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若年性パチンコ研究脳
2021.09.17
研究#16-1:ありがとう・さようなら。CR機完全撤去間近! CR機の足跡を辿る連続企画~黎明編~
小規模なお店でばかり打っているので、天井に近すぎる台を拾うと罪悪感を覚えてしまう小心者パチ7ライターのraraです。でも打ちます。
この連載でも何度か触れた話題ですが……いよいよもって、今度こそ本当の本当に5号機とCR機の撤去が近づいてきています。再度の変更が無ければ、来年2022年の1月末を基準に全撤去しなければなりません。
今残っている台はどれも寿命が半年以内ということになりますし、完全撤去に向けて毎月CR機と5号機の設置比率を下げなくてはいけない決まりもあります。ジャグラーや海などの、間違いなく最後まで置かれるであろうビッグネーム以外を打ちたい人にはいよいよ猶予がない状態になってきました。
さて、5号機の歴史は2005年から始まりました。当初はノーマル機しか作ることが出来ないと言われており、実際にノーマル機しか出ていませんでしたが……長い歴史の中で様々なスペックが登場し、時代に応じたトレンドが生まれ、様々な変容があって今に至っています。
2022年に本当に全て撤去されるのであれば、その設置期間は17年ということになります。これは15年間続いた4号機よりも長い、歴代最長の期間です。そんな長く続いた5号機基準に敬意を評して、パチ7でも5号機の歴史を振り返る企画が準備されているとか、いないとか。
※編注:5号機まとめ企画、進行しております。
……ということで、思いっきり便乗致しまして、この連載では『5号機とともに役目を終えるCR機の歴史』を掘り下げようと思います!
★CR機:約4000台のスペックを調査!
正直、自由度が高すぎて分類がしにくいART時代以降のパチスロと違い、パチンコはかなりの縛り・規制があることで明確にジャンルを分類できます。そのスペックには、如実にその当時の流行りが反映されるわけですね。
そこで今回は、CR機の流行り廃りを徹底調査! 僕の有給を費やし、2004年基準以降にリリースされたほぼ全ての台、約4,000台のスペックを調べ上げ、データベース化しました! (p-worldに記載されていない台は漏れています。)
年毎にリリースされていた確率帯の違いや、今や珍しくなった概念”潜伏”がどれだけの台に搭載されていたのか等、様々な視点からCR機の歴史を振り返ろうと思います。何回か続く予定ですが、CR機とともにあった皆様には是非お付き合い頂けましたら幸いです。
さて、今回はそのデータベースをまったく活用しない前哨編です!
CR機の歴史は5号機以上に長く、設置が始まったのは1992年。完全撤去の来年2022年が丁度30周年という長い歴史があります。ですが、スペックが多様化したのは2004年の規制緩和から。ゲーム性や出玉の見せ方の自由度が一気に向上してから、ということですね。
それまでの12年間は、その時代で出来うる一番のスペックを各社が出し合うような時代が多く。出る台のほとんどがほぼ同じスペックという時代さえありました。
ということでこれらの時代に関してはデータベース化をせず、ザックリとした解説に収めたいと思います。過去の連載で紹介した内容と被る部分もありますがご了承ください。
★CR機のはじまり~健全化というお題目~
時は平成4年(1992年)にまで遡ります。当時のパチンコは現金で直接玉を借りて遊ぶ物でした。そこに至るまでの歴史についてまとめるとまた別の連載が始まってしまうので割愛しますが、当時人気を博していたのが”デジパチ”というジャンルです。
大抵において盤面中央にある”ヘソ”と呼ばれる入賞口に入れることでデジタルを回転させ、デジタルの図柄が揃うと大当り。大当りすると”アタッカー”と呼ばれる大入賞口が開放しますので、そこに玉を入れて賞球を手に入れる……というゲーム性で、令和の今我々が打っているパチンコの大筋は既に完成していました。
さて、この現金機において問題とされていたのが金銭の流れが不明瞭だということです。
取引に関して、そのデータを残す一般的な商売と違い、サンドを搭載したパチンコ機は自動販売機に近い営業形態になっています。そのうえ、ジュースなどの自動販売機と違い、商品の仕入れは発生せず、玉も貸出しているだけで戻って来ます。いわば”在庫”という概念が存在しません。率直に言ってしまうと、脱税がものすごくしやすい環境だったんです。
それを改善するために考案されたのが、今回の主役である”CR機”です。
現金機と違い、遊ぶためにはまず専用の券売機から”パッキーカード”を購入する必要があるのがCR機。カードの残高は100円単位で管理され、台に付いている玉貸ボタンを押す事で玉が貸し出されます。カードを読み込ませる、つまりCardをReadするのでCR機という名称です。
▲今はパッキーカードを別途購入する必要はなくなりましたが、貸出を台でするのは同じ。
パッキーカード購入代金は一旦業者に集められ、各店での使用データに応じて再分配されるという仕組み。カードを購入した店舗に限らず、CR機を導入していたどこの店舗でも利用可能だったのが特徴です。(その代わり、今で言う”精算”のように、使わなかった残高を払い戻すことは不可能でした。)
仕組み上、CR機が持つ売上データは完全に管理されることになり、所轄的には大きなメリットがあります。当時のパチンコ業界は右肩上がりで成長を続けており、そこから入る税収も莫大です。誤魔化されずに収めさせるのは急務と言えました。
しかし、設置店から見るとどうか? 正直なところ、コレだけだとメリットでもなんでもありません。CR機独自の設備を導入しなければなりませんし、自動販売機のこと等も考えると、とてつもない費用を負担する必要があります。
その上、財務なんて不透明な方が納める側からすれば都合がいいぐらいのものです。 そんなCR機を導入促進する為、1つの特権が認められることになります。
★CR機の特権~健全化の為の過激化~
現金機のデジパチは、大当りに”連続性”が認められてませんでした。ですが、現実的には大当りが連続”してしまう”台が多数世に出回っていたというのが事実です。今ほど厳密に内部をチェックされていなかった時代、というバックボーンがあるとはいえ、有名な保留玉連荘機を筆頭にモード式や数珠つなぎなど、様々な個性を持った連チャン機が生まれていました。
それらの違法な連チャン機を撲滅し、なおかつCR機の導入を促進する……という一石二鳥のために認められた超法規的特権こそが、大当り確率の変動。いわゆる『確変(確率変動)』です。
この確変ですが、当時は市場で受け入れられなかったと言われています。理由は明快で、単純に出玉性能が低かったんです。CR機第一弾として登場した台のスペックを見ると、軒並み確変突入率2/17とか、4/15などという数字が出てきます。
既にある現金機とそう変わらない性能なら、わざわざ高い初期投資をしてまでCR機を導入する必要がありません。ホールが設備導入しないのであればメーカーも新台を作りません。負の連鎖です。 ということで、導入促進の起爆剤として新システムが認可されます。
パチンコの歴史上、最強の出玉性能を誇る『2回ループ機』の登場です。
★確変突入時の期待値歴代最強”2回ループ機”
2回ループ機の第一弾として登場したのが、CR機の登場から1年後の1993年に登場した西陣の『CR花満開』です。確変突入率こそ従来のCR機と代わり映えのしない2/15という数字ですが、入ってしまえば通常を2回引くまで終了しないというのが大きな変更点。そのうえ、確変中は確変割合が6/15まで向上します。
本来CR機でも、確変割合の変化は認められていません。花満開の存在は、CR機の促進に業を煮やした所轄が特例で許可した、など様々な噂がありますが、都市伝説の粋を出ていません。
1つ確かなのは、確変突入時平均出玉が1万発をゆうゆう越えてしまうこの機種が正式にリリースされ、大人気になったということだけです。(なお、花満開には本来CR機によって粛清されるはずだった保留玉連荘機能まで搭載されています。)
CR花満開の大ヒットを受け、CR機の導入は加速的に増加することになります。この時改めて確変割合に対するルールが設備され、1回ループ機は50%まで、2回ループ機は33%までと定められました。
いつの時代も求められているのは荒い機械です。究極の荒さをもつ2回ループ機は大ヒットを重ね、大当たり確率1/399前後、確変突入率1/3、2回ループというスペックが「フルスペック」と呼ばれテンプレ化、多くのメーカーからほぼ同じスペックが排出される事態になります。
横並びの台が並ぶ中、上記の性能はそのままに確変終了後に100回転の時短を搭載してしまった『CR大工の源さん』が大ヒット。出玉性能は頂点を極めます。この時点で、勢力図は完全にCR機より。2回ループ機が持つ当初の目的であったCR機の普及は大成功を収めました。
▲反則技の花満開を除けば歴代最強の性能を誇る初代源さん
さて、普及に成功した以上、過激な出玉性能は本来所轄の望むものではありません。1度設備を導入してしまえば今後もCR機を使い続けざるを得ないのですから、規制には絶好のタイミングといえます。
ということで平成11年(1999年)、CR機に規制がかかります。CR登場から7年のことです。
★パチンコ暗黒時代!? ”5回リミット機”
1996年の規則では大当り確率の下限が1/360までとマイルドになり、2回ループという仕組みは完全に撤廃。実質的な継続率を上げられる確変終了後の時短も搭載出来ないようになりました。
そして1番大きな変更点が、確変継続回数にリミットが設けられたこと。初当りも含めて5連目に達した時点で強制的に確変が終了、となってしまったのです。時短も封じられていますから、問答無用で終了確定ということになります。
突入率1/3の2回ループだと、突入時の平均連チャン回数は4.75回と5回に近い数字になります。今まで平均で出ていた出玉が、上限になってしまった……この影響は大きく、新台の人気が出ない時代に突入してしまいました。
また、スペックのテンプレ化が更に加速。当時の資料を確認するとほぼ全てのCR機が、
大当り確率 | 1/330~1/360 |
確変突入率 | 50% |
大当り出玉 | 2200~2400 |
リミット | 5回まで |
と、狭い幅の中で、あまり差が無いスペックばかり出ていることが分かると思います。
結局、この規制が解除されるまでには3年の時を要することになります。この時から、過激化と規制を繰り返し続ける体質は始まっていたのかもしれません。次回はリミットが無くなった2003年からのCR機についてです。それではまた。
★おまけ~その頃のパチスロ~
パチンコが凋落するのとほぼ時を同じくして、パチスロの過激化が始まっています。”規則解釈の見直し”というミラクルワードと共に大量獲得機が生まれたのが平成10年(1998年)です。
そこから3年後、パチンコの5回リミットが直撃している時代には『獣王』を筆頭としたAT機が登場。規則の枠組みの中で、歴史上初めてパチスロの出玉力がパチンコを上回った時代と言えるでしょう。(裏物に関しては場外乱闘みたいな存在なので無視します。)
当時のサミー営業資料によると、パチスロ専門店が大量に産まれたのもこの時期です。低迷するパチンコに見切りをつけ、より荒い性能を持つパチスロに注目するのは当然と言えば当然の流れです。現代でもパチンコ増台の話なんかをよく聞きますし、歴史は繰り返されますね……。
そして、やり過ぎると規制さてしまうのも何度も繰り返されている歴史です。万枚が当たり前のようになっていたAT機は、最終的に一部の台が検定取り消しに合うというとてつもない結末を迎えてしまいます。奇しくも、パチンコからリミットが撤廃された平成15年(2003年)の出来事でした。
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- rara
- 代表作:若年性パチンコ研究脳
北海道に蠢く24歳のスロパチ好き。珍古店を探して全国を駆け巡ったり、大きいホールに一台だけ置いてあるマイナー台を打って、悦に浸ったりするタイプの人。最近のマイブームはパチスロミルキィホームズ。
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花満開は意図的に保留1個目を1/8に書き換えています。
全てが判定結果を保留に書き込むわけではありませんが、確変中は保留を全点灯させておくことが有力でした。
そのような連チャンを廃止するために判定結果を書き込むのではなく、乱数を書き込み状態に応じて当否判定する現在のシステムになったようです。
うわ、その仕組み初めて聞きました!
花満開の保留連が確中確率を参照することによって生まれるものだというのは伺っていたのですが、どの台も同じだったんですね……!貴重な証言ありがとうございます。
今は取得した乱数で、内部状態に応じた当否判定をしていますが、昔は保留取得時に当否が書き込まれていたため、確変中に4個点灯させておけば通常大当り後も保留連チャンの可能性がありました。
また、新規オープン時にはCR機を導入しないと許可を出さないなどの癒着もありましたね。