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『せっかくフリーズ引いたのに』第1話
『せっかくフリーズ引いたのに』第1話
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かつてマスクド・モリタと呼ばれていた者さん
スーパー無職 Twitter https://twitter.com/maskdemorita_2 - 投稿日:2024/05/23 22:45
◆序
──ぷちゅん。
画面がブラックアウトし激しい高音が鳴り響く。
「199X年 世界は 世紀末の炎に包まれた」
来たっ! 『スマスロ北斗の拳』で自己2回目のロングフリーズ。
推定設定4でチマチマ当てながらも連チャンに恵まれず投資はもう5枚目。冷遇区間とやらも気にしないでいい状況だしこの無想転生バトルで大逆転してやるっっっ!
そう意気込んで白BARを揃えた瞬間──
オレ自身がブラックアウトした……。
目が覚めたときまったく見覚えのないだだっ広い空間にいた。
どれくらい眠っていたんだろう……そう考えながら周りを見渡すと、オレと同じようにポカンとした顔の老若男女がたくさんいた。
ざっと見た感じ100人くらいか? 中にはまだ夢の中にいるやつすらいる。
どこなんだ、ここは? アレか? パチンコで大当たり引いた瞬間、心臓発作で倒れるやつ。でもだったら病院連れて行かれるはずだよな。なんだ、この真っ白でなにもない場所は。
……え、死んだ? ここ、そういうとこ? いやいや、オレまだ30代だぞ。結婚はしてねーし、子どももいないけど、そんな心の準備できてないよ。趣味もパチスロしかない、寂しい仕事人間だけどさあ、親より先に逝くのは想定外すぎんだろ……。
それにオレが仕事をがんばりさらに兼業スロプロをしてるのは、妹の入院費用を稼ぐため。母親と妹を残して……ああ、やらかしちまった!!
その時だった。
空間を裂くようなバカでかい音量で「キュンキュンキュルルン♪ フィーーバー♪ キュンキュンキュルルン♪ フィーーバー♪」と焦りまくりのオレたちをバカにするように夢夢ちゃんの声が聴こえてきた。
その爆音でまだ眠っていたやつらも起き出した。
「ひょっこひょっこひょっこひょっこ♪ 三共ですっ よろしくね!」
またマヌケな音が流れてワケわかんなかったけど、近くにいた50代くらいのヒゲジジイが「初代フィーバーパワフルIIIか……」とつぶやいていた。
(続く)
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かつてマスクド・モリタと呼ばれていた者さんの
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