天下一閃の面白さは”人を好きになる事”と同じなんです。

①『評価（ひょうか）』
例えば飲みの席で女性が隣に座ったとしましょう。 他の女性と比べると少しだけ地味な女性です。 このタイミングを天下一閃に例えたなら台の前に座った状況です。 他のパチンコ台と比べると大きな役物も付いてない地味な台です。

次に会話が始まります。 女性に対し出身地や趣味、現在の職業などを聞くはずです。 相手からも同じような質問が飛んでくると思います。 このタイミングを天下一閃に例えたならお金を入れて玉を借り 『in』を狙って打ち込む段階だとイメージしてみてください。
 

しかし、会話というのはそう簡単には続きません。 何度繰り返しても相手の心には届かず、苦しさや苛立ちだってある。 この上手くいかないもどかしさこそが『in』までの過程と同じなのです。


②『努力（どりょく）』
地味な女性でしたが、会話を続けていくウチに楽しい気持ちが芽生えてきます。 この子ともう少し会ってみよう。その為にも約束を取り付けてデートに誘うんだ！ 「今度、俺とデートしてくれませんか！」 天下一閃では最初の関門である『in』を通過して『回転体』へと入った段階です。
 

デートの誘いに女性も心が揺らぎます。 実は彼女、あなたに対しての気持ちが”９つ”に分かれているのです。
 

『in』から『回転体』へと入った玉は、あなたの告白だと思ってみてください。 赤い溝に玉が入れば彼女はあなたからの誘いをOKしたという事になります。

しかし、恋愛には失敗もあります。 赤い溝ではない、透明な溝に入ってしまったらフラれた事になり あなたは再度出会いからやり直さなくてはいけません（①に戻る） 失恋ソングを脳内で流すのもイイでしょう。 人生とは、そう簡単に上手くはいかないものです。


③『確信（かくしん）』
あなたは今、デートを楽しんでいます。 互いに会話を重ね、次第に心も揺れ動いています。 揺れ動く心と同じ様に玉がクルーンの上をクルクルと回り続けています。 誰にも邪魔されず、只々回り続けるメリーゴーラウンドの様な幸せの時間。 ずっとこの時間が続いてほしい。長く、長く……。
 

そして、玉が下段へと落下する瞬間にあなたは確信します。

（……好きだッ！！）


④『恋（こい）』
落下した玉は最終局面である下段役物へと到着します。
 

好きという気持ちが確信となり、恋する段階にとうとう辿り着きました。 ステージはデート後の夜の公園をイメージしてみましょうか。

横並びで歩きながらも頭の中は緊張と不安でいっぱいです。 中央部にある回転軸に玉がぶつかれば弾き返されて 様々な方向へと飛んで行っては再び弾き返されるという、 まるでピンボールの様な玉の動きは、正に苦悩そのもの。


（俺は……どのタイミングで想いを伝えるべきなのか……）

 

「俺の……恋人になって欲しい！」

「……はい」


V入賞を達成したその日、一組のカップルが誕生した。


⑤『生命（いのち）』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　


‐‐数年後‐‐


「う、産まれそう！……早く右打ち……して！」

「分かった。右打ちだな？右打ちをすればいいんだな？」

「えぇ……ハンドルを右に捻るの……それだけ……ウッ！」

「先生！妻は、妻は大丈夫なのですかッ！！」

「なぁに、平気ですヨ。１度目の大当たりが始まっただけだから」

「天下一閃は約2250発の出玉が2回やってくるんですヨ」 　　　　


「よかった。それよりも先生、さっきから勇ましいBGMが流れているのですが？」

「これかね？紅い流星だよ」


‐‐数時間後‐‐


オギャー！ オギャー！！


「う、産まれたっ！」


「おめでとうございます。合計4500発の立派な男の子ですよ！」

「ありがとうございます！ありがとうございますッ！！」

「ねぇ、あなた。名前は決めてあるの？」

「あぁ……勿論決めてあるよ」