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阪神が38年ぶりに優勝して、思い出しました
阪神が38年ぶりに優勝して、思い出しました
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ダストさん
- 投稿日:2023/11/07 14:27
お久しぶりです。
ダストです。
今朝、Xで編集長のポストにより、「私のタコ負けエピソード」という素敵なお題を募集していることを知り、居ても立ってもいられず駄文を綴り、投稿させて頂きました。
2002年の大晦日。私は友人のIと共に、山手線Y駅近くのホテルのフロントカウンターに立っておりました。ホテルといえば年中無休ですが、誰しも大晦日くらいは休みたいと思うものです。
「手当一万出すから誰か入れないか」
そんな上司の言葉に真っ先に飛びついたのが、私とIでした。
当時の私はというと人生で最高潮というくらいパチスロに没頭しており、年末年始という最も危険な時期に休みなどあれば、恐らく2月までは生きてはいけまい、と思っていましたし、Iもパチスロこそやりませんが世捨て人、もしくはニートといったジャンルの人間でしたので、お互いそんなことで一万ももらえるのですか、超ラッキー、と小躍りしておりました。
そんな我々に翌朝出勤してきた上司は、
「お前らほんとありがとな。正月だし上がるまで裏で酒飲んでていいよ」
と、気を遣ってくれ、勤務が終わる頃にはすでにいい具合に出来上がった社会不適合者が二体いる、といった感じになっておりました。
現ナマでもらった一万円札をひらひらやりながらいい気分で街を歩いていますと、このまま帰るのはもったいない、そんな気分になってきます。
頭の中で、悪い虫が蠢くのを感じました。
「8192分の1ひくだけで10万もらえるパチスロがあるんだけど、やってみない?」
普段は銭ゲバで有名なIも簡単に手に入った一万、さらには酔いも手伝ったのでしょう。
「いいねえ」
と、のってきました。
「基本的に、正月のパチスロは全台設定1。行くやつがバカ。が、しかし設定など超越し夢を見られる台がある。それがミリオンゴッドだ」
ホールにむかう道すがら、明らかに雑な説明にもかかわらず、Iはフンガフンガと鼻息荒く頷きます。
これは楽しい正月になりそうだ。
そんな予感を胸に自動ドアをくぐりました。普段から、客は私の他には昼休みにお金を捨てにきたリーマンしかいないそのホール、やはり客はゼロで、暇そうにしている女店員しかおりません。
逆に、燃えてきます。
そして、その瞬間はすぐに訪れました。
Iと角から並びで座り、ここにお金いれてコイン入れる。レバー叩く。ボタンを必ず左から押す、などなどレクチャーしていた時でした。
ぱらりらぱらりら♪
と、私の台が聴きなれない音を放ちました。
「ご、ご、ご、ご…
ゴッドそろったあああああああああ」
投資千円、僅か10ゲームほどでゴッドが揃ったのです。
事の重大さとノリうちのシステムがまだよくわかっていないIに向かい、
「撃ち方やめーーーーい!!!」
と、狂った軍人のように命じました。
それから数十分、ゴッドは連チャンはなくとも4800枚ほどコインを叩き出しました。もちろん、即流しです。
もしかしたらあのゴッドは、2003年日本で最速のゴッドだったのではないでしょうか。
あの時、たしかに私は輝いておりました。
子犬のようにまとわりついてくるIに、気前よく半額の48000円を渡すと、彼はにこにこしながら帰って行きました。
その後ろ姿を見送り、今年はいい年になりそうだ、と頷いたところで、再び脳の悪い虫が蠢きました。
この48000円あれば、もう一回夢見れるじゃん!
小走りにダメホールに戻り、ためらいもせずにゴッドむかう私と先ほどの女店員の目が合いました。まるで珍獣を見るかのような目をしておりました。
構いません。何しろゴッドは設定不問で夢を見られるのですから。
そこからマジで、
「あっ!!」
っという間に48000円失いました。
お正月の銀行状況を懸念し、年末に多めに卸しておいた8万にも手をつけます。
そして、1000ゲームを超えたころに喰らった単発により、私の心は壊れました。
「シャオ!シャオ!」
南斗水鳥拳の遣い手、レイのような奇声を発しながら台から台へ渡り歩き、途中設定が割と大事なハクション大魔王を打ったところで「あ、この店全台1だった」と我に返り、リプさえ引けばお前も設定不問、と巨人の星で奇跡のリプ4ボーナス放出せず、それ即ちストック飛ばしが確定したところで試合終了です。
泣きながら店を出て、もしかしたらお金返してくれるかも、とIに電話をしました。
「あっ、そうなんだ。ふーん。逝ってよし」
酔いから醒めていたのでしょう。冷たく電話を切られました。
人間の脳は、生きていくために辛い記憶は忘れるように出来ているとはよくいったもので、その後の記憶は曖昧なのですが、新年早々一回上げて、ものすごく殺す、という仕打ちをしてくれた神に理由を問いたくて神社に向かったような気がします。
俺、今日こんな目にあったんですが、あとで帳尻合わせてくれるんですか…?
神様は、9月にやっと答えをくれました。
その年、7歳のころからずっと大好きだった阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を果たしたのです。
俺のおかけだぞ…
道頓堀から飛び降りるファンを見ながら、そう思った24歳の秋でした。
9
ダストさんの
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このコラムへのコメント(10 件)
こんな店にいく俺がバカだってのはすっっごいわかるんです。
が、しかし
自分電車でも隣の奴が足を開き気味にしていて、それが自分に当たるとものすごい不愉快なんでそれくらいならどんなに疲れていようが立っているほうがマシ、と感じるほうなのです。
人がいないホールにいくのは、そういう理由もありますw
お疲れさまです!
こんなお題を見ては投稿せずにはいられませんでしたw
素敵なお題、ありがとうございました!
悲しいことに、全てノンフィクションです…
宵越しで巨人を狙いやすい店だったのですが、2003年の元旦以外はストック消しはなかったと思います さすが正月、と思いました
ラストの巨人リプ4でボナなしで我に帰るのとか、あまりにも辛いクライマックス。濃いエピソードですな〜
すいません、何回も途中で送信する、押しちゃいました
阪神とかワールドカップとかめっちゃ応援して勝ったら大はしゃぎなのですが、3日くらいたつと「すごいのは選手たちであり、俺は何も得てねえ」ゾーンに入ります。今がまさにゾーン中です。
ほんと、ダメホールだったのですが巨人のストック消しは腰が抜けました。トドメ!と思いました
なにはともあれ、阪神タイガース、優勝おめでとうございます!
お疲れさまです!
編集長、多分我々同級生です!!
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名文です