『せっかくフリーズ引いたのに』第17話

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17話
◆再

　生き残り枠数が1となり、実戦中のやつらもみんな走ってきた。
　そうだよ、もう後がない。

　オレの前には1人。この女性が正解すれば……残り全員ゲームオーバー。

「お願いしますっ！」、その子が叫び、何かしらのボタンを押す。ドラムくんが出した答えは……✕✕✕。

　良かった！！　これが2回目のチャレンジでそのまま縄が降りて来てくれれば……。
　ハッとした。オレ、いつの間にか他人の死を願っている。
　なんなんだ、完全に麻痺しているじゃねーか。
　でも、だからと言ってオレが負けるのもダメだ。どうしたって、妹と母親の顔がまた浮かんできてしまう。

　クソだな、このゲームもオレも。

　そう考えた時、女性が2回目のボタンを押そうとしていた。
　うっ！　まだ解答権あったのか。
　彼女が正解してしまう確率は……“してしまう”って考えるのももううんざりだけど、1/5。推測要素で絞り込めているならもっと高い。

「じゃあもう5しかないじゃない！」と叫んでボタンを押す。

　あ、終わった……んだな。やっぱ絞り込めてた。一歩出遅れたオレの負けか。





　ピーンポーンパーンポーン♪

　あっ！　とオレが思うと同時に女性が恐怖の表情で上を向く。

「エラーです。店員さんをお呼びください。エラーです。店員さんをお呼びください」と例の電子音声が鳴る。

　そうだった。
　明示されてないルール。

「ヤッホー！　夢夢だよー。自分の答えを他人に教えてしまうのNGって言ったよね？　なんで繰り返しちゃうかなー。バイバ～イ！」

　……正直めちゃくちゃ安堵した。
　なんとかここまで来た。
　オレのラストチャレンジだ。

　生き残り枠数1/27。

(続く)

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