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ママ!私選ばれたの!ホールを守るエリートパチンカスなのよ!世界一なの!
ママ!私選ばれたの!ホールを守るエリートパチンカスなのよ!世界一なの!
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くりくり。さん
マンガ読むのも描くのも好き。 下ネタはパチ7では封印を誓います。 面白かった、コメントが付くたび小躍りします。 無理しない程度に更新頑張ります。 - 投稿日:2016/11/04 20:26
パチンコとの初めての出会いは
小さい頃、ゲーセンにあったパチンコ機
名前も知らないし、どんな筐体だったかも思い出せないです。
一つだけ言えるのは寂れたスーパーのゲーセンにあった手打ち式のパチンコ。
思い出せるのは母が買い物中に
父が出玉でアニメのぬいぐるみに交換してくれたことです。
今じゃ無理なことですが、そんなゲーセンがありました。
その後しばらくしての再会は、中学の時でした。
友達がゲーセンのパチンコで遊んでおり、代わりに出てくるメダルをもらって遊んでました。
今では考えられませんが、僕は打たず、見ているだけでした。
そして時は流れ、高校に進み、ゲーセンに現れたのは
【エヴァンゲリオン〜セカンドインパクト〜】
「あ、これ知ってる」
自分の住む地元では、エヴァンゲリオンは朝に放映されておりました。
あんな過激な内容をよくもまぁ朝っぱらから放映したものです。
スタイリッシュなデザインの機体
綾波の儚げな表情
インパクトの強いオープニング映像
筐体右部分に設置されたエヴァ初号機の顔は、10年も前に見たはずのアニメの記憶を思い出させ、
「あ、これ知ってる」という言葉が口をついて出てきたのです。
今まで全くパチンコに興味のなかった僕ですが、時間とお小遣いの都合が付けばエヴァのハンドルを握っていました。そして再度エヴァを全話見なおし、痛い中二病にかかります。
少年は神話にならず、痛いパチンカスになりました。
さてさて、前置きが長くなりましたが、
「私を育てたあの1台」
これは「エヴァンゲリオン〜セカンドインパクト〜(以下、セカパク)」ではなく、その続編
「エヴァンゲリオン〜奇跡の価値は〜」なのです。
厳密に言えば、「"初めてホールで打った"エヴァンゲリオン〜奇跡の価値は〜(以下、キセカチ)」です。
ゲーセンでセカパクを打つ日々を送っていた僕は、本屋さんで衝撃の文字を見ます。
そう、キセカチの導入に関する見出しが大きく書かれたパチンコ雑誌です。
僕はそれを見た後すぐに、当時バイトをしていた塾の塾長(パチンコの師匠)に問い詰めました。
「先生!エヴァの新台ってどういうこと!?」
お前知らなかったのかという小さな驚きの後、塾長は自分が打ったキセカチの話を、それは楽しそうに語り始めました。
話してたら、また打ちたくなってきたなぁ。とこぼす塾長のほころんだ表情を見た時、反射的に叫んでいました。
「今度行く時連れてって!!後ろで見てるだけでいいから!」
その言葉を受けて塾長は「親には絶対に言うなよ。本当に見ているだけでいいのか?」とイタズラな笑みを浮かべました。
僕の少しばかり早いホールデビューが決まった瞬間です。
ホールデビューした僕に先生が出した条件は驚くべきものでした。
それは「必ず隣で打つこと」そして、「自腹で打つな」「金は俺が持つ」「出た分はお前にやる」
なんと僕のホールデビューは"ノーリスク"とあいなったのです。
「どうせ行くならお前も打て、面白いから」と言った塾長の笑顔は、僕のテンションを400%まで引き上げました。
ホールに着くとそこは異様な世界。
感じたのは「高揚」と「背徳」
「あぁ、自分はイケないことをしているんだ」
それは18禁コーナーのカーテンをくぐったように、大人の階段を上るようで
それはタバコや酒を嗜むように、良くない裏道に入ったようで
でもそれは、親から離れ冒険をするような少年のような心持ちだったと思います。
ゲーセンとは違い、右を見ても左を見てもきらびやかな台が設置され、そこには自分の二周りほど年上な人が台に座っていました。
塾長は二台並んだエヴァの空き台を見つけると、僕の手を引っ張り席へ誘導します。
座った目の前の台を見ると、儚げに虚空を見つめるのアスカが盤面に描かれていて、
台には上から弐号機、初号機、零号機の横顔役モノが右半分のそのほとんどを占めていました。
雑誌では見ているものの、自分の目でホンモノを見るのは初めてです。
そして塾長から一万円を渡され、指示のとおりに左上の溝に挿入しました。
台のプッシュボタンの横には球貸ボタンがあり、押すと台から玉が出てきて、真っ黒な上皿を銀の玉が埋め尽くしました。
ゲーセンでは上皿に半透明なフタがされており、玉に触れることは出来ません。
大当りしても、出てくるのはゲーセンで使用可能なメダルです。
その玉に初めて触れた時、好きな女の子の手をやっと握れたような、感動と照れがあったのを覚えています。
目線を下ろすと100と言う数字が95になっていました。
塾長に聞くと、今のボタンで500円分の玉が出てきたとのこと。
「え、少ない…」
そうゲーセンでパチンコをわかったつもりで居た少年です。
100円で玉が沢山でてくる感覚で居たら、冷水を顔面にぶちまけられました。
ゲーセンで百円を入れると玉が100玉近く出て、かつ、10秒間ほど電チューが開く仕様で遊んでいた僕は、そんなことも知らなかったのです。
そして打ち始めての驚き、それは「回らない」こと
ゲーセンの釘は良調整どころか激甘調整。
釘はヘソに集まった玉をほとんど受け止めるような形。
今目の前にあるのはロンギヌスの槍の先に似た平行釘
思い上がっていた僕にキセカチが囁きます「これが本当のパチンコだよ」と。
全く回らず、デモ画面も見たりしながら打ち続け、ボタンを押す度減っていく500円という大金。
一万円を高速で減らしていっている現状。
リーチになってもシンクロリーチ。知っている金枠はおろか、エヴァすら出撃しません。
いつもなら多くて2、3000円使えば当たる、当たらなくても十分な時間楽しめるのに。
もう嫌だ。
コレが自腹でなくて良かった。
パチンコは怖いものだ。
触れない方がいい。
ゲーセンで楽しむだけで十分だ……。
という通常の思考回路を持っていたら、どれほど良かったことか!
僕は本当のパチンコに落胆などしていなかったのです。
自分が幼い頃ゲーセンパチンコでお父さんが取ってくれた景品のぬいぐるみ。
今でもなぜか覚えています。ドラ○ンボールシリーズの景品。
僕は玉の動きに目を奪われ楽しんでいましたが、手打ちパチンコで父が頑張って取ってくれたもの。
その喜び。つまりギャンブルにおけるリターン。
僕はそれを知っていました。特殊景品という存在を、おそらくは他の人より強く意識して。
スポーツで、ゲームで、勉強で「勝つ」ことによる達成感、感動なんて目に見えないものではなく、ギャンブルで勝つことによる、はっきりと形をなす、勝利景品を得ることのその喜びを齢5歳にして。
そしてもう一つ、エヴァという作品に触れている幸せ。
今みたいに、演出は多くないーあ、いえ、当時としては演出数はトップクラスですがー今現在からすると多くないです。
銀枠が進んで動いて喋るキャラ、ボタンプッシュで声が聞こえる、背景が動く、変動開始からリーチがかかった時のドキドキ、通常の緊迫感を盛り上げてくれる楽曲「DECISIVE BATTLE」
確定演出なんてその時は、そんな楽しみ方しりません。
でもそれだけで良かったのです。打っていたかった。
初打ちでストレートに2万負けました。
まぁ、塾長が当たっていて、もう一万やれ!と資金をくれたからなのです。
ビギナーズラックなんて全く無かったです。
凹んでいた僕に塾長は「高くついたけど、良い勉強になっただろ」とこうなるのが分かっていたかのように諭しました。
「嘘つけ、絶対当てさせるつもりで金出したくせに」というクズな言葉を必死で飲み込んで、「そうだね」と落胆しているフリをしたのを覚えています。
それからと言うもの、セカパクではもう物足りなくなり、初めて雑誌を買い、キセカチの情報を集めました。
くりくり。という少年はそこから期待度、確定演出、法則崩れというコトを学び、と、言いたいところですが、まず僕が知って驚いたのは、
「リーチした図柄が6だったら、リーチ成立後に7止まらず流れて行けば発展」
という、誰もが知っているであろう情報。
そして
「保3止め」という方法。
「釘や、ネカセ」また「セグ」という存在。
これらを雑誌を読んで知ったのです。
今思えばエヴァから入る人が多かったから、初歩的なことが書いてあったのかは分かりませんが、これは衝撃でした。
と、同時に「あれ、俺全然パチンコのコト知らないじゃん」と思ったのです。
スタートラインにすら立っていないことを知った僕はキセカチに関する情報を集めると同時に、パチンコというものの情報を集めるようになっていくのです。
そして、成長したつもりの僕は、もう一度塾長に申し込みます。
「俺にまたキセカチを打たせてくれ!」
「お前も懲りないな」と、笑いながら了承した塾長は今回もお金を出すと言ってくれました。
(多分塾長、連れ打ちの楽しさに目覚めてたんじゃないかなぁ)
その後、勝ったか負けたかはまた別のお話。
幼い頃の名前も知らないパチンコが産みの親ならば、間違いなく僕を育ててくれたのは「キセカチ」
キセカチで勝ちたい!色んな演出を見てみたい!そういう思いがパチンコの楽しみ方へとつながり、結果、今もパチンコ機種に対する好奇心、楽しみにつながっているのだと思います。
と、果たして育ての親の存在が良い親だったかは、これもまた別のお話。
おあとがよろしいようで。
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くりくり。さんの
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このコラムへのコメント(8 件)
コメントありがとうございます。
言われてみれば、パチンコ屋さんから紙袋持って出てくる人とか、テレビとかマンガの世界でしか見たことないです。笑
現実で今そんな大荷物抱えて出てくるのってファン感謝祭の懸賞くらいですね(^_^;)
師匠の太っ腹ホールデビュープロデュースがなければ、僕はそこまでハマらなかったのかなと思いますね。
ありがたい(?)ことです。笑
お父さんの景品は、リターンを知ることでもありますが。パチンコは、子供の自分が欲しいものをもらえる場所という認識にもつながるんですよ。私も紙袋いっぱいのお菓子を持った人がパチンコ屋から出てくるのを眺めてましたし。換金ばかりする時代になり、子供に夢を与えていないんですね、今は。
あと、育ての師匠も素敵。連れ打ちに目覚めたのもあるかもしれませんが、趣味を共有できる仲間が欲しかったのかな。私も、裏モノの連チャンゾーンとか友達に打たせたりしましたし(笑)。
コメントありがとうございます。
加持さんもボタン押して喋ったら大当りでしたね!
というか犬さんから初めてコメント頂いた気がします!!笑
コメントありがとうございます。
タイアップ機にはやはり原作も好きな人が楽しめるように作ってほしいものです!特にキセカチはパチンコ描き下ろしの三機決戦リーチが搭載されていて大興奮でした!
カタギリさんに僕の心情が覗き込まれて精神汚染をくらった気持ちですが、伝わって嬉しいです!
本当にカタギリさんに文章褒められると嬉しいなぁ!
書きたいコトや思いが強く出てしまい、お題から離れてしまったのが反省点です。笑
コメントありがとうございます。
そうなんですよ!本当に初めて行ったホールって凄いドキドキして、異世界に迷い込んだ!と思ってましたね。
それが今や仕事終わりや、休みの日にふらっと入ってしまう現実。
「薄汚れた」ですか…大人になるってこういうことなのかも知れませんね…(遠い目)
私もそれが一番の魅力だったのかな、と思っています。
エヴァの世界観を上手くパチンコに取り入れて、双方のファンを納得させることに成功したからこその大ヒットだったんだろうな、と。
くりくり。さんの当時の心情が手に取るように伝わってきて、何度も繰り返し読んでしまいましたよ。
良い話でした!
今じゃこんなに薄汚れてしまいましたが…。