思い出ボロボロ9

馬鹿は馬鹿らしく

とんだ社内旅行からしばらくして

日本の経済が破裂

バブル崩壊

それまで苦労もそれ程もせずに売れていた物が

パッタリ止まった

販売業界の地獄谷への滑落の時






売れなくても給料は出る

その代わり一日の労働時間が

朝９時からエンドレス下手すればam0

ギリギリの攻防戦

それでも売らなければならないのが

営業の仕事





やっちゃいけない一線

やっちゃいけない約束

契約時に会社に内緒で

オプション追加で

契約




それは全て｢自腹｣

何とか月目標は達成はしたが

その負債として数万円の自腹


最初は何とかクリア出来たが流石に

数ヶ月後は破産の予感がちらほら

でもパチンコで何とか食いつないだ

ある日

デカイ商談が舞い込んだ

パチンコ屋で知り合った人がある会社の経営者

今ある営業車を代替え予定なので見積もりを出してくれと

二日後には出してその日のうちに詰めの商談

客｢大筋これでOKで支払いは手形でやりたいんだけどどうだ?｣

俺｢せめて1/3現金入れて下さい、それなら俺の権限で･･･｣



大筋合意、即契約

車両13台二ヶ月分の販売台数

そして販売リベートで負債が返せる

天国モード突入


しかし･･･

バブル破たんの力はただ者では無かった

数か月後経理から電話

事務員がただ事では無い形相で繋いで来た





やられた

飛ばれた

車ごとドロンされた


何もかも

この時あの商談でもやっていた

「自腹オプション」

13台分数十万相当

それもバレた





営業マンとしての時が終わる

その日の内に呼び出し

所長と二人で





数時間後結果が出た

所長＝本社業務課への移動

俺＝依願退職に、退職金で損害を補てん
　　業務上で自分勝手に営業し自分で
　　決済しているが、販売努力は認める
　　なので退職金をそれに充てるならば
　　刑事告訴並び民事訴訟はしない
　　この条件しか無いからなって事でした


無論反論は出来ない

それどころか頭が真っ白

元カノ「残念、大変な事に巻き込まれちゃったね・・・」

言葉少なくそれで終わった

次の日から無職

その帰り道やはり・・

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