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しくじり店長・第5話
しくじり店長・第5話
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元・店長カタギリさん
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。 - 投稿日:2015/10/10 10:33
待ちに待ったグランドオープン初日。
期待と緊張で胸いっぱいの私を待っていたのは、
「竜巻旋風脚でも食らったのかな?」
と誰かに質問したくなる位にブッ壊された、
変わり果てた姿になった店長の高級国産車でした。
例えるなら待ちに待った彼女との初デート当日、
二人で浦安ネズミーランド(仮名)に行くつもりで出かけたのに、
気付いたら間違えて熱○秘宝館に着いちゃったみたいな気分でした。
しかも車の傍にはご丁寧に菊の花束まで並べて置かれておりまして、
後から来たスタッフは「出勤」ではなく「参列」といった感じの、
非常に湿っぽい雰囲気になってしまいました。
…と、
そこへやってきたのがミスター・ストーンゴーレムこと、
泣く子も気絶する恐怖のマネージャー・ツチダさんでした。
動揺している私たち新人社員をホールに集めたツチダさんは、
鬼のように険しい表情(当社比300%)で、
「お前ら、よく覚えとけ。
あんなのはパチンコ屋ではよくあることだ、
いちいちこんなことでビビッてないで開店準備に入れ!!」
と全員に喝を入れたのです。
これには私も心を打たれたと同時に、
「いやいや、
私はアンタの顔にビビッてるんですけど…」
と心の中でツッコミを入れることになりました。
結局はグランドオープン初日に警察沙汰を起こす訳にも行かず、
そのまま何事も無かったかのように開店準備に追われましたが、
後から冷静になって考えるとパチンコ店の出店にはトラブルがつきもの、
ということを肌で感じさせられた出来事でした。
そんな駐車場事件とは裏腹に、
正面入り口には開店待ちの大勢のお客さんたちで既にパニック状態。
今日まで厳しい指導をしてくれたニッタさんからも、
「カタギリ、チンタラやってたら埋めるぞ」
という夢のようなセリフ(赤カットイン)を頂戴いたしまして、
私は持ち場である「キューティーガール」のシマでスタンバイ。
次から次へと流れ込んでくるお客様の姿にビビっているうちに、
あっという間に遊技開始時刻となっていました。
「あい、
いらっさいませいらっさいませありがとうございます、
はいはい~っ、
○○番台のお母さん、やったね無制限!!
××番台のお父さんも来ちゃったね、お見事ラッキースタートォ!!
ジャンジャンバリバリ出しちゃってよね~!!」
ヒロタ店長の気合いと年季の入った煽りマイクが店内に響いて、
ハンドルを握るお客さんに気合い注入。
もちろん我ら新人社員の仕事ぶりもヒートアップ。
あちらこちらに積み上がった無数のドル箱の山・山・山。
それは正に「祭り」と呼ぶにふさわしい、
当時のグランドオープン独特の圧巻の光景でした。
余談ですがグランドオープン期間に私が担当していたシマにあった、
マルホンの「キューティーガール」という権利モノ。
この台の大当り時に初代ファミコンレベルの音質で流れる、
ユーロビートもどきの音楽が今でも脳裏にハッキリと、
アスファルトに付着したガムのように貼りついてしまったため、
マルホンと言ったらソルジャーだろ、
いやいやハネモノのファインプレーでしょ、
といったパチンコファン同士の会話の中でも私はついつい、
「マルホンはキューティーガールでしょ!?」
と言い放って場の空気を微妙なモノにしてしまいます。
そして時には、
「え、キューティバニーの間違いでしょ?」
とツッコまれたりすることもあるのですが、
「それは大ヒットしたニューギンの3回権利モノですよ、
キューティーガールはヒットしなかったマルホンの2回権利モノですね…」
という悲しくも揺るぎようのない事実を述べて、
ますます場の空気を微妙にしてしまうのでした…。
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元・店長カタギリさんの
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このコラムへのコメント(10 件)
ちょっとラップみたいな感じですよねw
たまにカラオケのイントロ部分とかで今でもやりますが、
まあまあウケます。
が、
同業者にはウザがられますw
す、すごい・・・!!貴重!!
ほんとに昭和テイストですねー!でもちゃんとリズムがあって・・・
こういうリズムって日本人は高揚しますよね。
今も暗唱できるのでしょうか。オフ会でひろさんと一緒に
やってほしいなぁ(人´∀`).☆.。.:*
私が最初にもらった煽りマイクのマニュアルには、
「四角四面の枠の中、
乱れ飛ぶのは銀の玉、
取られてたまるか金の玉、
センター役モノ集中攻撃、
かわいいあの娘も狙い打ち、
土手の柳は風まかせ、
かわいいあの娘は口まかせ、
パチンコはお客様の腕まかせでございます~」
みたいな昭和テイスト満載の文章が、
延々と4ページに渡って書いてありました。
ツチダさんに「カタギリ、これ丸暗記しろ」
と言われた翌日にカンペキに復唱したら、
「コイツ、マジで覚えてきやがったわ…」
とビックリされましたw
本当に面白いなぁ、カタギリさんの文章!
車が潰されるなんて恐ろしい時代ですけど、昔ならではのオープンのお祭り騒ぎや
煽りマイク、なんだかドキドキしますね。 ( *´艸`)
山・山・山
ホントだ、顔だわw
マルホンの戦国KIZUNAシリーズもいいコンテンツでしたね。
戦国シリーズがいろんなメーカーから出ていて、
一時期どこがどのメーカーだかわからなくて苦労しましたわw
この人ホントすごいマネージャーでしたからね…
次回もツチダさんエピソードです、
思い出すだけで震えますw
マルホンといったらKIZUNAナンデス、ユルシテクダサイ
この当時のエピソードは濃い話がとても多いので、
今後どういう話を選んで書こうか迷います、とても。
そして濃い話が多いので20年以上も前の話なのに、
鮮明に記憶に残っているんですよね。
逆に最近の話はすぐに忘れちゃうんですよね、
これって痴呆ですかねw
展開がすごすぎて、昔話を聞いてるというより
ドラマでも見ている気分になります
あと、すごく面白いのに なんだか切ない