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木村さん、お願いします
木村さん、お願いします
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ダストさん
- 投稿日:2024/05/14 20:40
梅雨入り前の、新緑が眩しい山道を、俺たち5人を乗せたカローラはひたすら走り続けていた。
「本当にこんなところにあるのかよ」
ハンドルを握るKが、何度も同じことを呟く。
「大丈夫、そろそろ見えてくるはず」
俺は、道路マップを睨みながら答えた。
後部座席に座る三人も、鼻息が荒い。昨晩、普段なら間違いなく致死量、というほどの酒を飲んだはずなのだが、アドレナリンが爆発しているためか、全員二日酔いなど皆無だった。
しばらくすると木々が途切れ、数軒のドライブインやラブホテルを通り過ぎたところに、その店はあった。
下品なネオンが毒々しく光る都会のホールとは違い素朴なただずまいではあったが、それは間違いなくパチンコ屋であった。
車を降りた俺たちは、K以外全員スーツを着ていた。下手したら、新手のゴト師かと思われるかもしれない。
そんなことはおかまいなしにホールのドアをくぐった。
「あった…ほんとにあったよ」
初めて出会ってから、5年以上の月日が経過していた。他の台に熱中したこともあった。マイホから撤去されたときも、「ああ、ついに外されたか」としか思わなかった。
しかし、失って初めてその存在の大きさに気づいた。こいつ以上の台なんて、なかったのだ。
ルパン三世V、通称ルパ現。
そこには5台のルパ現が、元気な姿で俺たちの目の前に生存してくれていた。
皆、無言で両替機に走った。当然のように万札を全て500円玉に両替する。
データカウンターなど当然ない。望むところだ。
「行こうぜ!!」
競い合うように500円玉を投入し、ハンドルを握る。
球がチャッカーに入り、「テロロロン♩テロロロン♩」と、おなじみの曲が流れ出した瞬間、俺たちは19歳に戻った。
「おらあ!ヘリでたあ!」
「すべれ!すべれ!」
「くうー!五右衛門!切りすぎだよ!」
「おい、次元!どこ狙ってんだよ下手くそが!」
「ふぁんふぁん!ふぁんふぁん!(フィアットが転倒し、銭形を出現させる時の呪文)」
ルパンを打てるなら、五万は捨てる気でいた。良釘など望める店ではないのはわかっていたし、ただただルパンが打てればそれでよかった。
そんな中、まさかの15000発も出してしまった俺は、楽しむためノリうちにした結果、他の奴らが全員負けたため、まさかのマイナス収支となった。
それでも思った。こんな瞬間が味わえるならば、いくら負けたっていい、と。
以上が、高校の同級生であるKの結婚式が群馬のペンションで行われた翌日、出席した同級生全員でパチンコ屋に行った思い出だ。
「群馬にはどんなパチンコ屋があるんだろうね」などと、二次会で酒を飲みながら軽い気持ちでピーワールドで検索したのが始まりだった。まさか、この近くにルパ現を置く店があるなんて!
俺たちは、Kともども新婦に土下座した。
「明日パチンコ行かせてください!!」
…いやいや、馬鹿いってんじゃねえよ。
きっとそう思ったに違いないであろう表情を一瞬浮かべた新婦であったが、多勢に無勢とはよくいったもので、明らかに引き攣った笑顔で「い、いいよ」と言ってくれたのだった。
それ以前から、俺は行ったことのないホールを訪れるのが大好きだった。
未知のホールには、稀にあっと驚く発見がある。
ボロボロに負けた後、まだ負け足りない、どうせなら死ぬまで打とうと車で立ち寄った門前仲町のホールには、2号機のアラジンがあった。
激アツと言われていた錦糸町のホールに飛び込んで致命傷を負い、「もう一人になりたい…」と飛び込んだラブホテル近くの閑散としたホールには、ベンハーがあった。
どちらもしっかりとトドメをさされたが、伝説の名機に出会えたことにより、精神的にはもはや勝利した気分になって帰宅したことは、いまでも鮮明に覚えている。
また、グリンピースには本当にお世話になった。特に新宿店のラインナップは、国宝級といっても過言ではなかった。
ここで俺は、スーバニやコンチネンタルに触れ、「あのマッパチが打っていた台を、俺も打っているんだ」と感動に打ち震えたものだ。
ここで、今回のお題である「パチンコ・パチスロ、こうすりゃいいんじゃない?」に触れさせて頂きたいのだが、基本的に俺はただパチスロが好きなだけで、法的な知識などは一切ない。
「あーあ、素人がまたクレイジーなこといっちゃってるよ。それは決まりがあって出来ないの!」と、思われる方もいるかもしれないが、さっきまで読んでいたスラムダンクの名言、「おめーらバスケ被れの常識は俺には通用しねえ。素人だからよ」に背中を押してもらい、思いの丈をぶちまけさせて頂こうと思う。
まず、数十万するスロット台の検定が三年ってどういうことだろうか。
認定を受ければもう三年延長できるとのことだが、それにしたっておかしいだろう。
買った台を壊れるまで使って、何が悪いんだ?
俺は人でもスロットでも、一度愛したらとことんいくタイプだ。
生まれた瞬間余命3年、オペを受けたとしても6年の命など、とても耐えられない。
検定切れの日、まだまだ稼働できるマシンが撤去されるその瞬間の悲しみを、この法律を作った方にはよく考えてほしい。
「え?たかが機械でしょ」
とかいうクソ野郎には、即刻「ターミネーター2」と「のび太と鉄人兵団」を視聴することをおすすめする。
それでも心が動かないならば、俺の尊敬する南斗水鳥拳の伝承者の名言、「てめえらの血は何色だ」をお見舞いしたいと思う。
また、◯号機、という括りも即刻廃止して頂きたい。
学生に例えると、確かにミリオンゴッド君はやりすぎた。彼は人々の脳を溶かすドラッグを流行させてしまったため、少年院送りは当然だ。
獣王君やアラジンA君などのAT機も暴れすぎた。まるで暴走族である。退学もやむを得まい。
普段大人しいくせに、一度スイッチが入ると大暴れするストック機たち、特に吉宗君は風紀を乱すため、やはり退学。
ここまでは分かる。
だが、何の罪もないハナビ君やアラベスク君まで連帯責任で退学なんていうのは、おかしな話ではないか。
ここまでくると、死にゆく台を救うにはもはや法律を動かすしかなく、政界に打って出るしかないと思うのだが、我が軍には適任者が一人いる。
木村魚拓さんである。
彼のカリスマ性は、群を抜いている。
魚拓さんがその気になれば夕張あたりの市長であれば、余裕で当選すると思う。
そこで実績を上げ、次は北海道、果ては国会まで支配して頂きたい。
そこで、叫んで欲しいのだ。
いつものあのテンションで、「もう検定は永遠でいいよ、ヒャッハー」と。
それまでどれくらいの年月がかかるか、わからない。
でも、ルパ現のハンドルを握り、ハナビのレバーを叩ければ、俺はいつだって若かったあの頃に戻れるであろうと信じている。
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ダストさんの
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このコラムへのコメント(10 件)
読んで頂いてありがとうございます!
ほんと、泣く泣く撤去して新台に金を払うくらいなら、俺のこの台の設定を1から2にしてくれ…となんど思ったことでしょう。
あとね、俺、旅行先でパチンコ屋入るの大好きだったんですよ。この地方ではどんな珍台が眠ってるのかな!とワクワクしながらあえてピーワールド見ずにパチンコ屋巡りするのが、大好きだったんですよ!
そんな楽しい楽しみができる中小ホールは殆ど潰れて残されたのがマルハンダイナム楽園などなど、どこもぜーんぶ同じようなホール…
つまんね、となりました
ホールが大金払って購入した機械を
「さっさと撤去しろ」って変な話ですよね。
直せないなら分かるんですけど、使えるものを最大限使うのが何が悪いというんでしょうね・・・
出来るだけあたしも愛するようにしております。
読んで頂きありがとうございます!
ほんと、この法律できたとき和田アキ子が暴れればなんとかなったかもしれないのに…
大型チェーン店はわかりませんが中小規模のホールとか大打撃ですよね。
うちの周りもほとんどパチンコ屋潰れちゃいました
中島誠之助連れてきたら骨董的な価値すら見出してくれそうなのに
中古の軽自動車でももっと長持ちしますよね
しかもその台を買う金は我々が出しているという…
自分は往生際がわるいので最後までイミソーレ打ってました笑
読んで頂いてありがとうこざいます。
本当にレバーがもげるとか、リールのガラスが割れるとか基盤がショートした、とかならば分かるんですが
5号機も、不二子ちゃんなんて何の罪も犯してないのにおかしいですよね
最初にテーマをみてすぐにその部分を思いつきました笑
自分は4号機はハナビとアラベスク、5号機ならエヴァまごが打ちたいです
それにしてもほんと続けて打たせろと言いたいよなあ
サステナブルのご時世にねえ
の部分に対するアンサーが実に素晴らしいなぁと思いました。
もし今後4号機が打てるのなら…ペンギンパラダイスとアイスストーリーとレンキン打ちたいです(バラ族)