突撃！！　チャレンジャー幸手店！！

「カタギリさぁ～ん、幸手チャレンジャー行きましょうよ～、

ここはもうね、是非とも一緒も見に行って欲しいホールなんですよぉ～」



平成28年、2月某日。

パチ７編集長、カモ原さん、そして私という、

方向性の違いでアッと言う間に解散しそうなお笑いトリオみたいなメンツで、

都内某所でお酒を飲んでおりました。


その席で、おねだり口調の編集長が放った言葉が冒頭のセリフである。

「この人、芋焼酎のお湯割りを静脈に注射しちゃったのかな…」

と、少し不安になりながらも私は概ね以下のように返答いたしました。


「…えっ！？　　幸チャレですよねっ！？

あの、パチンコ店を個人で買い取っただけじゃなくて、

自分の店の営業データを動画で公開しちゃっているという、

業界内でも話題になっている、あのホールですよね？？

てか、設置機種も含めてヤバいッスよね、いろんな意味で！！

いや～、

私も一度は行ってみたいと思ってたんスよ！！

是非是非、ご一緒させて下さいよっ！！

でも失礼な話、お客さんとか少なそうだなぁ…

オバケとか出てきちゃったらどうしよう…」


いきなり飛び出してきた、予想外のお誘い。

話題のお店に突撃できることでテンションMAX状態になった私の呟きに対して、

編集長の次なる一言は、


「いや～、

まろちゃん（まろっこ先生）と一緒に飲みたいなぁ～」


という周波数の狂ったラジオから聞こえてくるような返答だったので、

私はそこから何も言えなくなるの星屑ロンリネス。

ちなみに、その光景を見たカモ原さんの顔には、

「またか…」という文字が描かれておりました。




そして、3月某日。

4人の大人たちが、埼玉県幸手市へと向かう車中で揺られておりました。

パチ７編集長と私の他には、有名人がお二方。

まずはご存じ「うちいく．TV」でお馴染み、

豪腕プロデューサー、ないお氏。

そのご尊顔は良く言えば、キューバ革命の英雄「チェ・ゲバラ」のような、

悪く言えば、人気に陰りの見え始めたヴィジュアル系バンドのドラマーのような、

普通に言えば、新宿二丁目界隈でモテそうな感じ。

理知的な目と、ワイルドな風貌が印象的な男性です。


そして、神風銀（かみかぜぎん）さん。

有名パチンコ漫画誌で連載されている女性マンガ家さん、

というのは存じ上げておりましたが、

キチンとした形でお会いするのは今回が初めて。

お名前から想像するに、レディースの元・総長みたいな方なのかな、

日本刀とか持って来ていたらちょっと嫌だな、

などと、最初はビビっておりましたが実際はすっごくおだやかな方。

家に遊びに行ったら気軽にパンケーキを焼いてくれそうな、

でもそのパンケーキに法外な量のハチミツをかけて提供しそうな、

ふんわりとしたピンク色のオーラを漂わせた素敵な女性で安心しました。

が、

車中で銀先生が放ったセリフは、

「ねむい～」

「お腹が空いた～」

「何か寒い～」

という4歳児も顔負けの欲望ワードばかり。

事実、移動時間の約80％は気絶していらっしゃいました。

その隣で私は、

ワガママなお嬢様に振り回される中年執事のような気分になりました。

ついでに、

「昼間の動物園って、寝ている生き物ばっかりだよな…」

みたいなこともボンヤリと考えていました。



この状況を、よりわかりやすくご説明いたしますと、

運転手が、変装手段が白マスク1枚しか無いルパン三世。

助手席が、シューマイの食べ過ぎで体脂肪率が急増した次元。

後部座席には、斬鉄剣を自宅に忘れてきた痴呆気味の五右衛門と、

お宝に、ほとんど興味が無いウルトラマイペースな峰不二子。

だいたい、こんな感じッス。



そして、

スグに逮捕されちゃいそうなルパン一味、

いよいよ「幸手チャレンジャー」に突撃しました！！

有名な看板に誘われ、珍古人間たちのお出ましだ！！

店内には様々なパネルや実機、フィギア等が飾られております。
その中で私は何故この1枚を選んだのか。　その答えは風に吹かれている…

大負けした腹いせに、コチラを。　最初、巨大なTE○GAかと思った。

初代ファミコンとハドソンの「チャレンジャー」。　ナイフを投げてクジラを…
みたいな話を書こうと思ったけど誰もわかんないだろうからヤメ。　

1パチコーナーの天使ちゃん。　改心した「くず神様」みたいですな。

いわゆるひとつの白海。　　ボタン壊れると直すのメッチャ大変だった…

初代・戦国乙女。　高円寺の店で千円8回転の台を笑顔で打った、あの夏…。

神風銀先生の描かれた上杉ケンシンちゃんと、ひげ紳士。
二次元キャラとの結婚式のようで、とにかく素敵です。

手前から、ひげ紳士、えっちゃん、マスクをかぶった酒乱。
マスクの人は、えっちゃんを食べ物を見るような目で見ていた。




…はい、

大事なことは編集長が記事にまとめて下さったので、

私はユーザーでもメディアでもなく、元・業界人としての目線で、

チャーハンに軽く火を通すような気分で書いてみます。


まず、外観。

有名なパチンコの下3文字が消灯したネオンを筆頭に、

外壁の見た目などからどうしても「古臭さ」を感じさせてしまう。

逆に言うと、店内装飾にあれだけのネタ感が出せているので、

今後は外側の見た目も拘りが欲しいッスね。

と言う訳で銀先生、次回は外壁にイラストを描いてみてはいかがでしょう？

そして、100万年後に謎の壁画として出土されちゃいましょう。



次に設備。

来店時にジェットカウンターの玉詰まりが起きていたり、

私が遊技した台もシュート詰まりで賞球不良が起きたり（自分で直しましたｗ）と、

経年劣化によるトラブルは来店時に覚悟しておきましょう。

が、古い台でもセル盤の清掃がしっかりしていたのは流石。

玉の飛びが悪かったり、ボタンが壊れていたりは仕方ないにしても、

台の汚れは「店の努力」で解消できますからね。

ま、

こんなエラそうな事を書いている私は、

ホールを3軒も潰してる訳ですが…。





最後に、スタッフさん。

オーナーのひげ紳士にはまず、

「すっげえバイタリティのある人だな…」と圧倒されました。

目ヂカラはハンパないし、立ち姿勢はビシッとしているし、

張りがあって良く通る声だし、背も高い。

いつも眠そうな目で、ボソボソ喋る猫背の私とは大違い。

質問コーナーで思わず、

「ひげさんの元気の秘訣って何ですか？

ウナギを生きたまま、頭から丸かじりとかしてるんスかね？」

と聞いてみたかったのですが、ないお氏に射殺されそうなのでヤメました…。



スタッフ兼、映像編集者のPさんには最初、

「アレ、どこかでお会いしたことありませんでしたっけ？」

と言われましたが、私はサッパリ記憶になかったため、

新興宗教の勧誘、あるいはゲイなどの疑惑が持ち上がりましたが、

実際はメチャメチャ知的で、店名通りの「チャレンジャー」。

一度は業界に見切りをつけようと考えてからの、彼の再挑戦。

その物語を私が書くと、宮部みゆきの「模倣犯」ぐらいの文字量になってしまうので、

今回はヤメ。



そして、荒野に咲く一輪の花である、えっちゃん。

パチンコ・パチスロを自身で遊技しないにも関わらず、

明るい笑顔を絶やさず、ホールの清掃やメンテナンスに励むという、

平成版「おしん」のような女の子。

…うん、

全く会話をしていないから、うまいこと書けないね。

カタギリさんは初対面の女性とは、あまり上手にお話できないのです。

（浮上する素人童貞疑惑）




…はい、

いい加減やたらと長くなってしまったので、これでおしまいにしますが、

ホールが頑張っているか否かの目安って結局のところ、

「お金を使ってくれるお客様に対して、どれだけ誠実であり続けられるか」

だと思うんスよね。

お客様がホールで落としたお金によって、ホール営業が成立する。

これはもう、揺るがない事実な訳ですわ。

その事実に対して「ウチの売上や利益はこれでやっています」と、

オーナー自らが顔を晒してまで公開する、と。

これ以上の誠実さを出せるパチンコ店、他に無いですからね…。

リスクも批判も恐れない「チャレンジャー」であり続けるホール。

業界人は勿論のこと、ヘビーユーザーを自認するのであれば、

一見の価値は必ずありますよ！！




そして最後に、編集長に一言モノ申したいっ！！

帰り際に私が車を降りる寸前に放った、

「俺、カタギリさんを誘った記憶が無いんだよなぁ…」

というセリフはあんまりだと思います！！

アンタは酒を飲みながら、私のカラダを散々モテあそんだクセに、

朝になったらすっかり忘れて、タバコを吹かしちゃうタイプの遊び人かっ！？

そして私はそんなダメ男にひっかかって、

ホテルの一室で一晩中、中国雑技団のような体位を要求され続けた、

アンタにとってのリアル・ラブドールなのかっ！？



キイイイイイイッッッッッ！！

くやしいいいいっっっっっ！！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～おしまい～

29