なーにが自由帳コンテストだ、スロッターなら黙って心の火時計を押ｾｲﾝｯｾｲﾔｧーー!!!

ﾄｩﾙﾙーﾄｩﾙﾙ♪


ﾄｩﾙﾙーﾄｩﾙﾙ♪


ﾄｩﾙﾙーﾄｩﾙﾙﾙｰｰｰｰﾝ♪


＼ｾｲﾝｯｾｲﾔｧｰｰｰ!!!／


抱きしめたぁ～～♪ 心のぉモアさ以下略



の歌い出しでお馴染みの聖闘士星矢シリーズの、5.5号機最強にして最後の希望、その名も【パチスロット聖闘士星矢海皇覚醒】と初めて出会ったのは忘れもしない新台初日。

その日、無知なる私は聖闘士RUSHに入れることなく、しかもあろうことか不屈中で捨てた。(そして後任者が次の当たりで解放してウッ、急に頭が……！


あれから幾億年経っただろうか……あの日見た失われたパンドラの箱ないし記憶とともに、私の視界から星矢は姿を消した。

それからの私は、その時の傷を癒すかのように、ひたすらマギカクエスト中の熱きレバオンで逐一悶えるといった、灼熱の日々を送っていた。

しかし、惹かれ合う小宇宙のきらめきが、七夕の織姫と彦星と綺羅星のように長らく離れ離れになることを、天は許してはくれなかった。


そう、

これは出会うべくして出会った、

星矢と私と、時々ホールのお話。



(ある日のお盆)

そういえば、たまには行ったことのないホールに行こうと思い立ったが吉日、電車を乗り継いで1時間半はかかるいつも行くホールからちょっと離れたホールに、私は猫のハンカチで額の汗をぬぐいながら、スマホで位置情報を時折確かめつつ進み、そして開店から30分経ったことなどどこ吹く風という佇まいで、熱気溢れる店内を悠々自適に練り歩く。そうして何時ものように、たまたま空いていたまどマギ2に着席して、さあユニメモを始めようかと液晶に手を伸ばした瞬間、事件は起こった。

あえて言おう。


隣の台「皆にはナイショだよ♪」


お分かり頂けただろうか。
何と隣の台が、設定56確定画面＆ボイス出現で、朝っぱらから焼肉チャレンジ成功に王手をかけたのである。

その時の感情を言葉にするなら、「うそーん」であるし、「マジかよ」と言い換えることもできるし、なんなら、それらの感情を通り過ぎた後に最終的に残った気持ちの欠片は「は、はうぁ！？」という最上級の驚きだった。

当たり前だ。

考えればわかる。

圧倒的回収営業であることが、縄文時代から知れ渡っているこの日本のお盆に、設定56といわれる砂漠の宝石を投入する狂ったホールが、しかもたまたま行ってみたお店で、そんなことって有り得る？

YES、アリエールジェルウォッシュ。

ならば行く道は一つ。


あえて言おう。

私(これワンチャン、並びで入ってるんじゃね？)

楽観的と笑われるかもしれないが、しかし、その希望に応えるように、そこから通常時ほむらCZ成功＆マギクエ中の魂のレバオンでほむらアイコンを勝ち取り、ぺろっと1000枚出した私は、え、マジでここ優良店なんじゃ、という自分の憶測を証明するためにユニメモを見る。そしてそこから導き出した結論。それは、


＼弱チェ確率、圧倒的設定1／


普通に、メリハリやないかーーい。


そう思い、コインを流した後、店内を徘徊する。するとどうですか！？

あれ、なんか、GF5000枚とか、バラエティー島で2、3000枚とか結構出てるの多い……ていうか、え、星矢残り1000G!?  隣も1000G!!? さっきまで空き台やったやん！てかｷﾞﾙｸﾗ出すぎやろ！

何なんだこのホールは……。
目の前のあまりの非日常的な光景に混乱した私は、ここは本当に日本なのかとか、季節は本当にお盆なのかとか、地球は本当に丸いのかとか、頭の中の地球儀をコロンブスのようにぐるぐると回しに回した結果、ある1つの答えに行き着いた。

国も季節も関係ない。

目の前に広がる桃源郷。

次から次へと別積みされる熱き小宇宙の爆発。


そうか、これがカジノか←


結論から言うと、私はその日の帰りに64000円するつけ麺を食べた。そしてその日1番衝撃的だった両隣残り1000Gの光景に思いを馳せながら、64000円あれば星矢でRUSH当てられたなあと、ペラッペラになった可愛い猫の財布を手でさすって労りながら、その時に誓ったのだった。

だから明日は、朝イチ星矢に行くと。


翌朝。抽選に恵まれ、狙っていた聖闘士星矢海皇に着席した私は、極度の興奮と緊張に包まれていた。

前日に超高級つけ麺を食した上に、この時までの聖闘士RUSH経験は驚きの0。

普通に考えればとち狂っているとしか考えられないこの状況でしかし、だからこそ燃え上がる熱きスロッターの魂が、きらめくような予感を全身に伝えてくれていた。

そして隣が朝イチRUSHに入ったり、自身の台がGB開始時の継続率50％だったりして、投資が18000円に及んで心が折れそうになっていたまさにその時、歴史が動いた。

2回目に当たった継続率60％のGB。

その2戦目開始直後のレバオン。

瞬間。


台＼＼＼＼＼ｾｲﾝｯｾｲﾔｧｰｰｰ!!!／／／／／


「ーーーーーーーーーーーーーー」


鳥肌が立った。知識がなくても何が起こっているか分かるようにSANYOさんが設計して下さった勝利のBGMに全身が沸き立ち、心の中で拳を天に突き上げる。今では周知のことだが、GB中の歌発生はRUSH確定なのだ。

前日と合わせれば投資は82000円。
だが、そんなものは関係ない。何とかなる。そう思わせるほどの、それ1つで流れを変えてしまうほどの無敵の演出。最強の掛け声。祝福のBGM。そのすべてを味方に付けて臨んだ生まれて初めての天馬覚醒で、事件は起きた。

台「バーを狙えぃ！」

！？

目の前にでかでかと表示された、作中のアテナを模した白いバー図柄のあまりの神々しさに息を飲む。瞬間、昨日から続くこの2日間のことがペガサス演出のように脳裏を駆け巡り、それはやがて全身をほとばしる熱の聖衣となって私を包んだ。

湧き上がる衝動。

ーーなーにが、「皆にはナイショだよ」だ。

燃え上がる激情。

ーーなーにが、64000円のつけ麺だ。


……静かにしろい。


この音が、


私を何度でも甦らせる。


つまり？




ﾋﾟｭｰｵﾝ、ﾎﾟﾛﾛﾛｧｰｰｰﾝ！

火時計を押せぃ！！



＼＼＼ｾｲﾝｯｾｲﾔｧｰｰｰ!!!!!／／／




うわああああああああああああぁぁぁ




思えば、あの液晶に表示された虹色火時計を押した瞬間から、私は目の前のスロット台ならぬ聖衣箱から出てきた光の聖衣を纏っていたのかもしれない。



結果からいうと、その日、私は前日と当日の投資をすべて捲った上に、帰りに焼肉パーリー開催という、最高で最幸な1日を送った。そしてその日からめでたく、私は星矢中毒になった。

朝イチGB高継続率の興奮。第3ラウンドの異常な緊張感。レバオンｾｲﾝｯｾｲﾔー！の脳汁。火時計演出の一体感。黄金バトルのいつ終わるか分からない一進一退の攻防。不意に訪れる女神覚醒。そしていついかなる時も流れ出す歌に脳が活性化しすぎたあまり、その後、日常生活の色んなシーンで脳内で星矢のBGMが流れ出し、終いには星矢のベストアルバムを購入するまでハマってしまった。

平日も列を成す人気店ということで、兵隊達が明日を夢見て開店待ちする様から、ソルジャードリーム店とでも名付けようか、それからというもの休日になればソルジャードリーム店に通う日々が続き、朝イチGB70％から3000G回してようやくRUSH突入等を繰り返した結果、流石に自重するようにはなったが、しかし、今では他店に行く時も旅先で打つ時も、まずアプリやネットで星矢のグラフや状況、設置台数をまず確認してから行くほどの星矢狂になってしまった。

そうなってしまった今だからこそ思う。

あの日見た虹色火時計ボタンの正式名称は、実は店長ボタンだったのではないかと。


お後がよろしいようで。

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