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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2019.10.08
6号機の遊技機規則を読んでみよう(9):役物連続作動装置(ボーナス)編
初の全国発売された6号機として登場した『HEY!鏡』から1年ちょっとが過ぎました。ボーナス枚数を落とした遊技機規則と甘い内規によって、売れる・売れないに関わらず、発表されたのはAT機ばかりになったのは、多くの方の予想通りでしょう。しかし、ここにきてユニークな機種も発表されるようになりました。
▲『PYRAMID EYE』(大都技研)『パチスロ1000ちゃん』(オーイズミ)
大都技研の『PYRAMID EYE』は、50枚あたり約22Gという超低ベースながらも、約130枚純増のBIGと約40GのREG(正確なボーナス種別はまだ不明)の合算は設定1でも1/39.7。安心して遊び倒してくださいという内容になっています。『鏡』『RE:ゼロ』と6号機をリードしている大都技研ですが、このようなコンセプト機も作ってくれるあたり、嬉しくてなりません。
オーイズミの『パチスロ1000ちゃん』は、ボーナス+ATという珍しい仕様。5号機終盤では、リプレイ低確率時に小役全取得だけで出玉率が100%を超えてはならないという内規もありましたが、6号機からは撤廃されています。BIGは平均180枚、LIVEボーナスは平均60枚。ベースは約37Gでボーナス合算は1/146〜1/188。これに通常時のどこからでもチャンスのあるATが絡む遊びやすいスペックです。ちょっと打ちましたが、楽しみどころ満載な内容でしたよ。
押し順AT機ばかりで、存在を隠されることの多くなったボーナスですが、枚数の多い少ないはあれど、突然の成立に喜ぶのがパチスロの基本だよな。そう改めて思わされる嬉しい発表2機種でした。ええいっ、ジャグはどうなってる?
そんなわけで、遊技機規則の解説もボーナス全般に向かいます。
(1)性能に関する規格
ト:役物連続作動装置の性能に関する規格は、次のとおりとする。
佐々木の解説)
4号機までは役物連続作動装置といえばREGのことを意味していましたが、5号機以降は第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BIG)や第二種特別役物に係る役物連続作動装置(2種BB・MB)という使われ方に変化しています。
それはまだ理解しやすいですが、単体で役物連続作動装置が出てくる文章もあるのが難点。1種と2種のどちらも……ということなのでしょう。なので、単体でこの言葉を見かけたらボーナスと、ふんわり置き換えれば読みやすくなるかと思います。パチスロで出玉を作る根幹となるボーナスですから。遊技機規則もたくさん書かれています。
(イ)規定数ごとに特定の図柄の組合せが表示された場合に作動するもの以外の役物連続作動装置を設けないものであること。
■解釈基準)「特定の」とは、一の遊技機の特性として決定されているものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。
佐々木の解説)
ボーナス絵柄が揃っていないのに、ボーナスが作動してはいけません。という毎度の項目からスタート。
(ロ)第一種特別役物又は第二種特別役物のいずれか一方に係るもの以外の役物連続作動装置を設けないものであること。
■解釈基準)
遊技機が、第一種特別役物と第二種特別役物の両方を作動させる性能を持っているという性能を持つ装置を設けている場合には、役物連続作動装置に該当しない入賞を容易にするための特別の装置を設けていると解するため、当該遊技機の当該装置の性能は、ヌ(ハ)に抵触する。
佐々木の解説)
ボーナスはBIGとMBどちらかのみで、両方を一度に作動させてはなりません。
(ハ)第二種特別役物に係る役物連続作動装置は、(ホ)に規定する遊技機以外の遊技機には設けないものであること。
■解釈基準)
なし。
佐々木の解説)
(ホ)の項目は、BIGの払い出し枚数とボーナス絵柄の組み合わせを規定しています。2種BB(MB)搭載機は、(ホ)の項目に合致するBIGである必要があります。
(ニ)役物連続作動装置の作動に係る条件装置が作動することなく、役物連続作動装置の作動に係る図柄の組合せが表示されるものでないこと。
■解釈基準)
なし。
佐々木の解説)
条件装置とはフラグ成立のこと。成立していないのに、ボーナスが揃ってはいけないという当たり前のことです。
(ホ)第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動することとなる図柄の組合せの数は、その作動中に獲得される遊技メダル等の数が、遊技メダルにあつては225枚を、遊技球にあつては1,125個を、それぞれ超えない遊技機にあつては、すべての図柄の組合せの数の1,500分の2を超えるものでないこと。
■解釈基準1)
「すべての図柄の組合せの数」とは、図柄の数が一の回胴につきN個の場合、Nの回胴数乗であると解する。図柄の組合せの数は、回胴ごとに図柄が有効となる停止位置の組合せのうち一の組合せを用いて算定するものである。
■解釈基準2)
本規定に定められている遊技機が、第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動の終了契機を本規定に定める場合以外とすることを可能とする性能を持つものである場合には、当該装置の作動を任意に調整することを可能とする性能を持つものであると解し、「遊技の公正を害する調整を行うこと」を可能とする性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、ヌ(イ)に抵触する。
佐々木の解説)
BIGの払い出し枚数によって、許されるBIG絵柄の組み合わせ総数が変化します。こちらは払い出し枚数が少ないバージョン。21コマの3リール機ならば、出目総数は21の3乗で9261。その2/1500なので最大12通りまで許されます。BIGが赤7揃いと青7揃いの2種類あった場合、赤7は各リール3つずつだと、3×3×3で9種類。青7は、右リールのみ3個であと1つずつであれば、1×1×3で3種類。合計12種類なのでOKとなります。組み合わせを少なくするのも自由ですが、置こうと思えば意外と置けるのです。
(ハ)の項目でもありましたが、2種BB搭載機は、BIGの払い出しを225枚以内にしなければなりません。5号機時代も同様の規定がありました。ノーマル機でMBを搭載していた『ジャグ』系などは、最大でも360枚払い出しでしたね。
(ヘ)第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動することとなる図柄の組合せの数は、(ホ)に規定する遊技機以外の遊技機にあつては、すべての図柄の組合せの数の1,500分の1を超えるものでないこと。
■解釈基準)
「すべての図柄の組合せの数」とは、図柄の数が一の回胴につきN個の場合、Nの回胴数乗であると解する。本規定に定められている遊技機は、役物連続作動装置の1回の作動により遊技メダルにあっては225枚を超え、かつ、300枚を超えず、遊技球にあっては1,125個を超え、かつ、1,500個を超えない数のうちからあらかじめ定められた一の遊技メダル等の数を獲得することを可能とする性能を有する遊技機である。図柄の組合せの数は、回胴ごとに図柄が有効となる停止位置の組合せのうち一の組合せを用いて算定するものである。
佐々木の解説)
こちらは、2種BBを搭載していない機種のBIGについて規定しています。組み合わせの算出方法は同じ。21コマの3リールであれば、9261の1/1500で最大6通り。20コマの3リールであれば、総数が8000となるので最大5通りとなります。払い出し枚数は300枚まで。
(ト)設定ごと及び規定数ごとに、役物連続作動装置の作動に係る一の条件装置が作動する確率は、あらかじめ定められた値であり、第一種特別役物若しくは他の役物連続作動装置の作動に係る条件装置、第一種特別役物又は他の役物連続作動装置が作動している場合を除き、変動するものでないこと。
■解釈基準)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。
佐々木の解説)
ボーナスの抽選確率は、ボーナス中を除いて変動してはならないと規定しています。疑似ボーナスのAT機であれば、消化中に疑似ボーナスを抽選することも可能です。これはリアルボーナスの話ですね。
(チ)第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している場合にあつては、第一種特別役物が作動することとなる図柄の組合せの数は、すべての図柄の組合せの数の500分の10を超えるものでないこと。
■解釈基準)
「すべての図柄の組合せの数」とは、図柄の数が一の回胴につきN個の場合、Nの回胴数乗であると解する。図柄の組合せの数は、回胴ごとに図柄が有効となる停止位置の組合せのうち一の組合せを用いて算定するものである
佐々木の解説)
『B-MAX』や『不二子TYPE-A』のような、BIG中にJACインするマニュアル方式(オートJACインでないということ)の機種のJACインについての規定です。BIGの通常消化中にJACインの確率や組み合わせを増やすことが可能となっています。組み合わせの1/50ですから、21コマリールなら185通りも。それだけあれば、適当打ちでも入賞するだけ用意できます。
(リ)一の役物連続作動装置の作動により第一種特別役物又は第二種特別役物の作動に係る1の条件装置が作動する確率が上昇した場合における当該確率は、あらかじめ定められた1の値であること。
■解釈基準1)
「あらかじめ定められた一の値」とは、取り得る値が、遊技機の特性として事前に定められているただ一つのものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。
■解釈基準2)
役物連続作動装置と当該役物連続作動装置の作動により確率が上昇する第一種特別役物又は第二種特別役物に係る条件装置との関係を変更することが可能である場合には、遊技機が、役物の作動を任意に調整することを可能とする性能を持つものであると解し「遊技の公正を害する調整を行うこと」を可能とする性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、ヌ(イ)に抵触する。
佐々木の解説)
ボーナス中の第一種特別役物と書かれているので、第一種は前の項目であったマニュアルJAC。第二種は『ランブルローズ』と『ルパン三世−世界解剖−』でしか使われていない、2種BB中のマニュアルCB(1Gだけリール制御が変化する)について。確率アップは構わないけど、一定の確率であると説明しています。
(ヌ)第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置は、他の条件装置(入賞及び再遊技に係るものを除く。)、第一種特別役物又は役物連続作動装置が作動している場合にあつては、作動するものでないこと。
■解釈基準1)
「作動するものでない」とは、作動することを禁止しているものであると解する。第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置が、当該第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動した次回の遊技において、なお作動している場合には、技術上の規格に定められていない第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る性能を持つものであると解するため、当該装置の当該性能は、ヌ(ホ)に抵触する。
■解釈基準2)
「他の条件装置」は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置に係る条件装置を含むものである。
佐々木の解説)
BIGは小役やリプレイと同時に当選していることは認めますが、それ以外のものと同時に当選している状態は許さないということ。
(ル)第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置は、他の条件装置(入賞及び再遊技に係るものを除く。)、第一種特別役物又は役物連続作動装置が作動している場合にあつては、作動するものでないこと。
■解釈基準)
「作動するものでない」とは、作動することを禁止しているものであると解する。「他の条件装置」は、第二種特別役物に係る役物連続作動装置に係る条件装置を含むものである。
佐々木の解説)
2種BBは小役やリプレイと同時に当選していることは認めますが、それ以外のものと同時に当選している状態は許さないということ。
(ヲ)第一種特別役物に係る一の役物連続作動装置は、その作動中に、遊技メダルにあつては285枚を、遊技球にあつては1,425個を、それぞれ超えない数のうちからあらかじめ定められた1の数を超える遊技メダル等が獲得されたときは、その作動を終了するものであること。
■解釈基準1)
「あらかじめ定められた一の数」とは、取り得る値が、遊技機の特性として事前に定められているただ一つのものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。
■解釈基準2)
第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動終了条件となる獲得される遊技メダル等の数が遊技メダルにあっては300枚を、遊技球にあっては1,500個を超える場合には、当該装置が終了条件を定められていないと解するため、当該装置の定められていない性能は、本規定に抵触する。
■解釈基準3)
遊技機が、第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動の終了契機を本規定に定める場合以外とすることを可能とする性能を持つものである場合には、当該装置の作動を任意に調整することを可能とする性能を持つものであると解し、「遊技の公正を害する調整を行うこと」を可能とする性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、ヌ(イ)に抵触する。
佐々木の解説)
2種BBを搭載した機種のBIG枚数が先に書かれていて、普通のBIGが後ろにあることに驚き(笑) 285枚を超える払い出しで終了しなければならないので、285枚のラストゲームで15枚を払い出すと最大300枚となります。
(ワ)第二種特別役物に係る一の役物連続作動装置は、その作動中に、普通役物若しくは第一種特別役物の作動に係る条件装置が作動したとき又は遊技メダルにあつては153枚を、遊技球にあつては765個を、それぞれ超えない数のうちからあらかじめ定められた一の数を超える遊技メダル等が獲得されたときは、その作動を終了するものであること。
■解釈基準1)
「あらかじめ定められた一の数」とは、取り得る値が、遊技機の特性として事前に定められているただ一つのものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。
■解釈基準2)
第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動終了条件となる獲得される遊技メダル等の数が遊技メダルにあっては168枚を、遊技球にあっては840個を超える場合には、当該装置が終了条件を定められていないと解するため、当該装置の定められていない性能は、本規定に抵触する。
■解釈基準3)
遊技機が、第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動の終了契機を本規定に定める場合以外とすることを可能とする性能を持つものである場合には、当該装置の作動を任意に調整することを可能とする性能を持つものであると解し、「遊技の公正を害する調整を行うこと」を可能とする性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、ヌ(イ)に抵触する。
佐々木の解説)
2種BBの最大払い出しについて。5号機では253枚を超える払い出しで終了となっていましたが、100枚減らされてしまいました。
ボーナスの払い出し枚数と組み合わせ総数の話が中心でしたね。4号機以前は、ボーナスの組み合わせと有効ラインを見れば、許されるボーナス抽選確率の幅も分かりました。それが撤廃されたので、1ライン機や組み合わせの少ない機種が多くなっています。リール配列の風情が減った感じがして、そこは少し残念かな。ボーナス枚数の激減は、残念を通り越していますけど。
それでも『PYRAMID EYE』や『パチスロ1000ちゃん』のような機種も出てきます。役物連続作動装置を堪能させてくれる機種も増えることを祈りたいですね!
今後のお品書き。
チ:貯留装置の性能に関する規格
リ:遊技メダル数表示装置の性能に関する規格
ヌ:その他
(2)構造に関する規格
イ:回胴回転装置の構造に関する規格
ロ:回胴の構造に関する規格
ハ:回転停止装置の構造に関する規格
ニ:回胴の回転軸
ホ:ガラス板等の構造に関する規格
ヘ:受け皿の構造に関する規格
ト:その他
(3)材質に関する規格
イ:回胴の材質に関する規格
ロ:遊技機の枠の材質
ハ:ガラス板等の材質
ニ:その他
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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