最後のありがとう

近未来。

スロットは様変わりし、
AI搭載も当たり前になり多様化の一途を辿った。

勿論、依存性問題の注意喚起から、AIによるチェック機能、今日のランチ情報、果てはフィナンシャルプランナー、老人介護まで、ありとあらゆる情報を兼ね備えたスーパーマシンに成長した。

そんな急成長の立役者的マシン。

AIスロット …OKI(沖) PC7
が遂に、検定が切れて撤去の運びに至った。

現在、AI搭載スロットは飽和状態にあり、これ以上の成長は見込めないと言うメーカーの判断と、1台辺りの台の単価が膨大な物となり、中々売れ行きも芳しくは無かった。

そして、使う側のホールからはパワードスーツを着なきゃ設置出来ないと言う本体の重さも伴い、100年程前のレトロ台と言われた台のリバイバルブームが巻き起こり、新たに新規参入企業等がこぞってライセンスを取り新台を出していったのである。

そして、AIスロットはバライティー島にチラホラとなるばかりになった。

そんなOKI(沖)PC7にサヨナラを告げるユーザーが後を経たなかった。

そして、撤去の日を迎え、

ホールでは、OKIのサヨナラ祭りが開催され大いに盛り上がった。

閉店の準備をするホール店員はあるものを目にする。

OKIの液晶画面にはAIからこんなメッセージが流れてきたのである。

いつもの閉店の風景…

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