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【長編パチ小説】 【第8話】
【長編パチ小説】 【第8話】
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芥川パチ之助さん
初めまして!念願のパチンコを題材にした小説を投稿さえて頂きます。感想その他お待ちしています! ※中の人の詮索は絶対におやめ下しあ※ - 投稿日:2016/07/21 03:18
「マスター。俺、今アツシじゃないんですよ。元に戻しました。カズです。」
マスターはすぐに事情を呑み込んでくれた。カタギになったのかと笑ってくれた。もう、アツシの名は必要無い。もう面倒な世界に足を踏み入れるのも疲れた。そんな思いから名を戻したんだ。
「でも、今日からまた、アツシでいいです。」
もう、行くところまで行こう。乗りかかった船だなんて思ってない。賭けたチップを引くのは性分じゃないだけだ。降りれるギャンブラーならこんな人生をそもそも送っていない。
マスターはきちんとその意図を汲んでくれる。田舎町だから、気をつけろよ。と忠告だけはしてくれた。俺にはそれで十分すぎた。
「ユウとシュンは最近どこにいるんですか?」 次のヒントはアイツ等なんだろう。嫌でも尋ねるしかない。そして答えは予想通りだった。
「津田組だ。その辺りにいるだろう。」
津田組。この町で少しでも跳ねた暮らしをすれば誰だって知ってる。その名は印籠に近い。歴史ある地元ヤクザ。それが津田組だ。
「まぁ、田舎町で馬絡めばそうなるでしょうね。でもなんで・・・」
シンの事を幾ら絡めてみても、あの双子が失踪した原因に思い当たる道が思いつかない。行先はあるが、それが本道なのか、それとも遠回りの迷い道なのか。
マスターが口を開く。
「寛永グループの中身が最近入れ替わったのを知ってるか。絡んでるって話だぞ。」
寛永グループ。この町で最も幅を利かす一大ホールチェーン。そしてシンの就職先だ。ヤクザと、一大チェーン。入れ替わった・・・「中身」。これ以上は、聞く話じゃない。確かめる話だ。
また来てもいいですか?それしか言えなかった。マスターへの感謝の思いを込めた言葉。
「おまえがカズに戻ったら。また来い。しょうがねぇから今日は、ツケでいいぞ。」
―――第9話へ続く
※この話はフィクションです
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