【第6回】お題～パチスロの楽しさとは？～鈴虫君編

【クズと虫。とは】
元クズ田中氏と鈴虫君氏が同じテーマをそれぞれの視点で語るという連載企画。第6回は「パチスロの楽しさとは？」です。思い切ってベタなテーマでございます。

鈴虫君氏にとってパチスロの楽しさとは？

どんな台、どんな内容でも勝てればなんでも楽しい。自分がパチスロをはじめたのは、友人に勝てるから打ちに行こうと、詐欺の常とう手段のような誘い文句にほいほい乗っかったのがきっかけで、そんな時代の背景もあってか、パチスロをひとつのゲームとして向き合ったことは一度もない。

ある人はタイアップに、ある人はゲーム性にそれぞれ魅力を感じるかもしれないが、自分の場合、そこにはなにもない。ざっくり表現すると、出ているときは楽しい。ATが残り500Gもあれば小一時間は打っていられるし、その間の上乗せを考慮するとさらなる伸びもあって、出玉もそれなりにもらえる。

もうしばらくはパチスロ打っていられる…その安心感が好きだと思う。その部分には共感してもらえるところもあると思うが、ここから先は誰に話しても理解してもらえないことなので、一旦、深呼吸してから読み進めていただきたい。

結論からいうと、俺、ボタンが好きなんだよね。3つあるパチスロのストップボタン。こどものころから、電卓、レジ、信号機、これらのボタンをとにかく押したい少年で、信号機のボタンを母親に押されたときは大泣きして家出まで考えたことがある。このことを理解してくれるのはヤッターマンに登場するボヤッキーぐらいで、彼とはボタンの堅さをはじめとする押し心地について酒を飲みながら語り合いたい。

パチスロのボタンでいえば、サミー系の独壇場であることをご存じだろうか。大きさ、色、押し心地、すべてにおいてハイクォリティで、特に押し心地に関しては他メーカーの追随を許さないほど優れている。俺、今ボタンを押してるぜぇぇぇと、ボタンマニアを喜ばせる質感は世界に誇れる日本の技術力といえるだろう。

パチスロを打つときに使用する指は、親指、人さし指、中指が一般的だろう。自分は人さし指で打つ派で、親指は素人っぽくてイヤ、中指は夜に使う大事な指をここで消耗させるわけにはいかないとの考えだが、それ以上に人さし指で打つ理由がある。もうおわかりいただけるだろう。

人さし指はボタンの押し心地がもっとも伝わるスペシャルフィンガーなのだ。著作権の問題で画像を使用することはできないので、これを読み終えたあとに検索してみるといい。先に挙げた同志、ボヤッキーがボタンを押すときは必ず人さし指である。あいつ、いや、ボヤッキー先輩はボタンのすべてをわかっているのだ。セルジオ越後っぽくいわせてもらうと、親指と中指でパチスロを打つ人は、パチスロの本当の楽しみを知らないんじゃないかな。そんなんじゃブラジルには勝てないよ。

これまでひとつの遊びをここまで長く続けてきたことはなかったし、それが仕事にもなった。すべてはボタンのおかげであって、パチスロが楽しいのはボタンがいっぱい押せるから。そういえば、文章を書くときはパソコンを使用していて、こちらもボタンだらけ。このコラムを書くにあたってすでに2000回はボタンを押しており、締め切りを4日過ぎても笑って書いていられるのもボタンの力によるものではないか。

もう確信に変わった。俺はボタンが好きだ。ボタンを愛している。しばらくガラケーからスマホに代えられず、スマホを買った今も2台持ちなのはボタンを押せなくなるからだ。今日も明日もどこかでボタンを「ポチッとな」。