◯◯とパチスロの奇妙な因果関係 『せ』

今回のお題はガラムさんからいただいた「センチメンタルバス」。




39度のとろけそうな日、冷房の効いたホール
insert medal play game せーので回り出す





今年も、夏がやってくる。照りつける太陽、滴る汗、迸る情熱、湧き上がる入道雲、焼けた小麦色の肌、生足魅惑のマーメイド、yo say。全てが愛おしい。法と倫理と社会通念が許すのであれば今すぐに短パンで踊り出したいくらいだ。




休みの日には風通しの良いリビングに寝そべってのんびりすることにしよう。冷えたビールに枝豆、気だるいように首を振る扇風機、煙草と蚊取り線香に火を点けたら準備は完了だ。テレビのスイッチを入れ、チャンネルを1番に合わせる。夏の風物詩、甲子園の熱闘を心ゆくまで楽しもう。




今ではリールを止める瞬間ぐらいにしか熱くなれない俺にも、白球の行方に全身全霊を賭けた時代があった。寝ても覚めても野球一色、正に生活の根幹が野球だった。必然的に愛読する漫画も野球物が多くなる。「MAJOR」に胸を熱くし、「ドカベン」に心震わせる。「おおきく振りかぶって」を読んではメントレを始め、「巨人の星」を心の聖書とする、どうしようもない野球少年だった。




「巨人の星」と言えばアニメのOPも印象深い。カキーン、ダッダッダッ、ズザァーッというプレイの音からお馴染みのイントロへ雪崩れ込む。聴くだけで胸がじわりと熱くなる、名曲だ。この特徴的な効果音を引用しているのが、センチメンタル・バスの「Sunny Day Sunday」だ。長い上に意味の無い前置きを経て、漸く本題に入る。





センチメンタル・バスは1998年にデビューした音楽ユニットだ。伸び伸びとしたボーカルが特徴的で、様々なCMでタイアップされた。活動期間は2年と短く、解散の理由は2人の不仲であるとされている。





一見パチスロと何の関わりも無い様なアーティストだが、実に驚くべき接点が存在していた。そのヒントはセンチメンタル・バスが発表したシングルに隠されている。センチメンタル・バスのシングルは
「よわむしのぬけがら」
「だんしじょし」
「アヒル」
「Sunny Day Sunday」
「WEED CROWN / サイクリングビート330」
「マニアック問題」
「Summer Time Kids Story」
の７枚。




長雨も上がり気持ちの良い「Sunny Day Sunday」、パチスロ屋に向かう。新台を打つ前は何時も心がときめく。宛らあの一夏の思い出「Summer Time Kids Story」の様に。新台の予習はバッチリだ。しかし往々にして、パチスロとは知れば知るほど引けなくなるジレンマを抱えた代物だ。これを「マニアック問題」と名付けよう。無事に台を取れたらブン回す。パチスロの楽しさは「だんしじょし」を、老い若いを問わない。興奮を全身に駆け巡らす準備は出来ている。にも関わらず煮え切らない展開が続く。有って４…下手をすれば２。１の可能性だって十二分にある。不安は募り、遂には歩みを止める。楽しみにしていた初打ちをヘタレ止めという結果にした俺は正に「よわむしのぬけがら」だ。開店から８時間打った結果は差枚プラス１００枚ちょっと。腰抜けには相応しい「WEED CROWN」だ。フラフラになりながら何時ものあの台へ。愉快で多彩なオマージュ告知、下パネルにはでっかい「アヒル」、みんな大好き「コクッチーマスターズ」だ。





たった７枚のシングルに、一人のスロッターの悲喜交々な一日が詰め込まれている。共感を通り越して恐怖を覚える。




今年の夏は久々にセンチメンタル・バスを聴き直してみよう。どうしようもなくウズウズしてきたら家から飛び出してパチンコ屋に行けばいい。淡い期待を裏切られ、最後は項垂れながらコクッチーを打つ羽目になっても、それもそれで良し。きっと最高のSunny Day Sundayだ。


























相も変わらずお題募集中です。お題を下さった方にこの夏、ゲームの行方より気になる君が現れる様願っております。次回は「そ」から始まる言葉で。

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