金の価値 後編

拙い文章ですが前回からの続きです

前回のあらすじ
自営業の金銭面が苦しくなった自分が選んだのは、職場の代表であり、実の父親でもある親父に派遣に行ってくると嘘をついて打つサザンアイズ
人生で初めてスロットを仕事にした1日が始まる


AM7:30
休日の朝９時に来たって誰一人並ばないホールに自分はいた
仕事と嘘をついてまで来たんだから万が一取れないなんて事は許されない
ラジオを聴きながら開店を待つ
周波数は職場と同じ周波数
聞きなれたパーソナリティの声に親父の顔が浮かぶ
歳を重ねる度に厳格な父の覇気が無くなって行くのも一番近くで感じてきた
一人で大丈夫なのだろうか。倒れてはいないだろうか
これから打つサザンの事よりも親父の事を考えていた
そして開店時間を迎える頃、やる気の無い店員がドアを開けた

小走りに気味にサザンに座り、さっそく回し始める
投資２ｋ。黒バー＋スイカの対角テンパイ
中に狙った黒バーが中段に停止して最初のＣＢが始まる
ベル無しのＣＢに据えを確信し、すぐに２度、３度目のＣＢ
そしてクロススイカからの青７
かなり早いビッグに助かるも安心は出来ない
ビタミスで派遣の時給なんて軽く超えてしまう
閉店までの約１２時間労働が今の自分の仕事なのだからと
確実に、ただたんたんと、ラジオを聴きながら回して行った


開店から５時間が経過した頃
自分の台の上にコインは無かった
確実なＣだったが、ビッグが最初の１回のみに加え、
ＣＢが引けず２００オーバーのハマリを繰り返してしまったのだ
総投資が１０ｋになった頃、ようやくＣＢ当選。この時のゲーム数は５００を超えていた
しかし、このＣＢが最悪だった
苦しい展開にミスも連発してしまい、更にはパンク。獲得枚数は７０枚を切ってしまった
展開負けだけは仕方ない。でもビタのミスは許されないミスだ
その後のＣＢでも9０枚前後と損をした枚数を数える度に
自分の不甲斐なさにイライラしてしまう
そして飲まれるコイン
サンドに手を伸ばした時に携帯が光る

「こっちは大丈夫だ。そっちは大丈夫か？」

親父からだった

そのメールに初めて手を休め、席を立ちトイレへ向かった
洗面台に映る自分の顔で如何に冷静じゃないのか把握した
考えてみれば朝から何も食べて無い上に、一度も席も立っていなかったのだ
あのメールに初めて水を得て落ち着きを取り戻した
洗面台で顔を洗った後、コンビニでパンを買って食べ、席に戻る
先程とは全く違う景色に、新鮮さを感じながら打ち始めると総投資１５ｋ
一枚掛けで右下段にバーを狙うと、ついに青７が滑って来た

このビッグを皮切りに１/１３０まで落ちていたＣＢも順調に引きはじめ、
最終的には８０００Ｇでビッグが５回と弱かったものの
＋１６.５kの収支を上げる事が出来た

翌日は職場へと顔を出す
そして拒否する親父に本来の派遣の日給の約半分であろう¥4.000を差し出した

「お前、こんなに頑張ってるのに本当に良いのか」

「構わないよ。同じ仕事仲間なんだから」

そう言って誤魔化す

息子が真面目に汗水垂らして稼いだと思っているそのお金に、その200枚に
この時の親父は、どれだけの価値を持ったのだろうか

また胸が締め付けられた



そしてこの日から派遣と嘘をつきながら設定Ｃを打ちに行く仕事を続けている
この一ヶ月で上手くなったのは目押しと嘘に対しての慣れ

それでも今十分に稼げる手段はこれしかない
嘘を重ねた結果、数ヶ月生きていく余裕はなんとか出来た
他人から見たら遊んでるように見えているだろうか
しかし今の自分にとっては仕事と同じつもりで回し、そして手にした金も自分にとっては12時間打ち切って稼いだ立派な価値のある金だとも思っている

いつまでも設定Ｃがある訳じゃない
でもこの設定がある限りこの仕事は続くだろう
今後の親の行く先や自分の就職、自分の人生の不安を考えると共に
日に日に増すホール内の視線に耐え、今日もサザンを回す

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ご閲覧ありがとうございました
かなり長くなってしまいましたが
今の自分の状況と心境でした
それなりに収支は出ていますが
やはり実の父親に嘘をつくのは心苦しいです
正直に話そうとしても父親は今は大のギャンブル嫌いなので言葉が詰まってしまいます
なので誰にも話せない心境を文章に残せば少しは楽になるかと思い書かせて頂きました
（ダイトモをしていなかったので実践の話は思い出しながら書きました笑）

今後はせっかくパチ７に投稿をしたので、収支報告でもしていこうかと思っています
タイトルの画像は自身最高のＣＢ１１１回という記録でした
思ったより表示機に後ろの台が写ってしまい特定されてしまうのではと
敏感になってしまった為、結構編集してしまいましたがｗ
次回からはダイトモを初めてみようと思います
サザンが無くなるのが先か、就職をするのが先か、自分でも分かりませんが
またご縁がありましたら是非お付き合いのほど、宜しくお願い致します

長文失礼致しました

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