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若年性パチンコ研究脳
2021.05.28
研究#09:業界の黒歴史!? 潜伏確変。遊タイムは大丈夫? 消えゆくシステムを振り返る。
どうもこんにちは。ベースカットの手法が確立されてきたことにより、6号機が面白くなってきたと思っているraraです。
個人的には、パチスロのベースは低いほうが良いし、パチンコのベースは高いほうが良いと思っています。メダルを入れて叩けば回ってくれるパチスロにおいて、1000円あたりの回転数が多いことはあんまりメリットにならないと思うんですよ。初当りの確率を軽くしたり、平均出玉を多くしてくれたりの方が嬉しいです。
それに対し、一定で回ってくれないのがパチンコ。
こっちではベースを高くして出玉性能を下げ、回せる設計にしているほうが好みです。パチンコを打っていて一番イヤな時間が、ヘソに入らず抽選すらされない時間。たとえちょっとの時間だったとしても、抽選すら受けられていない状況ってのは結構なストレスになっちゃうんですよね……なので、ついこの間までのヘソ4個賞球以上で高ボーダーな時代も歓迎していました。
ただ、一般的に人気が出るのは出玉性能を高めた低ベース機であることは歴史が証明しています。さらに言えば、売上的な意味でお店的にも低ベース機の方が都合が良いですから、ヘソ賞球に関する縛りが無くなった今、ヘソ賞球4個以上の台は滅多に作られなくなるのは当然の流れといえます。今年に入ってからは1台も出てないんじゃないですかね? なんとかヘソの返しが多い台という文化も生き残って欲しいです。厳しいでしょうが……。
さて、パチンコには様々な“消えた文化”が存在します。 過去にも紹介した確変2回ループや、演出スキップ機能など、規則の変更により搭載できなくなったシステムもありますし……昨今におけるヘソ賞球の多い台のように、世間に望まれなかった結果として純粋にリリースが減り、最終的に消滅してしまった文化も多数存在します。記憶からも完全に消え失せる前に、その存在と歴史を書き記しておきたいと思いました。
ということで今回のテーマは、最近めっきり影の薄い「潜伏確変」についてです。
★バトルスペックから生まれた『潜伏確変』
潜伏確変というのは、電サポがつかない確変状態の事です。通常時と同じ条件で回さなくてはならないため、大当りを引くまで出玉は減り続けます。
開祖は1999年発売のデラマイッタと言われていますが、広く広まったきっかけは2007年に発売された『初代花の慶次』でしょう。
初代慶次がリリースされたのは、ウルトラセブンやジョーズなどが人気を博していた、いわゆる”バトルスペック”の黎明期でした。図柄の奇偶で確変と通常を分けていた従来の機種に対し、バトルに勝てば確変、負ければ通常という斬新なスペックは市場に受け入れられます。
バトルスペックの特徴としては、出玉なし大当りの存在があります。バトルスペック以前にも、出玉なしの電サポ付き確変大当りである ”突然確変(以下突確)” が搭載されている台は数多く有りました。これに加えて、バトルスペックは出玉なし通常の大当り ”突然通常(以下突通)” を搭載しています。もう言葉の意味が崩壊しているというか、出玉も確変も無いのに大当りとはこれ如何に。一応、時短は付いてきます。
▲今や伝説となった元祖バトルスペック機。初当たり1/479で18%は突通!
そんな当時のバトルスペック界において慶次が革新的だったのが、通常時の出玉なし大当りには確変・通常問わず電サポが付かないということ。ついに突通に時短も付かなくなりました。いよいよ大当りでもなんでもありません。
結果、1/399の初当りのうち、10%が出玉・電サポなしの潜伏確変、そして20%は電サポなしの突然通常(実質単なるハズレ)という振り分けとなっています。
そして、突確・突通・大当り確率とは一切の関係が無い小当りという3つのフラグを引いた場合、液晶で”モード移行”の演出が行われます。モードが移行する度に確変の期待度がドッキドキ!! ってなもんです
打ち手の知識レベルが大きく向上した今の時代に、こんな仕様を出すと烈火の如く批判が噴出しそうですが、当時は違いました。演出モードの移行による潜伏煽りが、斬新なゲーム性として受け入れられたんです。
ラウンドランプの確認や、セグによる判別という概念がほぼ無かった時代ということもあり、“せっかく1/399を引いたのに実質ハズレの突通の振り分けを引いてしまっていた”とか、“特になんの意味もない小当りを引いただけだった”という結果で起きてしまったモード移行だ、ということを認識することなく、アタッカーがパカパカする度、素直に確変移行したかどうかをドキドキしながら楽しめていたのです。
潜伏確変が生んだユーザー格差
さて、この”潜伏煽り”は斬新なゲーム性であることに間違いは無いのですが、どうしても損をする人と得をする人が出てきてしまいます。パチスロと違い、どこから打っても平等であったはずのパチンコの島に、ユーザー格差が生じてしまった歴史的な瞬間です。
大ヒットした慶次の影響を受け、市場には潜伏確変搭載機が跋扈。台数が増えるにつれ、ハイエナ問題も表面化していくことになります。
……ですが、このタイミングで内規に変更がかかります。それは『通常時の突然通常を大当りとは認めない』という至極真っ当なもの。搭載することが不可能になった訳ではありませんが、突然通常を除いた大当りの確率が1/399以内になるように作らなければならなくなりました。
出玉も確変も無いのに大当り扱いだった今までがおかしいというか、それが認められるなら大当り確率に下限が設けられている意味がないですからね。すごくまともな方向への規制だと思います。
潜伏確変機能が消滅する?
それにより割を食ったのが潜伏確変。この内規により、通常時の突然通常は消え失せることになります。その結果、通常時のモード移行は、電サポ出玉無し確変or小当りということに。
そうなると、ラウンドランプを見て、2Rが光っていれば確変、そうじゃなければ小当り。というめちゃくちゃシンプルな判別が効いてしまうことに。これでは潜伏を持たせる意味合いが薄くなってしまいます。判別が容易である以上、ガセを引いた時はイライラがつのるだけですし……いざ潜伏を引いた時も、ドキドキというより早く当たってくれのイライラになってしまいます。
というわけで潜伏の存在意義は無くなる……と思われたのですが、この時期から特図1保留(ヘソ保留)と特図2保留(電チュー保留)大当りのラウンド振り分けに差を設ける、という仕様が一般化して来ます。今となってはそうじゃない台の方が珍しい、という程に浸透しているこの仕様を活かすために、潜伏の存在意義が復活します。
▲潜伏煽りの元祖となった初代慶次 突通や小当りでも平気で極傾奇ゾーンに入る傾奇者仕様
この頃に生まれた伝説的な概念が、今もなお語り継がれる京楽の暴走、「進化系パチンコ」です。
★圧倒的潜伏率×判別隠し『進化系パチンコ』
進化系パチンコの代表的な台である『キン肉マン』を例にとって解説しますと、大当り確率が1/317なのに対し、確変突入・継続率は80%。そして特図2の大当り出玉は9R1215個(払い出し)で固定。当然、確変から落ちる時でも出玉はありますし、時短も40回ついてきます。
正直、1/317の台に持たせていいスペックではありません。甘すぎる。特図1の確変が全部出玉なしの突確だったとしても甘い。
……なら、潜伏させれば良い。ということで、なんと特図1大当りの55%が潜伏確変に。この時から、潜伏は“ドキドキ感の演出”というよりも、強すぎる出玉性能を持つ特図2へのハードルを高めるための存在として使われるようになります。
ただ、京楽はゲーム性としての潜伏確変も諦めていませんでした。ラウンドランプを見たらすぐ分かってしまうなら、ラウンドランプを消してしまえばいいと考えたのです。そんな逆転の発想により、キン肉マンに搭載されている大当りは全て9Rに統一。ラウンド振り分けが無いという事は、ラウンドランプを搭載しなくてもいいという事です。
そのために従来は2Rだった出玉なし確変も、9R出玉なし確変という歪な存在になったわけですし、それのフェイクで当選する小当りも合わせた仕様になっているため、アタッカーが9回もパカパカします。
セグを把握してない限り、内部的に大当りなのか小当りだったのかすらも分からないという、潜伏煽りとしての到達点のような作りになっていたのが、進化系パチンコの恐ろしさ。京楽はこの仕様にかなり本気だったらしく、小当り専用カウンターILUSIOなる、出玉なしの大当りと小当りを引いた時にだけ動作する謎のカウンターも販売していました。
▲2019年、某所にて撮影。多分日本最後のILUSIO設置店でした。
その後、特図2の破壊力を高めるための潜伏は、過激化を極めることとなります。
潜伏したところで次の当たりが約束されないST機でありながら、初当りの実に60%が潜伏してしまう『仮面ライダーMAX EDITION』や、確変継続率90%でありながら特図2の出玉は1000発固定、転落時にも出玉あり、その代償に驚異の初回潜伏割合88%という究極的なスペックを持つ『竹内力のMURAMASA』などがその代表格。
これらの台は潜伏というワンステップをかますことにより、実質的な大当り確率が1/399を大きく下回っています。ライダーなんて、1/399を引いて、ひたすらに潜伏STを回させられた結果、スルーしてお金が減るだけに終わる……なんて事が現実的に起こりうるスペックです。
もちろん、その分の出玉性能は特図2に割り振られているため、トータルでのスペックが辛くなっている訳ではないのですが……そんな事が出来てしまっては、突然通常を規制した意味がありません。
ということで、通常確変を問わず、出玉なしの大当りは計算から除外して1/399以内に収めなくてはならない。という内規が発足します。
この時点で潜伏はほぼ役目を終えていたのですが、よりスマートに特図2を優遇させられるV確変方式が登場したことにより、本格的な衰退が開始。
そこに追い打ちをかけるように”出玉なしの大当り”そのものが禁止になり、フェイクとして使われていた小当りが、一種二種混合機や小当りラッシュという別の使い道で脚光を浴び……気づけば、潜伏機という概念はホールから姿を消していました。
今や、通常時のモード移行で確変の期待を煽ってくる台はどこにもありません。探せばギリギリ哲也2のライトが打てるぐらいでしょうか。スパロボやおしおきくノ一等、四六時中潜伏している特殊過ぎる台もありますが、それらは確変滞在中であることを煽りはしません。
★潜伏機は無くなった、だけど……遊タイム、大丈夫?
僕は基本的に無くなったものを過剰に惜しむ傾向があります。その癖が暴発した結果、全国の珍古台を求めて旅をしたりもしたのですが……この”潜伏”と、それに追従する煽りの文化に関しては、無くなって良かったものの1つだと思っています。
モード移行演出が来て、ラウンドランプが光る瞬間は至福の一瞬でしたが……色々と問題点が有りすぎましたから。
もちろん、これを読んでくださっている方に潜伏狙いにお世話になった人もいるでしょう。でも、そんな勝ち方が出来てたことこそ問題点です。
さらに言えば、分かってる人も分かっているが故に、ヤメられない状況というのが出てきます。極端な話、1000円だけ試し打ちしようとして潜伏を引いてしまったら、どんなに回らない台であろうと、当たるまではついていかざるを得ません。
今の例は極端に過ぎますが、潜伏を搭載しているだけで回らない台なのに、ユーザーが勝手に回してくれるという現象は起こり得ます。結果、台を調整する必然性が落ちてしまう。放っておいても稼働するなら、調整を締めたほうが良いに決まってます。
ですが、ユーザーはそんな事情を知ったことでは有りません。長期的目線で見れば、回らなければユーザーは離れていくんです。絶対に。この、”ユーザー間で格差が出てしまう”、”勝手に動くので調整する必然性が減る”という2つの欠点、現役でホールに通われている方は、思い当たる節があるのではないでしょうか。
今ホールの主役とも言える”遊タイム機”が、今後のパチンコへどのような影響を及ぼすのか、注視していきたいと思います。回らない乙女6の300Gに、浅ましくも飛びつきながら。
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- rara
- 代表作:若年性パチンコ研究脳
北海道に蠢く24歳のスロパチ好き。珍古店を探して全国を駆け巡ったり、大きいホールに一台だけ置いてあるマイナー台を打って、悦に浸ったりするタイプの人。最近のマイブームはパチスロミルキィホームズ。
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