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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-
2020.12.08
初めてのFlash導入~ルパン一族の秘宝~
――「クッソ、またか……」
液晶に表示された「To be continued」を睨んだ。ストックした手応えはない。おそらくARTのループはナイだろう。肩を落とし力なくレバーを叩いた。
2G後にプラムこぼし目が出現したが、案の定、そこから7Gが経過してもART告知は無かった。高設定らしき感触はあるが、どうにも出玉がついて来ない。
――「またイチからやり直しか」
腕時計に視線を落とすと、すでに15時になろうとしていた。堪らず呼び出しボタンを押し、昼休憩を貰う。何を食べたいかなどと考えるのが億劫で、ホールの目の前にある安い蕎麦屋に入った。
勝負所。
開店から6時間が経過したにもかかわらず、差枚数はわずか+300枚程度。投資が5,000円だから、すぐにでもマイナス域に転じる状況である。
いつもと変わらない「たぬきそば・ミニカレーセット」。そのやたらと塩気が強いカレーを食べながら、午前中の反省点を探した。
狙い台にミスはない。直近1週間の傾向から察するに、このシマで高設定が入るなら本命は俺の台だ。そして設定推測要素の値も総じて悪くない。やはり今日も使っていて、当たりは俺が打つ左3と右2の計2台。
しかし、今日も6はナイらしい。だが、それで構わなかった。ド平日の通常営業だ、そう簡単に6など使われるハズがない。おそらく次のイベント日にはキッチリ使ってくるだろう。
単純に勝つだけなら別のホールへ行くという選択肢もあったが、俺には目先の収支より優先すべきものがあった。
▲5号機「ルパン三世~ルパン一族の秘宝~」(平和)
2010年の夏に登場した、5号機ルパンシリーズの第2弾。オーソドックスなボーナス+ART機だが、仕様の異なる2種類のARTを搭載しているのが特徴。
ART「ゼニガタイム(ZT)」はセット数管理で、1セットは30or50or100G継続。もちろんセット数の上乗せもアリ。純増は約1.3枚/G。 もう一方のART「スーパーヒーロー(SH)」はゲーム数管理で、初期ゲーム数は100or150or200G。当然ゲーム数の上乗せもあり、上乗せ頻度はかなり高め。純増はZTと変わらず約1.3枚/Gだ。 既述の通りセット数管理のZTにも連続性はあるが、そこまで上乗せ・継続する仕様ではナイ。そのため、大量の出玉を得るにはSHへの突入がマストとなる。言うなればSHこそが目指すべきARTだ。 ボーナスはスーパーBIG・ノーマルBIG・REGの3種類で、獲得枚数はスーパーBIGが252枚、ノーマルBIGが204枚、REGが72枚。 スーパーBIGは成立=ZTorSH確定。ノーマルBIGは消化中にシングル7揃いを引けばZT確定、ダブル7揃いを引けばSH確定となる。残るREGも成立時にART抽選が行われ、 終了までに告知が発生すればSH確定だ。 また、ボーナス非経由でのART当選もアリ、そのカギとなるのが連チェリー。チェリーは単チェリー・2連チェリー・3連チェリーの3種類で、いずれもリプレイフラグとなっている。2連or3連ならZTやボーナス当選のチャンスだ |
俺は攻略誌「H」における「一族の秘宝」の担当ライターだった。4号機時代から打ち続けてきたルパンシリーズ。その担当ライターになれた俺は、嬉しい反面、大きなプレッシャーも感じていた。
俺のような若手が人気シリーズを担当するのは稀。ルパンシリーズも例に漏れず、4号機時代から1人の先輩ライターが担当していた。しかし、その先輩が機種モノライターを退いたため、たまたま体が空いていた俺に回ってきたというわけだ。
もちろん機種モノライターとして一定程度の信頼を得ていたからとも予想できるが、それでも「控えでの抜擢」であることは事実。このチャンスを逃すわけにはいかない!
ここで編集部が納得するような仕事をすれば、後々のルパンシリーズも担当できるかもしれない。機種モノライターにとって人気シリーズを担当するということは、それだけ大きなことなのである。
適度なヒット。
自分の収支など度外視。とにかく誰よりも打ち込み、ライバル他誌より有効な立ち回りを確立する必要がある! そんなワケで導入以来ホールに通っているわけだが、これが不思議と負けない。むしろ打てば打つほど収支が上向くのである。
それもそのハズ。「一族の秘宝」は少しばかりスペックが甘かった。
設定別 出玉率 | |||
設定1 | 97.1% | ||
設定2 | 99.1% | ||
設定3 | 101.3% | ||
設定4 | 104.0% | ||
設定5 | 108.6% | ||
設定6 | 115.5% |
設定1の出玉率は約97%とキツめだが、設定2なら99%。つまり設定1さえ回避すれば、大負けのリスクは極端に低くなる。
さらに設定4でも約104%と十分勝負でき、設定5に至っては108%超と魅力的。個人的には、この「設定6以外でも十分勝てる」という点がお気に入りだった。
さらに「一族の秘宝」はホールによる扱いも悪くなかった。当時の看板機種と言えばエウレカ・新鬼武者・蒼天の拳。その次に来るのがこの「一族の秘宝」だった。
シマでの設置が主流のため、マイナー機に比べれば高設定が使われやすい。それでいて看板機種に比べるとライバルが少なく、高設定を狙いやすい。まさに「ちょうどいいヒット具合」である。
ウチの近所は特に扱いが良かったように思う。さすがに設定6は大きなイベント日にしか入らないが、設定4以上と思しき台なら平日でもツモれなくはない。6にこだわらず高設定狙いを実践すれば、それなり収支が付いてくるという状況だった。
欠けた感覚。
この日も連日通っているB店で朝イチから上げ狙い。現代のような設定確定演出は存在しないものの、設定差があるポイントは多いため、設定の高低判別ならさほど難しくない。
誌面において「まず注目すべき」とされていたのは、連チェリーからのZT当選率だった。
2連チェリー成立時 ZT当選率 | |||
設定 | 低確中 | 高確中 | |
1 | 0.8% | 12.5% | |
2 | 1.6% | 14.1% | |
3 | 2.3% | 15.6% | |
4 | 3.1% | 18.8% | |
5 | 6.3% | 25.0% | |
6 | 12.5% | 50.0% |
3連チェリー成立時 ZT当選率 | |||
設定 | 低確中 | 高確中 | |
1 | 0.8% | 50.0% | |
2 | 1.6% | 50.0% | |
3 | 2.3% | 50.0% | |
4 | 3.1% | 50.0% | |
5 | 6.3% | 50.0% | |
6 | 12.5% | 50.0% |
たしかに設定差は大きいし、サンプルも集めやすい。しかし要となる低確中の当選率は高設定域でも低いため、こればかりに頼っていては設定推測が遅くなる。そのため、他の設定差も合わせてチェックする必要があった。
【その他の設定差】
★チェリー同時当選を除く、ボーナス合算出現率
★ベル・共通プラムからの高確移行率
★スーパーBIG・REG中のスベリプラム出現率
★低確スーパーBIGからのSH突入率
★REGからのSH突入率
思いつくまま挙げてみてもこれだけあるため、低設定域は割とラクに回避できる。そうなると次いで重要となるのが設定3か、4以上か…というところだ。
設定3の出玉率は101.3%、対して設定4は104%だ。仮にボーナス中を除き7,000G消化したとすると、期待収支は設定3で約+6,000円、設定4だと約+19,000円。自己の収支を度外視するとしても、やはり設定4以上を見抜く術を確立する必要があった。
設定の偶奇を見抜ける要素はない。いずれの設定差も段階的に高設定ほど優遇されている。それゆえ「設定1段階の差」を見抜くのが難しい。
昼食を終えたが、ホールへ戻る足どりは重かった。今日も設定1・2ではなさそうなので、高設定域をツモった可能性は高い。が、やはり設定3の可能性がチラつく。
解析数値が明るみになって以来、この「設定推測の決定打がない状況」にモヤモヤとした気持ち悪さを感じていた。設定3でも期待収支はプラスのため打ち続けて構わないが、3か4以上かを見抜ければ、設定推測は大きく前進するハズ。
しかし、いかに打てども突破口は見えない。「一族の秘宝は、元来ハッキリと設定を見抜けない仕様だ」。そう割り切ってしまえばラクなのだが……。
小さなヒント。
ホールに戻り実戦再開。すると、わずか20Gほどで3連チェリーが出現した。低確と思しき状況ゆえZT当選は期待できないが、ボーナスならば……。
液晶は連続演出へと発展したが、結果を待たずにボーナスを揃えにいくと、右リールでスーパーBIGorREGの形に。こうなると確率の高いREGから狙うのがベストだ。
――「クッ、やっぱバケか……」
小さく溜め息をつき、青7・青7・赤7を揃えた。そしてストップボタンから指を離すと…
「カシャカシャカシャカシャ…」 お馴染みのタイプライター演出が発生! REG入賞後にコレが発生すれば、REG中にルパンvs銭形の対決演出が展開される。最終的にルパンが勝利すればSH確定となるが……
――「まあ、ココじゃ当たらんよな」
既述の通りREGからのSH突入率には設定差があるが、その抽選システムが結構複雑。純粋なSH当選率は…
REG成立時 SH当選率 | |||
設定 | 低確中 | 高確中 | |
1 | 0.8% | 1.6% | |
2 | 1.2% | 3.1% | |
3 | 1.6% | 4.7% | |
4 | 2.3% | 6.3% | |
5 | 3.1% | 18.8% | |
6 | 6.3% | 25.0% |
上記の通りシンプルなのだが、この他に「REG天井」という要素が絡んでくる。簡単に説明すれば以下の通りだ。
①ボーナス終了時に規定ゲーム数(REG天井)を決定
↓
②規定ゲーム数到達後に当選したREGはSH確定
コレがあるため、先述した「REG成立時のSH当選率」を鵜呑みにできないのである。もちろんボーナス間でハマるほど規定ゲーム数に到達した可能性が高まるため、逆に浅いゲーム数で引いたREGは望み薄ということになる。
REGの前はZT単発。そのZTはノーマルBIG中のシングル揃いから当選している。ZT後の約30GでREG当選、ZTは30G継続だったから…ボーナス間ハマリは100G未満。こんな浅いゲーム数では高設定でも期待薄だ。
案の定、対決演出はチャンスパターンなしで進行。最終的にルパンが裸で逃げ出せば敗北となるが…
銭形「くっそ~、ルパンの奴めぇ~!」
――「………(まあ、予想通りだ)」
銭形「ヌフフフ・・・」
――「え!?」
ルパン「な~んつって」
――「は???」
ルパン「俺様は負けね~ってこった!」
――「な? マジで!?」
銭形の顔がベリッと剥がされ、中からルパンが出現! 銭形の勝利と思いきや、ルパンが銭形に扮していた…という粋な逆転パターンである。この逆転パターンが堪らなくイイ!!
捨てがたい設定差。
――「てか…低確だったよな?」
こんな浅いゲーム数で引いたREGからSHに入るのは珍しい。純粋なREG成立時のSH抽選で当選したのか、それとも浅いREG天井(規定ゲーム数)が選ばれていたのか。ちなみにREG天井振り分けにも設定差が存在し、高設定ほど浅い天井が選ばれやすい。
より高設定の可能性は高まった。が、具体的にどれほどの設定差があるかが分からない。実質的なREGからのSH突入率は、とても暗記できる代物ではナイためである。
実質的なREGからのSH突入率は、REG成立時のボーナス間ハマリゲーム数も考慮する必要がある。そのゲーム数は…
ゲーム数区間 | |
① | 0~32G |
② | 33~96G |
③ | 97~128G |
④ | 129~149G |
⑤ | 150~181G |
⑥ | 182~309G |
⑦ | 310~437G |
⑧ | 438~565G |
⑨ | 566~693G |
⑩ | 694~821G |
⑪ | 822~949G |
⑫ | 950~999G |
⑬ | 1,000G以降 |
最大の1,000G以降も含めれば13区間に分けられる。その13区間それぞれで、SH当選率が変化するわけである。さらにREG成立時の状態もSH当選率に影響。通常時の低確・高確、そしてZT中…と、それぞれに13区間が存在するわけだ。
各設定の状態別×ゲーム数区間別のSH当選率となると、その情報量は膨大。暗記など常人には不可能だ。そのため俺は「浅いゲーム数でREGからSHが当たれば高設定の期待度アップ」と、かなりボンヤリ捉えていた。
しかし、こんなに浅いゲーム数でREGからSHを射止めたのは初めて。当選率が気になる俺はポケットからガラケーを取り出し、攻略誌「H」のサイトを開いた。
REG成立は前回ボーナスから70G前後。低確の33~96G区間と推測できる。実質的なSH当選率は…
低確REG 33~96G区間のSH当選率 | |||
設定1 | 1.34% | ||
設定2 | 2.24% | ||
設定3 | 3.14% | ||
設定4 | 4.33% | ||
設定5 | 5.62% | ||
設定6 | 12.16% |
思ったより設定差が小さい。これでは6でもない限りアテにならないじゃないか! 結局、設定3~5を特定するには至らない。
いや、待てよ。
たしかに1回あたりの設定差は小さいが、REG成立のたびにチェックできるのならサンプルを集めやすい。しかし暗記は困難だし、ケータイサイトでチェックするのも手間だ。なにせ3つの状態×13区間。ガラケーのスクロールには酷だ。なにかもっと簡単に………
そのときである。当時はまだ未成熟だった「設定推測ツール」の存在を思い出した!
変わる立ち回り。
複数の設定差を入力し、予想設定をパーセンテージで表示する設定推測ツール。そんな複雑な計算も簡単にできるのなら、REGのSH当選率を表示するくらいわけないのでは!?
パソコンに詳しくないため、そういったツールを作れるかどうかは分からない。でもREGからのSH当選率を簡単にチェックできれば、設定推測において大きな武器になる気がする。急いでホールの外に飛び出し、サイトのスタッフである後輩に電話を掛けた。
Oくん「お疲れっス。どうしました?」
――「いやね、ルパンで困ったことがあって」
Oくん「はあ、なんです?」
――「REGからの実質的なSH当選率あるじゃん?」
Oくん「あ~、ありますね。あのエゲツない情報量の」
――「そう。設定差あるしサンプルも採れるんだけど」
Oくん「サッと調べられなくて実用性がナイと?」
――「そうそう。そこで思ったんだけど…」
Oくん「はぁ…」
――「REG成立時の状態とゲーム数を入力するだけで、設定別の実質的なSH当選率を表示する…ソフトみたいなの作れないかな?」
Oくん「ん~、アプリみたいな?」
――「アプリっつーの? 設定看破ツールみたいな」
Oくんの前職はシステムエンジニアだ。
Oくん「あ~、理解しました! 作れます、割と簡単に」
――「マジ!?」
Oくん「Flashというものを使えば作れます」
――「ふらっしゅ? …ちょっと何言ってるか分からないけど」
Oくん「作りたいモノは分かりましたから、ちょっと数日ください」
――「マジか! さすがだね、Oくんは!!」
Oくん「いやいや、そんな難しいことじゃないスよ」
――「よろしく頼むよ」
こうして実戦中の雑な思いつきから「SH突入率算出ツール」が誕生。とはいえ、数ある設定推測要素のたった1つを補助するアイテムにすぎない。それほど役立つとは思えないが……。
後日、俺はそのツールの威力を思い知ることになる――
つづく
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- ラッシー
- 代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-
山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。
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