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若年性パチンコ研究脳
2021.06.18
研究#10:V確変(V-ST)とは? 革命機『ウィッチブレイド』がもたらした隆盛。
どうも、家から徒歩30秒のお店が偽物語のミドルを1円から4円に戻してくれて嬉しいraraです。
あの台のST中演出バランスには疑問を抱かざるを得ませんが、なんだかんだで好きな台でした。右の一般入賞口を優遇しがちなこのお店だと打ちっぱなしで増える調整にしてくれていますし。(偽物語が打ちっぱなしで増える店はかなり希少だと思います)
しかしまあ、年月が過ぎ去る速度は恐ろしいですね、本当に。ミドル偽物語なんてわりとどこにでも置いてあるイメージだったのに、どこにでも見るのは全部甘版だったようで、ミドルの設置店を調べてみるともう50店舗以下の絶滅危惧種でした。
来たるCR機完全撤去に向けてソフトランディングする必要がある中、ミドルで残されるのは北斗無双や慶次漆黒の超主力級の台ばかりになると思われます。
僕の行ってる近所の店はもとから北斗無双なんか1台も無いので、偽物語のミドルが生き残りましたが、思い出のあるCRミドル機がある人は今のうちに打っておくべきかもしれません。藤商事の『CR世界でいちばん強くなりたい!』あたりももう絶滅危惧種ですんで、熱狂的なせかつよマニアの方は今のうちですよ!
さて、ミドル偽物語を打っていて思うのがST突入率100%の尊さです。今でこそ継続率規制は撤廃されましたが、偽物語リリース当初は継続率65%の規制がありました。
ST機の継続率は、継続しなかった時に通常大当りの出玉が貰えるわけでもなく、基本的には時短も付かないのですから、海物語などの純粋な確変機と比べて、高くなければキツく感じてしまうものです。前回の記事で出玉なしの大当りが規制されたことに触れましたが、ST機は実質的に出玉なしを搭載しているようなものです。35%が実質的な突然通常と考えると、なかなか厳しい気がしてきませんか?
そのうえで、65%規制下では「V-ST」のリリースが多くなされていました。ST突入率50%で継続率65%みたいな、2連させるのがとっても大変な機械が多かった時代です。どうしてそんな事になってしまっていたのかを考えると……継続率規制が始まる前からV-STで作成していて、そのまま演出様式などを作り変えた結果なんじゃないかと思っています。
今ほど一種二種混合機の作り方が成熟していなかった当時において、過激な出玉性能を持たせるのに1番向いていたシステムだったのは間違い有りませんので。
ということで今回のテーマは「V確変(V-ST)」について。その功罪と、現在に至るまでの紆余曲折を振り返っていきましょう。
★1台限りの徒花「寿司だニャン」
V確変のはじまりは、毎度お馴染み2004年の大幅な規制緩和に基づきます。確変割合が50%を越えられるようになったり、大当たり確率が1/499までになったり……と様々な緩和が行われるなか、ひっそりと“アタッカー内の特定領域通過による確変突入”が認められることになります。
噛み砕いていうと、特定領域というのが俗に言う『Vゾーン』のことです。大当りの消化中に、アタッカー内のVゾーンに見事入賞したときだけ確変突入! という、アナログ要素のある確変抽選が認められました。
初登場は緩和から3年後2007年にリリースされた『CR寿司だニャンST-FC』という台。今となってはサミーのサブメーカーである銀座が、筐体こそサミーから借りているものの、まだオリジナルの機械を作っていた頃の末期にあたる台です。
▲液晶の下にルーレットが存在。飾りではなくここで本当に確変抽選します。
大当りには、Vゾーンが付いていない下部アタッカーと、Vゾーン付きの上部アタッカーが存在。2~4Rに限り上部アタッカーで消化して、3Rのうち1回でもVに入れば見事確変となります。今の羽根物に通じる激アツのスペシャルルートがあったり、純粋に見ていて面白い役物が素敵。今でも777タウンにて配信中ですので、興味のある方は是非。
そんな唯一無二の抽選方式を取った寿司だニャンですが、なんとここから次のV確変機リリースまでには4年もの間が生じることになります。
正直なところ、この時点ではこのシステムを搭載するメリットが薄かったんです。確変の抽選タイミングが特殊なだけで普通の確変機とやってることは同じですし、特性上“確変図柄”を搭載することが出来ないというのが痛い。個人的にはラウンド中抽選の方が図柄で決定されるより楽しく感じるのですが、全員がそうでもないですし、役物作るのも大変だし、確変突入率に個体差が存在するとお店も扱いが難しいし……というように、どう考えても扱いづらいのがこの時点でのV確変機です。結局、
ひっそりとこのシステムは忘れ去られていきました。
そこから時は経ち4年後の2011年。豊丸からその後のパチンコ業界に大きな影響を与える1台が産み出されます。
★歴史に名を残すべき超革命機「ウィッチブレイド」
2011年は、前回でも取り上げた出玉なし通常大当りが規制された年です。この頃には、特図1(ヘソ)と特図2(電チュー)で大当りラウンドの振り分けが異なるという仕様が一般化していました。
特図2の出玉性能を強化し、初回の壁を厚くする。今も続くこの流れがはじまったのもこのあたりからですが……初代牙狼でやり過ぎた一種二種混合機が規制され(後に緩和)、それに対応する形で出玉なし大当りによる潜伏を用いた結果、出玉なし大当りが規制され……。
いよいよ特図1の性能を落とすにも限界が来てしまいました。こう書くと良いことのように聞こえますが、イコールで特図2の出玉性能を上げにくくなってしまったということですね。
そんな時代で産まれた4年ぶりのV確変機が『ウィッチブレイド』です。
寿司との違いとして、役物は非常に簡素になりました。簡素というより、Vに蓋がついているだけです。蓋が開いている時にアタッカーへ入賞があれば確実にV入賞します。とはいえ当然ながら100%確変突入ではなく、蓋が開きっぱなしになる大当りと、どうあがいてもV入賞出来ない大当りが存在。
この、役物要素が完全に形骸化してしまうアイディアによって活きるのが、空白の4年間で産まれた概念である特図1・2によるラウンド振り分けシステム。振り分けで出来るのは、ラウンド数の変化だけではありません。アタッカーの開放パターンも振り分けられるのです。
これまでの機械においては、開放パターンが変えられると言っても、アタッカーをパカパカさせて出玉なし大当りを産み出したり、RUB(ランクアップボーナス)に使ったりというだけでしたが……。『V確変システム』と合わさることで真の威力を発揮。特図1・2で確変突入率に差をつけることに成功したのです。
継続かどうかを煽っている間も大当り消化中なのですが、ラウンド間で時間を設けるにも限度があります。そこで演出中はアタッカーをパカパカさせることで時間を稼ぐというやり方が一般的でした。
豊丸いわく『アタックラウンド』と呼ばれるこのシステムは近代パチンコ界における最大の発明と言っていいでしょう。
潜伏のように強制的に通常時を回させることなく、手軽に特図2へのハードルを作ることが出来るのです。特図2を優遇させるため、と分かっていたとしても潜伏を回すのは辛いものがあります。その点、アタックラウンドには全く嫌味が無いんですよ。駄目な時は即終了の潔さ!
また、次回大当りまで確変だった寿司との大きな違いとして、ウィッチブレイドはST機です。終わる時は実質出玉なし通常のため、確変機よりも荒い展開になりがちなST機に突入率を噛ませて、さらに荒く仕立て上げることに成功!
その後、牙狼鋼がこのシステムを搭載して大ヒットを飛ばしたことにより急激にV入賞ST機……俗にいう、V-ST機が増殖していくことになります。(アタックラウンドという言葉はいつの間にか豊丸すら使わなくなり消滅してしまいました。)
鋼が素晴らしかったのが、ウィッチブレイドには存在しなかった時短を搭載したこと。従来の確変機に存在した時短中のガッカリ通常大当りが存在せず、100%ST突入するうえ、特図2大当りの出玉も獲得可能出来るというのがあまりにも大きい。V-ST機における時短引き戻しは最大の脳汁ポイントです。
その後の隆盛はMAX機があったころにパチンコを打っていた方々ならご存知の通りです。末期なんて本当にV-ST機ばっかりでしたね。
★V確変機最大の弱点!? 恐怖の「ヘソ落ち」
さて、完全無欠に思えるV確変機ですが、大きな、大きな弱点が存在します。
それは、確変中の特図1大当り。電サポが始動するのは大当り終了後です。そして、メインデジタルの変動が始まるのも同じタイミング。なので、ヘソに保留が残っていた場合、1回転目は特図1で回さざるを得ません。
これが普通の確変機なら大した問題じゃないんですが……特図によって確変突入率を分けているV確変機では大問題。特図2の突入率を100%にしているV-ST機だと、とっても大問題に。いわゆる「ヘソ落ち」ってやつですね。
当時の台がロングST機ばかりだったのは、この仕様に対する対策という面が大きいです。確変中の分母が大きければ単純に特図1で当たる可能性は減りますので。そのうえでST継続率を上げるには、ST回数を増やすしかありません。
とはいえ、当たる時は当たってしまうのも事実。僕は『暴れん坊将軍怪談』の1/399でやらかしました。1回転目で1/74を引いたと分かった瞬間、血の気が引きました。案の定キッチリ通常落ち。当時MAXのV-ST機を打っていた人なら1度は経験したことあるんじゃないでしょうか。遊技者の知識量によってはクレームにすら繋がりかねない恐ろしい欠点と言えます。
また、この欠点に対する兼ね合いから昨今のトレンドである超高継続率機が作りにくいという欠点もあります。暴れん坊将軍と同じ1/74で継続率92%にしようとすると、仕様上、STが185回になってしまいます。どんな演出にしたって間延びは避けられませんし……それでも結局ヘソ落ちするときゃします。
そこを割り切って作られたのがダンバインです。結果としてST中の大当り確率が1/32になっているのでまあ落ちます。普通に現実的に落ちる。一応、右にある一般入賞口が特図2始動口を兼ねているので、特図1を消化せずに済むこともあるのですが、現実的にはなかなか入賞してくれませんので、落とした人も多いんじゃないでしょうか。僕はあります。発狂しました。
▲脳汁大噴出! のハズが、1回転目に限り冷や汗大噴出に
結局、V-STが誕生した当初には規制されて、空気だった一種二種混合機の方が、緩和された今では超高継続率機に向いています。
なんせ確変が存在しませんので、最初に特図1で回したとしても当たりにくいです。さらに時短突入率は状態によって変えられるため、ラッシュ中に万が一特図1で当たっても叩き落されはしません。今のブームが続く限り、V確変・V-ST機のリリースも減っていくでしょう。
……と思っていたのですが、ここにきて風向きが変わりました。時短規則の変更です。遊タイムが取り上げられがちな今回の規則変更ですが、時短回数の上限も撤廃されています。つまり、ヘソ落ち時の時短回数を優遇することが可能なんです!
すでにエヴァ真紅においてこのシステムは実装されていまして、ラッシュ中の特図1当たりで通常を引いてしまった場合、時短が500回転付与されます。STの継続率とほぼ同じ大当り期待度なうえ、スルーした時に大幅に遊タイムまでの回転数も稼げるんです。なんならラッシュよりも偉いといっていい状態です。
V-ST機における最大の弱点が解消された今、確変中の確率を思いっきり上げた超高継続率のV-ST機を出せる土壌が整った、とも言えるのではないでしょうか。どんなに確率を上げたところで10倍までになってしまうため、一種二種混合機のような超速での連チャンは出来ませんが、あまりに早く終るのを味気なく感じつつあるのも事実です。
なんとなく噂されているダンバイン2が、前作の欠点を解消したV-ST機で出ることを僕は願っています。
……ということで今回は以上です。V確変機はSTに限らず色々な仕組みがあるので、まだまだ語り足りないところではございますが、それらはまたの機会ということで……。
★おまけ~イカしたV確変機たち~
V-ST機は、潜伏を使わず特図2の性能を上げられることがウリです。なのに、潜伏を搭載している台がいくつか登場していました。これは本当に恐ろしい。特図1を最初に1回転回すだけでヘソ落ちが怖いというのに、全部特図1で回せということです。当然、通常を引く可能性もかなり有り。
そのうえ、潜伏という”確変か通常かでドキドキ”という概念としても壊れているんです。なんせVに入れなきゃ確変に入りませんので、わざわざVに球を入れて、確変だと分かっている状態から特図1を回さなきゃいけないんですよ。何故こんなことに……。加えるなら、ヘソ落ちを防ぐという題目から確変中の確率も重く、STの回転数は多く設計されていますので、とにかく潜伏の時間が長い。
▲一時期甘デジを狂ったように打ってました
代表的なのが高尾の「一騎当千2」です。確変中1/99でST162回!
STスルーしたら普通に1万円ぐらい飛びます。この時点でどうかと思うんですが、なんとこの台、常時左打ち。どうあがいても確変や時短中にヘソ保留が溜まってしまうため、一度でも当たったらトイレに行けるタイミングは存在しないというイカした台でした。(こんな書き方していますが大好きです。役物10回で止まった瞬間最高。)
そして、マイナーながらもとんでもなかったのが今は亡き奥村の「怪物くん」。
▲何故か奥村の遺作と勘違いされがちですが、遺作の1個前です。
V-STではなく、V-転落機という今でいう慶次漆黒のようなスペック。
継続率約87%かつ、特図2大当りの88%が1600発払い出しという、文字通り怪物性能の特図2確変を搭載しており、僕の一撃記録を持つ台です。37,000発出ました。
確変中確率が1/107で転落確率が1/809ということで、確変中の大当り確率は慶次より軽いですが、とにかく転落しません。結果、そこまで行く前に勝手に転落する慶次と違い、確変中に大きなハマりが起こり得ます。消化がめっちゃ遅いことも相まってかなり印象に残りまして、件の37,000発のときには、最大で400ハマったことを鮮明に覚えています。
……ここまで書けばもうお分かりでしょう、この台、潜伏を搭載しているんですよ!
もうほんととんでもないです。わざわざV狙って突入した潜伏が400回転続いたりしてしまうかもしれない、ってことですからね。当たっても特図1だから通常引かされる可能性がありますし、この台、通常に電サポが一切付かないのでなんの希望もありませんし、さんざハマった挙げ句、当たる前に転落したらもう目も当てられません。
幸い(?)マイナー台かつ潜伏の振り分けが2%と薄かったのであまり話題を見ませんでしたが、この世のどこかには潜伏を食らった人もいるはずです。1/399の2%というプレミア的確率を引いた結果として苦行に突入。とはいえ、引いた時点では損してる訳じゃないんです。ハマるかもしれないってだけで、間違いなく通常時と比べて有利な状態ではあるんです。明確に嫌な気持ちになる突然通常とはまた違う。
ということで、全パチンコのなかで大当りを引いたとき『1番微妙な気持ちになる機種は怪物くん』と勝手に認定します。他の候補がある人は是非教えて下さい。それではまた。
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- rara
- 代表作:若年性パチンコ研究脳
北海道に蠢く24歳のスロパチ好き。珍古店を探して全国を駆け巡ったり、大きいホールに一台だけ置いてあるマイナー台を打って、悦に浸ったりするタイプの人。最近のマイブームはパチスロミルキィホームズ。
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