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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2019.07.30
6号機の遊技機規則を読んでみよう(4):出玉設計
世の中はすっかり吉本興業の騒動で持ちきりですが、触れないわけにはいかないでしょう。参議院選挙でパチンコ業界が推した、おだち氏は残念ながら落選。業界人口は26万人と言われていますが、10万票に届きませんでした。
自民党の二階幹事長から「応援してやってちょ」と言われたのは今年に入ってから。バラバラなことには定評のあるパチンコの業界団体をまとめるには時間が足りなさすぎました。まあ、あと難しい業界なのは否定しません。おだち氏も頑張って勉強してくれましたけどね。「パチンコ業界をこうしよう」という政策・スローガンを作って浸透させるには至りませんでした。
おだち氏には、またパチンコ業界を背負って戦って欲しいかな。政党を鞍替えしたほとぼりも冷めますし。次回までに業界のお勉強をしてパワーアップしてくださると嬉しいです。
吉本興業の件はパチスロに関係ないからスルーしたいところ。そう考えるのが当たり前なのよ。パチスロライターが語りたい主義主張は、パチスロであるべき。だから、政治やら宗教やら避けたいんですよ。そんなことで、パチンコやパチスロの主義主張が伝わりにくくなるのは避けたい人種なのよ。各業界団体は肝に銘じて欲しい。今回の選挙戦、ライターは危機感を持っていて勝手に応援したんです。業界団体が動けば、ライターもついてきてくれるなんて簡単に考えないように。こういうのを頭数に数えてしまう馬鹿な業界です。
ちなみに、パチスロライターは若手芸人のようなものですが、パチ7とは契約書を交わしております。こんなことを書くように、雑誌仕事のときは契約書を作ったことがありません。なので、若手芸人さんの嘆きがよくわかります(笑)
そういう目で今回の騒動を見ると、南海キャンディーズの山里さんが、流石ですね。報道陣に、向かって「皆さん、そろそろ答えを教えてください」。凄すぎますわ。触れないのは素人でもできます。触れてどう伝えるか。そんなところを見ていました。
なお、かが屋と四千頭身と金属バットを褒めておけば、お笑い通と呼ばれるご時世ですよね。というくらいお笑いは大好きです。面白いですよね、この3組。私は若手の中なら、やさしいズが好きですけど。って、お笑いの話だけでも長くなりそうなので、さっさといつもの続きに向かいます(汗)
(1)性能に関する規格
ロ:遊技メダル等の獲得に係る遊技機の性能に関する規格
(ホ)
設定ごと及び規定数ごとに、回胴回転装置を作動させた後、回転するすべての回胴につき、任意の順序により、任意の時間に回転停止装置を作動させる試験を400回行つた場合において、獲得する遊技メダル等の総数が、投入をした遊技メダル等の総数の3分の1を超え、かつ、2.2倍に満たないものであること。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「すべての回胴」とは、回胴回転装置で制御される回胴であると解し、演出に用いる回胴等は含まれないものであると解する。「四百回」とは、一切の延長のない400回の遊技回数をいうものであると解する。「四百回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う400回の遊技であると解する。「任意の」とは、試験においてあらかじめ定められていないものであると解する。試験結果が正に3分の1倍又は2.2倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
ここから出玉設計の話が続きます。解釈基準は壊れたスピーカーのようになるので、まとめてあります(笑) いずれの項目も試験を開始してから規定ゲームをクリアすればOKではありません。起点はどこでも規定ゲーム内で出玉率の幅を超したらアウトとなる悪いところ取りです。
400Gは短期出玉率。複数の規定ゲームと段階が設けてありますが、17500Gの長期出玉率以外は4号機まで基準なし。5号機以降で追加されたものです。基本的には出過ぎる機械はダメということですが、下限も決められています。長期出玉率の下限は、4号機以前にも存在。それ以外の下限は6号機から新設されました。
(ヘ)
設定ごと及び規定数ごとに、内部抽せんを行い、条件装置が作動した場合には当該条件装置に係る図柄の組合せが表示され、当該図柄の組合せにより獲得することができる遊技メダル等の最大数が獲得されることとしたシミュレーション試験を400回行った場合において、獲得することとなる遊技メダル等の総数が、投入をしたこととなる遊技メダル等の総数の2.2倍に満たないものであること。
■解釈基準)
ロ(ヘ)「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「四百回」とは、一切の延長のない400回の遊技回数をいうものであると解する。「四百回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う400回の遊技であると解する。試験結果が正に2.2倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
内部抽せんとは、成立役のこと。前項目で書かれていたのは、実際に試打する実射試験。それに対して、こちらはプログラム上で動かします。もちろん、こちらも悪いところ取り。このシミュレーション試験は、5号機で新設されたものです。
(ト)設定ごと及び規定数ごとに、(ホ)に規定する試験を1,600回行つた場合において、獲得する遊技メダル等の総数が、投入をした遊技メダル等の総数の5分の2を超え、かつ、1.5倍に満たないものであること。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「千六百回」とは、一切の延長のない1,600回の遊技回数をいうものであると解する。「千六百回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う1,600回の遊技であると解する。試験結果が正に5分の2倍又は1.5倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
短期出玉率が400Gなのは、概ね1時間という計算になっております。実際はもっと回せますけどね。ということで、この1600Gは概ね4時間ということ。こちらは、6号機から新設。依存問題対策の議論で、なぜか“4時間”がクローズアップされたからでしょう。
(チ)設定ごと及び規定数ごとに、(ヘ)に規定するシミュレーション試験を1,600回行つた場合において、獲得することとなる遊技メダル等の総数が、投入をしたこととなる遊技メダル等の総数の1.5倍に満たないものであること。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「千六百回」とは、一切の延長のない1,600回の遊技回数をいうものであると解する。「千六百回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う1,600回の遊技であると解する。試験結果が正に1.5倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
4時間出玉率のシミュレーション試験について。数字が変わっただけで、内容は同じです。
(リ)設定ごと及び規定数ごとに、(ホ)に規定する試験を6,000回行つた場合において、獲得する遊技メダル等の総数が、投入をした遊技メダル等の総数の2分の1を超え、かつ、1.26倍に満たないものであること。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。 「六千回」とは、一切の延長のない6,000回の遊技回数をいうものであると解する。「六千回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う6,000回の遊技であると解する。試験結果が正に0.5倍又は1.26倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
6000Gは中期出玉率と呼ばれています。もちろん、悪いところ取り。内容は同じです。
(ヌ)設定ごと及び規定数ごとに、(ヘ)に規定するシミュレーション試験を6,000回行つた場合において、獲得することとなる遊技メダル等の総数が、投入をしたこととなる遊技メダル等の総数の1.26倍に満たないものであること。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。 「六千回」とは、一切の延長のない6,000回の遊技回数をいうものであると解する。「六千回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う6,000回の遊技であると解する。試験結果が正に1.26倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
中期出玉率のシミュレーション試験について。数字以外の内容は同じです。
(ル)設定ごと及び規定数ごとに、(ホ)に規定する試験を17,500回行つた場合において、獲得する遊技メダル等の総数が、投入をした遊技メダル等の総数の5分の3を超え、かつ、1.15倍に満たないものであること。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「一万七千五百回」とは、一切の延長のない17,500回の遊技回数をいうものであると解する。「一万七千五百回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う17,500回の遊技であると解する。試験結果が正に1.15倍又は0.6倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
1号機から4号機までも存在していたのが、17500Gの長期出玉率。5号機以前は120%未満でしたが、ご時世によって115%へと減少しました。えーっと。これも悪どころ取りです。なぜなら、試験は17500Gで終了すると書かれていません。気に食わない機種が出てきたら、どこかがアウトになるまで回し続けることも可能という話です。
ゲーム数 | 出玉率 |
400G | 33.3%~220% |
1600G | 40%~150% |
6000G | 50%~126% |
17500G | 60%~115% |
(ヲ)設定ごと及び規定数ごとに、(ヘ)に規定するシミュレーション試験を17,500回行つた場合において、獲得することとなる遊技メダル等の総数が、投入をしたこととなる遊技メダル等の総数の1.15倍に満たないものであること。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「一万七千五百回」とは、一切の延長のない17,500回の遊技回数をいうものであると解する。「一万七千五百回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う17,500回の遊技であると解する。試験結果が正に1.15倍である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能が、本規定に抵触する。
■佐々木の解説)
長期出玉率のシミュレーション試験。こちらも数字以外の中身は同じです。
(ワ)設定ごと及び規定数ごとに、(ホ)に規定する試験を6,000回行つた場合において、獲得する遊技メダル等の数のうち役物の作動によるものの割合が、7割(第1種特別役物の作動によるものの割合にあつては、6割)を超えるものでないこと。
■解釈基準1)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「六千回」とは、一切の延長のない6,000回の遊技回数をいうものであると解する。
■解釈基準2)
「六千回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う6,000回の遊技であると解する。
■解釈基準3)
試験結果が正に7割(第一種特別役物の割合にあっては正に6割)である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触しない。第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動により作動する第一種特別役物で獲得された遊技メダル等は、「第一種特別役物の作動による」遊技メダル等である。
■佐々木の解説)
全体のコイン払い出しのうち、ボーナス分として払い出すことができる割合を提示しています。通常ゲームで吸い込みまくって、ボーナスばかりというゲーム性は射幸性が高くなるので禁止されています。これを役物比率と言います。70%未満にしろということは、通常ゲームの小役で30%以上は出せということ。通常ゲームのベース(50枚あたりの回転数)を減らせないのは、この規定があるからです。
ポイントとなるのは「第一種特別役物」。REG(REGの集合体であるBIGも含む)での払い出しが60%未満ということは、第二種特別役物(2種BB・MB)を搭載していないと70%未満にできないということ。よって、2種BBを搭載していないノーマルタイプ(アクセント程度のART機も)は、ベースが高くなる傾向にあります。初の5号機パチスロとなった『新世紀エヴァンゲリオン』や初期5号機の『うる星やつら』『シェイクII』がこれに該当します。
市場に導入した機種の不正改造を見抜きやすくするため、この役物比率は役比モニタで監視されます。このモニタは、5.9号機内規から新設されました。
(カ)設定ごと及び規定数ごとに、(ヘ)に規定するシミュレーション試験を6,000回行つた場合において、獲得することとなる遊技メダル等の数のうち役物の作動によるものの割合が、7割(第1種特別役物の作動によるものの割合にあつては、6割)を超えるものでないこと。
■解釈基準)
「設定」とは、別表第二(3)へにいうものであると解する。「六千回」とは、一切の延長のない6,000回の遊技回数をいうものであると解する。「六千回にわたり遊技を連続して行った場合」とは、連続して行う6,000回の遊技であると解する。試験結果が正に7割(第一種特別役物の割合にあっては正に6割)である場合には、当該結果を可能とする遊技機の性能は、本規定に抵触しない。第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動により作動する第一種特別役物で獲得された遊技メダル等は、「第一種特別役物の作動による」遊技メダル等である。
■佐々木の解説)
役物比率のシミュレーション試験について。こちらも中身は同じです。
(ヨ)入賞に係る図柄の組合せの数は、すべての図柄の組合せの数の100分の11を超え、100分の40を超えないものであること。
■解釈基準1)
「すべての図柄の組合せの数」とは、図柄の数が一の回胴につきN個の場合、Nの回胴数乗であると解する。
■解釈基準2)
入賞に係る図柄の組合せを複数設けている遊技機がそれぞれの入賞に係る図柄の組合せの数の和が全ての図柄の組合せの100分の11以下であり又は100分の40を超えるものである性能を持つものである場合には、技術上の規格に定められていない入賞に係る図柄の組合せの数に係る性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、本規定に抵触する。
■解釈基準3)
本規定は、役物及び役物連続作動装置の作動時又は非作動時について、常時満たす条件が定められているものである。
■解釈基準4)
図柄の組合せの数は、回胴ごとに図柄が有効となる停止位置の組合せのうち一の組合せを用いて算定するものである。
■佐々木の解説)
入賞とは小役のこと。すべての組合せは、20コマの3リール機なら20×20×20=8000。その11/100〜40/100なので、全出目のうち小役揃いが880〜3200までの範囲になくてはならないということです。リール制御で揃えさせないだけでもバランスは取れるじゃないか……と思う人もいるかもしれませんが、リール上にある絵柄で概ねの確率がわかるようにするのもパチスロの歴史なわけです。正確な役構成を非表示にできてしまっては意味ありませんけどね。
(タ)設定ごと及び規定数ごとに、入賞に係る1の条件装置が作動する確率は、あらかじめ定められた値であり、役物が作動している場合を除き、変動するものでないこと。
■解釈基準)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項と解する。
■佐々木の解説)
小役確率はボーナス中以外、常に一定でなければならないという規定です。小役確率が変わっていれば、それは何らかのボーナス中ということ。ただし、リプレイはこの限りではありません。リプレイは別項目でしっかり書かれているので、また解説します。
なお、役物には“普通役物(5号機以降のSIN)”は含まれるか微妙です。ネットの『ドリスタ』はSIN入賞後の1Gだけ特殊小役が成立し、揃うとRTに入るシステムとなっていました。しかし、その方式は認められなくなってしまい……。この規則の読み方が変わったか、別の内規ができたのか。そのどちらかでしょう。
(レ)入賞に係る条件装置は、再遊技に係る条件装置が作動している場合にあつては、作動するものでないこと。ただし、第2種特別役物が作動している場合にあつては、この限りでないこと。
■解釈基準1)
遊技機が、入賞に係る条件装置と再遊技に係る条件装置を同時に作動させることを可能とする性能を持つものである場合は、技術上の規格に定められていない条件装置の作動に係る性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、本規定に抵触する。
■解釈基準2)
「第二種特別役物が作動している場合にあつては、この限りでないこと。」とは、第二種特別役物作動時には例外的に「再遊技」と「入賞」の条件装置が同時に作動する場合があるが、当該場合でも再遊技と入賞に係る図柄の組合せが同時に表示されることは容認されないというものであると解する。
■解釈基準3)
「作動するものでない」とは、作動することを禁止しているものであると解する。
■佐々木の解説)
小役とリプレイの同時当選を禁止してります。ポイントは第二種特別役物(2種BB・MB・CB)作動時を除くということ。2種BB中のリプレイでリール制御を変えることをゲーム性にしたのは『戦国BASARA』のBASARA目後のチェリーや、『ドンちゃん祭』のART中ボーナスでのドン揃いです。
ふう。やっと“ロ:遊技メダル等の獲得に係る遊技機の性能に関する規格”が終わりました。ペースアップしないと、本当に7号機となりそう(笑)
☆今後のお品書き。
ハ:再遊技に係る遊技機の性能に関する規格
ニ:普通役物の性能に関する規格
ホ:第1種特別役物の性能に関する規格
ヘ:第2種特別役物の性能に関する規格
ト:役物連続作動装置の性能に関する規格
チ:貯留装置の性能に関する規格
リ:遊技メダル数表示装置の性能に関する規格
ヌ:その他
(2)構造に関する規格
イ:回胴回転装置の構造に関する規格
ロ:回胴の構造に関する規格
ハ:回転停止装置の構造に関する規格
ニ:回胴の回転軸
ホ:ガラス板等の構造に関する規格
ヘ:受け皿の構造に関する規格
ト:その他
(3)材質に関する規格
イ:回胴の材質に関する規格
ロ:遊技機の枠の材質
ハ:ガラス板等の材質
ニ:その他
6
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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