SENZIN研究『応援』：強打SENZIN

タイルまん SENZIN伝

SENZIN伝も連載から半年経った。

読者の方から、よく行くホールにいるSENZINの話を聞く事がある。

耳にするのはパチンコのボタン強打SENZIN。

連打しろ！と台から言われれば連打に付け加えて強打。自分の腕や手の平へのダメージを顧みずカミカゼ特攻の如き捨て身で強打。親の仇並みの恨み辛みがあるのかと聞きたくなる程の強打。

振動センサーが反応して「御用だ御用だっ！」と、店員さんが飛んでくるんじゃないかと見ているこっちがヒヤヒヤする程の強打。

SENZINさん…それはもう連打じゃなくボタンに対しての往復ビンタだよ…やめてあげなよ…意思を持たないボタンに対して何故か同情してしまう程の強打。

毎日往復ビンタされてちゃ台だって壊れる。

その対策も含まれてるのかは分からないが昨今では連打と表示されても長押ししていればオートで連打してくれるものが主流となってきている。

しかし…それすら関係無しに連打を続けるSENZINも少なくはないと思う。

嘘の様な真の話で、強者になると手の平ではなく握り拳で連打。往復ビンタなんて生易しい。ここまで来るとただの鉄拳制裁だ。

というわけで今回のテーマはこれだ。

『何故SENZINの多くはボタンを強打するのか？』

そもそもの話だが、パチンコボタンでの連打…これは単なる演出の一部分にしか過ぎない。

例えゲーム業界の某名人の様にボタンを1秒間に16連打出来たとしても大当たりに直結する訳でも、ましてや某シューティングゲームみたいに5万点ボーナスを貰えて1機増える訳でもない。何を言っているのか分からない方は各々で『16連射 5万点』と調べていただきたい。何でもかんでも分からないものをポンポンと手取り足取り教えて貰えると思ったら大間違いである。

話を戻すが連打が大当たりに直結すると考えているSENZINも多いのかもしれない。

そう考えれば普段は好々爺だろうと思われる一見温厚そうなSENZINが入れ歯を食いしばりながら必死な顔で連打している姿も納得は出来る。それ故に力み過ぎて強打になるのかもしれない。

まぁここまでの分析は誰しもが辿り着ける領域である。

ここからはあくまでSENZIN研究家である私個人の見解だ。

SENZINが強打する理由…。

これは今や世界の強豪達と渡り合っている1人の日本人男性と大きな関係がある。

世界のテニストップランカーでもある錦織圭氏である。

SENZINと錦織圭氏。一見全く関係の無さそうなもの…。

考えていただきたい。

錦織圭氏と聞いて、頭に浮かぶものはなんだろうか？エアーケイ？違う。

錦織氏と言えば…そう！松岡修造氏だ！

松岡修造氏と言えばご存知だと思うが応援で錦織圭氏を育てた男。

……錦織氏にテニスを教えた男？何を言っている？

確かに松岡修造氏はテニスもやっていた。

しかし本業は応援屋だ！熱い応援で錦織氏をあそこまで育てたのだ！

錦織氏だけではない。世の中は松岡修造氏の応援で成り立っているのだ。

春に桜が咲くのも、夏に蝉が鳴くのも、秋に山が紅葉するのも、冬に熊が冬眠するのも全て松岡修造氏が応援しているからである。

なんなら温泉が熱いのも松岡修造氏が応援しているからという説もある。

SENZIN達も松岡修造氏と同じ熱い気持ちで台を応援し、一人前に育てるつもりでいるのだ。

例を挙げるならSENZINがよく打つ海物語だ。

海洋生物が何匹も一生懸命泳いでいる。懸命に泳いでいる。

この時点で既にSENZIN達は応援している。

海洋生物達よ！頑張れ！頑張って揃うんだ！

そしてリーチ。ボタンを連打してみる。

連打する度に海洋生物達は必死な顔で泳ぐ。

こうなると今まで胸の内に秘めていた熱い想いが行動に出てしまう。

頑張れっ！お前ならやれる！

段々とボタンを連打する手にも力が入る。

するとマリンちゃんが出てきてスーパーリーチに発展。

いっくよー！マリンちゃんの一言がSENZIN達を更に刺激する。

よし！行け！行くんだ！辛かったあの日を思い出せっ！あの日とは一体いつの日なのか…プログラミングされた日なのかは分からないが全身全霊でボタンを強打…いや応援している。

しかし外れる。

決まってマリンちゃんはこう言う。

ごめんね。

この一言でスイッチが入る。

SENZIN塾の開校である。

ごめんね？ごめんねじゃないだろっ！おいマリン！何故そうやってすぐ諦めるんだっ！謝って諦めてその先に何があるんだ！！海洋生物達は必死な顔で泳いでいたよ！目に炎が宿っていたよ！命を燃やして泳いでいたんだっ！！それ程必死になって食らいついてたんだ！なのに何故お前はそんな簡単に諦めるんだ!?　最後までもがけよ！ごめんねなんて簡単に口にするなっ!!　追いつけ！食らいつけ！まだやれるだろ！100%出し切ってないだろっ!?　出し惜しみするなよ！もっと心から叫べっ！！

本当ならSENZIN達だって画面の中に入ってマリンちゃんの様に応援したいのだ。しかしそれは叶わぬ夢。

だからこそ自分達が今出来る事…そう、ボタン連打で応援するのだ。

だが1番近い場所で応援しているマリンちゃんは外れるとSENZIN達のそんな気持ちを知らずにバツが悪そうにアッサリと謝罪して潜る。そんなの許される訳がない。 SENZIN達はこう思うだろう。

マリンなんかに任せられない！自分達がもっと応援しなければ！マリンの事もしっかり教育しなければ!!　簡単に諦めちゃいけない心を教えなければっ！と。

もうこうなったら連打にもより一層力が入る。結果的に往復ビンタの様な強打、たまに鉄拳制裁という愛の鞭となるのだ。

マリンちゃんには厳しめだがサムに対しては優しい。

マリンちゃんに厳しいのは、やはり出来の悪い子ほど可愛いのだろう。やれば出来る子なのに諦めてしまうマリンちゃんがSENZIN達は放っておけなく、そしてマリンちゃんに対しての愛情も強いのだ。

強打は決してイライラしているからではない。恨みがある訳でもない。『応援』、そして我が子を育てる様に一生懸命教育しているのだ。

もしかしたらそれは人から見れば行き過ぎた教育なのかもしれない。それは体罰ではないのか！と声を荒げる人もいるかもしれない。

しかし根底にあるものは海よりも深く広い愛情。立派になって欲しい…その気持ちが少し先走ってしまっているだけなのだ。愛情の裏返しなのだ。優しさだけでは人は育たない。時に厳しさも必要と知っているSENZINだからこそ出来る教育方法なのだ。

ただサムに対しては優しい。

そう。いつの時代だって何に対してだって情熱が必要なのだ。

戦後日本を支えてきたSENZIN達の熱いパトスは歳をとってもなお衰える事はなく、松岡修造氏以上なのかもしれない。強打しているSENZINを見かけたら温かい目で見守ってほしい。

しかし本当に行き過ぎている場合は、それは虐待となるので店員さんを呼んで注意してもらおう。

これが私達が出来るSENZIN達への教育である。

以上！今回の講義はここまで！解散！

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この記事へのコメント（4 件）

まちゃ: 投稿日：2017/04/07; 叩きすぎるとめっちゃ硬くなるようにすれば叩き出す人が減るかも？
ハズレ確定ならボタンがしゃべるとか･･･対策して欲しいです(笑)

1番叩かれて困るのは羽根モノ打ってる裏で叩かれること本当に勘弁w

すろ: 投稿日：2017/04/07; 一応ゲーム的なやつなんでNPCさ

銀チャ: 投稿日：2017/04/07; パチンコ台には自分の意思を伝えるために、ボタンがあるんですよ……（割と真顔で）

やる気ない奴には喝を入れますでしょう？

そんな気持ちの強打であります。

連打は面倒なのでわたしはオート連打しますのだ……_:(´ཀ`」 ∠):

アレ？ハズレ⁉︎
意思疎通出来てなくね⁉︎

からの復活強打が一連の流れでございます。えぇ。