- パチセブントップ
- コミュニティ
- パチ7自由帳トップ|ブログコミュニティ
- コラム(ブログ)詳細
創作漫画なんて「俺が考える歴代最強の打順」を作れるなら出来るよって話(その4)
創作漫画なんて「俺が考える歴代最強の打順」を作れるなら出来るよって話(その4)
-
伊藤ひずみさん
伊藤ひずみと申します。 絵やマンガを描くのが好きです。 お題帳よろしくお願いいたします。 - 投稿日:2018/09/27 21:44
その1→ http://pachiseven.jp/columns/column_detail/14567#contents
その2→ http://pachiseven.jp/columns/column_detail/14607#contents
その3→ https://pachiseven.jp/columns/column_detail/14658#contents
【前回のあらすじ】
・創作漫画は歴代選手で理想のチームを作るのと一緒。
・その前に何のスポーツのチームか決める=ジャンルを決める。
・ジャンルは二つを組み合わせると新しいものができる。
・「〇〇なのに××」というフォーマットはキャッチーになりやすい。
・まずは主人公を作る。
・主人公は歴代最強主人公から要素を抜いて再構成してあげる。
【主人公、障害、ご褒美があれば漫画はできる】
ということで、だいぶ間が空いてしまいましたが創作漫画話のラストです。
前回は「主人公、障害、ご褒美」を作ってあげれば漫画はできる。そして、主人公は歴代最強主人公から要素を抜いて再構成しよう、というお話をさせていただきました。
それでは障害、ご褒美はどのようにして作っていくのでしょうか?
【ご褒美を考える】
まずはご褒美。漫画の主人公は様々な目的を持っています。世界平和、チャンピオン、優勝、強くなりたい、故郷に帰る…などなど。
これはひっくり返せば「今はそれを持っていない」ことを表わしています。
世界平和を実現する→今は平和ではない。
チャンピオンになりたい→今はチャンピオンではない
強くなりたい→今は弱い
故郷に帰りたい→今は故郷ではないところにいる
この「今は持っていない。だからその状態をどうにかしたい。」というのが物語の基本構造だと認識してください。この「これがなくて不幸せ。手に入れて幸せに」という構造を意識的に作る必要があるのです。
しかし、この「ご褒美が何か」を主人公が自覚している必要はありません。出世のために仕事ばかり。周りの人々をないがしろにしたきたせいで孤独な主人公。しかし、突然引き取ることになった小さな子供との触れ合いにより、自分が人の温もりを忘れていたことに気付く…という物語があったとします。
このとき主人公の目標は「出世」です。しかし物語における「ご褒美」は「人の温もり」だったわけです。このように主人公が自覚している「目標」と物語における「真の目標」とはズレがある可能性もあるのでご注意ください。
そして「ご褒美」作る際にもっとも大事なことは「落差」をつけることです。目標と主人公は遠ければ遠いほどドラマチックになります。ボクシング漫画で、世界ランク上位の選手がチャンピオンになるより、クラスのいじめられっ子がチャンピオンになる方がよりドラマチックでしょう?
むろん、これは物語の長さにもよります。32Pでいじめられっ子がチャンピオンになるまでを描き切るにはページ数が足りません。この場合は「全勢期を過ぎて一度引退したプロ」くらいがよいかもしれません。様々な制限があるにしろ、その中で「出来得る限り落差をつけてあげる」という意識を持つことが物語をよりエキサイティングにします。
【障害を考える】
障害も同じように「落差」を考えます。障害は強大なら強大なほどいいです。絶対無敵のチャンピオン、文武両道イケメンの恋敵…読者さんが「いやいや、これは無理だろ」と思う相手(障害)ほど打ち勝ったときの感動が大きいです。
この場合のコツは、設定や序盤を作っている段階では、作者自身も「勝つの無理かも」と思う状態にすることだと思います。「絶対に勝てない」という状態を作ってあげた上で、主人公と一緒にどうやって勝つのか悩み抜く。こうしないと「強そうなのに間抜けな弱点がある敵」、「ご都合主義的に突破できてしまう障害」ができあがってしまいます。障害はとにかく考え得る限り強大に。これが大事です。
【主人公以外の要素】
このように主人公、障害、ご褒美と考えていくと、その他に必要なもの、つまり主人公以外のポジションが見えてきます。弱い主人公が強くなるためには強い師匠が必要だな。あの人に好きになってもらうためには、友達の協力が不可欠…などです。ではこのポジションが必要になったときにどうするか。
そうなったらまた「最強のチームを考える」を使うのです。
今まで読んだ中で、人生の中でこのポジションで最強のキャラは誰だ?だったら、その人のこの部分を抜き取って…。あのキャラとあのキャラを組み合わせて…そうすれば、あなたにとっての考えうる限りの「最強の漫画」ができるはずです。
ね?だから創作漫画なんて「俺が考える歴代最強の打順」と同じなんですよ。
…というお話でした。
【最後に】
もちろん細かい注意点やテクニックははたくさんありますが、今回はこの辺りにしておこうと思います。4回に渡ってダラダラ書いてしまいましたが、お付き合いありがとうございました。みなさまにとって創作漫画を作るときのヒントになれば幸いです。
本当は全4回、お題帳で創作漫画を募集してる間に書き切りたかった( ;∀;)
ではでは。
4
伊藤ひずみさんの
共有する