謎の遊戯『パチンコスペック当てクイズ』のご紹介。みんなもこの狂気のゲームをやってみよう！

rara rara パチ7自由帳・匠

遠い昔、今から15年以上前……パチンコのスペックは、殆ど統一されていました。

大当たり確率は1/315前後で、確変は50％。時短は付かず、出玉は2100個……一部の羽根物や現金機、そして太古から残り続けるみなし機を除いて、ほぼ全ての新台がこのスペックという時代が確かに存在したのです。後に時短の搭載が認められ多少のバリエーションは産まれるものの、”毎回時短が付くやつ”、”確変経由の時だけ付くやつ”ぐらいの変化しか無かったのです。

事態が一変するのは2004年。確変割合が50％を越すことが認められただけでなく、最低払い出し個数4個という規制の撤廃によるベースの大幅な低下や、大当たり確率の下限が1/360から1/499へ変更……。基本的に荒さを規制されてきたパチンコ業界において、歴代で最も大きな緩和と言えるのが2004年の規則改正となっています。(ほぼ同時にパチスロは4号機から5号機に以降)

……そして、この規制緩和からパチンコのスペックは急速に多様化を遂げる事になります。

今となっては当たり前ですが、演出やゲージよりも、スペックを最初に確認するスペック至上主義の時代が来たのです。似たようなスペックこそ数あれど、全く同じスペックというのはほぼ存在しません。みな違ってみな良い。ちょっと何言ってるかわからないかもしれませんが、コレが本当に良いんです。僕なんか歴代パチンコのスペックを眺めているだけでいつまでも時間を潰せるし、無職の頃はスペックを眺めるだけで2～3日終わったりしていました。

そんな日々でふと思ったのです。

『今の僕なら、スペック情報だけで機種名を当てられるんじゃないか』

って。

知識と推理　そして語り合い

思い立ったが吉日。数少ない友人に、無理やり出題を迫ります。

「今からスペック情報だけを俺に教えてくれ！　そしたら機種名を当ててみせるから！」

……冷静に考えると、なんたる狂人でしょうか。スペックを当てられたからと言って、どうという事もありませんし、それを聞かされる人間の身にもなるべき。

しかし彼は優しかった。次々とスペックを提示してくれます。例えば……

1問目

どうでしょう、皆さんはこの情報だけで機種名が分かりますか？

ヒントは多く用意されています。驚異的な出玉の少なさ、確変機では珍しい超高継続率、そして何より圧倒的な潜伏割合……。

そう、七匠渾身の名機アメイジング・スパイダーマンです。

こんな感じで、特徴あるスペックだと結構分かりやすいというか、すぐに思い当たる台が出てくるものなんです。

逆に、スタンダードなスペックだと絞る事は非常に難しい。

2問目

どうでしょうか、この非常にありがちなミドルV-STは……。

初当りの出玉が太い事や、その割に右打ちでは少ラウンド数の当たりがあるのが目に付きます。そして、1/319という確率と65％を超える継続率にヘソの返しが3個な事……以上の特徴から僕は、MAX機に規制がかかったものの、まだ継続率規制やベース規制はされていなかった世代の台と推理しました。北斗無双の世代ですね。

……しかし、その世代の319V-STを脳内サーチしてもしっくり来ません。

テイルズオブデスティニーか……？　いや、あの台は左打ちに少出玉当たりが存在しない筈。違うな……

クイーンズブレイド2……？　いや、あの台は逆に左の通常がラウンド数少なかった筈……

うーん、うーん……分かった！　『怨み屋本舗』だ。全部の特徴に当てはまってるし間違いないでしょ！　どうよ！　え？違う？……違うの!?

▲藤商事の『CR怨み屋本舗』だ！　……え？違う？

▲怨み屋本舗のスペック。確かにちょっと違うな……

さて困った。ラウンド振り分けの割合や特徴はめちゃくちゃ似ているものの、怨み屋本舗の時短は100回だったのです。ここで完全に行き詰まってしまい、答えが出せなくなってしまいました。

苦し紛れにメーカー名を問うと、友人から驚愕の回答が。なんと『奥村』の台だったのです。それを聞いた瞬間に即答する僕。奥村のV-ST機なんて『マジカルハンター』以外にありません。

しかし、奥村といえば……MAX規制がなされた時には既に倒産済み。そう、販売時期を絞り込んだ最初の推理からして間違っていたのです。脳内でサーチする場所を間違っていたのだから、当てられる訳がありません。所々の特徴から脳内で候補を絞り込み、最終的に一台を当てようとする『スペック当て野郎』の特徴を上手く逆利用した狡猾な出題と言えましょう。おい、友人！やるじゃん！

と出題意図を褒め称えると、友人は苦笑いをしていました。どうも出題意図なんてものは微塵も無く、適当に出題してみただけだったらしいです。なるほど。

『競技化』もありえるんじゃ？

苦笑いする友人とは裏腹に、僕はその時にある確信を持ちました。このスペック当てクイズは『競技化』出来ると……！

何も、全ての台のスペックを完全に把握している必要は無いのです。得られたヒントから推理をする。確率帯、継続率、出玉量、ラウンド振り分け、賞球数……機種を割り出すその作業が非常に面白い。スペックのみで答えが見つからなければ、メーカー名、発売時期……と少しずつ情報を開示する事も出来ます。少ない情報で答えられれば高得点という事にすれば競技性もバッチリ。

それに機種名を当てたり、外した後の雑談が楽しくて仕方ないのです。

当該台の思い出は勿論ですが、パチンコのスペックには時代性が大きく反映されます。『こんなスペックが流行っていた時代もあったねぇ』と語り合うのが本当に楽しい。とはいえ、こんな酔狂な遊びに付き合ってくれる人間などそうはいません。現に友人が付き合ってくれたのもこの一回だけでした。

……が、今はインターネットの時代です。身近にいないならSNSを通して探せばいい。ということで、スペック当てクイズに付き合ってくれる人を数人見つけました。マルホンのパールセブンを即答するような猛者達です。彼らとのクイズ大会……もとい、語り合いは何度やっても飽きることは有りません。

という事で！　

パチ7の奥底でやっている、このコラムを読んでくれている程にパチンコが好きな貴方もいかがでしょうか!?　

先程も書きましたが、全部の台を把握している必要はありません。気軽に始めてみてほしいんです。対戦相手がいなければ、僕が相手になります。対戦相手……もとい、パチンコの話をする相手に飢えているので、時間帯さえ合えばいつでも対戦できます。徐々に競技人口を拡大させていき、最終的に早押し大会を開くのが僕の夢です。それでは。