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廃れた街を愛してる
廃れた街を愛してる
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南戸(なんと)さん
ドが付くほどの初心者です。スロットをたまに打ちますが基本的に金欠です - 投稿日:2018/01/10 09:08
初めてパチンコを打ったのは中学生の時だったと思う。
ちょっと待ってください、通報する前に話を聞いて下さい。別に親と一緒に打ったとかいうわけでもなく、かといって一人でふらっとお店に入ったわけでもないんです。両親共にギャンブルを一切しない家庭なので、車からパチスロ店を見てはゴルフ場かなんかかと思ってました。駐車場いっぱいで建物も広ければゴルフ場という発想だったのです。あの頃の私よ、その建物ゴルフ場にしては天井低いよ。
じゃあ何でパチンコを打つことになったのか。
ただ、そこにあったんです。
近いというただそれだけの理由で定期的に利用してた、スーパーの二階、そのゲームコーナーの隅の方にあったんです。
家から歩いて5分の所にあるそのスーパーはとりわけ大きい訳でもなく、まあ一般的なスーパーでした。二階の角の所にあったそのゲームコーナーには正直誰がいるんだろうなあという少し昔の景品だらけのUFOキャッチャーと、二台あってよく同じ学校の同級生と遭遇するプリクラと、そしてメダルゲームがいくつかと太鼓の達人がありました。正直プリクラ撮るか太鼓の達人やるだけに来る人ばっかり。メダルゲームが好きでたまに百円玉を握りしめては行って遊んだりしましたが、稀に店員が居ないので出したコインをどうしていいかわからず店内を駆け回ったことを覚えています。
隣町にはイトーヨーカドーという大きなスーパーがあって、そこのゲームコーナーはここ以上に色んなメダルゲームがある。太鼓の達人だけじゃなくてポップンもある。同級生は口々にそう言って楽しそうにポップンのキャラクターの話をしていました。ただ、イトーヨーカドーに行くには、自転車に乗ってカーブのちょっときついトンネルをくぐり、畑だらけの道をひたすらに進み、川を超えなければいけない。大人になれば大したことないこともない距離だけど、自転車に乗り慣れてない中学生の自分達はそれが億劫で仕方なかった。しょっちゅう行ってる人間は貴族かなんかだと思ってました。
夏休み、自転車には乗らず歩いて数分、いつものように百円玉を握りしめ訪れたゲームコーナーで何をしようかとぶらぶらしていると、あるものが目に入ったんです。
大人が、ゲームしてる。
おじいさんとまではいかないがそれなりの大人が角の方でゲームをしているのです。
何で、何でこんなところで、と私は思いました。
隣町に行けば面白いのいっぱいあるのに何でと。というより大人は働いてる時間じゃないのと思いました。
そして釣られるように座りました。
新世紀エヴァンゲリオンのパチンコ。昔の話し過ぎていつのバージョンかも覚えてないです。
ただ、同級生とカラオケに行くと必ずと言っていいほど歌われる残酷な天使のテーゼのやつだと思って座ったんです。あ、こんなメダルゲームいつのまに出てたんだと。
その間違いにはすぐに気づきました。
百円玉を入れて、隣で打ってるおじさんを見ながら同じようにハンドルを回すと、玉が飛び出してきたから。
「え、なんで玉?」
当時の私は困惑した。普通ゲームコーナーのメダルゲームはメダルかないしはお金を入れてメダルを増やし、それで他のメダルゲームを遊んだりするものであり、玉が出てもどうしようもない。他のメダルゲームに玉の挿入口はない。
わけもわからず玉を飛ばしました。
玉の流れを見ていたら辛うじてここに入れればいいんだろうなという場所はわかりました。マリオサンシャインのピンボールを思い出しながらハンドルを回す。
どこを狙えばいいとかまったくわからないままに放たれた玉はまあ色んな方向に飛び跳ねていき入らない。
「何だこれ」打ちながら思っていた。「全然入らないじゃん」
でもまあコインゲームも何十枚入れてようやく動くからこんなもんなんだろうと思っていると、なんの気まぐれか、ふらっとまるで吸い込まれるように玉がスタートチェッカーに入る。
画面が、動いた。
ガシャーンガシャーン
三つ異なる数字が並んでいた。
どう見ても、外れである。
「ええ…入れるだけじゃないの…」
ショックだった。自分はまだスタート地点にも立ててなかったのかとショックで、あまりにも無謀に感じた。理不尽に感じた。
その後も特に何もなく、よくわからないと言った顔でその場を去っていった。
あれから十数年。
私は大人になり、隣町のイトーヨーカドーは近くにショッピングモールが出来たことにより客足が減り、あの頃の活気はなくなった。
不意にゲームコーナーが恋しくなり、食品買い込んだついでにふらっと寄ったらリニューアルしました!と宣伝が迎えてくれた。
そこにパチスロの姿はありませんでした。
30円から遊べる!というその店は、安いUFOキャッチャーが増えていて、メダルゲームも気軽に出来るようになっていました。お客様の声みたいなコーナーには「ゲームコーナーが安くなって嬉しいです!子供に小遣い持たせて遊ばせてます」という主婦の声が寄せられていた。
これが時代だ、と私は思いました。
ゲームコーナーの客層は次の世代になり、そこにパチスロは不要なんだと。
悲しいというより、微笑ましかったです。ああ、次の時代だと。風が吹いているなあと。
そう、思ってました。
なんか復活してるんですけど!!??
錆びた釘というよりはもはや黄色い釘。
どっかの誰かがふらっと打ったんだろうなあというデータランプ。
座ったら絶対届かないだろっていう位置にある椅子。
何でと思わず笑みが溢れた。何でまた蘇ったんだよ。
そのまま吸い込まれるように海物語。椅子が遠くて立ちながら打つことに。近くで太鼓の達人の音が聞こえる。
ハンドルを回す。今はもう、どこを狙えばいいか知っている。
どういう演出があればリーチになって、どういう演出があれば当たりそうなのかなんとかく知っている。
知っているはずなのに、百円で回ったのは2回転。
昔全然スタートチェッカーに入らなかったのは、単に技量の問題でもなく、当の昔に廃れていたからなのかもしれない。当時の自分に笑って言いたい。
それでもまあ、嫌いにはなれないのはゲームコーナーだからか。それとも別の何かか。
今年もよろしくお願いします。
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南戸(なんと)さんの
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このコラムへのコメント(6 件)
北斗、ゲーセン設置多かったんですかね~今も昔も人気シリーズですほんと。
しかし家族でゲーセン良いですね!私あんまり家族での記憶はないです
ジュディ可愛いですね…
当時凛として咲く花の如くが大人気だったので周りは鹿ノ子好きが多かったです。自分はポップミュージック論が好きだったのでナカジが好きでした。ただどえらく下手でした。
意外と多いんですかね、ゲーセンデビューって…
エヴァほんと色々出てるんですね…ぐぐって改めて気付きました。
当時お父さんと弟が楽しそうにスロットの北斗をやってるのを見て何が楽しいんだろう?と思っていました笑笑
懐かしい思い出を思い出しました
ポップンはジュディだったかなぁ・・
私もゲーセンでパチンコ
スロットデビューでした( ˘ω˘ )
初代北斗 エヴァのセカパク
うーん ダメな大人になりました 笑