~2007年 参入初期から革新の連続
2006年
・ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて
・ウィニングレッド
・新造人間キャシャーン
・ホークⅢ(30)
参入第一弾となったのはアニメタイアップ機の『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』。呼称としての萌えスロを謳った初めてのパチスロでもありました。しかしその中身はバリバリの技術&知識介入機、5号機の革新はひっそりと起きていました。新参メーカーではありましたが、まだ5号機の数自体が多くなかったことも手伝って出回りも悪くなかったと思います。
『ウィニングレッド』は沖スロタイプの告知機、ハナは光りませんがカーテンが開くとボーナス確定です。30φタイプは微妙に異なった仕様ではありましたが、どちらも合算が重めのノーマル機という男らしい機種でした。
気合の入った下パネルがかっこよかった『新造人間キャシャーン』は5号機初のRTとATを同時搭載した機種です。通常時に発生するミニゲームは成功するとATに突入し、出玉にも繋がります。ただしそのスーパーアシストタイムは5枚役にナビが付いてコイン持ちが良くなる程度のものでした。
『ホークⅢ』はノーマル告知機。実は上記のウィニングレッドもそうなのですが、告知タイプは店が設定できるようになっていました。チェリー後と規定ゲーム数消化後、そして設定変更後には実質的なRTに突入するというかなり特徴的な仕様なので、ホールが対策しなければ朝イチからRTなんてことも。
2007年
・ぐるぐる爆侍
・ダイナマイトマン
・アストロ球団
・2027
『ぐるぐる爆侍』はボーナス+RT台でしたが、ベルリプリプをボーナス図柄の一つに採用しており突然ボーナスが始まることをウリにしていました。居酒屋とのタイアップ機だったのですが、それを知っている人がどれだけいるかは不明です。
ループ式のRTを携えて登場した『ダイナマイトマン』は青年誌ギャグマンガのような演出が展開されますが、その中身はCB中や赤7BIG後のBARハズシ等技術介入性の高い硬派な機種。ボーナスとRTの双方を期待しながら打てるシステムは打ち手を飽きさせない工夫を感じます。
5号機最初の設定1での出率100%オーバー機種は美龍でもひぐらしでもありません、『アストロ球団』です。小役ナビ率が変動するシステムが搭載されていたのですが、フル攻略すると設定1から出玉率100%オーバーが可能。設定6が丸わかりだったりバグが発生したりと原作さながらの壮絶かつ店側に都合の悪い仕様も多く、稼働期間が短かった気がします。
『2027』はボーナスフラグを利用した継続バトルシステムを搭載。純増枚数こそ異なるものの、ボーナス継続をかけてアツくなった4号機の仕様を見事に復活させ、展開される長編ストーリーと共にスロッターを魅了し、今でも語り継がれるヒット機種となりました。
RT延命・天井RT・継続バトルシステムを生み出した鬼才メーカー
JPSの歴史は発明の歴史とも言えるのですが、特に初期は画期的なものが多く業界にも多大な影響を与えたと思われます。このあたりは佐々木真さんがとんでもない熱量で朝の5時まで小麦ちゃんを語ったりするので、私が書くのもちょっと怖いのですが、改めて主だったものを解説していきましょう。
参入第一弾の小麦ちゃんからすでに画期的な発明が連発されます。中でも“特定役取りこぼしでのRT発動”と“特定役出現回避によるRT延命”はまさに革新的。ボーナス終了後のオマケでありパチンコの時短のような扱いでしかなかったRTを技術介入要素と出玉強化に昇華させ、後のリプパン方式へと繋げたこのシステムは5号機進化の第一歩だったのです。
他にも“ビタ押しでのボーナス獲得枚数アップ”や、“スイカすべりコマ数での同時当選期待値変化”と新要素が盛り沢山、萌えスロ呼称の元祖は5号機のオーパーツと言っても過言ではありません。
今では当たり前とも言える“天井救済機能”を5号機に持ち込んだのはホークⅢ。ゲーム数管理でのRT発動はできなくなったはずなのにと不思議に思っていたら、そのカラクリは通常時に見せかけた方が実はRTとなっている逆転仕様。ボーナス後規定ゲーム数消化でRTが終了し、リプレイ確率の高い通常時に戻るという目からウロコのシステムでした。
JPS最大のヒット作2027は、あの北斗の拳のお株を奪う継続バトルシステムを搭載。“ボーナス成立状態でのRTを利用したART”は途切れることのないARTを実現しました。本来はボーナス図柄を揃えるための猶予として考えられていたリプレイ確率の変動、これを利用して出玉に繋げてしまうというシステムは純増速度こそ早くはありませんでしたが、長編ストーリー演出との相性も良く多くの支持を集めました。
潜水艦が浮上すれば終了、誰もが息をのんだバトルモード
RT付きのノーマルタイプが精一杯でゲーム性も技術介入も単調、そう思われていたパチスロ5号機を変え、5号機もいけるかもと思わせた功績は大きいものでした。無名の新規参入メーカーであったJPSは、間違いなく一時期の5号機を牽引していたのです。
2008年~2010年 大発明から珍発明まで
2008年
・2027X
・ミュージックボックス五木ひろし
・紅三四郎
・シュート!
・新造人間キャシャーン
『2027X』は後継機というよりはマイナーチェンジ版的な位置づけの台で演出もほぼ同じ、変更点も最高継続率が98%に上昇したりとメリハリ性が若干増した程度。新機種というよりかは2027の増台需要に応える形で登場した台だったと思います。
ベテラン演歌歌手タイアップの『ミュージックボックス五木ひろし』はボーナス中にお馴染みの名曲が流れるのですが、なんと「山河」はフルコーラス収録。アンコールタイムや黄昏ランプ点灯といった演出は出玉的には全く意味が無いという謎仕様でありながら、CB中の技術介入難易度は激高。
タツノコプロタイアップ第三弾機種は『紅三四郎』、原作は1969年のアニメですがキャラデザインはリファインされています。パチスロとしては30Gの完走型RTを挟みながらボーナスを積み重ねていくボーナス+RT機であり、SNKプレイモアの名機スカイラブに近い機種でした。それにしてもどの層を対象にこの版権タイアップを……
アレな台として一部の層に人気の『シュート!』は純増0.1枚/1GのART「トータルフットタイム」を引っ提げて登場。2段階のARTと通常時から小役ナビを細かく獲得していく複雑なシステムなのですが、液晶が説明放棄気味のため現在何が起こっているのかがわかりづらい機種でした。人気サッカー漫画のタイアップなのですが、ボールの動きに注目して欲しかったからか液晶には選手の顔ではなく尻ばかりが映し出され語り草に。
スロッターを困惑させたのが2年前と全く同じ機種名で登場した『新造人間キャシャーン』。型式名の「シンゾウニンゲン」で読んで一応区別されましたが、パネルには普通にキャシャーンと書かれておりまぎらわしいことこの上なし。こちらも全体的に説明不足な演出や、揃えると期待値がマイナスになるボーナスなど不安な要素が目立ちましたが、当時としては高純増のARTを搭載しており、設定6の出玉率は116%超とハイスペックだったりします。
2009年
・タイムリミット
・2027Ⅱ
・どんまい!!ちゅ~吉
『タイムリミット』は内部ボーナスを保持したARTで出玉を増やす2027タイプ。通常時の高確概念をわかりやすくしたAT「フォルトゥナタイム」や、ART中は小役の引きで継続可否が分かれる等、よりわかりやすく自力感があるシステムになっています。目新しさは無いものの、後述の2027Ⅱよりも2027らしいかもしれません。
継続率参照による無限ARTシステムで帰ってきた『2027Ⅱ』。しかし同様のシステムを初めて採用した山佐のキン肉マンから約1年半遅れでの登場は遅すぎたのか、客離れが速かった機種でもあります。ART準備中にボーナスが成立して獲得0枚のままARTが終了する現象、通称「海面ファイヤー」には多くのスロッターが涙しました。あ、でもストーリーはよくできてます、ホントに。
JPSがやけくそになったのではと囁かれた『どんまい!!ちゅ~吉』。その狂気すら感じるキャラクターと演出の裏では、設定1でも1/88.5でボーナスが当たり2枚/1Gの押し順ARTを搭載したポテンシャルが高い機種です。勝てるというよりかは負けにくいスペックであり個人的にも好きな機種なのですが、案の定ホールとしては扱いにくい機種だったのか導入当初から珍台扱いでした。
2010年
・バイオレントゾーン
・2027ⅡNEO
・ロケットパニック
・走れメロス
JPSが押し順当てART機を作ったらこうなったという機種の『バイオレントゾーン』。高確中に3択リプレイでART突入、獲得ゲーム数を2択9枚役でダブルアップ、さらにART延命に3択9枚役を狙うといった具合に自力感が満載。内部的には1000円で1回ART抽選を受けられる仕様なのですが、まとまった枚数を獲得するためには自身がエスパーになる必要があります。
2027Ⅱが早くもリニューアルして帰ってきた『2027ⅡNEO』。基本的な仕様は前作と同じながらも、ART1セットあたりの平均G数が65Gから100Gにアップ、多くのスロッターが涙した「海面ファイヤー」も廃止され、ストレスを感じる場面も少なくなりました。前作よりもかなり導入が少なかったので、こちらが先に世に出ていればと悔やまれます。
『ロケットパニック』はボーナス中の小役を予想するミニゲーム成功でART突入という変わったシステムを搭載。液晶画面はシンプルで通常時は待機中のロケットがひたすら写され、ロケットが飛んだらボーナス確定。ART中は飛行するロケットを眺めるといった具合であり、パチスロを打っているのに宇宙開発観測システムのAIになったような気分になること請け合い。
またしてもJPSがやけくそになって作ったのでは、とざわついたのが『走れメロス』。内部的な複数の周期抽選が噛み合った時にナビが発生してARTに突入、というかなり変則的なシステムが搭載されているのですが、そんなことよりやはりキャラクターデザインが気になって仕方がありません。通常時の演出パターンは少ないのにART継続演出は妙に種類が豊富であり、悪ノリの極みのような世界が展開されます。
独創性だけなら常に満点の鬼才メーカー
2008年3月に規制緩和がなされ、小役優先制御やフリーズ演出が可能となったパチスロ界。『キン肉マン』『忍魂』『エウレカセブン』『新鬼武者』といったボーナス+ART機が時代の象徴となっていきます。
そんな中でJPSは2007年から毎年シリーズを発売を続ける恒例イベントのようになった2027の存在も気になるところですが、思えばここが惜しかったというような台も多く生み出された時代でした。
ミュージックボックス五木ひろしはいわゆるジュークボックス台として頭一つ抜けた性能を持っていました。それまでも複数のBGMを選択できる台はいくつか存在していましたが、その全てがボーカル付きの歌謡曲かつ“選択楽曲の人気ランキング搭載”は本機だけの特徴。五木ひろしファンがどれだけパチスロを打つのか、というパチスロ人気部分に関しても事前調査をしていればと悔やまれます。
2011年に業界初のゼロボでAT機の純増に革新をもたらしたのはエレコの『エージェントクライシス』ですが、今考えるとそのルーツはここにあったのではと思わせてくれるのが、小役がほとんど揃わず“純増期待値がマイナスになるMB”を搭載した新造人間キャシャーンでした。高確状態の管理だったりと意味はちゃんとあったのですが、当時の打ち手にはボーナス図柄を揃えて枚数が減るという現象に抵抗があったことは否めません。
技術的な革新とは異なりますが、どんまい!!ちゅ~吉のBIG中に流れる“着ぐるみ実写ムービー”や、走れメロスの“あまりにも特定版権に似すぎていて不安と笑いを誘う演出”などは、パチスロ機としての意味はともかく、新しさとインパクトは十分すぎるほどありました。
メロス君の勇姿。こんな見た目ですが野球はあまりせず、ボウリングとか卓球をします。
「その発想はなかった」という革新性をパチスロ5号機にもたらしたJPSですが、「その発想はいらなかった」という独創性で時代の先を行き過ぎてしまった部分も感じられます。やんぬるかな。
2011年~2015年 少数精鋭状態でトガった部分は健在
2011年
・ドルマッチ
普通に面白い台を出してしまったためにJPSファンがかえって困惑したのがこの『ドルマッチ』です。若干重めのボーナス+ART機なのですが、それまで全般的にコミカル&意味不明気味だったJPS機とは演出が一線を画しており、普通にかっこよく仕上がっています。ARTの継続率はあまり高くはありませんが、小役を引く度に継続期待度UP&ボーナスからの逆転もアリというバランスが絶妙。
完成度に反して設置が伸びず、JPSと言えばドルマッチだと言っても誰も共感してくれなかった、不遇の名機だと思います。
2012年
・パチスロ クイーンズブレイド 流浪の戦士
萌えスロの原点回帰と言わんばかりに登場したのがタイアップ機『パチスロ クイーンズブレイド 流浪の剣士』です。チャンス目を規定回数出現させると次回ボーナスまでRTに突入するという変動型の天井システムなのですが、深めに設定される天井とチャンス目がなかなか出ない低設定のもどかしさは筆舌に尽くしがたく、半裸の女の子にバナナを食べさせる演出を眺めることでギリギリ平静を保つスパイラルカオスです。
2013年
・パチスロ クイーンズブレイド2 玉座を継ぐ者
・パチスロ クイーンズブレイド2 玉座を継ぐ者 バトルバージョン
クイーンズブレイドの次に出るのは『クイーンズブレイド2 玉座を継ぐ者』でした。シリーズものを固め打ちするのがもはや社風とも言えるJPSですが、ゲーム性はきっちり別物になっています。今回はボーナス非搭載の純増2.5枚AT機となっており、通常時はゲーム数消化と直撃抽選で初当たりを目指すシステム。わりと普通の機種なのですが、もっとも特徴的な部分はもしかしたら業界初のレンチキュラーを用いた3Dパネルなのかもしれません。
そして続いて出たのが『クイーンズブレイド2 玉座を継ぐ者 バトルバージョン』、まさかの3連クイーンズブレイドです。全盛期の格闘ゲームのようなアッパーバージョンリリースのペースですが、今作はATの純増が2.8枚にパワーアップしました。通常時のレア役があまり仕事をしない点や、発生頻度が高いわりによくわからない演出が多い点なんかはいつも通りのJPSなのである意味安心です。
2014年
・ドリームジャンボ〜幸福のチケットを君に〜
JPSがついにブレーキをぶっ壊してしまったと言われたのが『ドリームジャンボ~幸福のチケットを君へ~』です。純増3枚のAT機なのですが、プレミア役の超ロングフリーズを引くと最長5分くらい操作不能になり5000G以上が上乗せされます。ループ率やら理論値などしゃらくさいとばかりに一撃万枚が確定するその様はまさに宝くじ。
さらのこの機種は「J」という設定が用意されており、知りたがりスロッターの探求心に火をつけました。初当たりが必ずフリーズになり大量上乗せの夢を見れる仕様らしいのですが、その全貌はいまだ謎のままです。
2015年
・テラシグマ
・サマージャンボ〜あの夏のチケットの行方〜
『テラシグマ』は主に規定ゲーム数消化で疑似ボーナス当選となるシステムで、そのチャンスとなるゲーム数が親切にもパネルに書いてあります。さらに次回ボーナスが期待できるゲーム数もボーナス中、あるいは直後に示唆してくれたりと至れり尽くせり。しかし早いゲーム数で連チャンさせるのが微妙に難しく、次回128G以内示唆を追った結果REGが当たりマイナスになるというスロッターお馴染みのトラップも完備されています。
AT抽選タイミングを「今でしょ」と任意で選択できるのが『サマージャンボ〜あの夏のチケットの行方〜』、この頃は林先生が流行っていたのかと時代を感じます。通常時初当たりの基本が7G継続ATの「カウントダウンサマー」なので、知らずに打っていると払い出される20枚程度のコインを握りしめて唖然としてしまうかもしれません。そこから継続抽選に当選させることが本当のスタートなのですが……
行方と実態が気になる鬼才メーカー
5号機の進化という意味での注目はやはり『ドリームジャンボ』の一撃万枚フラグの存在でした。強力な出玉性能を持つ台というのは様々ありましたが、パチスロの歴史の中でもフラグ1つで万枚確定という現象はかつての『アラジンA』の「スーパーアラジンチャンス」5000など一握りしかありません。設定Jの存在も相まって、本機の存在が5号機の歴史を変えたとかなんとか……
さて、ここまで読んだベテランスロッターの方にはそういえばあの台はどうなったのか、あれはJPS機じゃなかったのかと気になっている機種があるのではないでしょうか。ここからはそういった機種について触れていきましょう。
まずは2027シリーズのその後、『2027 Revice』『2027Ⅲ』という続編機種が登場しましたがいずれもスター社名義。これはJPSが権利譲渡したわけではなく、そもそも初代の『2027』もトレード社開発のOEM機(※)という位置づけでした。なのでもともと権利を有していたトレード社がスター社と組んで発売したというのが事の経緯。ちなみにJPSはトレードのオーナーさんと現在も関係良好とのこと。
※OEM:わかりやすくいうと、製造メーカーが他社ブランドの製品を製造することです。
珍台好きの方ならば『ハイディングドラゴンバーニング』はJPSではと考えた方も多いと思います。確かにJPS名義で世に出てはいますが、実はとあるコンサル会社の開発であり、型式申請と検定・製造をJPSが担当したという機種です。
2018年に登場した『パチスロハクション大魔王AA』にもJPSがクレジットされていますが、こちらもOEM機でありワールド社の血が色濃く反映されている機種です。あくまで製造協力といった位置づけでしょうか。
実はハイディングドラゴンに関してはほぼ情報が無く幻の機種、私も1度打ったきりです
こうして表に出る部分と出ない部分双方で5号機パチスロの発展に寄与してきたJPSですが、2015年の『サマージャンボ』導入後に日本電動式遊技機工業協同組合から脱退を発表します。
またひとつ気鋭のメーカーが業界を去ってしまうのか、ファンが熱い視線を送る中、JPSは沈黙を続けました。
2017年~ JPS!生きとったんかワレ!! 新たな方向性
2017年
・ドリームジャンボEE
・YASUDA7
約2年間の沈黙を破りついにリリースされた新機種『ドリームジャンボEE』、JPSは事業撤退していなかったのだ。ドリームジャンボのような過激な機種をまた出すなんて大丈夫なのか、と心配されましたが、本機は基本的にノーマルタイプの機種であり、プレミアムボーナス後のみ純増0.1枚のRTが付いてくるという仕様。前作と全然違うゲーム性にしたから大丈夫だよ、という斜め上の発想に2度驚かされます。
『YASUDA7』はパチンコ・パチスロチェーンやすだの専用機。ノーマルタイプにしては低設定域がやけに辛い出玉率ではありますが、その分設定差がわかりやすいので設定推測しながら打つ楽しみが生まれた機種でした。そしてこのチェーンPB機という方向性から、JPSは新たな道へと進みはじめることになります。
2018年~
・オリスロAA
・パチスロミクちゃん
・Sオリスロ2AA
・パチスロたまピー
・Sオリスロ3AA
『YASUDA7』以降もJPSはシーオーエム社と共同でホール各社に向けたプライベートブランド機種び開発・販売に注力していきます。中でもオリスロ名義の台は基本スペックは同一のものを採用しながら、各社別にオリジナルの名前を付けられ演出やサウンドもそれぞれ異なるという仕様で、ホールの差別化・個性化に貢献しています。
オリスロ第一弾の『オリスロAA』は、ノーマルタイプの完全告知機。『TOWSER』『モナスロ』『あっぱれ!プレゴ』として展開されました。
タツミコーポレーション専用機の『パチスロミクちゃん』は6号機初のPB機。2段階設定でボーナス割合が変化するのですが、なんといずれの設定も出玉率100%超え、もっと言えば適当打ちでも100%を超えると言われているなんだかすごい機種。
オリスロ第二弾の『Sオリスロ2AA』はモードを上げての疑似ボーナス連で出玉を増やす沖ドキタイプの機種です。『どき!スロ』『タマどき!』『BELLE CITY』『花娘』『SLOT WONDER AGENTS』『プレドキ!』とこちらも多数展開。
『パチスロたまピー』は玉屋専用機種。遊びやすいノーマル告知機であり、2段階設定のどちらも出玉率100%越え。変則押しで一足早くボーナスを察知できる方法もあるようで、ノーマル好きの憩いの場になっているとか。
オリスロ第三弾は『Sオリスロ3AA』。完全告知タイプであり、上記のパチスロミクちゃんに近いゲーム性の機種です。『DIAMOND』『HYPER UPYELL』『パチスロ123』『スロまる』と展開され、かなりスイートな出玉設計も話題に。
2017年以降はオリスロシリーズをはじめとしたPB機のリリースを続け、JPSはホールと二人三脚でパチスロ機をプロデュースするという新たな形を見出しました。今後本格的に始まるパチスロ6号機時代にどんなパチスロをみせてくれるのか楽しみです。
どんまいJPS 超ハイテンション!
まもなく終了するパチスロ5号機時代ですが、低迷していたパチスロを彩り進化させ、スロッターを楽しませてくれたのは各パチスロメーカーの努力、そしてその一端を担っていたのはJPSでした。今現在ホールの主力となっているあの人気機種も、もしかしたらJPSの発明無くしては存在しなかったかもしれません。
画期的だった機種、マニアックな機種、独創的過ぎて全員置いてけぼりだった機種、様々な機種で我々を楽しませてくれたJPS。パチスロの歴史を振り返るなかで、その功績も思い出してみてはいかがでしょうか。
もしあまり思い出せないと言う人がいたならば、パチスロ初のメインキャラ実写着ぐるみ演出を取り入れた結果、「公式が病気」「演出作った人あたまおかしい」「ちゅ~毒性が高くてアブない」と大好評だったどんまい!!ちゅ~吉あたりを思い出しましょう。私も大好きなJPSの名機です。
どういう精神状態で作ったのかわからない赤7BIG演出、私も大好きです。
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- 岡井モノ:ライター兼パチ7編集部員(別館)
- 代表作:オカイ☆サロン
学生時代友人に連れられ、はじめて『ジャグラー』を打って負けたその日、悔しくてなぜか『サバンナパーク』のゲームを買った異端の猛禽。パチ7自由帳において「何か変なヤツがいるな」と思われていたが、何か変なヤツのまま編集部に捕獲されたトリックプレイヤー。日本全国を旅する渡り鳥としての経験を活かしたコラムを、旅情たっぷりに綴るかと思わせながら特にそういうコラムを書いたりはしない。今日も今日とて奇策縦横。
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パチスロ
奇抜な機種だけでなく計算された遊びやすい機種もリリースされていたんですが、何故か演出関連だけは一貫してちょっと変という、振り返ってみるとそういう印象がより強まりました。
ちなみにちゅ~吉の初出はダイナマイトマンだったりします。
コメントで遊び人さんの熱い想いが伝わってくるようです。2027は衝撃的でしたし、印象も強いですよね。メロスで3000枚出せるならセリヌンティウスも大喜びしそう(笑)
様々な挑戦的な機種をリリースしてきたJPSですが、6号機ではあえて低純増タイプの2027なんて面白いかもと思いますね。
何この頭のおかしい人が作った演出!と思って調べたら小麦ちゃんの所だったんで「こいつマジか」と。そのあと『アストロ球団』『2027』で一気に中堅入りしたと思ったら『メロス』『ちゅ~吉』あたりでやっぱ「こいつマジか」となり。先日もPB機の大量同時リリースのニュースで「こいつマジか」となったんで、今後もずっと「こいつマジか」と思わせ続けてくれるに違いない。そんな事を思った記事でした。
JPSの台の思い出は自分には初代の2027って印象が強いです。
後継機のガチ選択とかは、どうにも慣れませんでした。
そして究極のネタ台のメロス・・・・
バトル演出の豊富さに加え、成功演出が搭載されてないのではないかと思えるほどの復活率。
GOD並みの粗さ
ツボと会話しかない通常時
邪知暴虐なんて単語を聞けるのはメロスだけです(キリ)
実はメロスで一度だけ3000枚位出したことがありますが、、、凄いねm(ゲフンゲフン)台でした。
ハイディングドラゴンバーニングって当時自分も一店舗でしか見たことがなかったので、半月位仕事帰りに追っかけた事がありますが、言われていたような怪しさは結局体験出来ず、そんな履歴も見たことなく、子役確率も普通でボナもそんなに連しない、ただのジャグ系Aタイプじゃないかと思ってます(正直ジャグの方が連する)
置いてあったお店には当時すでに珍しくなっていたリオスパを目当てに行っていまして、自分は普通に打たなくなった台でした。
クイブレの2ってたしかどっかの店が大量導入したって話題になったような覚えがありますね。
他のお店は1~3台くらいでしたが。。
クイブレのスロの方は残念ながら全く勝てませんでした。
プライベート系だとチェーン店が無いと、全く見なくなります。
6号機にも参入して2027の新台をお願いしたいですね。
失礼いたしました。