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インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
2017.01.16
予備校は5分で辞めました。貴方野チェロスさん、そのパチンコに捧げた青春時代の蔵出しエピソード中編!
チワッスあしのっす。 インタビューウィズスロッター、新年特別編。貴方野チェロスさん中編です。
前回分を読んでない方はこちらからどうぞ!
はい、読んだ? オーケー? じゃあ行くぜ! ヒア・ウィー・万枚&万発!
★承前
「その日からホントに、人生の総てがパチンコになったような感じになってしまったね。やっぱり、母・セツコのDNAやと思う。異常な凝り性──。まずね、関連書籍を読み漁り始めるわけです。それが、何年も続く」
「……初めて買った雑誌とか覚えてますか?」
「俺が初めて買ったのは……そう、覚えてるよ。あのね、『プロが教える秘密のパチンコ術』っていう雑誌やったね」
「うわ、知らねぇ……。編集長知ってます?」
「いやぁ……わかんない。どんな雑誌だったんですか?」
「これがねぇ、とんでもねぇクソオカルト雑誌やったんです」
「え、クソオカルト雑誌だったんすか」
「うん。ウソばっかり書いとんだわ!」
「えー……」
「でも、俺はその雑誌の愛読者で。毎月買ってました」
「なにゆえ……!」
「何か分からんけど、好きやったんやと思います」
「雛鳥が初めて見た物を親と思い込むみたいな現象ですかね」
「──ある時、その雑誌がメーカーの平和と共同で、パチンコアイデアコンテストみたいなのを誌面でやるのよ。羽根物でもデジパチでも、自分が作りたい台のアイデアを送って、一次審査やって、二次審査やって、最終審査やって、通ったら実際にその台を作って、ホールに設置しましょう! みたいなの」
「え、すごい! その雑誌そんなデカい奴だったんですか?」
「そう。当時はね! 当時はそれなりにデカかったの」
「ほぇぇ……。送ったんですか?」
「送った。当時ねぇ、高校2年生だったけど──」
「まず送ってる年齢がオカシイですけどもね」
「まあオカシイけどね、送ったんです。そしたらね、最終選考の10通にまで残ったの。全部で500通くらいあった中の10通まで」
「うお! 凄い! どんな台だったんですか?」
「『ブービートラップ』って台」
一同、爆笑。
「ありそう。それありそうです。ヤバイ、ツボった……お腹いたい……」
「いいでしょう! ブービートラップは凄い台だったんだよ!」
「どんな台だったんですか……?」
「羽根物なんだけどさ、大当たり引くとね、盤面の釘がニョーッと引っ込んで、玉がボッコボッコ入るの」
「……無邪気!」
「あと、特殊な大当たりを引くと、なんと左側のハンドルも有効になってダブルで打てるのよ。こう。両手でグイングインできるの。カッコ良くない? これ。こうだよ。こう! グイングインできるの! 凄いでしょうこれ!」
「やめてお腹いたい……!」
「両側から玉が飛ぶから、なんなら空中で玉と玉をぶつけさして、両側のアタッカーを狙うとか。そういう遊びかたもできるの。全く新しい台。ブービートラップ。そういう恐ろしい台を作ったのよ俺は……」
「ヤバイっすね……」
「あ! しかもね、普通は上皿の玉が左から右に流れるじゃん。それが両方のハンドルが有効になった瞬間、坂の所がこう、パッキーンってなって、真ん中から両方に玉が流れるようになるの。そこまで考えたんよ」
「ブービートラップすごい……!」
「企画書……いや、開発資料もA3で20枚くらいになったからね」
「なぜA3……! 結構な力作ですねぇ」
「もう高校の勉強とかそっちのけだったからね。だってブービートラップの開発してるから仕方ない。そっちに情熱入れてたから。そして情熱入れすぎて冬の期末テスト、パーにしてますからね。おかげで留年しかけたもん。ギリギリなんとかなったけど」
「あぶねぇ! 人生変わる所でしたね」
ありあまる若さ。 溢れ出る情熱の総てを注いで作り上げし青春の台『ブービートラップ』は、最終選考にて惜しくも落選の憂き目を見る事になったらしい。
「発表の回の雑誌を見る時はねぇ、神に祈るような気持ちでしたね。優勝ブービートラップって書いとってくれぇ……って。でもね、パッとページ開いたら『南国のさかなやさん』って書いてありましたね」
「かわいい! ……その、『南国のさかなやさん』は台になったんですか?」
「なった。でもね、ピーアークにしか導入されんかったのよね。全国導入にはなってない」
「ピーアーク。俺足立区に居た頃よく通ってました」
(※今ネットで調べた所、なんと『南国のさかなやさん』が導入されたのはまさしく俺が5年あまりマイホにしていたピーアークの谷中店だったとの事。あまりの偶然にびっくら古今和歌集)
「でね。こないだちょっと業界の集まりみたいなので、たまたま『南国のさかなやさんをピーアークに導入したのは俺だ』って人と出会ったの。『釘を叩いたのも俺だ!』って。俺ほんとにびっくりして。すっげえ盛り上がったよ」
「いい話ですねぇ……!」
「青春だよ。ホントに。感動した!」
★受験と留年
「ええと、ブービートラップが高2ですよね……。辛くも進級して……次が高3。受験すね」
「うん。受験。あのねぇ、俺の居た学校、超絶進学校だったんです。愛知県の──。だから学年全員基本的に大学にいくんですよ」
「ふむ……」
「で、俺の年で大学にいかんかったのは、俺と、それから俺と一緒にバンドやっとって一個ダブっとった同級生の友達の、二人だけ」
「呪われしバンドですね……! 受験はしたんですか?」
「学年全員、当たり前のように大学行くからさ。俺も周囲に流されとって受験したけど、一個も受からんかったね……9校落ちた」
「9校! やっぱ、ブービートラップの影響すか……」
「そうやね。ブービートラップにあまりも情熱入れすぎとったから。ブービートラップと引き換えに、9校全部落ちましたね」
「ホントにブービートラップですねそれ」
「大体俺、東京に受験しに行ったんですけど、愛知と設置機種が違うから、見たことない台が山ほどあって。だからもう受験の前日にね、打っちゃうわけよ……。見たことない台をバッカバカ打っちゃうのよ。
『アメリカンドリーム』って豊丸の一般電役の台があったんだけど、それのボッコボコ役物に入る台見つけてさ。もう楽しくて楽しくて……。でも実はこの台、そっからVに入れるのが至難の技なんやけど、気づいたら帰りの新幹線代を全部使ってて、愛知に帰れんくなったもんね」
「もはや受験がどうだったかとか関係無い所で苦しんでますね。どうやって帰ったんですか」
「九ちゃんに迎えに来てもらいました」
「九ちゃん……」
「俺のツレで名字が坂本だから九ちゃんなんだけど……。彼に『ちょ、ごめん九ちゃん金貸して』って事情説明して……そしたら新幹線代持って愛知から来てくれて。そして二人で並んで新幹線で帰るっていうね……。そういう、甘えた暮らしをしとったよね……」
「ああ、ほっこりしますねぇそのエピソード……」
「九ちゃんとは未だに仲がいいよ……。あとね、別の受験の前日に『一番星』っていう平和の機種なんだけども、すっごい甘い台を見つけて」
「受験の前日大体打ってるんですね……」
「もうね、6万くらい勝ってるわけ。すっごい甘いの。もう楽しくて楽しくてさぁ……。でもそこで店員さんが『ねぇねぇ、あそこの人に代わってあげて?』って」
「え。そんな事あるんですか?」
「うん。で、見たらさ、完全にヤ◯ザなの」
「ああ、なるほど。めんどくさァ……」
「いやだ! って思ったんだけど、受験の前日だし、それにおもいっきりボンタン履いてるし。バレるやん。高校生って。もしバレたら俺、受験とか全部パーになって気まずいと思ってさ。譲るんだよね」
「……すごい話ですねそれ」
「そこでね、なんか理不尽な力学を学んだよね……。そのあとすげー出してたし……。でもまあ、あれ今考えたら、お店がそのヤ◯ザのために空けとった台かもしれんよね……」
「その翌日の大学は落ちたんすかね」
「もちろん。落ちたね。てか9校全部落ちとるからね。そんな落ちるもんかなぁ思ったけどね……」
「全部落ちてから、それから──」
「俺ね、河合塾にいったんよ」
「お。初めてのパターンです。インタビュー受けた人、何故か代ゼミが多いです。河合派閥あらわる。編集長、代ゼミ派閥ですよね?」
「うん。僕、代ゼミだね」
「どうでした? 河合は」
「河合塾はねぇ、俺ね、5分で辞めました」
「5分!?」
「そもそも行く気はあんまり無かったんやけど、周りに流されて入学することにしたんよね。やっぱり、言ってもガキだったんよね。自分っていうものがあんまり無くて……周りがそういう感じやったから俺もって……。だからもう一回受験をするために、河合塾に行くことにしたんよ。
そして4月1日にオリエンテーションあるじゃないですか。でっかい教室にみんなボーンって入れられて。チューターみたいな人がなんか話すんですよ。そこで周りを見て、『ああ、ここは俺が居るとこちゃうなぁ』って思って。そのまま教室を出たのよ。大学受験も辞めようってその時思ったもん」
「具体的に、どういう風に思った感じですか?」
「うーん。教室の空気が違うんよね。それから周りの人の顔も。ああ、ここに居たら俺のいいところが死ぬ。埋もれると思ったね。その他大勢のうちの一人になっちゃうと思って。
だからセツコには悪いけど、すぐ辞める決断を下したわけです。学費無駄にしてごめんって」
「その他大勢……。なるほど」
「なんかね、俺、小学校の頃から漠然と『俺は人とは違う』って思ってて。こういうと厨二病みたいなんやけど……。でも大真面目に言うけど、これを──この脳みそを、俺は大事にしなアカンってずっと思ってたんです。今でも思ってるよ。ずーっと。
だから、中学高校の勉強なんかそこまでやらんでもええような気がしとったし。成績が良くなくても、あんまり関係がないんちゃうかなぁ俺は……って。そう思っとったのよ」
「今振り返ってどう思います?」
「まあそうだね……実際あんまり関係なかったよね」
「予感は当たっていたんですね」
「そうだねぇ。もしさ、もし、医者とか弁護士になりたいと思ってたんなら、そこは勉強しないとダメなんよ。そこは道だから。そういう道なんだもん。行くしかねぇじゃん。でも俺がやりたいのは違ったから」
「何になりたかったんですか?」
「俺はね、ミュージシャンになるか……あるいはパチンコ雑誌の、面白いページを作るライターになるか。ある時からそう思っとったね」
「面白いページ。笑えるページですか?」
「そうだね。バラエティページ担当、みたいな」
「その夢っていつ頃芽生えたのでしょう」
「高2の頃だね。『プロが教える秘密のパチンコ術』と同じ頃に、『パチンコ必勝ガイド』を買い始めるのよ。そしたらね、それがとんでもなく面白いのよ。その中でもGさんという人が、信じられんくらい面白かったの」
「Gさん……」
「ちょうどドロップアウトしている時、俺はね、自分が死ぬのも、人を殺してしまうのも、なんも怖くなかったの。自暴自棄やったんやと思う。だけど、そういう自分をギリギリの所で守ってくれとったのが、この文章だったの。もし俺がここで死んだり殺したりしたら、この面白い文章が読めなくなってしまうんちゃうかって恐怖感があって、そこで自分を押し留めていたんですよ」
「……生きがい? みたいな感じですかね」
「生きがいというより……そうやね。救ってくれた、みたいな感じかなぁ……。例えば、医者に救われたら医者になりたいと思うじゃないですか。それと同じように、俺はパチンコライターに救われたから、自然とパチンコライターになりたいと思うようになったの」
「Gさんに救われた──と」
「──そう。Gさんと同じように、くすぶってる人とか苦しんでる人に、娯楽を与えたい──生きがいを与えたいと思ったのよね」
チェロス氏が河合塾で感じた違和感。 それは他ならぬ自分自身からの警鐘だったのだろう。 ここに居てもパチンコライターにはなれない。 あるいは、ここに居たらレールに乗ってしまう。 反逆。反骨。反乱。反駁──。 当時氏は18歳。ドロップアウト真っ盛りのお年頃であった。
★青春の終わりに
「河合塾を5分で辞めてからは、どうされてたんですか?」
「パチンコと麻雀とボーリングやね」
「遊んでたって事ですね……!」
「うん。遊んどった。それからハタチの時にとある専門学校の『サウンド制作科』に入ったんです」
「サウンド制作。そうか、音楽も夢ですもんね」
「そう。試験の時に学長の面談があったんやけど、そこで『将来の夢はなんですか』って聞かれて」
「ミュージシャン!」
「いや『芸能人になりたい』って言ったね」
「そしたら学長は……」
「『うちで大正解です!』って」
「うわ、インチキくせぇ……」
「そうなのよ。俺は学長から直々に騙されたと思ってるからね」
「あら。やっぱインチキでしたか」
「だってサウンド制作科なのに音楽の授業が週に2時間しかなかったもん」
「オウフ……あとは何やってたんですか?」
「なんかプログラミングとか。ミュージシャンになりたいのに何故かプログラミングやってんの。なんやこれと思ったね。それはまたパチンコばっかり打つ日々が始まるよね──」
「ちゃんと卒業したんですか?」
「1年の時はパチしかしてなくて留年しそうになりました。でも先生に『セツコに悪いから2年にしてくれ』ってお願いしたら『じゃあいいよ』って。なんか2年にしてくれて」
「大丈夫なんですかその学校」
「2年の時は流石にちゃんと学校通ったんだけど、テストの点数が足りんくて卒業できんかもしれんよってなって──」
「セツコさん……」
「だからもう必死で交渉したね」
「……交渉でなんとかなるもんなんですかそれ」
「なった。最終的には先生が『お前が一生コンピューターの仕事に就かないなら卒業させたる』って。学校の評判に関わるからね」
「なんて答えたんですか?」
「『コンピューター大嫌い』って」 「
そして先生は……」
「『じゃあ卒業させたる』って」
「えぇぇ……」
「結局ね、ゲームの音楽とかを作るって意味のサウンド制作だったのよね。だから、音楽以外の部分も全部やらないかんかったの。プログラミングしかり、あとは色の勉強とか──。芸能人全然関係ないの。だから学長に騙されたと思ってるわけで」
「最初に『大正解ッ』って言われてますからねぇ」
「でもね、俺は騙されたのは俺の落ち度だと思ってるのよ。結局ガキだったんです。未熟だったの。そんな人生の大事な選択なんだから、自分でしっかり選択しなきゃアカンかったのに、全部人任せにして……初めて会った学長に言われた一言を鵜呑みにしてしまっているわけだから。それは俺のせいなんよね。自分が悪いの」
「2年間は、やっぱりチェロスさんの中で無駄でしたか?」
チェロスさんは大きく手を振った。 そしてペットボトルのお茶を飲み、一息つく。
「いや。それがね。違うんだよ。いいですか。ここ大事ですよ。このね。専門学校の2年間。無意味じゃないんです。本来なら全く意味が無い筈のこの2年間が、実は俺の人生にドエライ影響を与えるのです。この2年があったおかげで、今の俺がおるのです」
「え。マジすか」
「マジです。まずね、その学校のね、教務部の偉い先生の中に、パチに異常にハマってる人がいて。その関係で学校の中でパチンコアイデアコンテストが開催される事になって──」
「話が4次元すぎて分からんす。なんでそんな事に……!」
「その先生が、愛知県江南市にあるサン電子の人と仲良くて──サン電子っていうと、いわゆるサンソフトですよ。ファミコンの。あそこは実はパチンコの液晶も開発してるのね。
サン電子としても、これで優秀なプログラマーが見つかるかもしれんって狙いもあって、様々な思惑の上で、学内でそういうコンテンストが開催される事になったのね。それはもう、俺としてはあの名機──」
「ブービートラップ!」
「そう! ブービートラップのリベンジですよ! 血が騒ぐじゃん! これはもう絶対優勝しないかんって。俺のためのコンテストだろうこれはって」
「当時より成長してますしね!」
「ブービートラップの頃はまだ未熟だったけど、あの頃から4年か5年経って俺も成長してるしさ。パチンコに関する知識とか造詣も深まってるし。色んな物を見て理解も進化してるし。
……その俺が──当時よりレベルアップした俺が、満を持して、ここで本気でパチンコ台の開発に乗り出すわけです!」
「機種名は!」
「『スキスキ家庭教師B.love OH(ブラボー)』でした」
一同爆笑
「やばい、滅茶苦茶おもしろい……」
「ブラボーのBは大文字で、ラブが小文字……オーはオーエイチって大文字で……。で、この最初のBは、性行為のエービーシーで言う所のBで……」
「あ、ペッティングですか」
「そうそう。ペッティング」
「あれ、ちょっとなんかエロくないですか」
「そう。エロいのよ……」
「なんで学内のコンテストでエロいのを……!」
「どういう台かというと、3桁デジパチなんだけどね、各デジタルの間に足すとか引くとか掛けるとか割るとか色んな記号があって──。んで右側がイコールになっとって。
で、数字がファーと動くんだけども、記号が動くことによって大逆転パターンがあったり──色んな全回転リーチがあったりするわけです。
そういう記号を使う事によって、従来の液晶デジパチの『数字合わせ』を『数字遊び』に進化させたわけですよ。そういう恐ろしい台をね、俺はまたも開発してしまったわけです──」
「おお……。なんか普通に採用されそう。どうだったんですか、結局」
「あのコンテストには優勝と、それからデザイン賞、プログラミング賞、コンセプト賞があったんだけど、『スキスキ家庭教師B.love OH』は見事コンセプト賞に輝いたね」
「優勝じゃないんだ……」
「そう、俺これは優勝できると思っとったんだけどね……」
「あれ。てことは学内に、他にもパチンコ詳しい奴が居たって事ですか?」
「それがね、優勝したのは全然パチンコ知らん人やったんですよ……。しかも俺から見たらね、そのアイデアはクソつまらんくて、『こんな台、実現出来んやん』みたいな、むちゃくちゃなもので」
「ブービートラップ開発した頃から比べるとホント大人になりましたね……。なんか上皿がパキーンって割れるとか言ってましたよ……?」
「デジパチってね、当時は表示上の図柄の組み合わせと当選率が何%以内の誤差じゃないとダメみたいな決まりがあったんやけど、『スキスキ家庭教師B.love OH』は色んな記号を使って凄い数の組み合わせがあるにもかかわらず、その決まりを満たしてたのね。つまり、実際に作れるように設計しとったの」
「本格的っすね!」
「そう。ブービートラップの時は実現出来ない台を開発して失敗したから、今回は実際作れるようにってのをコンセプトにしてさ……」
「なるほど……」
「で、当たるとね『先生やったー』みたいなね。100点……ドーン……。液晶上でさ……家庭教師と女子生徒の、ほんのり甘いラブコメディみたいな……。で、最後のさ……16ラウンドの所では、夜の明かりの……カーテンの向こうでさ……。家庭教師と生徒が……チュって……」
「作り込んでますね……!」
「また、当時の平和が好きそうなさぁ……。ブラボーって名前やし、平和が作ることを想定して作っとるよねこれ。リベンジなんよ結局。ブービートラップの」
「うーん。優勝したかったっすねぇそれは……。コンセプト賞だから、無冠じゃないだけマシか……」
「コンセプト賞ってさ。結局、この台のどういうところが面白いかっていうのを表現したプレゼン資料で決まるわけでさ。だからこれは台というよりも、面白いところが伝わったって部分が大きくて。だから文章力が評価されたんよね。これはライターを夢見る俺としては、とっても価値がある賞だったんだよ──……」
それからチェロス氏は、専門学校の2年間で『作業を丁寧にやる事の大事さ』を学んだと言う。デザインの時間、ドローイングペンでゆっくり慎重に何かを描くと、ある時ハッとするくらい美しい線が引ける瞬間があったそうな。
絵が苦手な氏でも、ゆっくりと丁寧にやれば、作品に足る何かを創り出す事ができると気づいた瞬間だ。 物を作る喜び。 評価される喜び。 ライターとしての活動に繋がる、もの作りの原体験がここにあった。
「19年間ライターやってるけど、それは結局、専門学校時代の2年間のお陰だと思うんだよね」
「ほんとだ……。無意味じゃないんですね……」
「無意味どころか、この2年間のお陰で今の貴方野チェロスという人間がおると俺は思ってるんです。人生に無駄ヅモなし──」
「セツコさんのお金も無駄にならなかったんですねぇ」
チェロス氏は満足そうに大きく頷いて、それから学生時代の締めくくりのように、こう言った。
「──でもプログラミングだけは意味がねぇと思ったけどね」
さぁ、ここまでが中編だ! 次回はいよいよオーラス。 インタビューウィズスロッター貴方野チェロスさん編、後編。
助走をつけて行くぜゴー! 乞うご期待!
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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