目を開けた先には・・・

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車に乗り込み

あとは会社に帰るだけ

そこからふっと目を開けると

目の前には壁。

けたたましく鳴り響くクラクション。

メガネが吹き飛んでいたが

事態はすぐに察知できた。

帰る途中から記憶がない。

おそらく眠ってしまったのだろう。

こういう緊急時、本当の性格がでてしまう。

降りて、野次馬に

「誰か巻き込まれたりしてませんか？」と

冷静に聞いてみる。

野次馬の一人が

「いやそんなことより自分の心配しなよ」

ミラーで見てみると

耳の辺りから出血し、左半分が血で染まっている。

けれどもそんなに痛くない。

警察は野次馬がもう呼んでくれているらしく

会社に連絡して

主任が来てくれた。

「大丈夫か？心配なことは？」

と聞かれたので

「俺がいなくなったあと仕事のシフトが心配」

どこまでいってもお人よしである。

「そんなことはいいから自分の心配しろや」

半ば呆れながらも笑ってそう答える主任。

間もなく救急車が到着し

心の中では

「いやぁ救急車初体験だわ。つーかパンツ新しいのだっけ？」

生きてるとわかると冷静である。

実際、途中のカーブにあるガードレールにぶつかり

そこでスピードが落ち

さらに車止めに一旦当たってから

ホテルの壁の手前で止まったため

ほぼ無傷で済んだからよかったものの

途中になければ今頃もうここにはいないかもしれない。

そう思うとゾッとする。

どこか痛いところを聞かれたので

「右の肩が痛い」と答える。

実は数日前

ガメラ（５号機）の天井狙いからＲＴ連が続き

閉店までブン回した結果、右の関節を痛めて

くしゃみすると激痛が走っていたのだ。

なので動かされると右肩に激痛。

「変だね？どこも折れてないのにね？」

不思議がる隊員を見ながら

なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいなのであった。


それから２日後



私は仕事に復帰していた。

いや、復帰せざるを得なかった。

あれだけよくしてくれた主任。

しかし、自分の休みがなくなるとわかると

事故から１日経って

「もう大丈夫だよね？」

いやまだ気持ち悪いんですが。

「いや地震のせいでしょ？　切り傷くらいなら大丈夫」

「俺休むけど復帰できるって店長に言っておくから」

彼が休むと、自動的に自分が出ないと仕事が回らない。

この瞬間に


もう彼についていくのはやめた。

このことがきっかけとなって

後から主任は仕事をやめることになるのだが

それはまた後日の話。

事故の後

自分の起こした行動により

家族、友人、同僚もまき込んで

地獄へと進んでいくのである・・・・・。


続く

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