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【回胴狂時代② 】新装で先頭に並んだ話
【回胴狂時代② 】新装で先頭に並んだ話
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貯金爆弾さん
お久しぶりです。ドリクルは金欠で引退してます(涙) - 投稿日:2021/11/29 23:03
パチスロが隆盛を極めた、2号機・3号機時代を振り返るこのコーナー。
今回のテーマは「新装開店」です。
当時の新装開店は「お祭り感」がハンパじゃなく、現在とは全く様相が異なっていた。その大まかな特徴を列挙すると・・・
・年に1~2回しかやらない一大イベントだったため、とにかく出玉の期待値が高い。特にパチスロの新装初日は、全台モーニング(※)なんてこともあった。
※BIGが成立した状態でオープンするサービス。
・新装初日は17~18時オープンが基本。2日目以降から、15時→12時と、オープン時間が早くなっていく。
・ほとんどの店に「並びのルール」が確立されておらず、加えて整理券なんてものは存在しないため、とにかくオープン時はもみくちゃになる。なだれ込む群衆によって入り口のガラスが割れたり、客が怪我をすることも珍しくなかった。ちなみにグランドオープン初日のホールで、額から血を流し、ズボンがビリビリに破れたまま、『フィーバースパークGP』を打ち続けているオッサンを見たことがある。おそらく多量分泌されたアドレナリンにより、頭がスパークしていたのだろう。
・閉店時間は出玉状況により変動し、めちゃくちゃ出た場合は2時間ほどで閉店することも。営業中に「まことに名残惜しくはございますが~」と店内アナウンスが始まると、その日の閉店時間が告げられる。このアナウンスにより、客から大ブーイングが巻き起こるのも、お祭り感に拍車をかけていた。
と、こんな感じ。当時の新装開店は、一言で言うなら「戦争」だったのだ。
特にオープン時の、入り口が開いた瞬間の群衆パワーは凄まじく、冗談抜きで死人が出てもおかしくないレベル。ハタから見ると、人間の欲望がダイレクトに開放される面白い光景だったと思う。
という訳で今回は、新装にまつわる印象深いエピソードを2つ紹介します。
・・・が、長くなりすぎたので2回に分けることにしました。
では、その1つめをどうぞ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
1990年ごろの話。
この日、自分は『スーパープラネット(3号機・山佐)』の新装ホールに並ぶことにした。18時オープンの店に40分ほど前に到着すると、まだ誰も来ていない。元々客の少ないボッタクリホールなので、新装でも競争率が低いのだ。まあ、さすがに誰もいないのは誤算だったが。
さて、自身初の新装一番乗りである。
当然のように「入り口ドアの正面」をキープし、開店を待つことに。しばらく待つと他の客がわらわらと集まりだし、開店5分前には50人ほどの群衆がひしめき合っていた。
前述したように、当時は行列のルールも整理券も無いため、客は正面入り口を中心に溜まっていくだけである。そして開店が近づくと、少しでも良い位置をキープしようと押し合いが始まり、さながら「おしくらまんじゅう」の様相を呈していく。自分も足を踏ん張り、入り口正面をキープするために必死である。
そして開店1分前。
店内のブラインドが上がり、いよいよ開店秒読みとなった。群衆による押し合いもピークに達し、自分は自動ドアに押し付けられる格好になっていた。
ドアの向こうでは、パンチパーマのいかつい店員が立ちはだかる。そう、店側にとってもドアを開けるのは危険なので、屈強な店員がその役目を果たすことが多いのだ。
そして店員は手で10センチほどドアを開け、口先だけ外に出して客に告げる。
店員「え~、今からドアを開けますが、音楽が鳴ったら入場の合図です! 音楽が鳴るまでは、絶対に入らないように!」
こう言いながらパンチの店員は、ゆっくりと両開きのドアを開けていく。自分はドアの正面にいたので、この店員と目の前で向かい合う形になった。そして店員は両手が広がる範囲までドアを開け、大の字になって立ち塞がる。
店員「まだ入っちゃダメだよ! 音楽が鳴るまでは・・・あっ!」
ここで自分の右側にいた兄ちゃんが、店員の腕の下をくぐって店内へ突入! それを見た逆側の客も腕の下から突入し、店員の両サイドから次々と客がなだれ込んでいく。
店員「おいコラっ、ダメだと言っただろ! やり直すから戻れ!」
店員が叫ぶも、もはや決壊したダムの如く、客の流れは止まらない。そして自分はと言うと、店員の真正面に立っていたことが仇となり、その場に立ち尽くしていた。まるで激流の中、中州に打ち上げられた流木のように。
自分「・・・で、入場、やり直すの?」
嵐が過ぎ去り、すっかり静かになった入り口に佇む2人。他ならぬ店員と自分である。
ダメ元で入場をやり直すか聞いてみると、それと同時に軍艦マーチが鳴り響いた。
店員「もう無理だね、こりゃ。ははは・・・」
もはや笑うしかない店員。
自分も「ですよね~」と、つられて笑った。こんなにも心が躍らない軍艦マーチは初めてだった。
こうして自分は「先頭に並んだのに、新台にあぶれる」という、スロッターにとって最大級の屈辱を味わったのである。
そしてこの日を境に、新装に気合いを入れて並ぶのはヤメようと、心に誓うのであった。
おしまい。
※次の話も新装に関するエピソードなので、早めにアップします。
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貯金爆弾さんの
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このコラムへのコメント(8 件)
ひぇ~、それは地域独自の文化ですね。土台だけってシュールすぎるw
軽トラから降ろした瞬間に群がるの。
そして、土台だけ残った花輪が店頭に。
金属バットはヤバいですね。警察と出くわしたら一発アウトですよ(笑)。
自分は全台モーニングの喧騒が忘れられないですよ…(遠い目)
新装開店はモーニングが常でしたね。宣伝カーとか今はもう見なくなりましたな‥‥
熱い時代でしたね(遠い目)
並んだ瞬間、勝った気になってましたね。まさかどん底に突き落とされるとは…(涙)
軍艦マーチ、たぎりますよね。あの頃は店員のマイクも熱かったなぁ。
新装に備え、朝刊のチラシチェックも激アツでしたw
懐かしいなあ。
とにかく軍艦マーチが流れてれば幸せの時代w