◯◯とパチスロの奇妙な因果関係 『ち』

今回のお題はパチ7編集長からいただいた「千代田線」。




最近は日比谷で警官ごっこ
終電で帰るってば北綾瀬






千代田線は東京都足立区の綾瀬駅から渋谷区の代々木上原駅間を結ぶ本線と、綾瀬駅から北綾瀬駅を結ぶ支線から成る鉄道路線である。東京地下鉄により運営され、ラインカラーはグリーン。名称決定には職員への応募が初めて行われ、応募数が最も多く、千代田区を貫通して運行していることが相応しいとされ決定した。





停車する駅名を見ていくと、表参道・赤坂・日比谷など、華やかな名前が軒を連ねている。眩しい、眩しすぎる。日本でも指折りで汚い沼を擁する千葉の片田舎に住む人間が直視すれば、そのまま両目が潰れるのではないかと思わんばかりの煌びやかさだ。強すぎる光は闇をより一層濃くする。謂れのない誹謗中傷を千代田線にぶつけてしまいたい欲求がむらむらと湧き上がってくるのを抑えるのに苦労する。




停車駅の中にはかの有名な霞ヶ関駅もあり、東京都千代田区千代田1-1を掠める形で走っている。言うなれば日本のド真ん中を、企業戦士と小洒落た都民を乗せて走る路線といったところか。乗客の意識が高すぎて吐き気を催しそうだ。




思い起こせば、地下鉄にはあまり良い思い出が無い。生来の方向音痴で地上への出口がわからなくなるのは毎度の事、乗り換えなんぞしようものならホームを求めて駅構内を二周はウロウロする羽目になる。何が悲しくていい年こいた男が迷子にならにゃいかんのか。田舎者を選別する為に敢えて複雑に作ってるんじゃなかろうか。憤りが止まらない。





東京地下鉄が誇る意識高い系路線こと千代田線と日本が誇る先のことなんか深く考えない系遊戯パチスロ、この二つの接点は意外なところに存在した。




この文章を携帯電話でお読みの方は地図アプリで、そうでないという方はお手持ちの地図か何らかの方法で、千代田線をなぞってみて頂きたい。代々木上原からうねうねと半円に近い形を描いた後、川を越え北綾瀬へ向かう路線を見つけられたところで、手元の地図を右に45度回転させてほしい。千代田線が何か別の形に見えては来ないだろうか。そう、スランプグラフだ。





朝一からメダルを呑み込まれ続け、一時は絶望的な敗北をも覚悟した。しかし最後の希望を託したCZを見事射止めてから事態は急変、 今迄暗い自室に引き篭っていたレア役が一念発起し猛威を奮う。20時には念願のプラス域へ。後半やや失速したものの会心の捲り勝ち、そんなドラマティックな展開が見て取れるスランプグラフを見事に形作っている。




ここで注目してほしいのは、グラフのほぼ最底辺に位置する地点に存在する駅である。絶望の象徴たるその駅の名は、奇しくも我々に規制という名の重い十字架を背負わせる現代のローマ帝国、悪鬼羅刹が蠢く伏魔殿、「霞ヶ関」である。そう、千代田線は「明日の飯より今日のリーチ目だ」主義のスロッターと「リールばっか見てんじゃねぇ、現実見ろ」派の意識高い系との対立構造を、その身を賭して表現しているのである。




加えて千代田線は綾瀬駅から常磐線に乗り入れている為、乗り換えを駆使すれば日本の玄関口たる成田空港までたどり着くことができる。今まさにフィリピンはセブ島、そして世界へ羽ばたこうとしているパチスロの未来を予言していたと思わざるを得ない。もはや感嘆を通り越し恐怖すら覚える。





如何だっただろうか。止まない雨は無い、明けない夜は無い、昇らないグラフもきっと無い。


いつの日か千代田線が更に北へ北へと線路を伸ばしていった時、我々スロッターは恒久の勝利を約束されるだろう。


異論・反論・その他諸々の罵詈雑言は私ではなく東京地下鉄へ、呉々もお願いしたい。






























性懲りも無くお題募集中です。お題を下さった皆様の、恒久とは言わないまでも、明日の勝利を祈っておきます。次回は「つ」から始まる言葉で。

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