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【回胴狂時代①】破られた封印シール
【回胴狂時代①】破られた封印シール
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貯金爆弾さん
お久しぶりです。ドリクルは金欠で引退してます(涙) - 投稿日:2021/11/22 19:17
自分がパチスロデビューした2号機・3号機時代。
人それぞれだと思うが、個人的な「パチスロ黄金時代」は、この頃だったと思う。全てが狂っていて、文字通りの無法地帯。グレーを通り越して真っ黒な、ダークサイドの世界を垣間見る。そんなスリルが、あの頃のパチ屋にはあった。
というわけで、今では考えられないような当時の出来事を、思い出すたびに投下していこうと思います。
◆ ◆ ◆ ◆
1991年。4号機が登場する1年以上前の話。
この頃、自分は近所のパチ屋「N店」がお気に入りで、よく通っていた。
N店は1年前にオープンしたばかりの優良店。連日多くの客で賑わっていた。
パチスロのラインナップは『ドリームセブンJr』『トライアンフ』『アラジンII』の3機種で、その全てがバキバキの裏。地域性にもよるが、3号機が主流だった当時はどこの店も裏モノばかりで、ノーマルを見つける方が難しい時代だった。
さて、当時のパチ屋と言えば、朝イチは当然のようにモーニング(BIGを成立させた台を、店があらかじめ数台用意しておくサービス)が仕込まれており、どの店もモーニング台の争奪戦が風物詩となっていた。
想像してみて欲しい。オープンと同時に、客が一斉にパチスロのシマへ雪崩込み、全員が千円分のコインを手に1Gずつカニ歩く。まさにカネに群がる餓鬼である。台取りのトラブルなんて日常茶飯事で、混んでる店ではそこかしこで怒号が飛び交っていた。
しかしN店の朝イチは、とある先進的なシステムを採用しており、それが個人的にN店を好きになる理由にも繋がっていた。
というのもN店の場合、パチスロ全台の電源を落とした状態でオープンする。そして客が着席し、サンドに千円札を投入した所で、店員が個別に台の電源を入れてくれるのだ。
店としては「カニ歩き防止」になるし、同時に客同士のトラブルも防げるという、まさに一石二鳥の施策であった。これによりN店の朝イチは、他の店と違って平和そのものだったと思う。
しかし、自分にとってN店の魅力は「朝が平和だから」だけでは無い。
先述した通り、朝イチ台に着席すると、目の前で店員が台を開けて電源を入れてくれる。この時は「筐体の内部」を目の前で観察できるという、貴重な瞬間だった。そして、ほんの数秒ではあるが、筐体内部を何度か観察しているうちに、気づいたことがある。それは・・・
パチスロは全機種全台、「封印シール」が切れていた。
パチンコ・パチスロ台の基板には、中身を勝手に変えないように封印シールが貼られている。しかしN店のパチスロ台は、その全てがぶった切られていたのだ。しかも、せめてカッターナイフで綺麗に切ればいいものを、まるで手で引きちぎったかのように雑に破られており、そのインパクトは絶大。まさに「この台は裏モノですよ~」と、猛アピールしているようだった。
その破られた封印シールに気づいてからは、自分はますますN店が好きになった。
オープンしたばかりの綺麗な外観とは裏腹に、その内情は真っ黒くろすけに違いない。まるで裏社会に通じるような怪しげな魅力に、自分は虜になっていた。実際、N店のパチスロは他の店よりも連チャン性が高かった。推測の域を出ないが、全国的に出回っている裏モノを、さらにカスタムしたのではないだろうか。
そんなある日のこと。
開店20分前。自分はN店の行列に並んでいた。
すると、目の前にいるチンピラ風の兄ちゃん2人が、デカい声でこんな会話を始めたのだ。
チンピラA「お前、気づいてる? この店のパチスロ台、ぜんぶ封印シールが破れてんのよ」
チンピラB「シール? なにそれ?」
チンピラA「なんだ知らねぇのかよ。普通は中のROMをシールで封印してるんだけど、この店のシールは破かれてるんだわ」
チンピラB「へぇ~、つまり?」
チンピラA「この店の台は、インチキし放題ってこと」
自分は2人の会話を、笑いをこらえながら聞いていた。シールが破れていることに気づいているのは、自分だけではなかったのだ。
すると店の横の扉から、開店準備中の店員がノボリを片手に出てきた(髪型がリーゼントなので、以下リーゼント)。そして、このリーゼントの登場により、会話は思わぬ方向に転がっていく。
チンピラA「あ、店員が出てきたから聞いてみようぜ。おーい店員の兄ちゃん、ちょっとこっち来てよ」
リーゼント「ん? なによ?」
チンピラA「この店のパチスロ台、ぜんぶ封印シールが破れてるよね? どうせインチキしてるんだろ?」
リーゼント「うははは、台の中まで見ないでよ。スケベだな~」
このリーゼント店員、いつもパチスロのシマで睨みを効かせているが、今日は妙にフランクである。まだ開店前だし、店の外だからだろうか。ちなみに当時、店員は客に対してタメグチなのが普通だった。
チンピラB「で、実際インチキしてるの?」
リーゼント「してないって。つーか、どの店も一緒だよ。封印シールなんて飾りみたいなものだし」
チンピラA「嘘つけ。シールが破れてる店なんて、見たことねぇぞ」
リーゼント「他の店は新しいシールを買って、上から貼ってるだけなの。うちの店はケチだから、買ってないだけ」
チンピラA「ぎゃはは、何だそれ」
・・・凄い話になってきた。店の外とは言え、こんなこと喋っていいのだろうか。
リーゼント「ちなみに、シールはどこから買うか知ってる? ケー〇ツなんだよね」
チンピラA「げっ、マジで?」
リーゼント「いや本当。〇〇署にアコギな奴がいてさぁ。シール1枚10万とかで売ってくれるの。うちの店長は値切ろうとして失敗したけどw」
チンピラB「ひえ~、いつの時代も、お代官様はワルよのぅ」
3人「ぎゃはははは」
・・・強く断っておくが、この会話の真偽は定かではない。
しかし若いころの自分は、この話を頭から信じ込み、改めて「パチ屋に正義など存在しない」と思ったものである。それに比べ、今のパチ屋は健全になったものだ。少なくとも、封印シールが切れてる店なんて全く見ないしね。
ちなみに余談ではあるが、件のリーゼント店員。
彼の姿を見たのは、この日が最後、、、いや最期であった。
合掌。
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貯金爆弾さんの
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このコラムへのコメント(12 件)
まさに「そこに痺れる! 憧れるゥ!」状態でしたよ。
アラ2はバージョンが多すぎてカオスでしたね。
自分がよく打ってたのは、BRとアラチャンが入り乱れて連チャンする奴でした。
変換攻略は羨ましい!
トライアンフ、雑誌には貯金と書いてあったけど、N店のはハマリが浅めで遊べたので、単純な上乗せだったと思います。
空振りは自分もしてましたねw
サ〇ーンは行ったこと無いんですよね。あの狂った空間、1度体験したかったなぁ
4号機の裏は、生息地が限られてましたよね。あ、大東音響だけは全国的かな?
どくいり きけん たべたら しぬで
って、懐かしいw
今後、剥がした時の開封済み文字を見るたびに、グリコ森永が頭に浮かびそうですよw
あのシール、職人はドライヤー片手に綺麗に剥がしますからねぇ…
さすがにリーゼントはアホすぎましたね。
彼が無事でいることを、祈るばかりです…
ドリセブとトライアンフはきつかったことしか記憶にない。
ついでにトライアンフは毎回空振りしてたなあwww
グリコ森永事件で使われるようになったシールです。
これで不正対策はバッチリ!
んなわけない。
こいつは貼るときに糊面にニベアを塗るんですよ。
クリームの粘着力と、透明感で表からは普通に貼ってあるように見えます。
検査後にカバン屋が匠の技wで綺麗に剥がして元気なROMにします。
一度だけ塗ったけど、店内から店長含めて全員が外出した場所で孤独な作業でしたね。
何かあったときに勝手にやられたと言い逃れするためです。
え?最後?え?最期?怖いんすけどw