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若年性パチンコ研究脳
2020.11.13
研究#02:なぜそんなに速いのか?『源さん超韋駄天の圧倒的出玉速度のカラクリ』を研究する。
【お願い】
前回もそうですが、一般ユーザーにはブラックボックスな部分が多く、独自研究が多く含まれます。間違っている部分があれば容赦なく指摘していただけるとめちゃくちゃ喜びます。正確な情報に飢えています。
→研究#01:大工の源さん超韋駄天から『速いパチンコがなぜ生まれ、人気なのか』を研究する。
前回の続きです。
従来の出玉試験と比較して大きな制約が出来てしまい、出玉速度が早い台どころか普通のスペックすら出しにくくなってしまったパチンコ業界。そんな中、試験を通す為に使われているであろう手段と、“速い台を出す為に肝心な事”を解説します。まず、超簡単なおさらいですが……
新・出玉基準 | ||
---|---|---|
下限 | 上限 | |
1時間 | 33% | 220% |
4時間 | 40% | 150% |
10時間 | 50% | 133% |
2018年に施行された出玉率制限は非常に厳しいものです。その上、旧基準時代に良く使われていた秘策が封じられた事で、パチンコの試験適合率は下降の一途を辿る事となってしまいました。
そんな中、出玉試験を通過させる手段として有効と思われることが3つ存在します。
★『演出を間延びさせる』こと。
第一に『演出を間延びさせる』こと。
パチンコの試験は、回転数で区切られるパチスロと違い。完全に時間で区切られています。フリーズで10分稼いだ所で1Gは1Gで、試験的には特に何の意味も無いのがパチスロですが……パチンコにおいては、長い演出を搭載する事がそのまま出玉試験対策となりえます。長ければ長いほど試験において単純に有利。
また、前回も触れましたが試験時に止め打ちは一切行われません。通常時の長いリーチは大当たり抽選無しで、無駄玉大量排出の大チャンス!……とはいえ、新たに追加された下限規制がここでもネックに。昔と比べて戻しが大幅に大きくなったので、演出引き伸ばしの効果は薄れてしまいました。
さらに問題なのが右。打ちっぱなしで出玉率下限33%という制限は、右の性能にも強く影響します。電サポ中だけなら、普通に打てば33%を超えるので問題ないのですが、困ったことに通常時にも適用されちゃうんですよね、これ。
要するに、通常時にいきなり延々と右打ちし始める狂気的な打ち方でも、33%戻しがなきゃいけないのです。最近の台の右に入賞しやすい入賞口が必ずあるのはこれが原因。開かない電チューだけで33%も戻せるわけ無いからね。
ということで旧基準と比べて、“右打ちランプが付くけど電サポが働かないタイミング”である大当たり開始後のアタッカー開放までのインターバル時間や、ラウンド間のアタッカー開放待ちの時間を削りにくくなっています。垂れ流しても最低33%は、一般入賞口がきっちり払い出し。右打ち中の非電サポ区間は基本払い出しゼロであった旧基準と違い、間延びさせる意味が薄れてしまったと言えます。
さらに言うと、1時間で払い出せる球数が大幅に減ってしまった事から、総払い出しに対して電サポが与える影響が極端に増大しています。そのため、電サポ状態が長引くだけでどんどん払い出せる総球数は減少していきます。
つまり、確変や時短の消化中における間延びは、ほぼ効果が無くなっていると言っていいでしょう。
但し、常軌を逸した遅さにするのであれば話は別。現状維持の電サポが一時間続いて大きな払い出しが行われていたとしても、当たりで払い出される球さえ少なければ通ります。ある意味王道とも言える試験対策で、速度の遅さで話題になった牙狼の冴島鋼牙やタスクオブゴッドが代表的な該当機種になります。
▲源さんとは逆の方向で出玉速度が話題になってしまった冴島鋼牙
▲図柄が揃ってからアタッカーが開くまで、2分かってしまうタスクオブゴッド
両者のスペックに共通するのが、初回大当たりから大きな出玉を獲得できる可能性があり、確変突入時の期待出玉が非常に大きいという事。端的に言うとボーダーが低い台ってことですね。特に冴島は電サポ100回が保証されていますので、どうしても遅くせざるを得ないスペックでした。逆に言うとユーザーに優しいスペックとも言えます。
何にせよ、通常時の間延びが有効な手段であることに変わりはありません。当たらなければ増えないのだから、当たる時間を少なくすればいい。当然といえば当然です。
★『電サポの性能を低下させる』こと。
第2に『電サポ性能を低下させる』こと。
電チューが作動していないタイミングでもそこそこの返しがあるのならば、作動していてもそこそこの返し程度にしてしまえばいい……!
かなり冷酷な考え方ですが、33%さえ下回らなければ、どんなに電チューの性能を下げたって問題無いのです。そして、33%は既に一般入賞口で担保されている……
となれば、電チューの性能は落とせば落とすほど払い出される球数が減りますし、演出を間延びさせる意味も生じてくるというもの。昨今の台において電サポで増やせる台が皆無になり、打ちっ放しにするとガンガン減るような台ばかりになった原因が、ここにあります。
色々と思い浮かぶ台はありますが、僕の中で代表的なのは『うる星やつら~ラムのラブソング~』ですかね。
▲尋常じゃない電サポ比率が特徴のラムちゃん
ライトミドルのV-ST機ですが、50%の確変突入を掴み取れなくとも、時短100回が保証されている優しさ溢れるスペックです。
そしてその代償と言わんばかりの電チュー性能。まあ、止め打ちすればギリッギリでなんとかならないぐらいの減りで抑えられはするんですけどね。
”打ちっぱなしと止め打ち時の差があまりなく、どうやっても減る”みたいな設計の台よりも”打ちっぱなしだと減るけど、止め打ち効果ある台” の方が試験対策になると思われます。一番効果があるのは”打ちっ放しだとめちゃくちゃ減るし、止め打ちしたところで微減する”台で、それがラムちゃんです。ちなみにSTは鬼の200回転。ガンガン減るよ!
★『出玉性能を低下させる』こと。
そして3つ目が……出玉性能を低下させること。
1時間で220%出ると落とされるなら、そう簡単に1時間で220%出ないようにしてしまえばいい。つまり、一撃性能、ひいては大当たり1回の平均出玉を落としてしまえばいいんです。
ちょっと嫌な言い方をすると……辛い台にすりゃ通りやすいって事ですね。厳密に言うと、ボーダーが高い=1回転辺りの期待値が低い台を作ればいいという話であり、ゲージやベースの都合があるので一概に辛い台とは言えません。
というか何を当り前の事言っとるんだって話ですが、正攻法中の正攻法であり、これが国が望んでいる方向性のはずです。 これに関しては思い当たる節があるも何も、今出ている台全部が旧基準と比べると該当していると言わざるを得ません。ボーダー16とかいう台が堂々と出ていた時代とは違い、20超えが当たり前の世の中になった要因です。(ただ、個人的には高ボーダーで千円辺りの回転数が高いパチンコこそ理想で、あるべき姿だと思っています。店が意識した上での調整をするという性善説が大前提ですが……)
……ここまでが、ベース規制撤廃前時点での典型的な試験対策になります。
★長くなったので一旦『まとめ』
まとめると、
★出玉性能が高い台は遅くせざるを得ない。
★電チューの性能は低いに越した事は無い。電チュー1個一般入賞口1個が定石。
★総出玉に対して電サポが与える影響が大きく増大した為、電サポが長引く台は不利。毎回時短とか付いてくると厳しい。
★電サポ中の間延びは極端に遅くしない限り無意味。むしろ逆効果。
という感じ。極端に遅くするか、出玉性能を低くするか、電チュー性能を低くするか……どれも遊技者にネガティブな印象を与えてしまう方法と言えるでしょう。(くどいようですが、僕個人としては高ボーダー化をネガティブに思っていません。むしろ理想と思っています)
★本題「早い台を作るには」
さて、本題の出玉速度が早い台を通す方法ですが……2019年5月にベース規定が廃止された事をきっかけとして、上記の理論が逆転することになります。
前回の記事でも解説しましたが、ベースとは通常時の還元率を意味します。18年内規では30に選定……つまり、100発の打ち込みで30発は戻さなきゃならないという決まりです。それが撤廃。
一見、1時間で33%という下限規制がある以上、あってもなくても変わらない規制のようにも見えます。ベース30を下回る台を実際に作ったとして、1時間ハマると即下限に引っかかり試験に落ちてしまう。よって結局ベースが高い台を作らざるを得ないのですから。
……ですが! もしも、奇跡的に、1時間ハマる事なく下限をくぐり抜ける事が出来れば……削ったベースは、大当たりの出玉へ回すことが出来るのです。
『大工の源さん超韋駄天』を例に見てみましょう。
▲高速出玉の代表となった大工の源さん 超韋駄天
まず、大前提として源さんの出玉性能は決して高くありません。というか低いです。ここはとても大切なポイント。上にも下にもブレやすい高継続率が産み出す圧倒的な一撃が話題になってはいますが……そこに辿り着くのは極めて稀というのが現実。
平均で言えば、1回の右打ち大当たりで得られる平均出玉が420発で、平均連数が12.5連のですから……5250発程度なんです。初回を含めたとしても6000発を越えない程度の期待値で、速度を除けば試験を怖がるような数字ではないんです。さらに言えば、ラッシュに入らなかった場合は問答無用の600発で通常時に放り出しですんで、甘いとは口が裂けても言えません。
しかし、即通常時に放り出されるという要素が速度において重要な意味を持つのです。電サポから得る出玉の影響が大きくなってしまったのなら、電サポを無くしてしまえば良い。ベース規制が無くなり、払い出しを減らせるようになった通常時に放り込んでしまいましょう。
そして源さんが凄いのはここから。打たれた方はご存知でしょうが、この台は連チャン時のインターバルがほぼありません。電チューから払い出しを受けている暇など無い程に。
……そう、源さんは通常時や右打ち時の出玉を極限まで削り、その全てを当りの出玉へと一極集中させた台なのです。 コレは何も、源さんに限った話ではありません。ゴッドイーター、絶狼、鳳凰∞……現代における超高速機は、全て同じ理論で成り立っているはずです。
長々した電サポを持たず、出玉性能は低く……ついでに、電チュー性能がたいしたものではない。しかし、遊技者は電チュー性能に対して疑問を持ちません。数回転で終わりますから、性能が低かろうとそんなに悪印象は受けない、受けようがない。しかし、試験時となると話は別。垂れ流しです。
電サポ1回で特図2の保留無しという特性上、1回拾わせた後は眺める時間になる鳳凰においても、試験時には打ち続けられるのです。こうなると低性能電チューに大いなる意義が生まれます。ついでに言うと、クルーンでクルクル回っている間は小当り中なので電サポがありません。でも右打ちしっぱなしです。あらゆる要素が試験において有利になるよう仕組まれているはず。
ですが、疑問も生じます。いくらなんでも、1時間ハマったら即アウトというのは無茶ではないのか。かといってこれらの台が持つ速度で一撃万発でも出ようものなら即アウトだし、通常時でサクサク当たってしまい、塊を連打されても困る。出てもアウト、出なくてもアウトな状況で、1時間ハマらず、かといって1時間以内で14,000発払い出されもしない。そんな都合の良すぎる結果が出てくれるものなのだろうか……
出たんです。僕も自分で無茶な事を言っていると思います。ですが、これらの台が世に出回っていて、設置されている……つまり、無事に試験を通過している以上、そう考えるしか無いんです。
いくら環境を整えたところで、ちょっと平均を越えて継続すれば落ちます。いや、平均通りにしか連チャンしなかったとしても初当たりのタイミングによっては余裕でアウトです。なのに下限規制に関しては、下手すれば分母ハマっただけでも落ちかねません。上限下限双方を通すのは奇跡のようなヒキが必要になってくる。
でも、落ちなかった。最終的な結論として、高速機を世に出す為に最も必要な物は、運と言えるのではないか、という結論に至ってしまいます。
ついでに言うと、今出ている台はほぼ全てベース30以下です。落ちないような出玉速度の台でも、ベースを削ったほうが単純に出玉性能を上げられるというのが理由だと思うのですが、1/319だとどうやったって短期を通すのが厳しいはず。
……そう、通常時を遅くする事が決して有利ではなくなったのです。今までの上限だけ気にしていれば良かった時代と違って、下限も通す必要があるのですから。最近の台が通常時静かで演出基本短めなのは、なんとか1時間以内に当たる可能性を高めようとしているからなんじゃないかと邪推しています。
勿論、通常時を早くする事で上限に引っかかる可能性は上がります。しかし、下限よりはまだ融通が聞くと言いますか、通る範疇に収まってくれる可能性が高いのでは無いでしょうか。考えれば考えるほど無茶なように思えます。
……ベース規制撤廃から約1年、2020年の適合試験において月単位での適合率は一度も50%を越えていません。 特に、源さんや絶狼の仕様が出回った4月、5月においては25%という数字が出ています。これは、甘デジやライトミドルといった比較的通りやすい型式を含めての数字です。
決して、簡単に高速機が出せるようになった訳では無く、今置かれている台は、あくまでも奇跡の産物という認識を持つべきなのではないかと思います。しかし、今の流行が間違いなく高速機なのも事実です。
今後も、ユーザーが求めるスペックを提供するために難易度の高い試験突破を狙い続け、本来であれば落ちるであろう性能の台を通し続けるのであれば……行き着く先は、歴史が証明しているように、より強大な規制であり、自由度の低下なのではないかと考えるのです。源さんの速度に脳を焼かれながら……
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- rara
- 代表作:若年性パチンコ研究脳
北海道に蠢く24歳のスロパチ好き。珍古店を探して全国を駆け巡ったり、大きいホールに一台だけ置いてあるマイナー台を打って、悦に浸ったりするタイプの人。最近のマイブームはパチスロミルキィホームズ。
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単に運で通したという訳でなく、少しでも確率を上げた上で最終的に運勝負ってのが面白いと思います。
ここから更に締められるような事があればいよいよだと思うのですが、どうなるでしょうね...
私は早ければ良いとは思っていないので、こういった機種のために作られた新しい規制が既存のパチンコを駄目にしてしまわないことを願っています。