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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2023.11.28
パチスロライターに“なってしまって”episode.32(5.5号機で『リノ』が登場)
2015年11月をもって5.0号機の新規設置は終了となりました。以降は、AT機を作るのに制約が増えた5.5号機ということになります。
こういう“後に射幸性がダウン”するのが予想される時期、時代は繰り返します。悪い言葉で言えば在庫一掃セールのような、そこまで型式試験に適合した5.0号機の駆け込み販売が相次ぎました。
まあ、メーカーにしてみれば5.5号機の持ち玉もないし、開発したところで売れる保証もありません。それならば5.0号機のうちに売れるだけ売ってしまおうとなるのも分かります。
4号機末期のストック機時代も同じ。その中から『秘宝伝』のようなヒット機種が生まれることもありますから一概には言えませんが。販売される機種数が多い割に当たりが少ないのかなと思っていたりします。システムも、もう目新しいものは出てきませんし(あるなら5.5号機など次のカテゴリーに回すでしょ)。
5.9号機から6号機もそうでしたが、次のレギュレーションになって自由度が上がるならすぐ出てきます。メーカーも開発途中の機種を作り直してリリースします。そうではない場合は、駆け込みセールとなりやすいのです。そしてその中に当たりは少ないというのが個人的な感想です。
次のレギュレーションが厳しいものなのか、そう判断できないよという方もいらっしゃるかもしれません。なあに簡単です。駆け込みの新機種ラッシュがあるかどうかだけ。実際、5.5号機のみ新規設置できる2015年12月からの新機種情報は寂しいものがありました。普段なら年末商戦を見越して多くの機種が登場して来る季節なんですけどね。
そんな中、12月に入った週に唯一リリースされたのが『リノ』でした。
▲『リノ』(山佐:2015年12月)
AT機を作るのに制約が大きくなった5.5号機。その新規設置できるタイミングで登場してくるのですから、普通の押し順ナビタイプでないと考えるのが自然です。かなりホール関係者の試打動画を見ましたね。
もう『リノ』タイプと言えばすっかりお馴染みなのでクドクドとは申しませんが、どうやってリアルボーナスの連チャンを実現させているのだろうと考えました。考えまくりました。
大昔のネットのアイデア『ドラキュラ』や『シーシー』の方式で、2種BBを消化してからでないと、メダルの増えるボーナスを抽選しない……というのはすぐに分かりました。問題は、その2種BB(トマト)が揃う確率の調整ですね。答えを知っていると「ああ、1枚役の3択ね」となりますが。
実は、導入されるまで“正確な役構成”を見ることができなかったんです。山佐さんのショールームにお邪魔させていただいた際も、ダミーパネルが付けられていました。これは、山佐さんが悪いということでもありません。ショールームに置いてある台はホールに導入するものと違って当然ですから。
5.5号機と一括りにされがちですが、5.5号機の規制には段階があって。最初期の5.5号機は出玉の傾斜値がまだ比較的に緩かったのです。
情報漏洩防止の観点からですかね。その最初期に型式試験を受けられるうちはまだ情報を統制したかったのだろうと想像します。結局、いろいろとパクられていましたけどね(笑)。
と、表向きにはこのような考察の流れで、導入されてから正式な役構成を見て再考察(する必要がなかったけど)となるんですが。実は『リノ』タイプの考察に欠かせない機種があったりします。ネットではありません(笑)。
▲『ラッキージャックポット』(岡崎産業:2016年1月)
岡崎産業の『ラッキージャックポット』です。『リノ』が出て来ることが話題となり始めた11月に“『リノ』より2ヶ月近く後にリリースされるにも関わらず”メディア向けの新機種発表会を開催したんですね。
『ラッキージャックポット』のシステムはネオストックというもので、ボーナス直後は設定6と同等の確率でボーナスを抽選します。それ以降はRTに入って、ボーナスを揃えさせにくくする仕組みでした。簡単に言えば『リノ』よりも捻りがないのです。おそらく『リノ』が出てきてからではインパクトがまったくないと、慌てて新機種発表会をやったのでしょう。
メーカーの人間は基本的に、自分のメーカーの機種については多くは語らないものの、他のメーカーの新機種については(当たっているかは別として)ベラベラと話してくれることが多いです(笑)。そこで自分の予想システムを話して「私の考察もそうです」との返答を引き出して、導入の時を待っていたのでした。
★システム予想が当たったから言いますが。
カギを握るのは、トマトの3択。これを理解するだけで、どの手順が自分の求めているアツさに近付けるかなど、自分で楽しみを調節できるのが『リノ』の面白いところ。それにしても導入直後、あまりにも情報が少なかったと思う次第です。システムから考える昔気質の攻略ライターが減っている中、あまりにも難しかったかなと。
また、最初の売り方も。割と大きめのホールにシマで入るような形でしたが、そういう繁華街にあるようなホールで朝から稼働させようと思っても、この手のタイプは朝イチの特典はないですし、出玉率もさほど高くはできません。タイアップもないですし、どちらかといえば苦戦しそうな部類です。サラリーマンが仕事帰りに時間を気にせず、そこまでの展開も気にせず、ちょっと夢を見てチョロ打ちで遊びやすい機種です。
近所にあるような中小店のほうが向いていたのではないかな〜。では、そういうところが新機種を買えるのか? など難しいところではありますが。ただ、時間が経ってシステムが浸透してから、バラエティコーナーの少台数でも評価が上がっていったのを見ても明白だったかと思います。
★パチ7デビュー
『リノ』の導入から3ヶ月後の2016年2 月。本コラムや自由帳(お題帳)でここパチ7にデビューさせていただきました。その後、3月くらいに“変則打ち特集”で『リノ』のシステムならではの打ち方を特集したのですが。お陰様で多くの方に読んでいただけたみたいです。改めて感謝申し上げます。
実はそのベースとなった仮のものは自由帳で書いたものだったりします。導入から3ヶ月経っているということは、私が考え出してから4ヶ月。正確な答えを出してから2ヶ月。もはや、麻痺して“それくらい当たり前だよね”と思いすぎて、そこまで需要があるとは思っていなかったのが本当のところです(笑)。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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