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- 『巣立った彼(カス)と戻った彼(クズ)。赤字ですが何か?』 うちいく.TVないおが、今敢えての初告白。
人生のヘソ~新インタビュー・ウィズ・スロッター
2021.09.17
『巣立った彼(カス)と戻った彼(クズ)。赤字ですが何か?』 うちいく.TVないおが、今敢えての初告白。
筆者が子供の頃は、娯楽の王様は「テレビ」でした。今でもまだそうなのかもしれませんが、少なくともそう考えている人の割合は徐々に減っていると思います。当時と今で何が違うのか。価値観を一変させたのは言わずもがな「インターネット」の登場でしょう。
特にブロードバンドの普及以来、あまねく存在するあらゆる娯楽の在り方が少なからず変わりました。中でも「動画配信」に関しては、激変どころの騒ぎではないくらい変容しています。制作難度はもちろん、視聴方法の敷居も下がり、暇な時間に誰かが作った動画を観て楽しむ……という、一昔前には考えられなかった娯楽の選択肢が生まれました。
「Flash動画」にて生まれたその「自家生産動画」の萌芽は、各種専門サイトでのダウンロード視聴を経て「ニコニコ動画」を利用したストリーミング配信に進化。そしてついに「YouTube」が一般的になった現在、もはや「娯楽や情報メディアの王者」の座にあるとすら言える状況になっています。
もちろん、それはパチンコ・パチスロ業界においてもまた同様です。
2021年現在、既にちょっと信じられない位の数の「パチンコ・パチスロYouTuber」や「配信グループ」のチャンネルがあり、おそらくその全てを網羅して語るのは不可能なまでになっています。玉石混交ではあるのですが、その玉石の幅が許されるだけの気軽さ・手軽さがあるのは、文化的には大変素晴らしい事だと思います。
もちろん、それに至るまでには五里霧中で先陣を切って動画を制作し、後進の足元を照らし続けた偉大なる冒険家達がいます。
今回インタビューする「ないお」氏もそのひとり。
インターネットを用いたパチンコ・パチスロ動画配信の「先駆者」であり、また「もっとも成功した人」のひとりでもあります。黎明期から動画を作り続けてきた氏だからこそ、何もない状態からひとつの「文化」が出来上がるまでの流れを、肌感覚で体感し続けたという得難い経験があるはず。これはぜひとも聞いてみたい。
チワッス、あしのです!
久しぶりの「人生のヘソ:インタビュー・ウィズ・スロッター」、今回はついに満を持して「うちいく.TV」代表である「ないお」氏に、その成功や人生のターニングポイントについて聞いてみたいと思います。
ないおさんはこんな人! |
37歳福岡出身。動画文化の黎明期から実際のホール内で撮影を行い、しかも店舗をボロクソ言う事で一斉を風靡した「うちいく.TV」にて一躍時代の寵児となった。「cafe&bar HOBART」のオーナーとしても知られ、さらに一部では「山賊」と綽名されていることでも有名。「Base2JO」「ナナテイ」などの主催者でもある。 |
ご本人が率先して表に出るタイプではないため、おそらくかなりの量の話が初公開。謎に満ちた「ないお」さんの正体に迫って行きましょう。
それでは、インタビュー開始!
▲ないおさんは顔出しNG
まずご挨拶。なんで今回インタビュー受けてくれたの?
(あしの:以下黒文字) 「ないおさんお久しぶりです……! 実際お会いするのって一年ぶりくらいですかね」
(ないお:以下紫文字) 「そんくらいになりますかね。お久しぶりです……あ、これ……」
「お、なんですか……?」
「実はね。今日はインタビューしてくださるということで、お土産を持ってきました。ぜひ奥さんと一緒に食べてください」
「お土産? おお……これは……『博多通りもん』じゃないですか!」(※九州を代表する銘菓)
「あしのさん佐世保の人なんで、それも分かった上で敢えてこういうベタなのを買ってくるというね……」
「いやぁ、これ懐かしいなぁ。確かにだいたいお菓子入れとかに入ってるんで、九州の人間はわざわざ買って食べないですからね。俺も貰ったの初めてかも。嬉しいもんですねぇ!」
「ね。お土産は結局ベタが一番いいんですよ」
「ありがとうございます!」
「いえとんでもない……!これで内容もちょっと良く書いてくれるんでしょう?」
「……買収!(笑)」
ちなみにこの日は編集長も同席しています。場所はゴタンダキチ。緊急事態宣言下なので、ソーシャルディスタンスを取りつつマスク着用でのインタビューとなりました。
「では早速なんですけど、ちょっと気になる事がありまして……。実はパチ7の方からないおさんには、今まで何回か『インタビューさせて下さい』ってオファーしてるんですよね。でもOKはして貰えなかったじゃないですか」
「確かに、そうですね」
「今回受けていただく事になったのって、なんか心境の変化とかあったんですか?」
「ンー。なんだろう……。大した理由はなくて……吹っ切れた、というのが一番近いかもしれないけど……今、自分『映像を作ってる人』として、そこで結果を出す……というのを重んじてやってきてるんですね。ちょっとそれを変えてみようかなと思ってて……」
「ふむ。なるほど……」
「例えば今って僕は動画のために『敢えて』色々隠しながらやってるんですよ。その『敢えて』をやめようって思ってるんです。……例えば今古民家の動画をやってますけど、あれも名前を出すつもりは無かったんですよね。敢えて出さない──みたいな」
「なぜ敢えて出さなかったんですか?」
「どうせウケる層もパチンコ・パチスロとは違うだろうしっていうのもあって、じゃあもう『敢えて言わない』みたいな……最近はその敢えてっていうのが、なんかカッコつけてるなって思ってきて。僕カッコつける立場じゃないし、もっと泥臭く外に発信していく──みたいなのをやってみようかなって」
「おお、泥臭く……」
「そう。泥臭く。カッコつけず……。だって『敢えて』ってアンチに向かって言う言葉だと思うんですよね。敢えてコレやってんのわからん? みたいな。言い訳になるじゃないですか。だからもう、『敢えて』はやめようって」
「……そういう風にマインドが変わったのって、なんかキッカケあるんですか?」
「パチ7の編集長と飲んでるときの会話からですね」
「うそん……!」
「いやいや、ホントにホントに。炙り寿司ってオイシイのに、一旦批判する人って多いよね、みたいな話してるときに。炙りってホントは美味いと思ってる人でも、敢えて批判するじゃないですか。なんかそっちの方がそれっぽいから、カッコつけて。……それを一回止めようって。そこからですね」
「(笑)」
「カッコつけんのヤメようぜ……敢えてっていうのヤメようぜ……。それで古民家も僕がやってるよっていうのを表に出すようにして。自分の中の価値観を変えていこうみたいな……」
「それ、いつの話ですか?」
「先々週……」
「変わりたてホヤホヤ……!」
「そう。だからこれは今そう思ってる事で、今の考えなんですね。リアルタイムの。動画だとこの考えを形にして外に出すのに時間がかかるんで、それで今自分が思ってる事を早めに外に出したいというのもあって、インタビューをお受けする事にしました。ただ、ホントにこれは今思ってる事です。後からだとまた考えが変わってるかもしれない」
「いやぁ、俺も書くのスゲー遅いですよ……」
「うん知ってる(笑) だから書いといて欲しいんですよね。いつの考えかって」
(※インタビューは5月末です!)
「わかりました。なるべく早く仕上げますね」
(※3ヶ月後になりました!)
「期待してます……!」
「さてちょっと話を巻き戻して……ないおさん、今何歳でしたっけ?」
「今37っすね。うちいく.TVが7年目です」
「ありがとうございます。……うちいくの成り立ちとか歴史って、それこそ『敢えて』出してない部分とかもあって、ユーザーさんとかリスナーさんからすると、結構フワッとしてると思うんですよね」
「そうですね。今まで出してない話とかもありますね」
「とりあえずないおさんを知る上では『うちいく』って避けては通れないんで、今回話せる範囲で結構なので、まずはどういう形で出来上がったかとかを聞いてもいいですか?」
「いやもう全然。全部大丈夫ですよ」
「あのー……。まあまあデリケートな話もあると思うんですが、大丈夫です?」
「僕は大丈夫ですよ」
「俺が大丈夫かなぁコレ……。まいっか。じゃあ順番に聞いていきますね」
「はい、よろしくお願いします……!」
うちいく.TVの成り立ちについて
▲インタビュー場所は東京事務所兼スタジオのゴダンダキチでした。
「うちいくって、そもそもどんなきっかけで誕生したんですか?」
「自分、福岡だったんですけど……。あっちでは『レバーオン』っていう番組があって、それ観てたんですよね。で……ああ、こんな感じだったら自分たちでも出来そうだね……って、それで動画を撮る事にしたんですよ。今思うとナメた小僧なんですが(笑)」
(※パチスタTV レバーオン!!……かつてRKB毎日放送で放映されていたパチンコ・パチスロ深夜番組のこと)
「当時まだ二十代か……」
「はい。で、早速作りました」
「どうでした?」
「……クッソほど面白くなかったです」
「(笑)」
「ホンットまじでねぇ……クッソ面白くなくて……。うちいくって最初は手応えもなんもなくて……。やっぱ真似事なんで……こうやって……ポーズとかとりながら『これから打って見たいと思いますッ!』とかやってたんですけど、全然ダメでした」
「よく見るオープニングだ……!」
「『頑張りマスッ!』とか言って」
「(笑)」
「最初はしょうがないんですけどね……。で、やっぱダメじゃないですか。手応えがなさ過ぎて一回動画作るのヤメてますからね」
「え、そうなんですか?」
「はい。3本目で『コレはダメだな』って思って休止しました。で、何がダメなんだろう……って考えたら、僕はその時、自分の動画を作りたいんじゃなくて、『レバーオン』を作りたかっただけだと気づいたんですよ」
「(笑)」
「制作体制を見直して仕切り直したあとのは今の『うちいく』のカラーになるんですけど、でも最初やりたかったのは『レバーオン』の方なんですね。憧れて動画を始めてるので。でもそっちはダメだった。やりたい事が成功に結びつくとは限らない。やっぱそういうモンですよね」
「ああ、結構深いなぁ……」
「ね、いいこと言うでしょう」
「(笑) では仕切り直して再スタートして……どっかのタイミングで手応えを感じたと思うんですけど、それってどの動画ですか?」
「実は休止直前に出した動画が炎上したんですよ」
「え……なんですかそれ」
「えーと……、とあるジャンルのビデオに出ておられる、kbtitさんって知ってます?」
「あー、はい。めっちゃ流行ってましたね」
「そうそう。その人をヤルヲにインタビューさせる動画なんですけども」
「急ハンドル過ぎる! レバーオン秒殺でどっか行きましたね!」
「これはもう若気の至りなんですけど、僕らもネットで流行ってるからって、軽い気持ちで弄くり回しちゃったんですよね」
「……どういう動画だったんですか」
「幻の3.5話って言われてるんですけど……kbtitさんは小学校の頃にプールでいじめられ……みたいな。結構暗い話なんですよ」
「火だるまにしてくれと言わんばかりですねぇ」
「はい、それで爆破予告が来るくらい炎上しました。ただ数字的にはそれでハネたので、最初に手応えを感じたのはどれか、というと、やっぱりその動画かもしれません。それからヤルヲのグチグチ言う所とかも一気にハネて、それで収益化できて、営業せんくてもよくなって……」
「あら。ホントすぐ売れた……。どう思いました?」
「あ……簡単やったな……って」
「(笑) ちょっと気になるんですけど、当時って今みたいに猫も杓子も撮影します撮影します……みたいな感じじゃなくて、まだ案件の方が多い時代じゃないですか。やっぱめちゃくちゃ儲かりました?」
「ああ、そうなりかけた時に、逆にうちは一切値上げをしなかったんですよ」
「あら、そうなんだ……」
「はい。一回も値上げしてないです」
「……それは一体何故です?」
「これは今でも言ってるんですけど、特に自分たちの動画なんかは絶対に売っちゃいけないんですよ。『これはいいですよ、買ってください買ってください』……って言うと、ダメになるんですよね」
「あー、分かった。動画の内容にホールが口を出してきたり……」
「そうです。そこってトレードオフじゃないですか。どっちを取るかみたいな。……うちは自由を貰う代わりに金額を上げなかったんです。最低限やりくりが出来るだけの売上を立てて……あとはどんだけ集客力が上がろうが人気になろうが、値段は据え置き。ゲンダイエージェンシーにもそういう風に言ってました」
(※ゲンダイエージェンシー……パチ7を運営する会社)
「ん? ゲンダイ? なんか関係あるんですか」
「あら。知りません? うちの動画は基本ゲンダイに扱ってもらってたんですよ」
「扱ってもらってたっていうと……。え、代理店ってことですか?」
「はい、そうです」
「うっそ! 知らなかった」
「最初編集長に会って……あれパチ7の1周年とかの時かな。二人でゲンダイの事務所行って営業さんに向けた勉強会とかしましたよ」
「ウケる! まじで……!(笑)」
(パチ7編集長:以下冒頭に編集長)「ちょっと横からごめんね。うちの会社は広告代理店だから、うちいくは商材として確かに魅力だったのね。でもそれ以前に俺がうちいくのファンだったのよ。だから協力したかったってのもあるのね。……ただ、営業の人間には『燃えカス』は扱うなって言ってたのよ。扱うなら『媚びドル』限定でって」
「『媚びドル』はアレっすよね。お金貰ってます!って公言する番組ですよね」
(編集長)「そうそう。だってうちいくは特に『燃えカス』は作品として動画を作るわけじゃん。自由にやりたいわけよ。でもホールとしては集客が目的だから、思惑が違う。そうなると間に入ってる代理店が苦しむのね。『燃えカス』を扱っちゃうとそれが目に見えてたし、何よりそれで動画がつまらなくなったら本末転倒じゃん。俺が観たいから紹介したのにさ」
「はい。だからゲンダイで燃えた事ないっすもんね。やっぱお店が怒って、何だこの動画は、消せ! みたいなのが何本かあるんですけど、あれはそういうの汲んでない代理店が扱っている時なんですよ。ほとんどゲンダイに任せてたんですけど、たまに他の代理店を使うと──あー、やっぱ分かっとらんわ……みたいな」
(編集長)「そう。たまに炎上してるのをネットで見るじゃん。あれ調べて『ああ、良かったウチじゃなくて』ってホッとしてたもんね俺(笑)」
「……うわーなんかすげー話ですけど、これ書いてもいいんですか?」
「ぜんぜん良いんじゃないですか?」
「いやぁ、これ知ってる人そんなにいないんじゃないかなぁ。5年くらいパチ7で書いとる俺が知らんし……」
「まあ、普通のファンの人にはあんまり面白い話でもないですしね……。とにかく、値上げは一切してないです。つまらんくなったら意味ないですし。だから早くに収益化に成功したっていっても、そんなにバカスカ儲かった訳ではないです。逆にホールからもっと取ってたらその分つまらんくなって、うちいくは早い段階で無くなってたかもしれんと思ってます」
「たしかに、うちいくの動画って自由さがウリみたいな所ありますもんね。なるほど、値上げしなかったか……」
「ええ。一切してない」
「へぇ……。なるほど……。えーと、パチ7の1周年の頃からゲンダイと付き合ってるということは、6年前か。うちいくが7年目なんで……最初の方は自分で営業してたんですね。その頃の苦労話とかありますか?」
「うちら最初はゲーセンで収録したんですよ。当時のパチンコ屋さんって閉鎖的で、こんな、どこの馬の骨か分からんようなヤツに撮影とかさせてもらえる雰囲気じゃなくて。それでもDM作ったりして一生懸命やってたんですけどなかなか……」
「最初からお金は取ってたんですか?」
「最初は無料です。無料なのに営業を頑張るとかちょっと意味がわからない事になってて。これは何とかしないとなと思って──だから、まずYouTuberになろうとしたことがあるんですよ」
「ほう!」
「『マッチな日々』っていうんですけど、これがまさに7年前ですね」
「7年前……。早い……!」
「当時はそれがお金になるとも思ってないしそういう時代じゃなかったので、まだ全然YouTuberとかいない時期ですよ。なんならヒカキンくらいしかいない。だから、うちらはヒカキンと同期なんです。……これ書いといてください。僕ヒカキンと同期ですって」
「(笑)」
「だからYouTubeも収益のためじゃなくて、最初はただ知名度を上げたかったんですよね。名前が知られれば撮影させてくれるホールが出てくるかもしれないし。これを自分は『回り道作戦』って呼んでます」
「なるほど……それででも撮影させてくれるホールが出たなら凄いっすよ。急がば回れですねぇ……」
「いや、ホール撮影がちゃんと出来るようになったのはまた違う縁があって……ある時福岡で飲食店を開いたんですよね。ヤルヲくんも最初そこの店長だったんですけど」
「ああ、ホバートですね」
「そう。ホバートです。そこでJCの人がお店に来てくれて、仲良くさせて頂いて」
「ん? JC? 女子中学生ですか?」
「違います、青年会議所ですね。若手社長の集い……みたいな。知らないですか?」
「青年会議所か! JCっていうんだ……。なんの略なんやろ……ジャパン……」
「いや、青年なんでジュニア……なんとかじゃなかったかな」
「とりあえずそれをJCと言うと」
「はい、言うんですよ。……それでパチンコ屋さんを経営してる人たちとコネが出来て、最初はそこの会の動画とかを受注することになって。何気にうちいくでお金を貰ったのはその辺が最初です。それで段々認められてホールを使わせて貰えるようになって──」
「そういう縁があったんだ……。当時で実際のホールで撮影……ってなかなかいないですよね」
(編集長)「いないいない。だから最初俺と会った時は既にめちゃくちゃバズってたよ。もう飛ぶ鳥を落とす勢いで──。だから最初に話を聞かせて欲しいってとき、ないおくん『30分しか時間無いんすけどいいですか』って。ちょっと斜に構えてたもんね」
「ちがうちがう。あの時はこっちも怖かったんですよ。なんか大企業とか嫌いやし俺。こいつらジャンケンしに来よると思って。俺がグーやからパー出すつもりやろ、みたいな」
「(笑)」
巣立っていったあの人の話
▲「ろくろ回した方がいいですか?」
「さて。スタートアップが軌道に乗ったところで、次ですよね。あーと……俺ちょっと、今回のインタビューで迷ってる事があって。それがヤルヲさんの事についてなんですけど、これを詳しく聞くかどうか……で、かなりインタビューの意味合いが変わってくるんですよね」
※2019年10月に社員であり演者であるヤルヲ氏が退社した。詳しく知りたい方はこちらでご確認ください。
「はい。まあ聞かれるだろうなとは思ってました」
「逆にこれ、一切触れないのも面白いかなぁとか思うんでそれもありなんですよ。そしたら俺は聞きませんし」
「いやいや、僕単純に今まで喋る機会を設けて来なかっただけなんですよ。ずっと黙ってたんで──。それはもちろん、彼の今後のこともあるし、何を言った所で言い訳がましくなっちゃうじゃないですか。実際その話を含めての出演オファーとかも結構あったんですけど、全部蹴ってたんですね」
「あら。どこから来たんですか?」
「◯◯さんとか◯◯さんとか……」
「あ、面白そう」
「ゲストを呼ぶ番組ですからね。サムネとしても強いし──たしかに、自社の番組では出来ないから、外で喋る事しか無いなとは思ってましたし、2年くらい経つんでもういいかなって。別になんも隠すこととか無いですし、全部言いますよ」
「!! じゃあもう、これは初ですか」
「初ですね」
「ウワァ……。それ俺書くのすげーなぁ……」
「(笑)」
「あのー、ヤルヲさんと連絡取ってます?」
「一回……半年くらい前かな。ツイッターのアカウントにログイン出来なくなったからどうにかしてくれって連絡来ましたね」
「(笑)」
「まだパスワードとか変えずに使ってたんだ……と思って。ちょっとびっくりしました」
「それ、どう対応したんですか」
「こっちの会社の、昔使ってた彼のメールアドレスを蘇らせて、パスワードとか再設定して使えるようにして……。ちゃんとやりましたよ全部」
「それ来た瞬間の心境ってどうだったんですか?」
「おッ……って」
「(笑)」
「で、社内に『どうする?』って。それから『もしこれ消えたらどうなるんやろ』って5秒くらい悩んだんですけど、消さないですよ流石に。残った社員も萎えますし」
「たしかに。そんな社長嫌だ(笑) で、全部やったあと、なんて返事来ました?」
「ありがとう……って」
「そりゃそうか……」
「それで終わりです。別になんかやり取りするわけでもなく」
「なんか飲み行こうぜぇみたいな」
「無い無い……!」
「なるほどなぁ……。やっぱり『うちいく.TV』って、どうしてもないおさんとヤルヲさんの二人三脚のイメージが強かったんですよね。だから、その片一方がいなくなった影響っていうのが凄い気になるんですが、どうでした?」
「影響……でいうと、丁度コロナ禍のタイミングと被るんですよね」
「あら、そんな最近ですっけ?」
「ヤルヲが退社したのが一昨年2019年の10月で、その半年後にはもう緊急事態宣言なんで……だから僕的には、世間より半年早くコロナ対策を始めてた……みたいなイメージですね」
「(笑)」
「でも実際、彼が辞める前と辞めた後辺りはホント色々あって……。ナカキンの復帰もありましたし」
「あー、そのくらいか。俺もお世話になってる『ナナテイ』の。俺ナカキンくん好きなんで一緒に仕事できて嬉しかったですね」
「社内はみんな反対でしたけどね」
「え、そうなんですか(笑)」
「はい。一発目撮った時も、ナカキンが戻ってくると思ってたのは僕だけだったし。ていうか連れ戻すつもりでしたけどね」
「そうなんだ……」
「ホントは大学の卒業式を撮りに行く予定だったんですよ。でもそれよりも早く大学を辞めそうだってなったんで、一回ヤルヲを含めて3人で飲んだんですよね。当然今後どうするって話になるんですけど、その時は『ナカキンは戻らない』って結論になったんですよ。ヤルヲも酔っ払って『そうか。じゃあうちいくの今後を見といてくれよ』って。それで終わったんですね」
「ほえー……」
「でも僕のシナリオはそうじゃなかった。だから大分に行ってもう一回撮り直したんですよアレ」
「うわ、知らなかった……。てかあれそもそもプロレスじゃないんですね」
「ガチですガチ。あの場で復帰が決まったんですよ。……多分ですけど、ヤルヲはナカキンを戻したく無かったんですよね。単純にナカキンの事を好いていないってのもあるかもしれないですけど、『一回辞めた人間が戻るのはスジが通らない』みたいな価値観を大事にする男でもあるし。ちょっとそこは本人にしかわからない。でも、少なくとも歓迎はしてなかったと思います」
「おお……その状況でナカキンくんが同じ会社に戻るとなるとやっぱハレーションみたいなのはあったんですか?」
「ハレーション……というか、さっきあしのさんが言ったように、うちいくは僕とヤルヲの二人三脚、みたいなイメージがあるんですけど、僕は社長なんでそれを拡大しようとするじゃないですか。もっと三人四脚、五脚でやっていかないといけない」
「会社ですからね。そりゃそうだ。規模を広げて社員を食わしていかんと」
「はい。だから僕はナカキンを使って『ハリツイ』をやったりするんですけど、ヤルヲとしては面白くなかった部分はあると思うんですよね。うちいくと言えば彼が出役でずっと顔だったし。当然プライドもあったと思うし。だからスタッフがナカキンの方に手間を掛けるのが嫌だったのかも知れない」
「特にナカキンは手がかかりそうですしね」
「そうですね。そういう意味ではヤルヲはもう完全に出来上がってた。こっちからやることはもう何もなくて、全部任せられる状態だったんですよ。一方でナカキンはドンドン詰めていかんと面白くならんので。こうやって道路にペッペッてツバ吐いとるだけなんでアイツ」
「(笑)」
「だから人を増やしていくと二人三脚ってムズいんすよ」
「……ぶっちゃけ、ヤルヲさんが辞めたのってナカキンくんの影響ってあります?」
「いやー、今色々ここで言ってますけど、実際はそんなには無いと思いますよ。だってもうナカキンが戻ってくる頃にはもうヤルヲの中に退社っていうのはあったハズですし、僕も薄々感じてましたからね」
「あのー……動画で辞める辞めないの話になってたじゃないですか、あの、お金の話してた時。あの時はもう固まってるって時なんですね」
「動画になってるのはもう最終局面ですからね。彼の中での腹は決まってて、その上での駆け引きとか交渉ってお互いやりたくないじゃないですか。うちいくが今後の彼の足を引っ張るっていうのは絶対に嫌だし。本来であれば応援して気持ちよく送り出してあげたいですからね。だからこっちも引き止めないし、彼も腹が決まってるから給与交渉言ってこないし……なので彼が辞めたのは、必然だったんじゃないかなと思います」
「なるほど……。『燃えカス』の最後の方の回、物悲しい感じがするんですよアレ。面白いとか興味深いとかもあるんですけど、それより見ててシンドイというか。あれふたりともよくやり切ったよなぁとおもって」
「それを言ったら、何回も観ることになる編集が一番シンドイですよ。あれをちゃんと作ったスタッフはホント凄いと思います」
「あー、たしかに。よく考えたら凄いな……」
(編集長)「そういえばさ、ないおくん前にヤルヲに他媒体との接触を絶たせてたんだよね」
「ああ。ありましたね」
(編集長)「それって『キミならもっと稼げるよ』みたいな情報をシャットアウトするためなの?」
「いや、そういう意味じゃなくて、要は他の所の価値観を混ぜ込んでほしく無かったんですよ。うちは他の媒体と違うことをやって入ってきてるから、ふざけた事ができるし自由にもできる。いわゆるライター業がやる普通の動画、みたいな感じの事は出来ないっていう前提のままでいてほしかったんですね。尖った所を失くして欲しくなかった」
「ふむ……」
「あとは単純に彼自身が人見知りっていうのもあって。他所の人と会うのって結構シンドイじゃないですか。……だから外のことは僕がやるからいい、みたいな意味なんですよ」
「役割分担か……」
「そう。役割分担なんですよ。その辺の意識が、もしかしたらしっかり共有出来てなかった部分あるかもしれないです。例えば何度か単語が出てきますけど……二人三脚って言葉は、目線が同じじゃないですか」
「そうですね。同じ方向を同じ高さで見てますね」
「そう。対等なんですよ。『燃えカス』とかでも僕とヤルヲくんは友達だ、みたいな感じでやって、同じ目線感を出してたんですけど、それって演出上の『キャラ』なんですよ」
「あ、なるほど……」
「実際は僕は会社をやってて、彼はそこの社員っていうのはもう大前提としてあるわけで、同じ目線のわけがないんですよね。あくまでキャラとか設定としての立ち位置なんで」
「えー、でも実際に仲は良かったんですよね」
「それはもちろん! 仲悪い人と何年も一緒に動画なんか作れないですよ。やってるときはホント仲良かったです。ただ、仲はいいけど決して対等の友達ではないんですよ」
「ふむ……」
「(笑) でもね、途中でスタッフがみんな年下になってきた時くらいから……なんて表現したらいいんだろう。アレはやらない、コレはイヤだ、みたいなのが増えてきて……。あれ? 俺は何だと思われるんだろう……みたいな。俺、みんながおもってるよりずっと社長なんですけどね」
「(笑)」
「まーでもなぁ。俺インタビュアーとしてバランス取っちゃいますけど、それこそ二十代の頃からずっと一緒にやってきた仲ってなると、そういう役割分担よりも人間関係の方で行っちゃうの分かる気がします」
「まー、わからんくもないんですけどね」
「俺が同じ立場だったらどうだろうなぁ……。『最近全然相手してくれんやん』って、絶対ならんとは言えないかもしれないです。立場は違えど仲はずっと良かったわけやし、楽しかったし──」
「……まあ、仲はずっとよかったですよ。ホントに」
「……ないおさんは、ヤルヲさんとの思い出って聞かれると、どのシーンを思い出しますか」
「ぱっと思いつくのは、初めて東京に出てきた時の……ピートレックマーメイドの収録ですね。ずっとファン対応で、撮影が2時間しか出来なかったんですよ。あれは……めちゃくちゃ疲れたけど楽しかったですね。収録に人が来てくれるっていうのが、九州じゃそんなになかったので、あんないっぱい来てくれて……。ふたりでめっちゃ興奮しましたね」
「ああ、楽しそうだ……」
「あと思い出ってわけじゃないですけど、僕、ヤルヲと最初に会った時からコイツは人前に出る仕事をしたら、絶対に成功するって思ってたんですね。デスクワーク出来ないしエロ動画ばっかり見てるし、会社のメールにDMMのオススメリストとかが送られてくるんですけど、それでも絶対コイツは成功するって思ってたんです」
「ええ」
「人見知りのくせにスイッチ入ったら全然物怖じせんし、ファン対応とかもバッチリじゃないですか。そういうタイプの人間だって最初から思ってたからこそ、バーの店長を任せてたんですけどね。ほらやっぱり僕のカンは外れてなかったなって。振り返るとそう思いますね」
ないおさんの「人生のターニングポイント」について
▲「毎日ターニングしています」
「あー、こうなる気はしてたんですけど、ヤルヲさんの話がかなり長くなってしまいました……。すみません。……そしたら次なんですけど、ないおさんの今までのお仕事の中でのターニングポイントとかあってありますか」
「ターニングポイント……。全部かもしれん」
「全部……」
「だって一杯ないですか?」
「まー、人生は選択の連続ですって。ウィリアム・シェイクスピアも言ってるんで、めっちゃあると思います」
「ですよね。その選択の結果今の俺があるんで……。選択疲れもあるんですよ?」
「(笑)」
「選択が多すぎて。あのー、大枠は決めるんですよ。その中で細かい選択はもう任せちゃう。いいよもうやっといてって(笑)」
「じゃあ、その中で、デカいヤツに限りましょう。デカかったターニングポイント」
「えー、なんだろ。考えたこともないなぁ……。今かもしれん。この質問に答えるかどうか」
「(笑)」
「真面目にいうと、やっぱこないだの……編集長と飲んでる時に決めた『敢えてをヤメる』というのも、ひとつのターニングポイントですよね」
「ああ確かに。今後はもう炙り寿司でいくと」
「そう、炙っていく。だから今までだったら絶対無いんですけど、僕がやってる『cafe&barHOBET』っていうお店の紹介もしたいし、YouTubeチャンネルの『素人田舎暮らし-Base2JO』っていうチャンネルもアピールしたいんですよね」
「敢えてやってなかったですからね」
「そう。ネット上ではもうさんざんバレてるんですよ? でも自分からは敢えて言うって事をしてなかったんですよ。それを変えるっていうのはターニングポイントですよね?」
「確かに。じゃあちょっとそれに乗っかって聞いていいですか? 田舎暮らしの方なんですけど、あれってその名の通り、田舎の一軒家を買って、周りをどんどん開拓……というか、作っていってるじゃないですか。あれ、最終的に一般貸ししたりとかするんですか?」
「それはやらないです。ただ、僕の事を個人的に知ってれば、借りれます」
「『また友』とかいけます? 例えば俺の友達なんですけど紹介していいっすか、みたいな」
「全然全然。それは大丈夫です。僕に繋げればいいですよ。でも向こうに問い合わせても無理です。同じくああいうのをやりたいんで一緒に……とかそういうのも、向こうで直接は対応してないです。僕に言えば考えます」
「あー、なるほど」
「向こうって誰が誰っていう個性とかも出してないし窓口もないんで。担当とかもいないんですよ。誰が誰っていうのは僕しか現状把握してないので、僕に言ってくれれば、ああいいよ貸すよ、みたいな、そういう展開も考えてます」
「ゴタンダキチも一緒な感じですか?」
「あれも一緒っすね。僕にとってはホバートも含めて遊び場が3つある感じなんですよ。僕も顔を出しますし、僕のことを知ってる人が遊びに来てたら、やっぱり声を掛けて欲しいですよね。なんかみんな、ないおは声をかけたらダメ……みたいな事を思ってるみたいですけど、全然そんな事ないです。忙しい時はそりゃありますけど、基本的に同じことを共有できる仲間は好きなんで、全然構わないですけどね」
「あー、そういう事をいうとホント、ガンガン突撃する人いますよ。うちいく入れてください、みたいな」
「(笑) そういう、しょうもないDMとかはもういいですよ」
「ああでも、こういう話って表に出すタイプじゃないと思ってたんで、そうか、敢えてをヤメるってそういうことか……」
「でしょ? だからこの選択をしたんですよ。ああもうターニングポイントじゃないですか」
「(笑)」
うちいくの現状と今後
「さて、最後にうちいく.TVの現状と今後についてお聞きしたいんですけども、まだ時間大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ!」
「今のうちいくってどうです?」
「今はってわけじゃないですけど、うちはスタッフが凄いです。ヤルヲの動画も、あのテイストを作ってくれた『さむし』っていう編集がいるんですけど、俺とかヤルヲがやってる事を、ほんと3倍くらいにして返してくるんですよ。だからもう毎回動画を見るのが楽しみで。ワクワクして待ってました」
「うわぁ、それ最高ですねぇ!」
「最高です。それで『ハリツイ』とか『クズ恩』もなんですけど、あれはもう一つ若手の天才がやってて、僕はもっとガチ目の番組になると思ってたんですね。ところが出てきたものがナカキンの内情に寄せて……」
「あーわかる。ドキュメンタリーっぽいですよね」
「そうなんですそうなんです。あの組み合わせがハネた要因だと思うんで──」
「そういうのって、制作に丸投げなんですか。こういう感じで……とかイメージを伝えたり……」
「いやもう丸投げです」
(編集長)「ちゃんと仕事せーや……!」
「いやいや、敢えてです。敢えて言わない」
「ついさっき『敢えてはヤメる』って言ってましたよ」
「たしかに(笑) いや、あの動画の場合はもう僕が口出す余地がないんですよ。逆にクオリティ下がるから。ただ言ったのは、クオリティは落としたくないから週に一回にしようって」
「それって、会社としては大丈夫なペースなんですか?」
「ダメです。会社としては週に2本のペースはマストなんですけど、それでもあれはクオリティを落としたらダメなシリーズなんで、営業にも週に1本のペースっていうのを指示してます。あるんですよ仕事。でもそれをセーブして……その代わりクオリティを維持してくれって。……ね? 仕事してるでしょ。これがプロデユーサーの手腕ですよ」
編集長「うるせーよ(笑)」
「いま社員数って何人ですか?」
「11人ですね。東京と福岡に営業所があります」
「11人はデカイなぁ……。事業として結構成功してますよね」
「僕は成功してないと思ってます」
「そうなんですか?」
「赤字だから?」
「あー、なるほど」
「黒字化しようと思ったらぜんぜんイケるんですけど、どうしても面白い事に振っちゃうんですよ。例えばゲンダイさんから割のいい仕事とかが来たとしても、面白くなさそうだったら受けないですし」
「あ、じゃあ究極の選択として、どうしても社員を食わす為につまんなそうな仕事を受けないといけないぞ……ってなったとしたらどうしますか。例えばゲンダイから」
(編集長)「なんでゲンダイなんだよ……」
「んー。受けないですね。銀行から借ります」
(編集長)「えー、そんな借りられる?」
「な……! 本気出したら億いけるわ!」
「えー、でもお金借りてまで仕事を断るんだ……」
「はい。普通にありますよ。数百万の案件とか普通断ってます。これはもうポリシーみたいな感じなんですよね。今までそうやってきたし、お金より優先してきたことっていうのを大事にしたいです。社員もそんな感じの空気ですからね」
「たしかに。何度かお邪魔したりしてますが、すごい明るいですよね。なんだろう……社長に対してあんなにシモネタばっかブチかます会社って初めてみましたもん」
「まー、色々欠如したやつばっかりなんで……」
「社員さんになんか言いたいことってあります?」
「まず風呂には入って欲しいですね」
「入らないんだ……」
「……激務でもないのに」
「激務でもないのに入らないんだ……!」
「まーでも福岡と五反田でちょっと違うんですよね。福岡は制作なんでちゃんとしてるんですよ。五反田はダメっす。全然風呂入らない……。もしかしたらナカキンがなんか悪い影響を与えてるんじゃないかって説もありますけどね」
「(笑) それではですね、ちょっと今後について聞きたいんですけども……目標とか。なんかあります?」
「僕はもうドンドン新しい事にシフトしていきたいと思ってて、パチンコをやらない人に見せるようなものをやりたいって……これはもうずっと言ってるんですけど、もちろん昔から見てくださっているファンの人をないがしろにするんじゃなくて、そっちはそっちで大事にしていきたいんですけど、それにプラスしてまた新しい層を開拓したいって思ってて──」
「あー、分かる。うちいくさんの番組って、パチンコ・パチスロファンに向けた、パチンコ・パチスロじゃない番組……みたいなイメージがあるんですよ。だから地上波のどっかの枠を買って、なんか番組作ったらいいのにって……」
「それあったんですよ。枠があるから買わないかって」
「うお! やったんですか?」
「いや、地上波なんか制約が多いからやだわって言って断ったんですよ」
「あれまあ……」
「まだヤルヲがいる時にね。まあ、今思えばやればよかったっすねぇ(笑)」
「(笑)」
「あと、ほんとは僕が一番やりたいのはお祭りなんですよ。福岡に西新ってところがあるんですけど、そこのパチンコ屋さんが一斉に『西新祭り』って銘打ってワーッてやる時期があったんですよ」
「へー、そんなんあるんだ……」
「あるんですよ。あれって凄いよくて、だって商店街も盛り上がるし、たかがパチンコですけど、それで休憩中にメシを食う人もいるし、勝って買い物して帰る人もいるし、地域が活性化するんですよね。あれが凄いやりたくて……。例えば五反田祭りでもいいですし──その日はみんな五反田にくればいいじゃないですか。なんか副産物も生まれますよね。そういう祭りをやってみたいですよねぇ」
「あー、分かるかも。自分『ハイサイ探偵団』っていうグループが好きなんですけど、彼らって沖縄を舞台にしたYouTuberで、よく離島の祭りとかに参加するんですよね。そうするとファンの人がその祭りにバーッと集まるんですよ」
「そうそう。そういうことです」
「そんでTシャツとか売って、その売上を全額自治体に寄付したりとか。あれ凄い活動だなと思って」
「ホントそれです。ナカキンが行った『サロマ湖』もそうですし『素人田舎暮らし-Base2JO』も、動画を見た人がそういう所に実際に足を運んで『良かった』とか『美味しかった』とかをまたSNSなりでアウトプットして、それを見た人がまた行って──日本にはステキなところが沢山あるんだな……って」
「(笑)」
「ホント、大事な事ですよ。コロナでね。こんな大変な時だからこそ、地方はいいよって。盛り上げていかないと……。いけ団地の実家の服屋も盛り上げんといかんし」
「彼の実家、佐世保ですからね。俺の実家めっちゃ近所ですもん」
「そうそう(笑) そんな事あります?」
「あんまり感動して俺、いけ団地さんのシール、パソコンに貼ってますからね」
「いやいいですよ貼らなくてぶっ壊れますよパソコン……」
「(笑) では流石に長くなりすぎなんで──最後にいいですか? ファンの方に一言お願いします!」
「えー……なんだろ……。今後もがんばりますので、ホバートでも田舎暮らしでもゴタンダキチでも、見かけたら気軽に声を掛けてください……! みたいな感じですかね」
「山賊って言われてますけど、実際怖くないですもんね、ないおさん」
「そういう所で会う人は基本的に仲間なんでね。しょうもないのはダメですよ? でも同じ、楽しい時間を共有できる人には、そんな別に……山賊みたいな事しないです」
「(笑) はい、以上です! ありがとうございます!」
「いえいえ。とんでもない。こちらこそ……!」
▲ゴタンダキチの風呂入らない仲間たち
ないおさんへのインタビューまとめ!
氏とは何度か一緒に遊んだり飲んだりしたことがあるけど、その度に思うのはいい意味で「飄々としているなぁ」という事。肩に余計な力を込めず、ありのままでありつづけるその姿は今回のインタビューでも同様で、最初から最後まで氏らしい飄々としたものであった。
インタビュー中で出てきた話の中では強く感じたのは「やりたい事」に対して氏が持つポリシーだ。往々にして人生では「やりたい事」がイコール「やれる事」じゃない。やりたい事しかやらない! というのは若い時分にはよくある決意表明なのだけど、社会の荒波に揉まれるうちにカドが取れて丸くなり、コロコロと転がされながら、みんな忘れてしまう。それどころか、やりたくない事を率先してやるというのが、この社会においてはひとつの美徳にすらなっており、「やりたい事の追求」は、ともするとワガママであるとか、あるいは傲慢であると捉えられてしまうのである。
したがって「やりたい事」を価値観の最上位に置きながら生き続けていくのは、これはこの社会においては不可能ではないにせよ非常に難しい事で、少なくとも筆者の知る限り、それを実現している、あるいはしようと努力を続けている人はそんなにいない。
ないお氏の言葉の端々からは、それを実現してきた人が放つ、自負のようなものを感じた次第。
もちろんそれは簡単な事じゃなくて、ともすると貧乏くじを引くこともあると思う。一方で、それをしてきたからこそ「うちいく.TV」の成功がありそして今の氏があるのだと思うと、「お金より優先してきたことを大事にしたい」という言葉が重く響く気がした。
インタビューを受けて下さったないおさん、ありがとうございました。
今回のインタビューウィズスロッターはここまで。また次回お会いしましょう。
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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