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ストック機時代の裏話(長文です)
ストック機時代の裏話(長文です)
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貯金爆弾さん
お久しぶりです。ドリクルは金欠で引退してます(涙) - 投稿日:2016/06/30 20:11
これは自分が某スロ雑誌の編集部にいた頃の話。
当時は4号機ストック機の全盛期。あまりにも過激な機種が増えてしまったため、そろそろ大規模な規制が入るのでは? と噂されていた。
そんな時、某メーカーのA氏から電話が。
A氏「ここ最近、ストック機の連チャン性が問題になっているのはご存知ですよね?」
自分「ええ、まあ」
A氏「そこでお願いなのですが、今後ウチの機種を雑誌で扱う場合、『連チャン』はもちろんのこと、『ストック』とか『天井』とか、とにかくストック機を匂わす言葉は一切使わないで欲しいのです」
自分「えっ、でも今週から導入の●●●(機種名)も、思いっきり連チャン機ですよね?」
A氏「ええ。だからこうして、お願いしているのです」
自分「うーん、それは厳しいですねぇ。今作ってる号に●●●を掲載しますが、いまさら修正なんて…」
A氏「ですから、せめて文字だけでも修正して下さい。連チャンやストックという言葉は一切使わず、実戦データを淡々と純Aタイプのような扱いで紹介して頂けたら」
自分「うーむ…。ちょっと今、ページ内容を確認しますので、少々お待ち下さい」
(保留ポチっ)
さてさて、困ったぞ。
A氏には言ってないが、今作ってる●●●のページ、思いっきり「解析速報」なのだ。しかも中身が意外と単純だったので、連チャンシステムからモード移行率まで丸裸。そんなページから連チャンやストックという言葉を抹殺するのは、どう考えも不可能だ。
とりあえず、一応内容を確認するため、機種担当のB君を呼んで●●●のページを見せてもらった。パッと見ただけでも、実に景気のいいキャッチコピーが並んでいる。
【連チャンシステム解明!】
【5つのモードで天井が変化!】
【即連モードは32G以内に放出!】
うん、これは無理。今回はA氏に泣いてもらうか…。そもそもストック機のページで連チャンという言葉を使うなだなんて、無茶にも程があるっての。
(保留解除)
自分「もしもし? いまページを見ましたが、やっぱり無理ですね」
A氏「いやいや、無理ってことはないでしょう。普通に実戦データを載せて、中身については一切触れない方向なら」
自分「そんな不自然なことしたら、読者から見放されますよ…。それをやるくらいなら、●●●の掲載を丸ごと見送りますね」
A氏「いや、それはそれで困ります。何とか別の方向で」
自分「では、他の言葉に置き換えるってのはどうでしょう?」
A氏「と、いいますと?」
自分「たとえば『連チャン』なら『連続』、『ストック』なら『貯留』とか」
A氏「そんなのダメですよ! 意味が同じじゃないですか! とにかく、連チャンを意味する言葉は全てNGです!」
自分「では『矢継ぎ早』ならどうです?
『ボーナスが矢継ぎ早に5回!』とか、
『矢継ぎ早モード突入!』とか。わはは、新しい」
A氏「笑い事じゃないです。ダメですよ」
前から思っていたが、どうもA氏はユーモアってヤツを理解してくれない。矢継ぎ早モード、面白いと思うけどなぁ…。
ちなみに『連続』も『矢継ぎ早』も、自分としては使う気が無かったりする。一応こちらも、考えているポーズは取らないと。
自分「ところで、もし仮にAさんの話を無視して、連チャンやらストックやらを普通に使ったら、どうなりますか?」
A氏「それは、、、今後の関係を改めさせて頂きますね。新機種の情報や素材の提供は、協力できなくなるかと」
自分「なるほど、それはウチとしても痛いですね…。勘弁して欲しいなぁ」
A氏「ですからここは、大人の事情を理解して頂けたら!」
自分「いやいや、こっちも引き下がるわけには…」
とまあ、こんな感じで話は平行線のまま。一部の言葉を封じることが、どれだけ不毛であるかを小一時間説得するも、A氏の態度は変わらない。まあ、A氏も会社上層部の考えを代弁してるだけだから、ツラい立場なのだろう…。
とはいえ、今回はこちらも引き下がる気など微塵もなし。そりゃそうだ。●●●の解析速報は、今回の目玉の1つなのだ。ぶっちゃけ、この一件でメーカーと決裂し、しばらく新機種情報が弱くなったとしても、それはもう「仕方がない」と言える。
お互いに一歩も譲らないのだから、これ以上の話し合いは時間のムダ。ということで、
自分「では、出来る限りの範囲ですが、対処はしますよ」
A氏「ええ、よろしくお願いします」
ようやく通話終了。
形式的に会話を終わらせたが、A氏も察しているハズだ。ページを修正する気なんて、全く無いということを…。
B君「あの~、●●●のページ、今から修正するんですか?」
機種担当のB君が、不安そうに聞いてきた。
自分「いや、大丈夫。今回はこのままで行こう」
B君「えっ、このまま? キャッチとか、連チャンってバンバン書いてますが」
自分「まあ、A氏にはあとで謝っておくよ。あ、最初のキャッチ『連チャンシステム解明!』は、『完全解明!!』に変えよう。どうせならとことんやろうぜ」
メディアという仕事は、時にはブレーキを踏む必要も出てくる。しかし今回のような、あまりにも理不尽で無茶なケースの場合、ブレーキを踏むわけにも行かない。
まあ、理不尽とか言う以前に、
「今回の解析ページを載せるメリット」
「メーカーと決裂するリスク」
この2つを天秤に掛けて、前者を選んだだけの話だ。当時はこの選択に迫られることが、そこそこの頻度で発生していた。これも雑誌編集の醍醐味である(←性格悪い)。
そして数日後。
事態はある意味、予想通りの結末になった。
A氏「もしもし? あのあと上の考えが変わりまして、今後は自由に書いて頂いて大丈夫ですよ」
自分「おおっ、そうでしたか! 実は先日の電話のあと、修正しようとはしたのですが…」
A氏「大丈夫、問題ありませんよ。すみませんね、ゴタゴタしちゃって…」
こんな感じで、実に平和的に解決したのでありました。経験上、あまりにも理不尽な要求が来た場合、慌てて動いたら負けなのよね。
おしまい。
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貯金爆弾さんの
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このコラムへのコメント(12 件)
いま個人的に絶不調なので、矢継ぎ早とは無縁です…(涙)
強いて言うなら、投資が矢継ぎ早な感じですw
中々なチョイスににやりとw
ツイッターで使ってみようかな!
まずは矢継ぎ早に出る台に座れないとだけどw
(・∀・)イイネ!!
そのバチバチやってた裏では、かなり黒い事にも手を染めたりしてましたので、ある意味、いまの方が平和なのかも知れませんよw
ちなみに『黒い事』の内容は、このあとのコラムで………いや、さすがに書けんw
もちろんコラムも大好きでした(≧∇≦)
最近は自社解析もやれなくなったし、ネットでも解析見れちゃうしで、俺自身が攻略誌を読む頻度が減ってしまいました、、、なんか寂しいです(T ^ T)
お褒めの言葉、ありがとうございます!
自分は20年近く雑誌を作ってましたが、メーカーとの距離はどんどん縮まっていきましたね
それが良いか悪いかはさておき、個人的には近くなりすぎるのも良くないなぁ、と思っています
いや、勉強にはならないと思いますよw
あ、反面教師かw
いや~、今の方が多方面に気を遣って、神経すり減らしてると思いますよw
ほんと、昔は自由にやってましたからw
面白いかどうかはさておき、自由でしたよね
自分が編集者になった当時は「雑誌はメーカーやホールに嫌われてナンボ」と本気で思ってましたw