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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2022.11.29
パチスロライターに“なってしまって”episode.7(混沌とした2001年)
『獣王』の登場で一気にパチスロシーンが変わったように思われる方もいらっしゃるでしょうが、そんなわけではございません。2001年秋口までに登場した主な機種をまとめてみます。
★平和・オリンピア
・爆裂大相撲(紅・紫)
・アイムエンジェル(ブルー・ホワイト)
・レースクイーン2
・トリックモンスター2
まだまだ技術介入系のノーマル機がメインでしたね。『トリックモンスター2』辺りから本格的にAT機市場に参入。AT終了後のBETでファンファーレとともに次のセットに突入するのが気持ち良かったなあ。
★ユニバーサル(当時アルゼ)系
・花火の親方
・デカドンちゃん2
・クレイジーレーサー
・サーフトリップ
・ギャンブルコンボ
・コンチ4X
・爆釣
▲『クレイジーレーサー』
当初はノーマル系でしたが、急速にAT系へと舵を切ったかと。『クレイジーレーサー』を担当したなあ。ゴニョゴニョな機械でしたけど。データ取りが『パチスロ攻略マガジン』の攻略軍団の方たちと被って、そのホールでネギ坊さんと先行導入店のシマで名刺交換したのが思い出です(笑)。
★サミー系
・獣王
・インディジョーズ2
・オオガメラ
・ハードボイルド2
・ネコde小判
・ダブルチャレンジ
▲『ダブルチャレンジ』
A+AT最高の名機と言われたら『ダブルチャレンジ』を挙げるかも。AT役があり、それが成立したゲームが天国モードならばAT100G、地獄モードならば10Gが基本ゲーム数となります。そのゲーム数を1倍から30倍までにBETでき、天国で30倍に成功すると3000GのATに。ATは1Gあたり3枚超だったので、ほぼ万枚確定となるものでした。
そういったギャンブル機的な楽しみ方もあれば、堅実に2倍以内をコツコツ叩くノーマル機的な勝負もあり。プレイヤーが選べたんですね。で、これまた変則押しが面白い。レアハズレの制御などもあり飽きが来ない作りとなっていました。ノーマル機としても秀逸でしたね。
★山佐
・ナイツ
・トリガーゾーン
・サイバードラゴン
▲『トリガーゾーン』
BIG中の小役ナビが出るスーパーBIGのあるツインBBタイプ。その“今BIGを引いたらスーパーになるよ”というトリガーとなる高確率ゾーンが特徴でした。その高確率ゾーンは◯分以内という時間制限のものもありまして。その場合はスイカが成立した際にゾーン再突入の可能性があるので“ゾーンの残り何秒以下なら、時間経過で消化するまでBETボタンを叩かないほうが良い”など、条件ごとにチマチマと計算してページを作った記憶があります。
この頃の山佐は少数精鋭という感じで面白い機種ばかりでしたね。
★その他
・ゴーゴージャグラー(北電子:ノーマル)
・ドラキュラリターンズ(ネット:プチストック)
・ハナハナ−30(パイオニア:ノーマル)
・シノビ(高砂電器産業:ノーマル)
・達人(バルテック:A-AT)
▲『ゴーゴージャグラー』
メーカーの方々、まとめてしまって申し訳ないです。2001年の特徴としては、後の世もノーマル機のスタンダードとなる『ゴーゴージャグラー』と『ハナハナ-30』が登場したことですね。ノーマルを出してくれていたメーカーも、AT機開発へとハンドルを切っていったので、必然的にこれら2機種の需要が高まっていったと考えています。
この中で面白い取り組みは『ドラキュラリターンズ』ですかね。ボーナス成立後もボーナスを抽選してくれるプチストック機。雑誌ではこんな企画をやりましたね。とりあえず10万円ぶっ込んで、そこからボーナスストックを1G連チャンさせながらまとめて消化する。当初はお忍びでやっていましたが、ホールの方のノリが変わってきまして。話をしたらスチール撮影を許可してくれました。
★レバー騒動
ノーマル機時代が終わりを告げ、AT機時代に移っていこうとする秋口。業界を揺るがす大事件が起きます。いわゆる“レバー騒動”です。サミー系の筐体で、特殊なレバーの叩き方をすると前のゲームと同じ成立役が再び成立するというもの。
『獣王』の完全ハズレもコピーすればチャンス2倍。『ネコde小判』でジャックポットとなるリプレイ4連もタイミングが合えば2発でOK。さらに『ハードボイルド2』ではストックされたボーナスも2倍にできるというとんでもなさ。シェアを伸ばしていたサミー系マシンは、多くのホールでシマ封鎖されることとなりました。
この時期に取材していた『釣りキチ三平』は発売延期。実は、BIG中にBIGが揃って、そこからBIG中に小役ナビが発生するのを自力で見つけていたんですよ。見つけたのは偶然です。そんな発想を持った機種、そこまでありませんでしたから。スクープになるはずだったのに、無念、無念。
その後、年末だか年始だかに延期されて発売されましたが。監修出すじゃない。見つけたメディアがいるとバレるじゃない。なら……ということでオープンに発表されたか、他の雑誌にも普通に掲載されていました。ツカン。
そういう小さな恨みはありますが、今もってサミーが大メーカーなのは、この時の対応が迅速かつ適切だったからでしょうな(軽くフォロー)。
★ストック機の原型。
▲『スーパーリノ』(山佐:2001年9月)『キングパルサー』(山佐:2001年11月)
そんなレバー騒動があった頃、山佐から次世代を担うシステムを持った機種が発表されます。『スーパーリノ』です。
ネットが『ブラックジャック777』で提案したストックという概念ですが、そこまではストックタイムに当選したことが告知され、またSTに突入するのがボーナス成立時となっていました。いわば、そこからの自家発電です。自分で貯めて吐き出させます。それに対して『スーパーリノ』は、いつボーナスが成立して、いつSTに入ったかが分からない仕様。当初はシークレットストック機と呼ばれておりました。
基本的にハマりやすく、ボーナス放出時にボーナスがストックされていれば連チャンしやすいゲーム性。まあ、設定変更でストックが消えてしまうので、朝からは打ちたくねえぇぇな仕様でしたが。それを改善したのが11月発売の『キングパルサー』です。内部ボーナスを1つ消去する代わりに次回の放出ゲームを再セットしておりました。
これまた100の実戦よりも1つの解析が説得力を持つ機種。ボーナスが連チャンしやすいゲーム数が一目瞭然となるのですから。ライターになったのは良いけど、ライターの意味ないじゃんと本気で思うようになったのは事実です。ただ、この時はストック機が主流になることはありませんでした。なぜならAT機のほうがまだ出玉が凄かったから。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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