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インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
2017.01.23
人生に無駄ヅモなし! 人気パチンコライター『貴方野チェロス』さんが誕生するまでの感動秘話完結編!
チワッスあしのっす。
新年(つってももうすぐ2月だけども)特別企画、貴方野チェロスさんロングインタビューも3発目。これにていよいよ完結だ!
いやぁ、長くてスマン!
ウェブ系の媒体に原稿を書く場合だいたい2000文字とか3000文字の規定で依頼される事が多いんですけども、この連載はインタビューというスタイルの特性も踏まえて6000文字を目安に、比較的自由に書かせて頂いております。
最初の2回くらいは「オーケー。6000文字ッスね!」みたいな感じでほんのりとルールを守る意識があったんですけども、掲載ごとにチキンレースのごとくちょっとずつ文字数を伸ばしていった結果、後編として一気にアップされる予定だった前回の原稿の文字数は5桁の大台をブチ抜き、なんか知らんが「18000文字」とかに到達しておりました。
流石にちょっと悩んだんですけども「まあ気づかれねぇだろう」と思って口笛吹きながらデータを渡した結果、編集長からすぐにこんなメッセージが。
「──あのさぁ、この分量を一気に読める人はある意味変態だと思うよ」
たしかに! というわけで大人の判断により急遽原稿を分割。当初後編として書いた部分の前段を「中編」として分割する措置が取られる事になり、そして今回がいよいよ大詰め。ホントにホントのラスト、正真正銘の「後編」となります。 なんか俺もそうなんだけども、【前編】とか【中編】とかついてると、完結してからまとめて読もう……と思っちゃう人も結構な割合でいると思うのです。
もちろん、一番この連載を読みたいと思っているハズのチェロス氏のファンの中にも絶対いると思います。 もう一回謝っときます。 おまたせして申し訳ない! いよいよ完結ですから存分にご賞味ください!
前編を読んでない方はこちらからどうぞ!
中編はこちらです!
はい、読んだ? オーケー? じゃあ行くぜ! ヒア・ウィー・万枚&万発!
承前だッ!
★エロマンガパンチ誕生
「専門学校卒業が21歳。ライターデビューはいつですっけ」
「23の頃やね」
「そろそろ大詰めっすね。卒業からの2年間について聞いていいですか?」
「うん。卒業から1年は、パチプロしとったね」
「おお。いよいよ専業に」
「学校とか何もない状態で、妥協のないガチのパチプロをやったらどのくらい勝てるのか挑戦してみたくて」
その時期はちょうど、母・セツコさんとの二人三脚時代とかぶる。 氏が「人生のリハビリ」と表現した時代の最中だ。
「収支はどうでしたか?」
「愛知で活動しとったけど、めちゃくちゃ勝った。人に言えんくらい」
「うへぇ……。幾らくらいなんだろう……」
「引くくらい勝ったよ」
「当時打ってた機種はどんな奴ですか?」
「『ミサイル7-7-6D(大同)』とか『大入(三星)』とか、あとは『アクダマンSP(SANKYO)』かな。この辺を軸にして、他にも色んな台を打っとったね」
「スロは打たなかったんですか?」
「スロも打ってたけど、『クランキーコンドル(ユニバーサル)』以外は遊ぶ為に打ってました。メインで勝ってたのはあくまでパチンコ」
「ほぇぇ……」
「当時はなかなかの凄腕プロでさ。毎晩、九ちゃんに寿司を奢ってました」
「順風満帆じゃないですか──。あれ? でも1年で辞めちゃったんですか?」
「うん……。もとから1年だけって決めてたの。1年経ったら上京してミュージシャン目指すつもりだった」
「延長は考えなかったんですか?」
「全然。なんかもう、やってるうちに申し訳なくなってきて」
「というと──」
「なんか、パチプロって社会に貢献してないじゃないですか。やってる事が形に残らないというか……。まぁ、強いて言うならホールの客寄せパンダとして役には立っとるんだけども、なんか幾ら勝ってもだんだん空虚になってきて」
「飽きた感じですかね?」
「飽きては居ないんだけども、生きてる証みたいなのが無くてさ」
「それ、マスクド・モリタさんも似たような事言ってましたねぇ……。彼は一人でブッダ読みすぎて病んだらしいですけども」
「やっぱり自分が、社会と関わりがないのかも知れんなぁって思いは苦しいものがあるよ。……でさ、あるとき『パチンコ攻略マガジン』の読者投稿ページ見てたら、スゲーつまんなくて。コレ俺でも載るんちゃうかなって思って送ったのよね」
「おお……いよいよ!」
「そう。で、当たり前のように載って。しかも当時の担当ライターがIさんっていう人だったんやけども、ページの最後に『カルメンマキ上田とエロマンガパンチに期待!』ってコメント付けてくれててさ」
「でたっ!」
エロマンガパンチ。
そう。貴方野チェロス氏の元々の名前は、まさしくこの時に自ら名乗った投稿者としてのペンネームが発祥なのである。
「ああ──! 生きてる証はここにあった! って思ってさ。ホッとしたよ。自分が好きな雑誌に、自分が書いたものが載ってて──。ちゃんと形に残ってるんですから」
「救われましたね!」
「本当に救われた。空虚な日々に、パッと光が射したような──」
「ちなみに、初めて誌面に採用された投稿の内容覚えてますか?」
「もちろん。ええとね……」
『店長がオンブしてくれと
言ってきたのでしてやると、
いきなりパロスペシャルをかけられた』
「は、判断に迷う……!」
「え! そう? これね、のちにIさんから直接聞いたんだけども、『してやると』ってワードチョイスがハマったらしくて──」
「編集長、どうですか」
「なんで僕に聞くんだよ……」
「いや、これ良く考えてみて。『してやると』って。いきなり上から目線でしかもパロスペシャル──……」
ともあれ、これにて『パチンコ攻略マガジン』の名物常連投稿者、エロマンガパンチ氏が誕生したのだった──。
★新しい朝がきた!
「パチプロ生活が終わってからは、予定通りミュージシャンに?」
「──なろうとして上京したね。人脈もなんも無い中、歌わして貰おうとショーパブいったり」
「どうでした?」
「ショーパブって、シンガーは女の子だけなんよ。男は楽器だけ。俺は歌しか出来ないんですよって言ったら、じゃあダメって言われて」
「ありゃ……」
「歌わしてくれればええやん! と思ったけどね……。結局挫折して、東京でもパチプロする事になりました」
「投稿も続けられてたんですよね?」
「1円にもならんけど、続けてたよ。そこはちゃんとしとかないかんって」
「生きる証──」
「そう。生きる証。ある時──いつもみたいに投稿するついでに、軽い気持ちで書いたのよね」
「……何て書いたんですか?」
「『上京してきたので、もし良きゃ取材に同行させてください』って。ハガキの隅っこに」
──軽い気持ち。 チェロス氏はそう言ったが、改めてこの部分を考えると、そこには深い感情があったように思えてならない。 これはきっと、行き場の無いエネルギーに圧し潰されそうになりながら足掻く青年がギリギリの所でようやく放った短いSOS……ハガキの隅に書かれた、精一杯の救難信号だったのだろう。
「どうなったんですか?」
「なんと、速攻で連絡が来たんよ」
「すごい……」
「ちゃんとそういうのを見てくれてるのも凄いし、連絡をしてくれるのも凄い。とにかくビックリした」
「会いに行ったんですよね?」
「もちろん。八王子のパチ屋にね。ビジュアル系みたいな格好で行ったよ。指輪いっぱい付けて──」
「誰が来たんですか?」
「もちろん、読者ページの担当ライターだったIさん──。それがさ……」
チェロス氏はそこから、何か思いに耽るようにしばし黙った。 組み合わせた自らの手を、不思議な表情で眺める。 俺と編集長は思わず目を合わせた。 充分な間をとって──やがて、チェロス氏は厳かに語り始めた。
「Iさんと2人で電車に乗る事になったんやけど、そこで並んで話しててさ。自分の読んだ今までの雑誌とか──。好きなライターとか……」
「チェロスさんの好きなライターさんって、確か──」
「Gさん。パチンコ始めたばっかりの、自暴自棄の時にさ。自分がいつ死んでも別にいいやと思ってる時に、この世界に繋ぎ止めてくれてた人よ。Gさんの文章が読めなくなるのがイヤで俺はちゃんと生きてたし、俺にとっては神みたいな人だったの。恩人と言ってもいい。自分を救ってくれて、ライターに成りたいと思わせてくれた人だよね」
チェロス氏は確かこんな風に言っていた。 ──例えば、医者に救われたら医者になりたいと思うじゃないですか。 それと同じように、俺はパチンコライターに救われたから、 自然とパチンコライターになりたいと思うようになったの。
「……はい」
「横にいるIさんに、俺はそれを伝えました。そしたらIさんがさ。軽くだよ?」
「軽く……」
「──それ、俺だよ……って」
「……え!?」
思わず天を仰ぐ。 なんて話だ、と思った。 編集長も目を丸くして驚いていた。
Gさんに憧れて、生きる上での精神的な糧としてきた少年。 その少年のハガキを採用してコメントを付け続けていたのは、まさしく彼が憧れていた、Gさんその人だったのである。
「神と思ってたライターがだよ! いきなり軽く『あー俺だよ』だって。俺もうさ、膝から崩れ落ちたよ。電車の中で。それから感謝の気持ちがブワーっと湧いてきてさ。とにかくお礼を言わなきゃって。面白いものを読ませてくれてありがとうございます。救ってくれてありがとうございます──生かしてくれてありがとうございます──」
すっかり語り終えた氏は大きく息を吐いて、そしてこう言った。
「1円にもならないハズだった投稿が、ここで大きな意味を持つのです。人生に無駄ヅモなし。無駄な事なんて、人生にはひとつも無いの。無駄な事なんて──」
「ああ……なんかめっちゃいい話だ……」
「それをきっかけに、Iさんから『可愛い奴やな』って思って貰えたみたいでさ。もっとも、以前から編集の人と俺の投稿を見て『こいつオモロイな』って話してたらしいのよね」
「編集の人──」
「そう。ワザ犬さん」
「それって──」
「今のマスクド・モリタさん」
「おお──!」
「その縁でページを貰って──俺のライター人生がスタートするんです」
新しい朝が来た。希望の朝だ──!
愛知県に生を受け、不安定な少年時代を過ごしたチェロス氏。 彼は母・セツコさんや敬愛するGさん。パチンコや九ちゃん、ワザ犬さんや音楽。諸々すべての事象に、さながら失った体のパーツを与えられるようにして救われながら、やがて人気ライターとして生まれ変わる事になる。 人生に無駄ヅモなし。 もう一度、氏は言った。
「感謝ですよ。やっぱりね。感謝が一番大切。自分よりも相手の──。人のことを思う気持ちが、何より大切なんです」
★質問ラッシュと推測!
「……もうここからは何を聞いても蛇足になりそうなんで、シメましょう」
「あれ、もういいの?」
「うん。ここが一番綺麗だと思います。いやぁ……いい話を聞かせていただきました……」
「こっちこそ。ちゃんと聞いてくれてありがとう」
「最後にババっと質問ラッシュいっていいでしょうか?」
「どうぞ!」
「じゃあ、巨乳と貧乳どっちが好きですか?」
「そんなもん巨乳に決まってる。愚問ですよ!」
「そりゃそうっすよね……」
「……いや、でも貧乳もええな……あべみかこ見てから変わった」
「あべみかこ──!」
「あの人はいい。なんせ演技が素晴らしい。多分演劇部だったんやないかな」
「ありがとうございます。……墓に持っていきたい台はなんでしょう」
「17の時に打った西陣の『ジャスティ』」
「どんな台だったんですか?」
「なんかね。物理法則が歪む台だよ。4次元だねコレは。玉が凄い動きするの。未だに納得できんのだけど、大当たり穴が盤面にくり抜かれてるんよ。下に玉が落ちるのは分かるけど、盤面の奥に入ってくって。なんやこれ! って。『呪われた巨人ファン』を読んだ後みたいな気分になった」
「(『呪われた巨人ファン』は敢えてスルーしながら)そんな凄かったんですか!」
「凄かった。神秘だよ。あ、ウチにあるよジャスティ。あとから打ってみる?」
「打ちたいです!」
「わかった。用意するね……。俺、ジャスティが無かったらライターなってないと思うもん。将来、ジャスティの入賞口と同じ形の玄関がある家を作りたいもんね。そして滑り台で滑って入る。それが今のところの人生の目標かな」
「ほぇぇ──! あとは……。じゃあ最後の質問です」
「はい。どうぞ」
「生まれ変わってもパチンコ打ちますか?」
「打つね。打つけど、仕事にはしないかもしれない」
「というと……」
「俺、色んな事がしたいの。できれば仕事も毎年変えたいくらい。今は、作詞家になりたい!」
「オーケーです! ありがとうございました──!」
以上。 貴方野チェロス氏のインタビュー全文だ。
この後、編集長と二人で件の台を打たせて貰い──。
西陣のジャスティ。いわゆる一発台。
30分かけて大当たりを引きあてる事に成功した。 例の「盤面にくり抜かれた穴」に玉が飛び込む度、チェロス氏が「こい! 大当たり! こい!」とリアクションをしてくれて、非常に贅沢な気分になったものである。
ちなみに付記になるが、あしのはこのインタビュー中に一度泣かされている。
これ書こうかどうか物凄く迷ったのだけど、本文と切り離して書くことにしよう。 事の発端はチェロス氏の、ライターとしての仕事観についての話だった。
氏は、自分の作る作品を『野菜』に例えた。 にんじん一本でも、山盛りのキャベツでも、値段は自分で決めていい。 5万円なら5万円で、買う人がいるならそれで成立する。 買う人が居なければ、値段を下げて──それでも誰かが買うならそれが自分の野菜の値段だと。
ただ、譲りに譲って、下げに下げた挙句、ゼロになったらどうするか。 それは自分の仕事が無意味で、誰も喜ぶ人がいないという事になる。 そうなったら、野菜作りは辞めた方がいいと。
「で。このインタビューですけども、ゼロで受けてます。これは俺としては非常に珍しい事なのです」
氏はこう言った。 俺よりもむしろ、編集長がいの一番に「すいません!」と言ったのが面白かった。 ノー報酬。手土産もない。ダメな大人二人が頭を下げる前で、氏は頷いた。
ううん。いいんです。今回は特別。そうして、こう言った。
「俺はね、あしの君の事を天才だと思ってるの。本当に。だから野菜を提供しても良いと思ったのね。俺という素材を、あなたがどう料理するのか見てみたいから、今回のインタビューを受ける事にしたんです。あなたが書くから受けたのね。他ならぬあなただから。俺はあなたの作品を全部読んだよ。全部です。その上で言うけど、あなたはもっと調子に乗った方がいいんだよ。だから……もっと自分を高く売ってください。それだけの価値が、自分にある事に気づいてください」
凄く優しい口調だった。 気づいたら、俺は泣いていた。
見透かされているのだ。その上で、激励してくれているのである。 褒められたからじゃない。恥ずかしかったからでもない。 何か別の、もっと温かい感情に揺さぶられて泣いた。 何故か編集長の目も真っ赤になっていた。 オッサンが2人。パチンコ台に包まれて感動していた。 不思議な空間だったが、俺はそれがとても清々しかった。
そして心の中で、今回のインタビューは自分にしか作れない色を出そうと決めた。 全編に渡ってそれじゃクドいだろうけど、前編の前半だけでも、衒学趣味やホラー要素を入れて料理しよう。それが、チェロス氏へ提供できる、俺なりの『料理』なのだから。
そして本題。
設定推測。 台は決まっている。ジャスティだ。 甘いか甘くないかで言えば、あまり甘くない釘。 理由は簡単で、入り過ぎると面白くないからだ。 ただし周りには彼を愛する人が沢山いて、ハンドルを握る氏を見守っているものとする。 そうして神秘の穴に玉が飛び込む度、皆で息を飲んで見守り、笑ったり、盛り上がったり、怒ったりするのだ。
皆で打つ渋めのジャスティ! きっととても楽しいに違いない。
──それが、4時間に及ぶロングインタビューで俺が推測する、氏の人生設定である。
はい!
新年特別バージョン、前中後編でお届けしました! 協力してくださったチェロスさん、ありがとうございます!
次回は「1GAME(ワンゲーム)」代表の「てつ」さんの予定です。お楽しみに!
それではみなさんまた次回。 シー・ユー・ネクスト・万枚だ! チャオ!
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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