嘆願書

「もしもボックスがあったらどんな世界にしようか？」

誰しも考えたことがあると思います。もちろん私もあります。私は、こんな世界を創りたい。

「学業、数学国語社会理科英語を廃止して、パチスロで成績を決める世界にしてください！」

これなら私でも東大、京大は硬いはず…。

いや、まてよ。それは流石に無理か。東大なんてしのけんとか中武さんレベルか…。

ならば六大学…も厳しいか。ワサビには余裕で負ける。

方向性を変えて日芸とか…いや、日芸行くにはマッパチとか木村魚拓みたいな華がないと無理か。

日東駒専だな。日東駒専は譲れない。

と、頭の中で妄想するほど、私はパチスロが好きです。しかしながら、今パチスロ界ではとんでもない出来事が起こっているようです。

現在私は二児を抱え、コロナ禍による減収でなかなかに厳しい生活を送っております。それでも子育てから解放され時間が出来たら、ほんのわずかでも金を握りしめて、必ずレバーを叩くでしょう。その日を夢見て、日夜YouTubeでパチスロ動画を視聴したり、サイトで新台の機械割を眺めたりしているのですが…。

何、このボーナス獲得枚数。

ジャグラーで250枚？

新ハナビ200枚？

打ってもいないのにこんなことを言うのはどうかと思いますが、あえて言わせて頂きたい。

国はパチスロを殺す気なのでしょうか。

私は4号機世代です。アステカにはまり、ワードオブライツにはまり、そして、ハナビにはまりました。

パチンコから入った私は、当時確変のないパチスロというものを敬遠しておりましたが、ハナビの魅力に触れるや否や、毎日ハナビと戯れる日々を過ごしておりました。

その後、獣王に始まるAT機にいったん心を奪われますが、ボロボロにやられた私の未練打ちの相手は、ハナビをはじめとするAタイプのマシンでした。

そんな折、留まるところを知らない射幸心あふれるパチスロに国が腰を上げるかも、という不穏な噂が街に流れましたが、私は楽観視しておりました。

どーせはずされるのは狂ったATやストック機でしょ！逆によかったわ。またハナビとまったりすごせるわー。

ところが蓋を開けてみるとどうでしょう。4号機は終了し、5号機に移行すると。AT機やストック機のみならず、現行の台は設置出来なくなるとのことでした。

私は叫びました。

Aタイプはよくね！？？

確かにパチスロ界は調子に乗りました。特にミリオンゴッド。あれはよくない。

揃ったら10万ほぼ確、と聞いたら私も打たずにはいられませんでした。

ウキウキしながらレバーを叩いていると、3000円ほど使ったところで無演出でゴッドが揃いました。そして、いきなり台が動かなくなりました。

あまりの衝撃に私の脳は機能を停止しました。脳が止まっていたので正確な記憶ではないのですが、恐らくその店はボーナスが揃ったらクレオフするような設定になっていたのでしょう。理解が追いつかない私はパニック状態になり、偶然通りかかった女性店員の手を掴みました。しかし、脳が停止しているので、言葉が出ません。

「フンガー、フンガー」
「あ、ゴッドですね。おめでとうございます。少々お待ちください」
「フンガー」

常時であれば即110番通報の上、お縄を頂戴しそうな言動ですが、恐らくゴッドのシマはそんな輩で溢れていたのでしょう。店員さんは優しく接してくれました。しかしながら、普段パチスロとは興奮を買うもの、と豪語していた私ですら、この台はやばすぎる…これ以上うったら精神が壊れるかもしれねえ…と恐怖を感じたため、それ以来出来る限りゴッドとは距離を置くように心がけました。

あんな台はさすがにまずいと思います。

でもね、海物語ってずーっとああいうスペックじゃないですか。Aタイプって海物語みたいなもんでしょ？

なんでパチンコがよくてパチスロがだめなんですか。

だいたいみなし機ってなんですか。何十万円もする台を買ったというのに、修理も出来ず数年で他の台を買うしかないって、ヤクザもびっくりじゃないですか。ビニール袋は大切にするのに、パチスロに関してはまったくエコじゃねえよ、とセクシー環境大臣（元）に強く進言したいと思います。

かつて、私は超一流の養分でした。私が投入する何十枚もの千円札が、店員のお給料にもなり、ボーナスにもなります。さらに、メーカーから台を仕入れる資金にもなります。

メーカーは台を売ることで利益を上げます。社員のお給料ボーナス福利厚生はもとより、社長室に敷いてある虎柄のカーペットや、野望を語る際に小道具として使われるワイングラスや地球儀、ブラインドなんかも元をただせば私たち養分の千円札が始まりです。

一人ではわずかでも、私たち養分たちが力を合わせることにより、パチプロの生活をささえ、ホール関係者の生活をささえ、メーカー社員の生活をささえているわけです。

特にサミーには感謝して頂きたい。我々の力がなければ、サトノダイヤモンドでG1を獲ることもできなかったはずです。

もしも私たち養分が一斉にパチスロをやめたのならば、パチプロ、ホール店員、メーカー社員達が次々と職を失い、大恐慌が起こるでしょう。

私としても、そんな事態は避けたい。そのために一点だけ、どうしても妥協して頂きたいことがあるのです。

なんとかボーナス獲得枚数は、300枚を切らないようにお願いできませんでしょうか。

私のような安月給養分は仕事帰りにひと勝負、というと5000円札一枚が、負けても大丈夫なギリギリのラインなのです。

5000円使いワンビッグで千円浮き。

たとえ10回に1回の出来事であっても、帰り道、その千円を握りしめファミマで購入する第3のビール、ファミチキ、プレミアム肉まん、快楽天。

この4点セットがあれば私はいつまでも養分で在り続けることができるでしょう。

なんとか！

なんとかこの一点だけは再考頂きたい。

パチスロ業界を支える身として、なんとかお願い申し上げる所存でございます。

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