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名機のそこ~マコトのメーカー開発インタビュー~
2019.12.13
『パチスロタイバニは無人島で作られた?』パチスロ TIGER & BUNNY開発者インタビュー
今回は「名機のそこ」初となる6号機の開発インタビューだ。 それも決して流行ったとは言い難い『パチスロ TIGER & BUNNY(以下、タイバニ)』というタイトルである。誰もが打っている機種ではないから、個人的に名機だと感じている部分を知ってもらうために、まずはここでタイバニの基本的なゲーム性を紹介しておこう。
タイバニは擬似ボーナスとATで出玉を増やすタイプの機種で、通常時はまずCZを目指して、CZが成功すればボーナス確定。ボーナス中はAT抽選が行われていて、ATに当選すればようやくまとまった出玉を得られるチャンス到来。
ATは1セット30G継続するSTタイプで、消化中にボーナスを引くと残りゲーム数を30Gに再セットされる。ここからがタイバニの特徴でもあるのだけど、AT中はボーナス確率が 1/58~1/13と変動し得る。仕様上、AT初当たり時はボーナス確率が重めだけど、ボーナスを引くことでAT中のボーナス確率アップに繋がるから、AT中は毎ゲームが叩きどころになる。
タイバニのゲーム性をおおざっぱに説明するとこんな感じになるのだけど、個人的にタイバニが名機だと思う理由は、これらゲーム性を含めた全てのバランスの良さにある。出玉獲得の起点になるCZの実質的な出現率が1/108~1/75(設定1~6)と高く、その成功率も40%超と高め。さらに、通常時は低確・通常・高確・超高確とCZ当選率に影響する状態の概念があり、超高確滞在時はレア役を引かずともCZに当選し得る。
それでいて、状態はCZに当選するまで落ちないし、3桁のゾロ目ゲーム数到達で上がったりする。CZが軽いから、ボーナスも軽め。ATはお世辞にも軽いとは言えないけれど、その抽選を受けられる状況は決して遠くないワケで、常に戦えている感がある。そして、いざATが当たれば毎ゲームがアツいんだから、タイバニという台が面白くないわけがない。
そんな背景があったからこそ、タイバニの開発インタビューを志願したのだけど、今回のインタビューも実に良い話を聞けたなと。既にタイバニを打っている人だけじゃなく、まだタイバニに触れた事がない人にも最後までお付き合い頂きたいです。
今回はインタビューに応じて頂きありがとうございます。タイバニの質問の前にAさんの経歴を伺ってもよろしいでしょうか?
A氏「はい、開発に入って12~13年ですね。元々はプログラマーだったんですけど、全体的なディレクションをやるきっかけになったのが、初代のパチスロ「モンキーターン」でした」
初代モンキーですか、めちゃくちゃお世話になりました。モンキーターンが登場してから、ボーナス非搭載タイプのART機が増えましたもんね。
A氏「モンキーターンが結果としては、ボーナス非搭載ART機の先駆けになれたのかな、と思っています。そういう意味では、今回のタイバニも擬似ボーナスで出玉を増やす機種の先駆けになれたらな、という話を開発メンバーで話していました」
6号機ATのスタンダードになり得るゲーム性だと思います、個人的には。では、ちょうどタイバニの話が出たので、質問の方に移らせてもらいたいのですが、TIGER & BUNNYというコンテンツをパチスロ化した理由や意図を教えて下さい。
A氏「その理由はとてもシンプルで、開発スタッフからの要望が多かったからです」
やっぱりそうなんですね。ちなみに、タイアップ機である場合は、開発の方からこのコンテンツでやりたい、という意見が挙がってくるのが基本なんでしょうか?
A氏「そのパターンと、こういう版権があるけどやってみない?というパターンの半々ですね。ただ、TIGER & BUNNYに関しては社内にアツいファンがものすごく多かったので実現したところが大きいです。開発するにあたって『合宿』もしましたし」
が、合宿ですか?
A氏「開発だけでなく、社内全てのTIGER & BUNNYファンが集いまして、何故好きなのか、どういうところが好きなのか意見を交わし合ってみたんです。その中でも特にTIGER & BUNNY愛が強い…僕らは愛メンバーって呼んでいたんですけど、そのメンバーを集めて、ほぼ無人島みたいなところで合宿をしたんです」
わざわざ無人島みたいなところに行かれたんですか? 熱血すぎる部活みたいなノリですね(笑)
A氏「まさにそんな感じでした(笑) その時のトレンドだったんですよね、ちょっとした秘境に行くみたいな。何もない環境にみんなで行くとTIGER & BUNNYだけに没頭できるじゃないですか」
まさかパチスロを作るのにそんな事が行われているなんて思いもしなかったです。ちなみに、合宿中は具体的に何をされていたんですか?
A氏「メンバーごとに企画プレゼンをしました。みんなのTIGER & BUNNY愛をみんなで受け合うみたいな感じでした。その凌ぎ合いのなかで、こういうことはやりたいよねとか、このエピソードは絶対入れたいよね、などという感じで企画をまとめていきました」
凌ぎ合い(笑) めちゃくちゃアツそうですね
A氏「実際アツかったです(笑) 既にパチンコ化されている版権とかだとまた違ってくるんでしょうけど、遊技機化一作目ということもあって特に温度は高かったです。もう魂のぶつけ合いみたいになっていました。自分の役割はそのバランスをとることでしたね。それに奔走した感じです」
ものすごい熱量で開発されていたんですね。でも、それはタイバニを打つと伝わってきます。
では、続いての質問なんですが、タイバニを開発するにあたって、テーマやコンセプトがあれば教えて下さい。
A氏「打ちやすく、遊べる台を作りたいというのが大きなコンセプトでした。それに加えて、なるべく当たりを簡単に体感してもらいたいと思っていて、分かりやすくボーナスを引くゲーム性というのを第一に考えました。当時はベースが低く、投資がかかる台が多かったので、そうじゃない遊べる台もあって良いのかなという思いがありました」
なるほど。ちなみに、かなり前からタイバニを開発しているという噂がありましたが、当初はどのような仕様で作られていたのでしょうか? もしくは、初めから6号機として開発を進めていたのでしょうか?
A氏「5.5号機の時期に着手はしていたのですが、5.5号機には間に合わなかったので5.9号機としてのリリースを目指しました。スタート自体は2015年ぐらいからなんですが、遊技機化一作目ということもあって映像開発に時間がかかってしまいました」
たとえばキャラのスーツに書かれている企業の名前を消したりとかでしょうか?
A氏「そうですね。プレスメント(企業ロゴなどの広告)に関しては全て消す方向で話が進んだということもあって、基本的に原作のシーンをそのまま使うということはできませんでした。液晶演出は原作で見たことがあるシーンでも、必ず何かしら新たに手が加わっています」
それは時間がかかるのも納得です。
ちなみに開発当初のスペックはどんな感じだったのでしょうか?
A氏「スペック的にはボーナス+ARTタイプでした。ART中にボーナスを引くことで出玉を伸ばしていくシンプルな仕様だったんですけど、5.9号機でギリギリの申請タイミングということもあって、5号機では出せませんでした。ただ、ボーナスを引くというゲーム性は残したかったので、AT中に擬似ボーナスを引くことで出玉を増やしつつ、さらにチャンスが広がるようにボーナス確率を上げていく、という仕様を6号機で活かしました」
6号機として申請して20回以上試験で落ちたという話を聞いたんですけ、本命スペックはどんな感じだったのでしょうか?
A氏「何回落ちたか数え切れないほど落ちましたね(汗) 規則の変わり目ということもあって、いろいろと手探りでトライしていたので、出玉性能的に毎回本命という感じでした」
ゲーム性が違うものもあったのでしょうか? それとももう少し純増枚数が多かったとかでしょうか?
A氏「ゲーム性や純増は世に出たタイバニとまったく同じです。なかなか通らなかったのは、ATの純増枚数を+2.7枚にすれば問題なかったと思うんですけど、それだと5号機でも体感できますし、6号機でしか体感できない純増枚数にしたかったんです。ただ、タイバニはATが終わったあとも、早めにボーナスが当たる可能性があるので、それがネックになったのでは……と思っています」
個人的にはそれがタイバニの魅力のひとつでもあると思います。AT終了後に超高確から始まって、即CZからのボーナスという流れが。でも、ボーナス中は+4.0枚ですもんね。そこからさらにATに繋がって…となると短期出玉試験的に難しかったのかもしれませんね。
A氏「もちろん運の部分もあったと思うんですけど、これは大丈夫だろうというスペックでも通らなかったりしました。あの時はいろんな神社に行きましたよ(笑)」
そんな苦労もあったりするんですね。
続いての質問なんですが、CZ・オンエアチャレンジと連続演出でそれぞれ引用されている原作エピソードの選定理由があれば教えて下さい。また、使いたかったけど、泣く泣く採用しなかったエピソードがあれば教えて頂きたいです
A氏「開発的な考え方になるんですが、まず構成的に連続演出にしやすいとか、チャンスゾーンにしやすいなどの使いやすさを考えています。あと、各演出の色の違いには気をつけました。映像の見た目のテンポとか、コミカルなのかシリアスなのか、という遊技感としてのカラーを意識したうえでのバランスに気を配りました。それに加えて、各担当のエピソードへの思い入れが強いものはなるべく採用しました」
さすが愛メンバー(笑)
A氏「採用しなかったエピソードでいうと、ダークネスバニー登場回や、ヒーロー達が記憶を無くしたエピソードは見応えがあったので使いたいという声もあったんですが、そこの話が原作の後半部分という事もあって、TIGER & BUNNYを知らない方からすると、今なんでこうなっているんだ? という疑問が湧くのではという懸念がありました。物語の展開を上手く伝えられるようなゲームフローになれば使いたかったんですが、さすがに難しかったので泣く泣く不採用にしました」
たしかに、さっきまで味方だったキャラと主人公が戦っていたら、どっちが勝てばいいか分からなくなりそうですね。
A氏「あとはジェイク戦ですね。タイガーとジェイクのバトルは使っているんですが、そこに至るまでの展開は物量的に使えなかったです。本来はジェイクがダーツを投げて戦う相手を決めるセブンマッチを使いたかったんですが…」
シリアスな話もそうですけど、TIGER & BUNNYって人情的な話が多いので、個人的には納得のチョイスだと思いましたけどね。
A氏「余談ではあるんですけど、実は作っていたけどボツになってしまった演出なんかもありまして。TIGER & BUNNYファンの間ではお馴染みの斎藤さんのステージを作っていたんです。そもそも斎藤さんステージは5号機のボーナス中の演出だったんですけど、斎藤さんが開発したものでARTの当否を告知するというステージでした。斎藤さん研究ラボみたいな」
それ見てみたかったです。うちの奥さんもTIGER & BUNNYすごい好きなんですけど、2人で斎藤さんの演出は絶対あるよねという話をしていたんですよ。でも、斎藤さんの出番が少ないから、どうしてなんだろうって言っていたんですよね。そういう裏話があったんですか。
A氏「そうなんです。斎藤さんはもうちょっと使ってあげたかったなという意味ではちょっと後悔しています。ちなみに、マコトさん的になぜこのシーンは使わなかったんだろうというのってありますか?」
そうですね、タイガーの旧スーツ姿がAT中のラウンド画面でしか出てこないのはなぜだろう、とは思ってました
A氏「旧スーツですね。実は使っているんです。ただ、直撃ボーナス濃厚時の前兆中にしか発生しないようになっているので、なかなか見られないとは思いますけど」
直撃ボーナスは設定差がありますし、そもそも次回予告経由の連続演出で告知される事が多いですもんね。どおりで見られないはずだ。
A氏「そうですね。旧スーツ姿のタイガーが登場しない時間軸として企画しているので、そこに引っかからないような演出で、旧スーツのタイガーを登場させています」
・タオル演出
・売店演出
・チャーハン演出
・あみだくじ演出
・写真立て演出
・本屋演出
なるほど。それは見てみたいです。では次はアンドロイドCZについてなんですが、原作では最終的にスカイハイがシスを倒すという流れになっていますが、最後までタイガーとバーナビーが戦う理由は、シスがロボット化せず、シスの姿のままだからでしょうか?
A氏「そうです。シスのことが好きなスカイハイが、シスと戦うのはさすがにおかしいという声が挙がりました。というより、開発チーム全員の意見です(笑) シスという特徴的な戦闘シーンは使いたい箇所だったので、そこを上手く両立できる形で制作しました。タイガーとバーナビーの攻撃がヒットするほど、シスが徐々にアンドロイドに見えていくという案もあったんですが、シンプルにシスを倒すか倒されるかの表現に落ち着きました」
やっぱり、愛メンバーですね。
A氏「ちなみに、エピソードボーナスに当選している場合は、原作のスカイハイとロボットになったシスの戦いが発生するので、ファンの方は注目してみて下さい」
めちゃくちゃ見てみたいです。では、続いての質問なんですが、BIG中のバディ絵柄揃い超高確率状態を、ロックバイソンモードという名称にした理由を教えて下さい。開発のどなたかが、よっぽどロックバイソンが好きだったからとかでしょうか(笑)?
A氏「初めからこういう名称にしようとは思ってなかったんですが、個人的にこの作品でひとつやりたかった事として、タイガーとバーナビー以外のヒーローにも、単純に活躍できるポジションを作りたかったんです。TIGER & BUNNYって主役以外にも魅力的なキャラがいっぱいいるので、それを広めるためには専用の演出を作るほうが覚えてもらえるかなと。
そんな折にBIG中に超高確率状態を追加したい要望が出て、ふとロックバイソンの射出シーンを思い出して、即採用した感じでした。じゃあ、超高確率状態に名前を入れちゃおう、ということでロックバイソンモードになりました」
BIGの前半がゲーム数上乗せナシで終われば、25%でロックバイソンモードですもんね。あのMAXBETを叩く瞬間が最もアツくなる瞬間です。タイバニにおける激アツ状態です。では、最後になるんですが、未公開のネタなどがありましたら、是非教えて下さい。
A氏「通常時に発生すれば直撃ボーナスに期待できるシチュエーションなんですが、
・次回予告
・タイガーとバニーのカットイン
・擬似連4連
・連続演出→NEXT能力を発動させろ
こんな感じです。ロックバイソンモード中は狙えカットインなしでATが告知されるケースがあります。なので、告知非発生時も中押しでバディ絵柄が中段に止まれば、演出ナシAT1確目になります。 その他、AT最終ゲームは継続ジャッジ中と同様の抽選が行われているため、強レア役はボーナスの期待大です。ちなみに、告知は継続ジャッジ最終ゲームまで引っ張られます。
あと、REG中のAT抽選は後告知があります。その際はREG終了時にATランプが点灯します。バディ絵柄揃い時も後告知の可能性があるので、狙えナビが出なくても、いきなりナビレベルMAXスタートの可能性がありますね」
最後にたくさんの情報、ありがとうございました。
A氏「こちらこそ、ありがとうございました」
いち、TIGER & BUNNYファンから見ても、パチスロ TIGER & BUNNYは原作愛に溢れた機種だと思っていたけれど、それもそのはず。タイバニは開発者の愛の結晶だった。設置台数は多くないし、出玉性能が極端に高いわけじゃないけれど、タイバニの面白さが本物であることを改めて知れた。
今回のインタビューで少しでもタイバニが面白そうだと感じてくれた人がいるのなら、是非タイバニを打ってみてほしい。決して損はさせないから。
なお、今回もらっていた数値的な質問は別のページに掲載しているので、そちらも併せてチェックしてもらいたい。
その他の解析情報はリンクをクリック!
↓↓↓↓
パチスロ TIGER & BUNNY 機種ページ
(C)BNP/T&B PARTNERS (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
(C)YAMASA
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- マコト
- 代表作:名機のそこ~マコトがメーカー開発インタビュー~・【回胴の探り手】マコトの味変(あじへん)回胴
岐阜県出身。3本のリールが織り成す出目演出に魅せられて、当時読者だったパチスロ必勝本に携わる仕事ができたらなという気持ちで履歴書を送付。無事、ライターとして採用してもらい、ほぼパチスロライターという仕事しか経験したことのない男が生まれてしまう。現在はパチスロ必勝本などを中心に執筆しているほか、DVD・CS番組・ネット動画などにも出演中。とにかく出目でアツくなれる機種が好き。
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