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パチ7虎の穴

パチ7虎の穴

2025.04.08

【ロマンティックパチンカー】No.6 マイジャグラー攻略記

ダスト ダスト   パチ7虎の穴

1998年夏、パチンコを覚えてから2ヶ月ほどが経過したあの日のことを、今でも鮮明に覚えている。

尻ポケットに入れていたPHSが振動して着信を告げた。友人のKからだ。 どうせいいエロマンガを見つけたとか、そんな類の用件だろう。

「今、モンスター打ちに行くところ。俺の神聖な時間を邪魔すんなよ」
「そうか、ならちょうどいい」

Kの周囲の温度が上がったような気配が、電話越しに伝わってくる。

「モンスターハウスの攻略法を見つけたんだ。俺の地元まで来いよ」
「すぐに行く」

自宅近くのダメホールにママチャリで向かっていた俺は、行き先を駅へと変更した。頭上では太陽が我が物顔で空を支配しており、アスファルトを容赦ない光で照らし続けている。灼熱の空気を切り裂くように、全力でペダルを漕いだ。

数十分後、Kの待つ駅で合流した俺たちは最寄りのパチンコ屋へと移動し、モンスターハウスを並びで確保した。道中Kが言うには、飛躍的にオバケ(スーパーリーチ)の出現率を高める技を編み出したとのことだった。

打ち始めて数分でKの台にリーチがかかる。

「いいか?見てろよ…」

するとKは台の上皿、返却ボタンと貸玉ボタンの中間くらいの場所を人差し指でゴシゴシこすり始めた。オバケは出なかった。

「ちい…。今のはこすりが甘かったか…!」

彼は一体何をやっているのだろうか?

「…念のため聞くけどまさかテメー、今のが攻略法っていうんじゃねえだろうなあ?」

恐る恐るKに確認すると、奴は真っ直ぐに俺の目を見て言った。

「そうだけど、何か?」

バカと天才は紙一重と言うが、Kはまさにその紙の上を綱渡りで歩いているかのような男だった。今は大きくバカよりに傾いているが、油断ならない実力の持ち主だ。

数日前Kと街を歩いていると、奴は唐突に街灯の足の部分に頭をぶつけ、文字通りひっくり返った。その転び方があまりに見事で俺が笑い出したのはもちろん、たまたまその場に居合わせた子犬の散歩に来ていた貴婦人をも大爆笑させるという奇跡を起こしていた。

俺の台にもリーチがかかった。騙されたと思ってやってみるか…。見よう見まねで指をこすらせると、キーンという音とともに画面が白く発光し、オバケが現れた。

「なっ?」

Kはそう言って、ニヤリと笑った。

 

ガリレオがコペルニクスの地動説を証明するまで、大地は不動で太陽やその他の星々が地球を中心として回っていると考えられていた。

それと同じように当時は「オカルト攻略法」という言葉があり、コンビニに行くとドンキホーテ先生の漫画が表紙の雑誌が何冊も並んでいた(若いパチンカーの方、これ本当です)。
パチンコにリーチ目があるのなら、台をこすってオバケが出ることだってあるはずだ。そう思った俺とKだけがクレイジーだったのではない。きっと、世紀末という時代の空気が俺たちを狂わせていたのだろう。

その日、俺とKはより精度の高いこすりを開発するべくモンスターハウスを打ち続けた。Kはこの攻略法が完成したらどこかの雑誌に売りにいくと言っていた。

「もし売れたら半分やるから、その金でまたモンスター打とうぜ!」

そう言って笑うK。その瞬間、俺とKは本当の親友になった。

数時間後、俺たちの人差し指はこすりすぎで赤く腫れ上がっていた。何かに触れるだけで激痛が走る。ちっとも当たらず金銭的にもギリギリの戦いとなり、「限界」の2文字が脳裏をよぎり始めた頃、ついに攻略法が完成した。優しくこすったりトリッキーなリズムでこすったり、ありとあらゆるこすりを試したがやはり全力こすりが一番オバケを呼ぶのでは、という結論に達した。

俺の台にリーチがかかる。これが最後になっても構わない。俺は全身の力を人差し指に集中させ台をこすり始めた。

「うおおおおおおおお!あれ!?」

なんと、数字がビタ止まりしているではないか。

「ゾンビ手が出ているぞ! ゾンビ手が出ているぞ!」

Kが知性などどこかへ置き去りにしてきたように、血走った目で叫び声を上げる。そう、ついにこすりはオバケを超えプレミア中のプレミアム、ゾンビ手を召喚することに成功したのだ。その確率は10000分の1以下とも言われている。指から血が垂れていた。摩擦熱に皮膚が耐えられなかったのだろう。止まった数字は2だった。この痛みの代償が通常図柄なのは納得いかないが、俺たちは成し遂げたのだ。

まあまあの金を失ったが今日は勝ちだ。そう思った俺たちは単発当たり分の出玉を流し、居酒屋へ直行した。その金で飲んだ酒のうまさは格別だった。

一度火がついた俺たちのオカルト研究はとどまることをしらず、ルパンではフィアットが倒れそうになった瞬間盤面を指先で突く「ドドンパ」、源さんのクレーンリーチでは当たり図柄が地面に落ちると同時に組んだ両手を上皿に叩きつける「オーロラエクスキューション」を放つなど、新技を次々と編み出していった。

悪ノリした俺が全力でオーロラエクスキューションを放ってしまい、「反社半歩手前」といった風貌のワイルドな店員さんにガン詰めされたのも、今となってはいい思い出だ。ホール通いが一番楽しかったのは、この頃だったのかもしれない。

マシンがつまらなくなったのではない。サクラ大戦やデビルマンに絶望していたのはほんの一瞬で、ゲーム性に関していえば5号機は4号機を確実に超えたし、現在に至るまで日々進化を続けている。パチスロのシステム構築や開発に携わっている方々は本当に優秀だ。彼らが本気を出せば地球を取り巻く様々な問題、例えば海面を10cm下げるくらいのことはできそうな気がする。パチスロメーカーに就職して頂き、感謝の念に堪えない。

問題は俺にある。

かつて偉大なシンガーが「頭からっぽのほうが、夢詰め込める」と歌った。まさに、と思う。パチンコはチャッカー入賞時、パチスロはレバーを叩いた瞬間に大当たり抽選をしていると知った時から、悪い意味で俺は変わった。雑誌に載っている数値のみを頼りに立ち回る、探究心のないつまらない男に成り下がってしまったのだ。

ロマンティックパチンカーが聞いて呆れる。


 

出来ることであれば我が脳内からその部分に関する記憶を抜き取りたいところだが、それが叶わぬならばと今回対戦相手に選んだのが、「マイジャグラーV」だ。

ジャグラーシリーズほどオカルトが通用するパチスロはない。マイオカルトを頼りに立ち回ればあの頃の自分を取り戻せるかもしれない、そう思ったのだ。

さて、ジャグラーと対峙する際、俺が重要視しているのは以下の2点のみである。

①朝イチのベル確率
②2連続ではまらない

朝イチ悪かった小役確率が後に盛り返したという経験はほとんどない。立ち上がりには大量のブドウによるロケットスタートが必須である。朝からやる気のない、低血圧のジャグラーに用はない。

また、一日打っていればハマりはつきものだ。どんな台であれ一度や二度、辛い時間を乗り越えねばならない。問題はその後の挙動だ。本当に勝てる台というのは連続でハマることはないし、ハマったあとは必ず連チャンする。お説教をしたあとには必ず抱きしめてくれる、優しいおばあちゃんのような台こそ真の優秀台なのだ。

つまり狙うは「高血圧のおばあちゃん」、そんなジャグラーだ。オカルトと呼ぶには少々現実的な部分も垣間見えるが、俺とて家族を持つ身であり金をドブに捨てることはできない。目指すは「谷村ひとし先生の頭脳を持ったガリぞうさん」のようなスロッターだ。

それらを踏まえつつ、以下のデータをご覧頂きたい。

 

開店するやいなや、足早にマイジャグのシマへと向かった。ほとんどの客はバイオやスマスロに流れており、ライバルは推定60オーバーの男女が1人ずついるだけだ。これならば45台あるマイジャグのシマを自由に泳ぎ回ることができる。

1台目、わずか44回転でBIGを仕留めるもあっさり呑まれる。ブドウ確率は1/6でこれは即リリース。
2台目も投資1K15回転でREG、その後小気味良い連を決めるも400ハマりコインは呑まれた。ボーナス合算はさほど悪くなかったが、またもブドウが1/6以下、マイオカルトにそぐわずこれもリリース。

「お前のようなババアがいるか」

そう吐き捨ててたどり着いた3台目、ついに本物を予感させる挙動を示す台と出会った。投資2Kから5連、少々ハマった後にまた連チャン、まさに理想的な展開だ。ブドウも1/5と文句のつけどころがない。その後、857回転と心をえぐり取られそうなハマりをくらうも、依然として好調なブドウ確率が俺を支え続けた。

ところでジャグラーBIGの「タッタラタッタータラタラタッタラタッタータララー」というあの曲、俺の耳には「おっまえにーだかれてたあーいつがーいまここにー(お前に抱かれてたあいつが今ここに)」という歌詞付きで飛び込んでくるのだが、皆様にはどう聴こえているのだろうか。

そんなことを考えながら打ち続けること5時間、収穫したブドウが丁度500個となったところで確率を弾き出してみた。

1/5.852…!

だいぶ、落ちている。

はまり後の連チャンも朝ほどではなく、特にREGが弱い。

俺は確信した。この台はおばあちゃんほど優しくはない。つまり、おばあちゃんを装ったお母さんだ…!

ボーナス確率とこれまでの挙動を加味した予想設定は4。辺りにはスマスロで討ち死にした亡霊や落武者がせめて一矢報いようとマイジャグのシマを徘徊しており、もはや移動がままならない状況だった。

今日の飲み代は充分に稼いだな。そう判断した俺はメダルを流し、本日の戦いに終止符を打った。

以下結果である。

総投資6K
回収 646枚(46枚貸し)
プラス8K

カードの精算を終え、札を財布にしまおうとポケットに手を突っ込むと指に激痛が走った。見ると、人差し指の第一関節部分がパックリと割れていた。

乾燥肌ゆえ冬の時期は常に手荒れしており、ハンドクリームを塗るなど入念なケアはしていたのだが、3000を超えるレバーオンに皮膚が耐え切れなかったのだろう。そういえば、あの時も人差し指をケガしたっけな…。苦笑いした瞬間その痛みが呼び水となり、頭の中に当時の記憶が溢れ出した。

「俺の生き様見せたらあ!」

制止を振り切りKが最後の千円札をコインサンドに投入した。

給料日を翌日に控え、有り金ノリ打ち勝負をした俺たちだがやはり奇跡は起こらず、夕方には肩を落として退店することになった。

「テメー、どうすんだよ。金もねえし、俺はどうやって帰るんだよ!」
「まあ、今日は俺の家に泊まれよ。明日給料入ったらリベンジ行こうぜ。とりあえずアルゼ王国でもやってこのリビドーをおさめんべ」
「てか、そのアルゼ王国売って、現金機でもうひと勝負ってのはどーよ?」

Kは立ち止まり、穴があくほど俺の顔を見つめた。

「オメー、とんだ天才かよ!まだ諦めるにゃ早すぎたな!」

そして、奇声を上げながら走り出した。俺も叫びながら後を追う。いつしか俺たちの声は大爆笑となり、オレンジ色の空に吸い込まれていった。

初めてホールに足を踏み入れたとき、隣にKがいた。勝った時も負けた時も、大負けして野宿したときも、死ぬほど負けて武富士の扉を叩いたときも、Kと笑いながら乗り越えてきた。永遠に続くと思っていた日常が終わりを告げたとき、それがかけがえのないものだったことに気づく。
過去に戻りたくて思い出をかき集めてみても、指の間からすり抜けていくだけだ。

やっと気がついた。オカルト云々は関係ない。あの頃のように楽しくないのは、隣にKがいないからだ。久々に奴の声が聴きたくなった。近いうちに電話してみよう。

距離は離れていても、酒を飲みながら昔話でもすれば、その晩だけはあの頃に戻れるかもしれない。

 

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ダスト
代表作:ロマンティックパチンカー

ルパンでパチンコを覚え、アステカでパチスロを覚え、ミリオンゴッドでギャンブルを覚えました。子供が生まれた時に一旦現役から退きましたが、先日7年ぶりにパチンコ屋に行き、再び悪い心に火がつきました。リハビリ感覚で、ハネモノ、遊パチから始めようと思います。
プレイスタイルはロマン打ち、愛があれば確率なんて超越できると信じています。嫌いな言葉は下ブレです。

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