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私も 4/4
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咲夜 一咲(サキヤイッサ)さん
月一ペースでコラム書いてます 偏見もあるので生暖かく見守って下さい - 投稿日:2016/04/04 19:24
「日向!大丈夫!」
駆け寄ろうとする四葉がリーダー格の男に捕まってしまった
俺から財布を奪った男だ
「何?お姉ちゃん、可愛いねぇ」
「どう?今、俺らお金あるから一緒に飯食いにでもいか」
男が言い切るのを待たずに風船が割れたような乾いた音が鳴り響いた
「日向!日向、大丈夫?!酷い怪我じゃない・・・」
四葉は顔を押さえて、うずくまる男など意に介さず拘束から抜けて俺に駆け寄る
逃げろ、俺の事に構わず逃げろ
そう叫びたかったが俺は声を出せなかった
今ほど声を出したいと願う事はなかった
「このアマぁ!」
男は四葉を全力で蹴り飛ばした
普段は強気だが四葉は普通の女の子だ
勢いよく飛ばされ地面に横たわる
あの日の、母さんのように
倒れた四葉と死んだ母さんがダブって見えた時、俺の中の何かが弾けた
「あ…あ……」
「あ?」
「あぁあ~~うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
声になってない声をあげ俺は無我夢中で男たちに殴りかかった
殴り合いなんてした事はないが、ここで俺が倒れたら
倒れたままで居れば四葉が殺されてしまう
本気で、そう思ったから俺はガムシャラに手を力任せに振り回した
何発かは男たちに当たったが、やはり多数には敵わなかった
地面に倒され上から男たちが拘束するが俺は呻りながら抵抗を止めなかった
「日向……」
「おい!そのまま、そいつを抑えておけ。今から、そいつに、この女が無残になる様を見せ付けてやる」
「いや……日向っ、助けて」
助けたい
四葉が助かるなら、なんだってする!
腕が折れたって構うものか!
思いっきり体をひねらせて拘束から抜け出そうとした時
なぜか体が急に軽くなった
「警察だ!お前ら全員動くな!!」
「やっべぇ!逃げんぞ!」
「馬鹿が!ここは袋小路だ! 絶対逃げられんぞ!」
俺の拘束が解けた理由が警察が来たんだと気づいたのは四葉の元に駆けつけてからだった
男たちと警官数名は路地の奥のほうへ走っていった
残った警官の一人が声をかけてきた
「君たち、大丈夫……じゃないな。待ってろ、救急車を呼ぶ」
「四葉!日向!」
警官の後ろから駆け寄ってきたのは葵だった
「ごめんね、四葉! 警察の人、いっぱい来てくれたから、もう大丈夫だよ!」
そうか、葵が警察を呼んでくれたのか
「四葉が日向が男に連れて行かれてるって言って走っていくから私も警察呼んで。でも遅くなって、ごめんなさい」
「ん~ん、助かったよ葵、ありがとう」
「四葉、大丈夫?酷いことされてない?」
「私は平気だよ。けど、助けようとした日向に逆に助けられちゃった」
四葉は平気そうな顔をして言うが俺は気づいた
「ごめんね、日向。助けようと思ったのに迷惑かけちゃったね」
四葉が震えているのに
「あ……」
「……日向?」
「よつ…ば……ありが…と」
「……うぅ」
「よ…つば……あ…りがと」
「ひな……うぁ……」
四葉は俺の手を握ってきた
「日向ぁ……怖かった、怖かったよぉ」
俺も四葉の手を握り返した
「うぁぁぁん…う、うぁぁぁ!怖かった、怖かったよ、日向ぁぁぁ!」
泣きじゃくりながら抱きついてきた四葉は
とても、小さくて
とても、か弱くて
それなのに俺の為に勇気を振り絞って助けに来てくれて
そんな四葉を俺は優しく抱きしめた
そんな事があってから、もう1年以上か
あれから、俺は少しずつ人前でも声を出せるようになってきた
まだ四葉と葵以外の人だと上手く喋れない時もあるが前のように全く喋れないという事はない
まぁ、アイツと一緒に暮らしてるんだから喋れるようになってるのは当然か
俺は、あの事件の後、葵の父親からの紹介で今度、新しく立ち上げるウェブ媒体のパチンコ、パチスロ専門サイトの専属ライターとして働いている
文章を、あまり書いた事は無いがパチスロの知識量と下手なりに書いてみた文章を見て、その編集長は「光るものがある」と俺をいたく気に入ってくれたようだ
褒めて貰ったのに言うのもなんだが変な人だな、と思う
「日向っ」
「どうした?四葉」
「今日は付き合って一年になるんだよ。夜、どっかでご飯にしない?」
「分かった。今日は、なるべく早く帰ってくる」
「うん、仕事がんばってね」
……我ながら唐突だとは思うが、どうしても、言いたくなってきた事がある
「なぁ、四葉、俺……」
「何?日向」
「----------」
そう言う俺を四葉は優しい笑顔で、こう言ってくれた
「私も」
Fin
このような拙いお話を閲覧して頂き本当にありがとうございます
あとがき、にて裏話等をする予定です
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咲夜 一咲(サキヤイッサ)さんの
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このコラムへのコメント(8 件)
コメントありがとうございます
フィクションですよw
こんな拙い小説でしたが、読んで下さって本当にありがとうございます
じんわり泣けました、こういうの弱いんだよな〜w
すべてフィクションですか?聞いちゃダメな奴かw
コメントありがとうございます
そうですね、その辺を、もっと、ていねいに描写すべきでしたね
次に書く時は、気をつけて書きたいです
小説おもしろかったです。
所感ですが、悲しい話からハッピーエンドで終わる話って、内容薄くなりがちでご都合主義に陥り安いと思います。
少ない文字数で作るのが難しかったかと思いますが、パチンコがテーマな意味や、ヒロインが主人公を気にかける理由や、主人公が立ち直る経緯等が不明各だったり内容薄く感じました。(あとがき読んで納得した点もありました)
それでも、内容や文章は読みやすく最後まで楽しく読めました。
今後も期待しています。
コメントありがとうございます
いや、三角関係を書く意図はまったくなくて、キレイな感じで、そっちにいくんだ。ってなってるつもりだったんですけど、その辺はヘタクソなんで、すいません
というあたりが、おとめ的にはモヤモヤします(笑)
好きな人に自分の友達を紹介したら、好きな人と友達がくっついてしまう。。というケースもありますので。。(ㅇㅅㅇil!)笑
人によって傷ついたものは、結局人でしか癒せない、と思います。
量があるのに改行がお上手なのか読みやすかったです。面白く読みました!(*´∀`*)
コメント、ありがとうございます
まぁ、その辺も含めて、あとがきに書きます
ほんと、こんな拙い小説を見てくださって、ありがとうございます
最後は読者に任せたパターンですな。
いやこれ続けましょうよ。
あとがき裏話の後
短期でも長編でも。
いや本気で。もったいない。