鋭い嬢と力士と朧、これが見事につながるお話(2013→2017remix ver.)

■パチスロの話は2000文字以降になるよ

　ウユニ塩湖からこんにちはっっっ！　マスクド・モリタです(いまさっきまではしゃいでたのに突然の高山病)。

　今回は、ぼくのマッコリを大吟醸に変化させちゃう、そんな魔法のお薬を飲んでパチスロを打ったお話。

　……ゲスな話読まされると思った？　ノンノン。男の自信――そんな熱い内容になるからさ。た、たぶんねっ！


■鋭い嬢には見抜かれる

　精神の波って誰しもがあると思う。
　調子いい時期が続いてもそのうち疲れちゃうし、テンション低い状態が長すぎると鬱になる。

　ぼくはそのバランスを取るのが極端に苦手な方で、上司から「おまえは躁鬱が激しすぎて使いづれーんだよ！　このヘナチョコ社員がっっ！！！」ってもう何年も言われ続けてる。
　でもさー、これ本音で言うけど、ライターたるもの、それでいい……っていうかそっちのがいいとすら思ってんだよ。
　常に60点の原稿を書くライターと、30点のときもあるけど95点飛ばす可能性あるライターじゃどっちが魅力ある？って話でさ。
　いや、ぼくが95点の原稿書けたことがあるかどうかは別の話なんだけど。
　……うっせ！　ほっとけ！　左袖だけチョン切るぞっ！！（躁鬱）

　精神状態が悪いときにどうすればいいかってのは、ひとそれぞれやり方があるだろう。
　ぼくもいろいろ試してみたけど、やっぱり一番は根本となっている問題を見つけ、解決すること。
　でも、ほんとに調子悪いときって、原因にたどり着けるような頭の働かせ方できないんだよ。脳みそがぼやーっとしちゃってさ。

　みんなもあるでしょ？
　例えば、借金で首回らなくなってきたときどうしたらいいか考える能力が極端に減少して、気が付いたらピンク映画館で3本立て2周して半日過ぎてたりすることが。ねえ？

　じゃあどうしたらいいか。
　ぼく、辿り着いちゃったんです。

　男としての自信をつけりゃあいいんだよ！って。
　しかも、無理やり。

　いい？　くどくど言わないよ。シンプルに行くぜ。

　バイアグラ飲もう。
　カッチカチの大吟醸で女のコ喜ばすことができたら自信つく。これはもうホント間違いない。
　しかも、ちょっと粋に行こう。
「え、どうしたの、今日？　すごくない……？」
「バカだな。おまえが魅力的すぎるからだよ」
　つってね。

　え、相手がいない？
　そしたら風俗行けばいい。簡単な話だわ。
　ただ、向こうもプロだからね。鋭い嬢になると、
「ふふっ。ねえねえ、アナタ、ドーピングしてるでしょw」
　って言われるけど。


■辿り着いたのは個人輸入

　ぼくらの黒豆マッコリちゃんを純米大吟醸に変化させる魔法のお薬は、知る限り3種類ある。もちろんそのすべてを試してみた。

　それぞれどんな効用が……って件は語り出すとあまりにも長くなるんで省略するけれども、ひとつだけ書いておきたいのは、こういう薬って刺激をしない限りは通常状態なんだってこと。
　だから、あらかじめ飲んでおいていざおっぱじめるときに効果大発揮！　そして一番絞り大々放出！　そんな使い方をする。

　ちなみに、ぼくはもう日本で買ってない。
　なぜならば高けーから。

　これ、シンガポールから送られてきたやつ。
　シリアスっていう薬のジェネリックなんだけど、日本の1/10くらいで買える。
　ほかにもバイアグラのチューブタイプっていう未知の製品も注文したんだけど、すげえ楽しみにしてて先ほどようやく届いた。

　やったね！
　と思ったんだけど、「どこにチューブが？」なんてハテナマーク浮かべながら開封してみたら、これ鞭だった。
　……あ、そうだ。「SMグッズ」のコーナー見てて、なんか勢いでカートに入れちゃってたんだ。わざわざシンガポールからスケベグッズ個人輸入しちゃうとか。怖いよね、テキーラ。

　ま、そりゃ別にいいや。
　魔法のお薬もこの値段で買えるとなると、もうほんと軽い気持ちでひとにあげられる。

　去年の忘年会でウチの取締役がさ、くそみそに酔っ払いながら「もう勃たねーんだよ、この年になるとさ」ってブツブツ言ってたから、これらのお薬についてレクチャーしたところ、「なんだ、お前そんないいもん持ってんのか！　もっと早く教えろよ。てか、オレにもくれや」と。
　そしたら、もうひとりの取締役も興味津々で参加してきたから、年明けにプレゼントしたのね。
　そびえたつ富士山のポチ袋に入れて「こちら、お年賀です」つってさ。
　でも、それからいまに至るまで2人とも感想ひとつ寄越してねーんだよな。
　
　だからウチの会社、赤字経営なんだよ！


■力士と朧

　勃起薬(タイピングに疲れていよいよ直接的な表現に)が安く手に入るようになると、用途も変化する。

　いまのぼくはまったく必要ないタイミングでもちょいちょい摂取してるわけ。
　例えば、チンチロリンで負けがこんできたとき。
「チックショー！　ざっけんなよ。こうなったらシアリス食うわ」と叫びながらガリガリ食って2連続ピンゾロ出したりしてさ。
(※ここで言うチンチロリンはあくまでアミューズメントなので金銭のやり取りは発生してま……とかいちいち書くのクソめんどくせーっつーの！！！！)

　そこでハタと気がついた。
　このところパチンコパチスロでぜんぜん勝てないのは男としての自信が足りてないんじゃないかって。

　思い立ったが吉日。
　会社帰り、シアリスをフリスク感覚で口に含み、ちょうど効き始める1時間後、パチンコ屋へ突入。

　そしたら、ジャストタイミングでお相撲さんが入店しててさ、この街のパチンコ屋でこんな光景見たことないし、こりゃもうもらったな、と。
　プロの力士って男しかなれないもんだからね。

　で、お相撲さんのあとつけていったら『バジリスク～甲賀忍法帖～2』の角台打ってて、その後ろをスーッと歩いたら見つけたんだよ。
　 742ゲームハマリの台を。

　この流れで座らないヤツはアホでしょ、ってな感じであとは無事天井までハメられるかどうか。

　そしたら、尋常じゃないほどのレア小役連発。
　強チェリー7回、強MB4回、巻物は数え切れないほど出たけどそこからの開眼が1回。
　でもやっぱ大吟醸隠し持ってる男はひとあじ違った。
　そのすべてをスルーし、天井到達。

　背景も当然のように朧でさ、「バジリスクタイムです」なんて言ってるわけ。
見せてやるぜ、男の力を！！！

　そんで、デカビタC買いがてらお手洗いに突入して。
　まだ本領発揮してない大吟醸をちょっくら刺激したわけ。
　そしたらもうえらいことになった。
『毎度おさわがせします』のピロンポン♪って効果音が頭ん中で鳴って「いてててて」ってなレベル。そびえたつアングルもマジ中学生。

「よっしゃー！　これだこれだぁー！！！」と隠しもせず元の席に戻り、ART始めたら初っ端から「WILD EYES」流れるわ、瞳術チャンスでなぜか巻物から2つ乗せるわ、もうストックないでしょってタイミングなのに全然負けねーわであっという間の21連チャン。

　エンディングは観れなかった。
　でも、そりゃ当然のこと。朧はあくまで弦之介を愛してるわけでさ、ぼくも横恋慕するほど彼女に魅力感じてないんだもん。おぼこでしょ、あれ。

　さあ、今週もそそり立たせていこーっ！

出典：マスクド・モリタ「ぱちんこ　えいりあん」（スポニチアネックス、2013年10月14日）



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