私が考えた最強の『あんこ』

何故だろう、
毎日毎日汗水垂らして働いているのに
どうして私は缶コーヒーを買うのすら
躊躇わなければいけないのだろうか。
理由は明確だ、ハッキリしている。
全ての元凶は一人の女にある。
女と言っても、他人からすればただの機械の箱に見えるかもしれない。
だが、私にとって掛け替えの無い大事な存在なのだ・・

明日という日をどれだけ待ち焦がれただろうか
今日は待ちに待った『給料日』、そして明日は月一特定日。
金の掛かる女と会うにはそれ相応の覚悟と資金と根拠が必要になる。
私が最も輝くこの日に、
ゲン担ぎのあんパンを手に私は家路を後にする。

まだ薄暗い道を歩く、
期待感に胸が弾む、
足取りは軽いが、
財布は重量級、
今日こそ決める、
あの最高の一瞬が、
きっと今日は訪れる、

店舗にたどり着く、さすがは月一の特定日だ。
ざっと数えて350人はいるだろう。
それでも

も う 絶 望 す る 必 要 な ん て 無 い！




そんな言葉を胸に、入場抽選の時間を待ちわびた。




群衆が動き始め、入場抽選が始まった。
何人いようが、私には確信しかない
これは偶然ではない必然なのだ。
当然の如く『入場整理券1番』を引き当てた私は

いま、会いに行きます。

そう呟いた・・

整理券1番の私にライバルはいない、
相手も決まっている、
だが抑えきれない衝動が私を突き動かす、
冷静を装うことが出来ない・・
私は走った、
こみ上げるこの想いは止められない、
椅子にしがみつき、
最高のパートナーを抱きしめた。

冷静を装うことは出来ても、
このリピドーは私を狂わせる、
さあ楽しい時間の始まりだ。

まずは敢えて『まどか』を選ぶ、
この行動にはアイツも度肝を抜かれただろう。

だか、この選択すら作戦なのだ。
常に選び続けたアイツを選ばない、
これは抽選待ちの間に熟読した『スケコマシバイブル』
この聖書に記されていた天啓、

『焦らされるとまいっちんぐ！』

発行された元号が昭和という以外は何も気にならない私の愛読書だ。


時間が長く感じられる。
いつもとは違う違和感。
そして、大きな背徳感。


・・・・６回転、もう耐えられない。


もう純分焦らしただろう。
私は『あんこ』を存分に堪能する事にした。


安堵を感じる、いつもの光景が私の前に広がった。
もはや止まれぬ！！
一心不乱にレバーを叩き続ける、


しかし・・ARTが重い・・


ビッグは引けるが、ARTがこない。
ビッグ中に選べる３曲も全て大好きだ。
だが、今待ちわびているのはお前じゃない・・・！


なあ・・頼むよ・・
あの瞬間を味わいたいんだ・・
焦らした俺が悪かった・・
だから・・焦らすのはもう辞めてくれ・・
限界なんだ・・・・
わかってくれよ・・
聞かせてくれよ・・・
お前の声を・・・・・・・！！




あああああああんんんこおおおおおおおおおおおおおおおおお！！









その声と共に、
液晶で花開く椿の花、
リールに止まった１枚役・・
やっと出会えた、最高の瞬間・・
これこそが至福の刻・・

パチスロ都はるみ、
いや、ヤッタネハルミチャンは最高だ。

『あんこ』の歌声と共に開花した椿、
それはビッグ確定と共に、純増1.5枚の555Gor1555GのART確定を意味する。
そして、重複確率0.1％の一枚役で重複したARTのG数は
1555ゲームが確定する・・・

この幸せに包まれたビッグで選ぶ曲はまあ・・決まってるわな。




『惚れちゃったんだヨ』




そんな風にこの人は今日という一日を過ごしたんだろうな、と
抽選番号351番で遅い入場だから向かったバラエティコーナーで
『都はるみ』の隣にあった『がんばれ！元気』を打ちながら
ボロ糞に負けた僕は思いました。

‐実践結果‐
BB回数　０だよ、言わせんな。
RB回数　ガリガリ君はいっぱい来た。
ART回数　海藤卓の強さを体感してこい。
振り返り　後悔はしていない。

‐53k

～おしまい～

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