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元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~
2021.07.22
蒸発したGOD凱旋の父? 初代ミリオンゴッドのしくじり物語
元・店長カタギリ 元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~
どうも皆様お久しぶりです。昔はパチ屋の責任者、今はパチ屋の投資家ことカタギリでございます。設定1と縁の切れない人生を歩む男、そう考えて頂いて結構です。
ところで皆様は『しくじるは稽古のため』という諺(ことわざ)をご存知でしょうか? しくじったっていいじゃない、人間だもの。失敗は後に成功するための練習じゃないですかドンマイドンマイみたいな感じの意味を持つ言葉です。なんだか名コーチからナイスフォロー的な人生の格言ですが、パチスロの世界にも通じる気がするのです。
「ちょっとこの機種はアレだよね」とか「あの機種、ヤバかったよな」みたいな台、皆様も頭の中に思い浮ぶでしょう。そうした過去の失敗を踏まえてメーカーの開発陣が知恵を絞った結果が、後の名機誕生に繋がっているのです。そう、数多の挫折があるからこそ栄光を掴むことが出来るのです。ま、私の人生はいまだに成功の前兆演出すら発生していませんけど……。
そこで当コラムではパチ屋を3軒も潰しちゃった客の飛ばし屋こと私、カタギリが過去の「しくじり機種」をピックアップ、当時のしくじり具合や後のパチスロ業界に与えた影響などについて悪徳コンサルタントのような表情で語らせていただきます。
さあ皆様、心を開いて。そして一緒に唱えましょう。パチンコパチスロは、適度に楽しむとホールが苦しむ遊びです……。
★初代4号機ミリオンゴッド
まずは今回、私が最初に挙げたい『しくじり機種』はコチラになります!
はい、軽度の尿漏れ世代なら誰でも知っている最狂の4号機『ミリオンゴッド(ミズホ/2002)』でございます。
遊技経験の無い5号機世代の方々のためにわかりやすく言うと『5号機凱旋の蒸発した父』です(キッパリ)。GOD揃いの確率は1/8192と凱旋と同様。ただし初代ゴッドにおけるGOD揃いの恩恵は、1Gあたりの純増が約10枚のATが500ゲーム。当時は等価交換のホールが非常に多かったため「GODを引いちゃえば10万ゲット」の単純明快なルールで当時のスロッターの人生すら狂わせた、稀代のギャンブルマシンなのであります。
初代ミリゴの『しくじり機種』扱いには異論の声もあるでしょう。後の業界に与えた影響、特に5号機時代の代表機種のひとつ『ゴッド凱旋』の源流である初代ミリゴをしくじり呼ばわりには多少の違和感もあります。しかしながら初代ミリゴは導入から1年と数か月後に著しい射幸性が問題視され『社会不適合機』という不名誉な烙印を押されることに。結果、検定取り消し処分が下され、ホールから完全撤去されたマシン。
今風に言うと「やり過ぎて逮捕された炎上系ユーチューバー」みたいなモンです。要するにやり過ぎちゃったのです。 では初代ミリゴのどこが「しくじり過ぎていた」のでしょうか。私はその原因について考えてみました。
しくじりポイント1:オールドタイプの反社の人みたいな怪し過ぎるルックス
2002年6月に導入された初代ミリオンゴッドに私が最初に驚かされたのは、そのいかがわしいルックスであります。霊感商法の商材でもここまではやるまい、みたいなイミテーション・ゴールド筐体の下部には『GOD』と大書された地方のヤンキーばりに自己主張の強いパネル。教育委員会の偉い人とかが見たらたぶん「お下品ザマス!」と一喝しながら尿を漏らしたでしょうね。私も自分を棚に上げて「何か胡散臭い見た目だなあ」と思いましたもの。
しかしながら「だが、それがいい」とか言っちゃうのがパチスロユーザーの悪癖。というより習性ですかね。こういうのに飛びついちゃうのです、ダメ人間だもの。金色の台だし何かわかんないけどメチャメチャ出そう、という潜在意識を気付かぬうちに刺激されたギャンブラーの老若男女が、いつしか開店と同時にゴッドめがけて一直線。まんまとメーカー、そしてホールの思う壺をジャンジャンバリバリ購入しちゃったのです。
ま、そういう意味ではメーカーの方々にグッドデザイン賞を差し上げたいのですが、この過剰な加熱ぶりが後の撤去問題に発展することを考えると「しくじりポイント」のひとつとしてカウントして良いでしょう、ええ、そうしましょう。ま、台に仏壇やモデルガンや模造刀が標準装備されている現在のパチンコ台よりはマシな気もしますが……。
しくじりポイント2:お金の大切さ、忘却の彼方へ。圧倒的な低ベース仕様
3枚掛け・順押し(ハサミ打ちでもペナルティ発生)を強制される戸塚ヨットスクール顔負けのワンマン体質の初代ミリゴちゃんは、なんと順押しでリプレイが揃わないノー・コンプライアンス仕様。通常時にリプレイが揃わないのですからコイン持ちは激悪。さらに内部的には高確率で成立している『押し順黄7(15枚役)』も、順押し黄色7だけ他の押し順よりも出現率が4分の1以下に抑えられている鉄壁のディフェンス。
故に「千円で1回でも揃えばラッキー、2回揃ったら店長に投げキッス」レベルの、超高速マネー吸い取りマシンに仕上がっていたのです。 「通常時の払い出しなど時間の無駄!」と言わんばかりの、小役と打ち手に対する配慮を大幅に削ぎ落したマシン設計。これによってミリオンゴッドは千円で20ゲーム程度しか回せないウルトラ低ベースマシンとしてホールの売り上げに大貢献。
ユーザーは勝負の早いマシンに飛びついて時には仕事帰りのひと勝負を、はたまたじっくり腰を据えてのデッドorアライブ(大半がデッド)のド博打に挑んだのであります。繰り返しますが、この過剰かつ異常な事態が後の撤去問題に発展いたします。
しくじりポイント3:知られちゃいけない、裏仕様
初代ミリオンゴッドの通常時は、4つのモードいずれかに滞在しています。大雑把に説明すると、まず抽選不遇の地獄状態『モードA』、当選したATをストックする『モードB』、AT当選時にストックせず即放出する『モードC』、そしてATの当選・放出確率の最も高い天国状態の『モードD』です。
本機は通常の6段階設定以外に、この4つのモードをホール側が任意に選択することが可能なのです。
具体的には「朝イチの滞在モードを選択できる」そして「内部ストックを消滅させる」2つの禁断の裏オプションが搭載されているため、最低の調整内容は「設定1のモードA(地獄モード)でストッククリア」となります。ちなみに私が当時勤務していたホールの店長がほぼ毎日のように行っていたのが正にコレ。そう、開店と同時に飛び込んできたお客様は全員「最凶マシンの最悪モードを朝イチから打たされていた」のです。ま、その結果として他のホールよりも先に客を飛ばしてしまいましたが……。
初代ミリオンゴッドの検定取り消し理由は出玉性能による「大幅に射幸心を煽る機種」に認定されたためですが、ホールに過剰なまでの利益をもたらした「パチスロに本来あるべきではない調整機能」もまた、悪名高きストック飛ばしを含めた当時の良くない風潮の原因、つまり「しくじった要因」のひとつと数えるべきではないでしょうか。
★私と初代ミリオンゴッドの思い出。
私のホール店員としての初代ミリオンゴッドのイメージは「神の名を持つ悪魔の台」でしたね。ホール内で初代ゴッドのレバーを必死に叩いているユーザーの姿はまるで「底なし沼に足を踏み入れながら神頼みする人」のように見えました。
前述の通りの超・低ベース仕様なので投資スピードが尋常じゃないにも関わらず、当時の台間サンドは万券を受け付けない千円札オンリー仕様。そのため両替機が開店の1時間後には千円札ストック切れ、私が遊技中のお客様のサンドから昆虫図鑑のようにブ厚くなった千円札の束を回収するハメになるのです。
「失礼します……」と恐る恐る声をかけながら千円札を抜き取るタイミングで思いっきり台パンしてくる屈強な強面兄さん。「それ、俺の金だから返して」と苦笑いを浮かべながら右手を差し出してくる(左手はレバーオン)薄毛の常連オヤジ。振り返りながら生命力がほとんど失われた視線を私に向けてくる気弱そうな爺さん。
彼らが祈りを込めながら投資した大量の千円札をサンドから回収すると、再び両替機へブチ込む。この作業を半日で6回ほど繰り返して、遅番社員にバトンタッチ。そんな嫌な作業も現在では現金はシマ設備がキッチリ回収、スタッフの手作業による営業中の集金は不要。いや~、良い時代になりましたねぇ……。
しかしながら、そんな光景を見ていたら自分も打ちたくなるのが私というダメ人間の悲しい習性。休日に軽い気分で空き台のミリオンゴッドと初対決してみたところ、なんと僅か10数ゲーム、投資は千円という奇跡的なゴッドゲームを引き当て、そのAT開始直後に液晶画面がブラックアウトして奇跡の上乗せGOD揃い。何が起きたのか状況を把握できぬまま画面上に表示される押し順に従っているうちにみるみる下皿にコインが溢れ、1時間足らずで終了したAT後にようやく我に返ると頭上にはドル箱4箱、見事に5,000枚オーバーの出玉を獲得してしまったのです。
ちょっとした運試し感覚で座った台で、あっさりと10万円勝ち。その後、私が事あるごとにミリオンゴッドに着席していたのは皆様のご想像通り。もちろんその後、一度たりとも美味しい思いを味わえなかったのも、これまた皆様のご想像通り……。天井(1500ゲーム)までは9万円近い投資でも、GODさえ引いちゃえばチャラ。こんな考えで打っていたのですから千円札、いや万券でさえも紙屑同然。いやホント、こんな時代が続いていたら今ごろ私はこの世に存在していなかったかもしれません。冗談抜きで。
★まとめ~初代ミリオンゴッドの功罪~。
設置期間は1年数か月と短かったものの、検定取り消し処分によるホールからの撤去というスキャンダラスな最期も含めた一連の出来事によってホールはミリオンゴッドに対して「とんでもなく儲かった機械」、そしてユーザーには「チャンスを掴めば大勝ち可能なギャンブルマシン」、双方に強烈なインパクトを残して去っていったのです。
その記憶は今もなお現役のホール関係者やオールドユーザーの胸中にあり、伝説として若いスタッフや新規ユーザーの耳にも届いているはずです。だからこそ5号機でも系譜や凱旋、亜流のハーデスといった後継機がホールに大量導入され、4号機時代のような「しくじり」も無く長期稼働に繋がったのではないでしょうか。検定取り消しの汚名すら今は勲章。そう思わせてしまう恐ろしくも魅力的な台でしたね。
今、こんな時代に初代ミリオンゴッドを語るならば、正に「しくじるは稽古のため」の言葉がふさわしい気がするのです。
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- 元・店長カタギリ
- 代表作:しくじり店長
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。
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計算が合いませんが(はてな?)
保通協検査時には液晶、サブ基板無し、音声も無しで逆押しで検定通過させたらしいですね。
コメントありがとうございます~
当時のウチの系列店ではペナGODをやらかした常連さんがブチ切れて店長に詰め寄り、ビビった店長が補償したという出来事がありました(笑)。
今回の記事作成にあたってはウチの店の倉庫に残っていた当時のホールデータを引っ張り出して、その書類上では千円ベースが17.8ゲームだったのですが、確かに雑誌(2002年当時の攻略誌)だと確かに20.6ゲームと記載されていますね…
思い返せば確かに天井まで8万はかからなかった記憶がありますので、ちょいと訂正いたします。
ご指摘ありがとうございます!
ワタクシ、先行でトップ導入された某店の2日目で、ペナGODを引きましたよ…。もしかしたら最速ペナGODかも知れないです(笑)。
ところで、千円17Gはちと大袈裟では? うろ覚えですが、20Gちょいだったような…?
コメントありがとうございます!
当時からパチスロを打っている人でも「ミリゴだけは手を出さなかった」という人は私の周りにも多いですね。
実は意外とマトモな人が多いのかも知れません(笑)。
ちなみにアステカリターンズ、私は好きでした。
導入2日目で既に私しか打っていなかったので嫌な予感はしていましたが…
依存症の見本と言われる僕ですら最初にGODと戯れた際、あまりの回らなさにこいつにはまったらやばい、と身の危険を感じました
次のしくじり機種も楽しみに待っています!
アステカリターンズとか…笑
コメントありがとうございます~
ウチの店は補償ナシだったので大変でしたよ(苦笑)。
スーパービンゴで閉店10分前に4ケタ確定とか、猛獣王でUFOからエイリやん出てきた画面で終了なんてことも。
営業的にもラストの一時間で一気に大赤字になったりして、とにかく話題の尽きない時代でした。