たまにはちょいと危険な話リターンズ　裏基盤殲滅編⑥　（最後）

辻井喬さんの講演を聞いた時に、何かが大きくなった時に必ず生じる歪みや澱みの話を今でも印象的に覚えている。その【器】がどれほどまでに大きくとも、また小さくとも、必ずそれは生まれる。広がっていくというのはそうゆうものなのだ。

パチンコパチスロの、最も身近で最も陰に隠れた歪み。それがゴト行為。今回を持って一度完結。通して読んでくれた方がいれば感謝以外の言葉なしです。ありがとう。



事はあれから僕ら下っぱの与り知らぬ位置まで動いてしまった。ほんの少し時間が経過しただけで無かった事になったんじゃないかと疑うくらいに。現場でもあの人達の話をすることはほとんど無くなったそうだ。そりゃそうだ。大体の事実はどこからともなく漏れるんだから。


実際、どれくらいの損害が出たか。これに関しての報告を纏めている最中ウンザリを通り越して目を瞑りたくなるほどの金額が試算された。具体的に言えば4000万円を超えるお金がゴト行為にて引っ張られていた計算になった。4000万・・・人生のちょっとが十分に過ごせるお金。

僕はといえば完全にこの仕事に嫌気が差しなんて事もなく、淡々と業務を進め、人をホールを観察し続けた。当時いくらか大人しかったパチスロ界隈。規制された出玉で犯すリスクはまだ小さい物で、せいぜいクレジットを風力で跳ね上げるピエロに手を焼いていたくらい。4号機が消えて、今思えば一時の静けさがあったんだろう。




だから狙われたのか。




5号機初期から少し経っての、あの頃。当時ホールに居た人であれば誰しもが知る名機。この名機に入ったゴトを持って、僕はホール関係者の肩書きを捨てることになる。ここにも多数のホール関係者がいらっしゃると思うし、その全国的な被害状況を考えればあの機種かとすぐに理解してもらえると思う。それに関してはまたここで書けたらと思います。



なんにせよたまにはいいんじゃねぇのって話が続きすぎたので、今回で一度終わり。僕の自由帳にしてはいくらかでも読まれたシリーズだったので、ゴトって言葉に興味のある人はいると思う。でもこれだけは改めて覚えておいて下さい。


忠告の先にある罰は、貴方の人生を簡単に終わらせます。

9