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【コラム】会員カードを作ったらタバコを貰った話
【コラム】会員カードを作ったらタバコを貰った話
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ebotanさん
- 投稿日:2017/01/04 22:52
5年ほど前、とある事情で隣の隣の駅前に引っ越した事があった。
引っ越しが一通り終わった後、探索と称してする事と言えば近隣ホールの視察である。
引っ越し先のマンションから駅を挟んで反対側を探索していると、年代を感じる小さなホールがあった。
一見、過疎ホールに見えたが玉が釘に当たる音と聞き慣れた変動中BGMが外まで聞こえてくるあたり過疎ホールではないようだ。
私は様子見を兼ねてふらっと入店してみる事にした。
入店してみると外観通り規模はかなり小さかった。
一階がパチンココーナーで地下がパチスロコーナー。
後部座席との間隔が狭く、雰囲気は古き良き小規模ホールのようだ。
また休日だったためか稼働率は推定80%を超えていた。
パチンコの設置台は最新台から珍古台まで揃ったオールマイティなラインナップ。
話題性や全国的な稼働率だけではなく自店舗の稼働率やお客さんの声を反映したような理想的なラインナップだったと記憶している。
パチスロコーナーは中心部分にジャグラーコーナー、右端にバラエティ、左端に最新機という島構成。
稼働率が最も高いのはジャグラーコーナーだ。
アレの示唆を表すため、特に力を入れているジャグラーシリーズの座席には豹柄のカバーがかかっている。
最新機も揃えているがメインはジャグラーのようだ。
ラインナップと営業形態に文句のつけどころは見つからないが、私が愛飲しているタバコの銘柄が景品にないことが唯一のマイナスといったところだった。
さて、そんなホールさんでチョイスした機種は藤商事の"風来のシレンFPS"
理由は上手く説明できないが当時とても気に入っていた機種であり負けていた機種だった。
勝ったことがない機種で勝ちたいと思う気持ちは全パチンカー共通であると私は思っている。
この日の店内はかなり賑わっており、甘デジコーナーでさえ別積みがあるほどだったので遊技開始前から期待度80%はある状態だった。
願うのは残り20%を引かない事だけである。
そして打ち始めるとまぁ回る回る。
回ることはいい事だが、ここまで回ると気になるのが交換率だ。
保留数に気を配りながら調べてみると、正直かなり悪い。
差玉プラスで収支マイナスを常に考慮せねばならないような交換率だった。
まぁ、回ることはいい事なので収支はあまり気にしていなかったから問題はなかったが。
液晶上いつもの期待できない煽りを眺めつつ投資を重ねていると突然肩を叩かれた。
振り返ると薄化粧の大和撫子風で髪型はポニーテールという直球ドストライクな女性店員さんがそこにいた。
『ご遊戯中に失礼します、会員カードはお持ちでしょうか?』
私は首を横に振り、"持っていない"という事を表した。
『すぐにお作りできますが、この機会にいかがでしょうか?』
インターハイレベルの笑顔で店員さんは私に問いかけた。
少々考えはしたが交換率から最大端玉数を考えると作らざるを得なかった。
作ったら当たる気がしたのもまた作る理由に入るのが事実であることを認める。
会員カードを作る旨を店員さんに伝えると、店員さんは流れ星に願った願い事が叶ったかのような満面の笑みで私にお礼を言った。
『ありがとうございます!』
店員さんは満面の笑みを浮かべたまま私に申し込み用紙とプラスチックの下敷き、最後にボールペンを渡してくれた。
『こちらの枠線内についてご記入下さい!』
汚い字でささっと個人情報を記載し、身分証明書と共に店員さんに返した。
店員さんは記載内容に間違いがない事を確認すると身分証明書を私に返し、こちらを見ながらこう言った。
『お客様、お吸いになられているおタバコの銘柄を教えて頂けますか?』
何故そんな事を聞かれるのかが理解できなかったが、私は胸ポケットに挿していたタバコの箱を差し出して"これですよ"と指した。
今後の景品ラインナップの参考にするのだろうか。
『かしこまりました!少々お待ちください!』
店員さんはそう言うと、狭い通路を迅速かつ慎重に通り抜け去っていった。
どれ程待つのかはわからなかったが、店員さんが戻ってくるまでの間に当たりを引いて楽しく待てればそれで良かった。
その後、数枚の諭吉さんが迅速かつ無情に去る形となったのは残念で仕方がない。
さらにそれなりの時間と投資の後、さらにさらに会員カードを作った事を軽く忘れそうになった頃に店員さんが戻ってきた。
『大変お待たせしました!』
大変待った上に投資がかなり大きくなりはしたが、この笑顔は確実に5万発の価値はある。
この瞬間、ある意味勝ち確を私は引いたのだ。
『こちら会員カードとお客様の控えになります!』
私は控えと会員カードを軽く会釈をしながら受け取った。
『あとこちらのカードもどうぞ!』
硬めの紙で作られた何かを書き込む空欄が数カ所あるカードを差し出された。
『こちらのカードはですね……』
と、軽く説明を受けてなんとなく理解した。
まず空欄には会員番号と日付、台番号を記入するらしい。
そうすると書いた日付の当日に予約台として開店から最大40分キープしてくれるとのこと。
ただし使用するための前提条件が色々あり説明が長くなるため割愛するが、とどのつまりは、
"私はこの日、この台に座りたいから予約するね!!"
というカードだ。
ただコレにどういうメリットがあるのかわからなかったため店員さんに聞いてみると、
『このカードが店長へのメッセージになります!』
とのこと。
つまり"察して"ということである。
私はこのカードを"お察しカード"と呼ぶ事にした。
説明を受けた後、店員さんからお察しカードを受け取り軽く会釈をして遊技に戻ろうとすると何やら店員さんが制服のポケットを探り始めた。
まだ何かあるのかと様子を伺っていたところ、ポケットから探り当てたブツを私に差し出した。
『ご入会いただきありがとうございました!これは私からの気持ちです!』
天真爛漫五万発の笑顔で差し出されたソレは先ほど私から聞いた銘柄のタバコだった。
だが、この銘柄はお店の景品にはないはずだ。
まさかとは思うが、わざわざコンビニまで走って買って来たのだろうか?
休日のこの忙しい時間帯に?
私のために?
……私が童貞なら悶絶憤死していたであろう完璧すぎる童貞殺しシチュエーションである。
"惚れてまうやろ"という言葉を叫ぶなら今この瞬間だろうと思った。
だが童貞ではない私はそんなシチュエーションに動じる事なく頭を下げながらタバコを丁寧に受け取った。
大人の男はこれくらいじゃキュンとしないのだ。
さて、そんな見栄を張りながら会員カードを作ったわけだが色々と満足してしまい戦意喪失状態。
風来のシレンを風来で遊んだら散々な結果となってしまった。
私がこの件で学ぶべきだった教訓は
『会員カードを作ったから当たるなんてことはあり得ない』だったのだろう。
"会員カードを作ったらタバコを貰った"
という話をここまで長く書く人間はなかなかいないだろう。
こんなものは正月で気と財布が緩んだ結果、甘デジ化物語で2万円負けた亡者の戯言に過ぎないので、仮にここまで読みきったとしても得る教訓は何もない。
付け加えると旅行先までの道中あまりにも退屈だったため無心で書いた思い出話なのだ。
暇つぶしにでもなったのであれば幸いである。
なお、お察しカードを使ってジャグラーを打ち、差枚5000枚オーバーの出玉を記録したのはまた別の話になる。
ただ話になるほどの過程が存在しないためこれ以上は何もない。
以上
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ebotanさんの
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