怪談night

今からする話は、数年前にあたしが体験した話なんですけどね。


パチンコ屋の新装開店で、新台がAKB48だったわけですよ。
あたしもAKBは嫌いじゃないんで、つい朝イチで並んで打っちゃう。
大きな店ではなかったので、並びといっても10数名程度だったんですねぇ。


……ンで～、順番にクジを引くわけですよ。入店の順番を決めるクジ。
あたしは運よく3番を引きましてねぇ。あぁ、これならばAKBを確保できるなぁと思って、
入店時間まで時間もあったし、8月の炎天下だし車に戻ったんです。


すると、暫くしてからコンコン、コンコンと、車の窓を叩く音が聞こえたんですよ。
「お店の人かなァ？何の用なんだろうなァ」と思って車の窓を開けたんです。


その瞬間、ヌゥっと男の人らしき太い腕が入り込んできてね、
「うわ～ヤダなァ～、気持ち悪いなァ～」と思った瞬間、突如視界にこんなのが現れたんです。

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「コレ、アゲル、ダカラ、バンゴウヲ、カエテクレヨォ」と、細々とした口調で男が言うわけです。
「うわ～ヤバいなァ～」と思いつつ「要らないし、番号も交換しないから」とキッパリ断ると、
次に大量のウチワが視界に入ってきたんですねぇ。渡辺麻友ですよ、渡辺麻友。


流石にあたしもイライラしてきましてね「邪魔だから！」と怒鳴って、
差し出されたグッズやCDを突き返して速攻で窓を閉めましたよ。


男は去って行ったようで、ホッとして時計を見ると開店5分前。
少し急いで入り口に向かうとですね、小太りの男性が店員と口論していたんですよ。


「アサハヤクキタノニ！クジジュンッテ、オカシイダロウ！！」


「ですので、当店は早くから並ばれても、くじ引きでの入場となりますので……」


「アアアアア！！フザッケンナヨ！！！ホンシャニクレームツケッカラナ！！！」



「さっきの男だ、間違いない」
そう確信したあたしは男に近づき言いましたよ。


「店のルールがあるんだから、その辺ちゃんと守れよ」
男はあたしを思いっきり睨んだあと、全速力で走ってどこかへ行ってしまったんです。


それから入店して、新台のAKBを打ち始め、3箱程出たところで休憩をしたんですね。
冷やし中華を食べ終え、店員を呼んで遊戯を再開すると、大島優子だったハズの推しメンが、
何故か渡辺麻友に変わっているじゃないですか。


「あれ～おかしいなァ～、どうしたんだろうなァ～」そう思いつつ、再び大島優子に変えて
打ち始めたんですけどね、よく画面を見たらパチログのレベルが200を越えていたんですよ。


あたしはパチログやってませんからねぇ。
「これは誰かがあたしの台を弄ったんだろうなァ」「うわ～ヤダなァ～、気持ち悪いなァ～」
そう考えれば考えるほど打つのが嫌になってきちゃいまして、店員を呼んで遊戯を終えたんです。


2箱半くらいかなァ～。若干のプラス収支で終えて、軽くパチンコのシマを覗いて帰ろうとすると…。















あたしが打ってた台に座って居たんですよ！















男が！！















今朝、あたしンとこに来て去って行った小太りの男が！！















恐らくですね、あたしが休憩するタイミングを見計らって、
瞬時にパチログを入力していたんでしょうねえ。


何せ古い店ですからねぇ～休憩も札が刺さるだけですからねぇ。



いやァ～変な客って居るもんですねえ。


これがあたしの体験したサムい話です。
ありがとうございました。

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