素人vsお父さん

2014年秋

私と彼はパチンコ屋にいた。
お目当ての機種は彼のお気に入りMAXタイプ

【CR牙狼 金色になれ】

いつものように朝一並びひたすら諭吉を溶かし気づけば二人で4万円失っていた

「なんかパっとしないから移動しよう」

普段なら回らなくても、当たらなくても1台に全ツッパする彼だったが
この日は違った。移動しようと言ってきたのだ

パチンコの島を徘徊するも首をかしげる
これといって打ちたい機種もなく店内を彷徨う二人。

「そうだ、上に行ってみよう」

上の階はスロットフロアである。
(なんで…？)と疑問を抱えながらエスカレーターに乗り

『私、目押しもできないしなんも分からないよ』

「なんとかなるっしょ！俺も打つの数年ぶりだし」

なんてよくわからない会話を繰り広げ不安1000％である。
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そんな不安を抱えながらスロットフロアに到着
パチンコしか打たない私にとってスロットは未知なる世界でしかないのだ。
パチンコフロアよりも薄暗く、腕を動かし目押し・ビタ押しをする
選ばれた人しか打ってはいけないようなイメージであった。

私みたいなスロットのスの字も知らない人が歩いてはいけないような気分になりながら彼の後ろをただついて歩く。
ぐるっとスロットフロアを歩きたどり着いたのは


アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSver.


600G回っている1台を見て「めちゃくちゃ気になる」と言い出す
スロットは全くの初心者であるが、機種はなんとなく知っている
ハーデスはヤバイ(色んな意味で)

その知識だけは持っていた


これにしよう！と簡単に座りはしない。
気になると思いつつも周辺をウロウロ…目の前にある別のお店にも行き
ホール内を徘徊するが、これといってよさそうなパチンコはない。

それを何度か繰り返し、漸く座ったのが先ほどの気になっていたハーデスである。

600G回っている台を私が、その隣で彼は打つ。
どちらかが犠牲になるか…それとも二人とも撃沈してしまうのかとても不安であった

回すこと現在800G後半～900G付近だっただろうか
ちょうど1万円を使い切りそうな時にそれは訪れた


-------------◆-------------　ﾌﾟﾁｭﾝ


突然のブラックアウト、画面下には左を押してくださいの文字
機種は何となく知っていても詳しい演出は知らない二人
スロッターなら誰しも喜ぶ瞬間であるが、私たちはお互い顔を見合わせ頭にはハテナマーク

『え、これって目押しいるの？どこ狙えばいい？』

なんてアホみたいなことを質問し、とりあえず適当に押して揃うのは

【GOD】【GOD】【GOD】

スマホで恩恵を調べ「ストック3つもあるんだってー！」なんて呑気に会話しながら最初のジャッジメントはお父さん。
本当に何も知らない。ハーデスはヤバイという情報しかない。とりあえず冥王図柄を頑張って目押ししてみる。

頑張った結果100Gを乗せ、レバーを叩くとﾄﾞｯｸﾝ…ﾄﾞｯｸﾝ…と画面上で演出が、これがどうなるのかもわからぬまま
上へ吸い込まれていくのを見届ける。そしてまた100G乗る。
BETボタンが画面上に出るので押す…吸い込まれる…また押す…吸い込まれる…吸引力が凄かった

『えー！なにこれやばいんじゃ…』と思った時にはすでに右上に700Gの文字。
その後も上乗せして初回のジャッジメントは800Gであった。



私が鮮明に覚えている記憶は一度ここまでとなっている。
投資が増えそうな彼を横目に私はただひたすらメダルを出し続けている。

GG中にあと2回GODを引いた。(多分GG中)そして中身は全く覚えていない…
GODを2回引いているのに本当に覚えてない…(笑)

ただひたすら消化をし違和感を感じたのがどこからか聞こえる軽快な音楽


タッチ


ゲーム数を消化しながら思っていた
タッチ流れるスロット台なんてあるんだろうか…この音楽はどこから…
後ろもハーデスだし横の島は蒼天の拳。タッチ要素なんかどこにもない。
5分ほど疑問に思いながら打ち、やっと気づく

これは自分の台から流れているんだ…！

タッチは都市伝説なんてことも知らず彼とタッチが流れていることをゲラゲラ笑いながら消化

もしかしたら閉店コースかもしれないからちょっと急ぎ目に打ったほうがいいかもねー
なんて言われながらも残りのジャッジメント消化後、リザルト画面に表示されたのが

GAME 　4166
TOTAL　12775

一撃万枚どころか12000枚も出てしまった

スロット初心者にして初万枚。
スロットを打ち始めるきっかけともなったハーデス。
後日地獄を味わったハーデス。本当に色んな意味でやばかった



ビギナーズラック以降、1度も万枚を出せていません
スロットって難しいですね


END

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